「電子契約を導入したいけれど、費用がどれくらいかかるのか心配……」
「どのサービスがコスパ良くて自社に合っているか、選び方が分からない……」
上記のような方に向けて、電子契約サービスの費用の内訳や料金形態について分かりやすく解説します。また、記事の後半では、費用を重視したい企業に向けてコストパフォーマンスの良いサービスを厳選してまとめています。
一口に電子契約サービスといっても、料金やプラン、特徴はさまざまです。どのように電子契約サービスを選んで良いか分からない場合は、本記事をぜひ参考にしてください。
電子契約サービスにかかる費用相場はどのくらい?
電子契約サービスの導入費用や月額料金は、導入するサービスやプラン、利用人数によって大きく異なります。実際の費用の価格帯は幅広く、無料プランを提供しているサービスもあれば、導入に数万円以上かかるようなケースもあります。
そのため一概にはいえないものの、以下におおよその料金の目安を企業の規模別にまとめました。
企業の規模 | 料金の目安 |
---|---|
個人事業主・小規模事業者 | 0円~数千円程度 |
中小企業 | 月額数千円~20,000円程度 |
大企業 | 見積もりとなるケースが多い |
導入時には、自社に必要な機能を洗い出したうえで複数のサービスを比較し、実際の相場と照らし合わせるのがおすすめです。
また、個人や小規模事業者であれば無料プランで十分な場合もありますが、必要な機能が制限されていないかどうかチェックしておきましょう。
電子契約サービスにかかる費用の内訳
ここからは、電子契約サービスにかかる費用の内訳について解説します。サービスごとに料金形態も異なる可能性がありますが、以下では一般的な内訳についてまとめました。
費用の内訳 | 内容 |
---|---|
初期費用 | 導入時のサポートや、カスタマイズなどに必要となる費用。 |
基本料金 | サービスを利用するための基本料金。大きく分けて定額制と従量課金制の2つがある。 |
オプション料金 | より多彩な機能を利用するためにオプション料金が別途かかることがある。 |
初期費用
クラウド型の電子契約サービスを利用する場合、導入時の初期費用はかからないことが一般的です。ただし、サポート対応やシステムのカスタマイズが必要な場合、初期費用が発生することもあります。
初期費用は特に料金が変動しやすいため、事前に確認することが大切です。
基本料金
基本料金は、サービスを利用するために必要となる料金です。基本料金を毎月支払う定額制のタイプと、契約が1件発生するごとに一定額を払うタイプの2種類があります。
また、サービスによっては、定額制と従量課金制を組み合わせた料金形態のところもあります。
月額料金(定額制)
定額制のプランでは、毎月一定の金額を支払い続けることになります。メリットとしては予算管理がしやすく、使い放題のプランが多い点です。利用頻度が高い企業や、予算計画を綿密に立てたい場合におすすめです。
また、年払いにすることで割引を受けられるサービスもあるため、支払い前によく確認しておきましょう。
従量課金制
従量課金制のサービスの場合、契約が1件発生するごとに一定額を支払います。
基本料金がかからなかったり、無料であったりすることが多く、毎月の契約数が少ない企業はコストを抑えやすい点がメリット。ただし、利用頻度が高い場合はかえって割高になるリスクがあります。
毎月の想定契約数に応じて、予算をシミュレーションしてから導入するようにしましょう。
オプション料金
サービスによっては、オプション料金を設けているところもあります。例えばAPI連携や電話によるサポートサービスなど、基本機能以外の対応に追加料金がかかることがあります。
どの機能がオプションの扱いになるかは、サービスごとに異なります。そのため費用を抑えたい場合は、自社に必要な機能が標準搭載されているか、事前にしっかりと確認しましょう。
電子契約サービスの利用時は相手方にも費用が発生する?
