👉🏻 2025年6月16日のAIニュース:全体の傾向

  • 生成AIとAI検索の台頭によって、SEOの前提が根本から変わり始めている
  • キーワードや順位ではなく、AIが参照・引用しやすい構造や文脈をどう設計するか?
  • これからの可視性と集客を左右する鍵となる

各ニュースリンク+日本語概要

Can we get query fan-out from AI Mode?

URL:https://www.linkedin.com/posts/jeanchristophechouinard_can-we-get-query-fan-out-from-ai-mode-dan-activity-7335413390430887938-fLiQ/

翻訳概要:
AIモードが入力クエリをもとに、どのような派生クエリ(詳細化されたサブクエリ)を生成したか」の一覧を取得できるか?の実験

  • 「hotels in New York City」など9種の検索クエリが、google_searchツールを用いて実行された。
  • 検索クエリは、ホテルの総合情報、レビュー、価格帯、エリア(ミッドタウン、タイムズスクエア、金融街、グリニッジ・ヴィレッジなど)を網羅している。
  • 「luxury hotels」「budget hotels」など、宿泊価格帯に関するバリエーションも含まれている。
  • これらのクエリ結果に基づき、包括的なホテルリストと詳細情報が作成された。


ポイント:
AIが1つの問いに対してどのように情報探索を広げ、構造化しているかを明らかにしている。

❷Need a playbook for 𝗦𝗘𝗢 𝗮𝗻𝗱 𝗔𝗘𝗢 𝘀𝘂𝗰𝗰𝗲𝘀𝘀?

URL:https://www.linkedin.com/posts/eoinclancy_need-a-playbook-for-%F0%9D%97%A6%F0%9D%97%98%F0%9D%97%A2-%F0%9D%97%AE%F0%9D%97%BB%F0%9D%97%B1-%F0%9D%97%94%F0%9D%97%98%F0%9D%97%A2-activity-7336047858825011205-cgkj/

翻訳概要:
Vercelの成功に学ぶSEO・AEO時代のコンテンツ戦略プレイブック

  • Vercel(フロントエンド開発者向けのクラウドプラットフォームを提供する企業)は従来型のSEOにとどまらず、エージェントと人間の双方に評価されるコンテンツを優先し、AEO(Agent-Enhanced Optimization)に適応した戦略を展開している。
  • 月間訪問者数は47.3万、被リンク数は8,930万、参照ドメインは30.7万と、圧倒的な成果を達成している。
  • AEO視点で重要な指標として、コンテンツの鮮度90%、権威性と根拠83%、読みやすさ73%という高い数値を記録している。
  • 直近90日以内に更新されたページが85%以上で、構造化タグ(h1〜h4)も整備され、GPTやPerplexityによる引用が発生しやすい設計となっている。
  • Next.js学習プラットフォームや三層構造のガイド群により、CV誘導と教育を両立し、Web Vitals講座では完了率92%、平均滞在時間6.7倍を達成している。
  • 2025年にはAI開発ガイドを47本公開し、平均2件以上の信頼性ある出典を伴う独自視点のコンテンツで、AIクローラー最適化やSSR強化も実施している。

ポイント:
Vercelは、AEO時代に対応した高鮮度・高構造・高権威なコンテンツ戦略で、AIにも人にも強いサイトを実現している。

※補足 ✔︎ AEO(Agent-Enhanced Optimization)とは?

ChatGPTやPerplexity、GoogleのAI Overviewsといった会話型AIやAI検索エンジンでの可視性を高めるための最適化手法を指す。従来のSEOが人間ユーザー向けの検索結果での上位表示を目指すのに対し、AEOはAIエージェントが回答を生成する際に参照・引用されることを目的とする新しいアプローチ。

❸AI Search Optimisation (AISO)

URL:https://www.getaiso.com/blog/schema_markup_experiment_blog_post

翻訳概要:
スキーママークアップがAI検索に与える効果を実証した実験レポート

  • 架空の企業サイトを「スキーマあり/なし」の2パターンで用意し、ChatGPTに同一質問を行うことで、構造化データがAIの情報抽出に与える影響を検証した。
  • 「スキーマあり」の方が平均評価スコアで 30%向上(8.6/10 vs 6.6/10)し、製品評価・認証情報・連絡先の適切性など、抽出された情報の質と構造が大幅に改善された。
  • スキーマ実装により、AIによるプロフェッショナルな境界線の保持(CEOの個人連絡先の省略など)や、情報の分類・出典の明示も強化された。
  • 効果の大きいスキーマは「Organization」「Person」「SoftwareApplication」「AggregateRating」「Certification」であり、それぞれが特定の情報抽出に直接寄与している。
  • 結論として、AI検索時代においては、スキーママークアップの有無が情報の見え方・信頼性・引用の有無を左右する重要要素であることが実証された。

