記事コンテンツの看板となるアイキャッチ画像。コンテンツディレクターや編集者、マーケターは生成AIでアイキャッチ画像を作ることもあるのではないでしょうか。どの生成AIで作ってもそれらしいものは出てきます。
しかし、アイキャッチとして使えるレベルに仕上げるのは意外と難しいものです。テキストが崩れる、構図がずれる——。こうしたズレが起きるのは、「何をどう作りたいのか」が整理されていないためです。
この記事では、Googleの画像生成AIツール(通称 Nano Banana/ナノバナナ|正式名称 Gemini 3 Pro Image)で狙い通りのアイキャッチを作るための考え方とプロンプトの組み立て方法を解説します。

AI画像生成はなぜ難しいのか?「イメージ通り」にならない理由
生成AIで画像を作ると、それらしく見えるものは出てきます。
しかし、「ブログや記事の内容にカチッとハマる、そのまま使える画像」にするのは意外と難しいものです。
生成AI画像、よくある失敗パターン
以下が代表的な失敗パターンです。
日本語のテキストが崩れる
プロンプトで日本語テキストを指定して生成すると、文字が崩れたり、一部が別の言語のように変わったりします。そのままでは使えません。
イメージ通りの画像が作れない
「スタイリッシュに」「未来感のある雰囲気で」といったプロンプトでは、構図や要素が抽象的です。AIが雰囲気を勝手に補完してしまうため、結果として「自分が求めていたものとは違うシーン」の画像になってしまいます。
問題はツールではなく「指示の解像度」
生成AIで狙い通りの画像が作れないのは、「何をどう見せるか」が定まらないまま指示しているからです。AIは曖昧な指示を勝手に補完してしまいます。
狙い通りに生成するには、画像の役割・構図・情景を先に決めてから指示する必要があります。

Nano Banana(Nano Banana 2)とは何か
Nano Bananaは、Googleが開発した画像生成・編集AIの通称です。
テキストで指示した内容をもとに画像を生成・編集できるツールで、画像内への文字の埋め込み(レンダリング)に対応しているほか、一度生成した画像に対して追加で修正指示を出せる点が特徴です。
デザインツールを細かく操作しなくても、アイキャッチや記事用ビジュアルのたたき台を手早く作れるのが特徴です。

利用料金と生成回数の制限
Googleアカウントを持っていれば誰でも利用可能ですが、契約プランによって1日に生成できる回数が異なります。
| 無料プラン(Basic Tier) | 1日20回まで利用可能 |
| 有料プラン(AI Plus / Pro / Ultraなど) | 1日50回〜1,000回まで上限が拡張 |
※料金・回数制限などの最新情報はサービスサイトをご確認ください
ブログのアイキャッチを数枚作成する程度であれば無料プランでも十分足りますが、納得いくまで何度も作り直したい場合は、有料プランへの移行を検討しましょう。
※関連記事:画像生成AI『Ideogram』のすごすぎる使い方・活用法!全コンテンツマーケターに知ってほしい
アイキャッチ画像設計の考え方
Nano Bananaの基本を押さえたところで、次は「どんな画像を作るか」の設計に入りましょう。
アイキャッチ画像とは、文字通り「読者の目を惹きつける(Eye-catch)」ための画像です。
記事のトップに飾るだけでなく、SNSでシェアされたり、Google検索結果などに表示されたりする、いわば「記事の看板」の役割を果たします。
そのため、デザインより先に「何を伝えたいか」を決めることが重要です。良いアイキャッチには、共通する3つの条件があります。
良いアイキャッチの3条件
良いアイキャッチには、共通する条件があります。

- 一目でテーマが分かる
- 画像を見た瞬間に何の記事かが伝わることが最優先です。たとえば「時短料理」の記事なら、フライパンで手際よく調理している美味しそうな料理の写真、「旅行」の記事なら、青空とスーツケースの写真といったように、文字を読まなくてもテーマが直感的に伝わる主役(シンボル)を中央に配置します。
- 必要な情報が整理されている
- アイキャッチに要素を詰め込みすぎると、一番伝えたいことがボヤけてしまいます。主役(人物やモノ)を引き立たせるために、背景や小物は必要最低限に絞り、視線が散らないようにすっきりと整理しておくことが大切です。
- サムネイルでも成立している
- 検索結果やSNSのタイムラインでは、画像はかなり小さく表示されます。縮小された状態でも「何が描かれているか」が潰れずに伝わるか、スマホの画面を想定して確認しておきます。
※関連記事
・画像SEOの施策9選|altタグ設定やデータ形式、注意点も解説
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「画像を作る前」に決めるべき3要素
画像の生成を行う前には、最低限でも次の3つの設定を決めておきます。