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電子契約サービスには、事業者署名型(立会人型)と当事者署名型の2種類があります。
事業者署名型(立会人型)の場合は相手方に費用が発生することはなく、アカウント作成も不要なケースが多いです。一方、当事者署名型の場合は契約当事者全員が「電子証明書」を発行する必要があるため、電子証明書の発行費用を負担してもらう必要があります。
電子契約サービスを導入する際の費用面でのメリット
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電子契約サービスを導入する際の費用面でのメリットは以下のとおりです。
- 印紙税の削減
- 事務経費の削減
- 人的コストの削減
- 保管コストの削減
それぞれ詳しく見ていきましょう。
印紙税の削減
印紙税とは、契約書に対して課される税金のことです。
例えば、紙の契約書を使って3,000万円の請負契約を結ぶ場合、2万円の印紙を貼付しなければなりません。しかし電子契約サービスを導入すれば、印紙を貼る必要がなくなります。
頻繁に契約を結んでいる企業にとっては、大きなコストカットとなるでしょう。
※参照:国税庁|印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで
事務経費の削減
事務経費を削減できることも大きなメリットです。紙の契約書を使用する場合、担当者が相手方に直接持参したり、郵送したりしなければなりません。また、印刷代や封筒、切手、きれいなクリアファイルの用意など、他にもさまざまな諸経費が発生します。
一方、電子契約ならデータのやり取りのみで完結するため、このような費用も不要です。
人的コストの削減
電子契約の導入により、人的コストの削減も実現できます。
紙の契約書の場合、契約書を作成して署名をもらい、その後ファイルを整理・保管しなければなりません。また、誤った契約書を送ってしまった場合の再発行や、複数の関係者が署名する場合におけるスケジュール調整にも手間がかかります。
一方、電子契約サービスでは契約書の作成がテンプレート化されていることが多く、文面や必要項目の記入を自動化できます。オンラインのやり取りで署名が完了したあとは、データはクラウドに保管されるため、とてもスムーズです。
効率化によって空いたリソースを他の重要な業務に割り当てられるようになれば、企業全体の生産性も向上できるでしょう。
保管コストの削減
保管コストの削減も大きなメリットです。紙の契約書を保管するには、物理的な保管場所が必要です。契約書が増えてくると、事務所内に専用の保管庫を設置するための費用がかかることもあります。また、契約書を保管するには、ファイル整理や管理作業を定期的に行わなければならず、従業員の時間や労力もかかります。
一方、電子契約なら、契約書のデータはクラウド上で自動で保管されます。物理的な保管スペースが不要であることはもちろん、過去の契約書の検索・閲覧も簡単です。
特に、賃料の高い都市部においては、物理的な保管スペースの確保に大きなコストがかかります。電子契約の導入によりクラウドベースでの保管に切り替えることで、賃料の削減にもつながるでしょう。
費用を抑えたい企業におすすめの電子契約サービス10選
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ここからは、費用を抑えたい企業におすすめの具体的な電子契約サービスを10つまとめました。
- BtoBプラットフォーム 契約書
- 契約大臣
- eformsign
- freeeサイン
- クラウドコントラクト
- マネーフォワード クラウド契約
- サインタイム
- ベクターサイン
- GMOサイン
- Adobe Acrobat Sign
それぞれの特徴や導入メリットについて、詳しく解説していきます。
BtoBプラットフォーム 契約書
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【おすすめポイント】
・月額利用料0円のフリープランあり
・アラートやワークフローなどの充実した機能
・ブロックチェーン技術による高いセキュリティ
BtoBプラットフォーム 契約書は、フリープランが充実している電子契約サービス。月の契約数が5件、電子保管数が3件までなら0円で利用できます。ユーザー数の制限もないため、小規模な事業者であれば不便なく使えるでしょう。また、アラートやワークフロー機能も標準搭載なので、オプションにコストをかけなくても便利に使えます。
さらに、最新のブロックチェーン技術を使ったセキュリティ対策を実施していることも特徴のひとつ。
機能面を重視したい場合や、フリープランから始めて見たい場合は、同サービスを検討してみてはいかがでしょうか。
契約大臣
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【おすすめポイント】
・直感的に操作できて使いやすい