ポイント:
AI検索においては、スキーママークアップが情報の正確性・構造・信頼性を大きく左右する鍵となる。

❹BREAKING: ChatGPT now pulls data from Reddit.

URL:https://www.linkedin.com/posts/tomekrudzki_breaking-chatgpt-now-pulls-data-from-activity-7336136106461085696-33FS/

翻訳概要:
ChatGPTがRedditデータの参照を開始、AI検索に新たな転機

  • ChatGPTは2024年5月19日以降、回答にRedditのスレッドを組み込むようになり、全体の約10%のクエリにReddit由来の情報が含まれることが確認された。
  • これにより、GoogleのAI OverviewsやPerplexityと並び、ChatGPTもRedditコミュニティの意見を活用する体制に移行した。
  • 特に製品推奨において、Redditユーザーの個人的な体験やコメントがChatGPTの回答内容に影響を及ぼす可能性がある。
  • この変更により、Redditの影響力がAI検索領域で大きく拡大し、信頼性とバイアスの問題が今後の焦点となる可能性がある。

ポイント:
ChatGPTがRedditを情報ソースに加えたことで、AI検索におけるユーザー生成コンテンツの影響力が一段と強まった。

❺What Is AI Mode in Google Search? A Simple Guide for Marketers and Creators

URL:https://wordlift.io/blog/en/a-clear-guide-to-ai-mode/

翻訳概要:
GoogleのAIモード完全解説|新時代の検索とSEOに対応するための実践ガイド

  • Google検索の「AIモード」は、単一のクエリに対して数十の関連質問を裏で生成し、ユーザーの意図や文脈に基づいたパーソナライズされた回答をAIが構築する仕組みである。
  • AIモードでは、「ページ単位のランキング」から「パッセージ(段落やセクション)単位での抽出・合成」にシフトしており、構造化された短文、図表、比較表などがAIによって優先される。
  • Googleは検索意図の多様性(クエリファンアウト)を加味し、「意図ごとの最適な回答片」を選んでカスタムコーパスを構築し、複数のLLMエージェントが編集するかたちで最終回答を組み立てている。
  • 可視性の評価基準も変化しており、従来の検索順位ではなく「AI回答に引用されるかどうか」が新たな成果指標となる。
  • コンテンツ制作者に求められるのは、自己完結型の段落、構造化マークアップ、意図の広がりを網羅する設計であり、「AIが引用しやすい素材」を提供する姿勢が重要となる。

ポイント:
AIモードは「順位」ではなく「回答への適合性」が重視される新しい検索体験であり、SEOは「関連性最適化(Relevance Optimization)」の時代へと進化している。

❻Initial Thoughts on Google AI Mode – by Barry Adams

URL:https://www.seoforgooglenews.com/p/initial-thoughts-on-google-ai-mode

翻訳概要:
Google AIモードがもたらす検索体験の変化とパブリッシャーへの深刻な影響

  • GoogleのAIモードは、ユーザーのクエリに対して「関連質問のファンアウト→要約→統合」という流れでAIが回答を生成する仕組みで、従来のリンククリックを必要としない利便性の高い検索体験を提供している。
  • 利便性が高い一方で、Webサイトへの訪問動機が減少し、引用元サイトへのクリック率は大幅に低下。AIモードがデフォルト化すれば、パブリッシャーはGoogle検索からの流入を50%以上失う可能性がある。
  • ニュース分野でも、AIモードではニュースソースよりWikipediaへのリンクが優先される傾向があり、Top Storiesなどの可視性が損なわれるケースが観測されている。
  • 生き残り戦略として、①Discover活用、②トラフィックと収益源の多様化(有料モデル・動画・ニュースレター等)、③ブランド指名流入の強化が提案されている。
  • コンテンツ品質を維持しつつ、AIへの可視性最適化と読者から「積極的に訪問されるブランド」になることが、AIモード時代における本質的な対策とされている。