・月額2,000円台からでリーズナブルに使える
・法的根拠を残せてトラブル防止につながる
契約大臣は、リーズナブルな価格帯で利用可能な電子契約サービス。月額2,000円台から使用でき、作成から保管まで対応しています。電子署名はオプションで1件あたり220円(税込)が発生するため、実際の料金は毎月の利用件数によって変動します。
また、契約を交わした際に、いつ・誰が・何をしたかを記録してくれることもポイント。法的根拠を自動的に残せるため、万が一のトラブルが生じた場合もリスクを最小限に抑えられます。
使いやすさを重視したサービスを探している方におすすめです。
eformsign
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【おすすめポイント】
・1件110円(税込)から必要なときだけ使える
・ワークフローのカスタマイズ性が高い
・15日間の無料トライアルでじっくり試せる
eformsignは、従量課金制でコストを抑えたい企業にぴったりな電子契約サービス。毎月の契約件数が少ない場合は、特にリーズナブルに使えます。
人気のプランはチャージ型で、必要なタイミングで1件から使える柔軟性の高さが魅力。契約1件につき110円(税込)で利用できるため、「月額制だと割高になってしまう」という企業におすすめです。また、契約ごとのフローに応じて管理方法をカスタマイズできるところも大きな魅力。
トライアルを利用すれば15日間無料で利用できるため、じっくり検討してから導入したい場合はチェックしてみてください。
freeeサイン
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【おすすめポイント】
・電子契約に関わる業務をトータル支援
・事業規模に合わせて選べる多彩なプラン
・freeeシリーズとの高い連携性も魅力
freeeサインは、電子契約に関わる業務をトータルで支援してくれる電子契約サービスです。年払いの場合は割引が適用されるのが特徴で、個人事業主は1,078円・法人向けプランは6,578円からとリーズナブルに使えます。
またfreee会計をはじめ、同シリーズとの連携性の高さも大きなメリット。電子契約サービス以外でfreeeシリーズを導入している場合は、あわせて導入すると便利です。
クラウドコントラクト
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【おすすめポイント】
・コストを抑えたい中小企業・個人事業主におすすめ
・月額2,178円(税込)から使えるリーズナブルなプラン
・無料トライアルで14日間じっくり試せる
クラウドコントラクトは、コストを抑えたい企業におすすめな電子契約サービス。中小企業・個人事業主に必要な機能がすべて含まれているため、オプションを追加しなくても便利に使いこなせます。
初期費用は0円、月額2,178円(税込)とリーズナブルな価格帯も特徴で、14日間の無料トライアルも利用できます。
「各サービスのフリープランでは物足りないものの、コストを抑えて導入したい」という場合は、問い合わせてみてはいかがでしょうか。
マネーフォワード クラウド契約
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【おすすめポイント】
・紙の契約書も取り込めるので移行がスムーズ
・便利な機能が標準搭載されている
・同シリーズとの連携性が高い
マネーフォワード クラウド契約は、契約書に関わる業務を一括支援してくれる電子契約サービス。契約書の作成から締結、保存、管理にいたるまでをスムーズに、より効率化することが可能です。
ワークフロー機能などの多彩な機能が標準装備されており、マネーフォワードシリーズとの連携性が高いことも魅力です。
また、既存の契約書を紙で管理している場合もデータ化して一元管理できるようになります。「既存の契約書の電子化が大変そうで躊躇している」という場合は、同サービスを検討してみてはいかがでしょうか。
サインタイム
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【おすすめポイント】
・シンプルかつスムーズに使える
・セキュリティ対策が整っている
・ユーザーの声を積極的に反映していて使いやすい
サインタイムは、シンプルかつスムーズに使いたい方におすすめの電子契約サービス。年払いで月額8,668円(税込)から利用できます。
同サービスの特徴は、ユーザーの声を積極的に反映していること。要望を元に独自機能を開発しており、SMSでの署名依頼や印鑑登録など、かゆいところに手の届くようなサービスを実現しています。
また、送信から完了までのフローがとてもスムーズで、使いやすいサービスを求めている方にもおすすめ。サービスの導入はもちろん、ペーパーレス化について気軽に相談できる窓口もあるので、まずは問い合わせてみてはいかがでしょうか。
ベクターサイン
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【おすすめポイント】