ポイント:
Google AIモードは利便性を高める一方、Web全体のトラフィック構造を揺るがし、パブリッシャーの存続戦略を根本から問い直している。

❼Announcing General Availability of Conversation Explorer

URL:https://www.tryprofound.com/blog/conversation-explorer-general-availability

翻訳概要:
Conversation Explorerが正式リリース|AI検索時代の会話インサイト分析ツール

  • Profound社のConversation Explorerが一般提供を開始し、AI検索エンジン上でのユーザー会話の傾向や意図を可視化できるツールとして、企業・機関向けに本格展開された。
  • 従来のSEO戦略が「検索ボリューム」を重視していたのに対し、AEO(Answer Engine Optimization)では「プロンプト量=ユーザーがAIに何を尋ねているか」が最重要指標となる。
  • Conversation Explorerは、数千万件規模のAI会話データを対象に、頻度・意図・感情を推定し、実際のAI利用傾向を可視化する独自の確率モデルとNLP処理を搭載している。
  • データの偏り補正にはPanel Projection手法を導入し、人口統計や地域差を考慮した推定が可能。また、インフラにはSnowflakeやClickHouse等を活用し、高精度かつ大規模な解析を実現している。
  • マーケター、ブランド担当者、政府、研究者などが活用対象で、トレンド把握、話題の先取り、リアルタイムの感情分析により、より高度な戦略立案を支援する。

ポイント:
Conversation Explorerは、AI時代の検索における「人々が何を尋ねているか」を捉えるインサイト基盤として、従来のSEOに代わるAEO戦略の中核を担う。

❽Want to rank on ChatGPT? You NEED reviews on multiple platforms.

URL:https://www.linkedin.com/posts/darrenshawwhitespark_localseo-seo-activity-7337864347219628033-gYOo/

翻訳概要:
ChatGPTで上位表示を狙うには、複数のレビューサイト対策が必須

  • GoogleレビューはローカルSEOに有効だが、ChatGPTはGoogleのレビュー情報にアクセスできないため、ChatGPT対策としては機能しない。
  • ChatGPTは、ローカルビジネスの推薦時にFacebook、BBB、Yelp、Trustpilot、TripAdvisorなど複数のレビューサイトの情報を参照している。
  • AI検索時代においては、Google対策だけでなく、多様なレビューサイトでの評価を蓄積することが新たな上位表示戦略となる。
  • 会話型AIにおけるローカル検索の可視性を高めるには、対象業界に応じたレビュー取得施策の分散化と継続的な管理が重要である。

ポイント:
AI検索での上位表示には、Google依存を脱し、複数レビューサイトでの評価を戦略的に獲得するAEO型の集客設計が不可欠。

❾How Vercel’s adapting SEO for LLMs and AI search – Vercel

URL:https://vercel.com/blog/how-were-adapting-seo-for-llms-and-ai-search

翻訳概要:
Vercelが実践するLLM時代のSEO戦略|AI検索で可視性を獲得するための最適化手法

  • 従来のSEOが「リンクとキーワード」で上位表示を目指していたのに対し、AI検索では「構造」「明快さ」「意味の深さ」が評価軸となり、コンテンツの文脈的理解が重視されている。
  • Vercelでは、ChatGPT経由の新規サインアップ率が6カ月で1%→10%に増加するなど、AI検索が集客チャネルとして急成長している。
  • 「LLM SEO」は、概念の定義を所有すること、短く抽出しやすい構造、Schemaマークアップ、引用・再利用されやすい形式での情報発信が重要となる。
  • RAG(検索拡張生成)などAIシステムに対応するため、HTML構造の明確化、構文的セマンティクス、SSRやSSG対応によるクローラビリティの確保が推奨されている。
  • 被リンクだけでなく、GitHub・Reddit・Hacker Newsなど信頼性の高いコミュニティでの引用や議論も、モデルの学習や再利用に影響するため、積極的な露出が求められる。

ポイント:
検索順位ではなく「AIによる引用と回答生成に関与するか」が新たな可視性指標であり、Vercelは構造・文脈・鮮度・出典の4要素を軸にSEOを再構築している。

※補足 ✔︎RAGとは

「Retrieval-Augmented Generation(検索拡張生成)」の略で、生成AIが回答を生成する際に、外部の情報を検索・参照し、その内容をもとに応答を構成する仕組みのこと。