・契約に関わるあらゆる手続きを一元化
・シンプルな操作性で迷うことなく利用できる
・既存のファイルもアップロードOK
ベクターサインは、契約に関わるあらゆる手続きを一元化できる電子契約サービス。シンプルで使いやすい操作性が魅力で、年払いの場合は5,500円(税込)からとリーズナブルに導入できます。
また、すでに契約を結んだ既存のファイルもアップロードできるため、他サービスからの移行や乗り換えもスムーズです。
同サービスでは無料トライアルも実施しているので、使い心地を確かめながらじっくり検討してみてはいかがでしょうか。
GMOサイン
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【おすすめポイント】
・スマホアプリで場所を選ばず利用できる
・カスタマーサポートが手厚い
・基本料金のみで使える機能が充実している
GMOサインは、電子契約をスモールスタートしたい企業におすすめなサービス。月額9,680円(税込)から利用でき、基本料金のみで使える機能が充実しているのが特徴です。
また、電話によるサポートにも対応しており、万が一のトラブル時にもスムーズに問い合わせが可能です。月に5件までの契約数ならフリープランも使えるため、小規模事業者でもコストを抑えて使いやすいでしょう。
また、同サービスはスマホアプリをリリースしていることも大きな特徴。場所を選ばずどこからでも操作できるため、外出や出張の多い企業にもおすすめです。
Adobe Acrobat Sign
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【おすすめポイント】
・他サービスとのシームレスな連携
・1ライセンスあたり月額1,848円(税込)から利用可能
・セキュリティ精度が高い
Adobe Acrobat Signは、Adobeが提供する電子契約サービス。Adobeの他のツールやマイクロソフト、セールスフォースなどとの連携性の高さが魅力です。
Standardプランでは、1ライセンスあたり月額1,848円(税込)から利用可能。Pro版にアップグレードすると、契約内容をWebフォーム化して電子契約を結べるようになるのが特徴です。
Adobeのサービスをよく利用している場合や、セキュリティ対策の整ったサービスを探している方は、検討してみてはいかがでしょうか。
電子契約サービスを選ぶときのポイント3つ
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電子契約サービスを選ぶときのポイントは以下のとおりです。
- 操作性の確認
- セキュリティ基準の確認
- カスタマーサポートの質と対応速度
操作性の確認
せっかく電子契約サービスを導入しても、うまく使いこなせなければ意味がありません。直感的に操作できるサービスなら、従業員もスムーズに使用できるでしょう。
サービスによっては無料のトライアル期間が設けられていたり、デモで使い心地を試せたりするものがあります。こういった機能も活用して、使いやすいサービスを見つけましょう。
セキュリティ基準の確認
電子契約サービスでは、企業の機密情報や契約内容をオンラインでやり取りすることになります。そのため、自社のセキュリティ基準に合ったサービスを選ぶことが重要です。
特に、法的効力を持つ契約書を取り交わす場合、情報漏洩や不正アクセスのリスクを最小限に抑える必要があります。検討中のサービスがどのようなセキュリティ対策を実施しているのか、暗号化やアクセス管理の方法を確認しておきましょう。
カスタマーサポートの質と対応速度
カスタマーサポートの質と対応速度も、サービス選びの大きなポイントです。特に重要な業務を扱う電子契約サービスの利用にあたっては、トラブル発生時に迅速かつ的確に対応してくれるサポート体制が欠かせません。
万が一の問題が発生した場合、電話・メール・チャットなどで、どのような対応をしてもらえるのか確認しておきましょう。また、FAQやナレッジベース、マニュアルが充実しているサービスであれば、問い合わせをせずとも自己解決できる可能性が高いです。
電子契約の導入で費用を抑えて業務効率化を実現しよう
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電子契約サービスの費用や選び方、おすすめのサービスの具体例を紹介しました。電子契約サービスの導入により、紙の書類にかかる費用や人的コストを削減できるメリットがあります。
本記事で紹介したように、コストパフォーマンスに優れた電子契約サービスはたくさんあります。自社に合った電子契約サービスを導入して、業務効率の向上とコスト削減を実現しましょう。
しかし一方で、一口に電子契約サービスといっても、サービスごとに特徴や強み、導入メリットはさまざまです。「どれを選べば良いのか分からない」といった場合は、アドバイスをもらうことも検討しましょう。
電子契約サービスの導入でお悩みの方は、以下からお気軽にお問い合わせください。