- 役割(何のための画像か)
- 役割を先に決めると、構図と情報量が定まります。記事の内容を説明する画像なのか、雰囲気を伝えるイメージ訴求なのか、クリックを促すCTAなのかを最初に決めておきましょう。
- 構図(誰が・何をしているか)
- 「ビジネスパーソン」だけでは曖昧です。「ノートPCで画像生成AIを操作している、30代の男性」のように、人物の属性や具体的な行動まで決めます。人物と行動を具体化すると、指示の精度が上がります。
- 情景(どこで・どんな情景か)
- 背景の種類を決めると、記事のトンマナが定まります。たとえば、明るいオフィスなのか、落ち着いた自宅のリビングなのか、シンプルな無地の背景なのかで、画像の印象は大きく変わります。
Nano Bananaでアイキャッチを作る実践手順
それでは、作成手順を解説します。
アイキャッチの役割が決まった状態から始めます。いきなりプロンプトを書くのではなく、まずは画像の要素を整理するところから始めましょう。
ステップ1.構図を言語化する
最初に、「誰が何をしているか」を言葉にします。
- ビジネスパーソンがノートPCで画像生成を操作している
- デスク上にPCと資料があり、画面を見ながら作業している
「人物をいれるか」「手元を見せるか」「画面を含めるか」など、見せたい要素は先に決めておきます。
ステップ2.ディテールを追加する
次に細部を補います。情報を増やすのではなく、「AIが勝手に勘違いする余地を減らす」のが目的です。要素が足りないと、AIが気を利かせて意図しないアイテムや要素を勝手に滑り込ませてしまいます。
- 背景(オフィス/自宅/無地)
- 小物(資料、コーヒー、スマートフォンなど)
- 視点(正面/斜め/手元寄り)
画像生成・プロンプトNGパターン
AIに指示をを出すとき、次のような言葉だけで作ろうとすると、出てくる画像が運任せになります。
NGワード
おしゃれに/エモい感じで/今っぽく/洗練された/高級感のある/かっこよく
たとえば、「かっこいい」「未来感」といった言葉は、主観的な評価であって、AIに対して「何をどう描くか」を指定する言葉ではありません。
メインの指示に使うのではなく、具体的な要素を指定した上での補足として、使いましょう。
ステップ3.トーン(色合いやタッチ)を指定する
全体のトーンを指定します。「かっこいい」「おしゃれ」といった抽象的な言葉は避け、AIが迷わない具体的な「スタイル」や「光・色」の言葉を使います。
- タッチ(スタイル): 写実的な写真風、シンプルな線画イラスト調、3D風、など
- 光と時間帯: 昼の自然光が差し込む、夜の温かみのある電球色のライト、など
- 色合い: 白とグレーを基調とした、全体的に彩度(鮮やかさ)を落とした、など
たとえば、「落ち着いた雰囲気に」と頼むのではなく、「夜の温かみのある電球色のライトで、全体的に彩度を落とした写真風」と指定します。
ステップ4.不要な要素を削る
一度で完璧な画像を目指す必要はありません。Nano Banana は、生成した画像に対して、後から言葉で編集指示を出せます。
まず1度生成し、出てきた画像を見て、不要な要素を削っていきます。
- 背景がうるさい
- 小物が多すぎる
- 主題以外に目がいく
「背景をシンプルに」「不要なアイテム・要素を減らす」といった形で再指示します。最初から完璧を狙うのではなく、削りながら整える前提で進めます。
試しに生成してみましょう。
- 30代の日本人ビジネスマンがデスクに座り、ノートPCで画像生成をしている
- 画面を見つめる集中した表情
- ノートPCの画面には画像生成のインターフェースが表示されている
- デスクの上には資料とマグカップがあり、近くにスマートフォンが置かれている
- 現代的なオフィス環境で、デスクは整っている、やや斜めからの視点
- やわらかい光、写実的で、ビジネス向けの雰囲気
- アスペクト比16:9

ありえない構図の画像が生まれてしまいました…・・・。
「パソコンは作業者に向いているようにしてください」と追加依頼をします。

悪くないですが、画像生成している様子が伝わってきません。
「画像生成している様子がわからないので、斜め後ろからの画角に変更して」とさらに依頼すると…

だいぶイメージに近づいてきました。
このように、最初から完璧な画像が出なくても、Nano Bananaと対話を重ねながら「指示の解像度」を上げていけば、理想の画像に辿り着くことができます。
今回の試行錯誤(失敗と修正のやり取り)を踏まえて、AIが迷わないように要素を凝縮した「完成版のプロンプト」がこちらです。
★完成版プロンプト
- 現代的なオフィスにて、デスクに座る30代の日本人ビジネスマン
- 肩越しに斜め後ろから捉えた写実的なショット
- 彼は集中してノートPCの画面を見つめており、その画面には、デジタルアートが生成されている最中の洗練されたAI画像生成インターフェースがはっきりと映し出されている
- デスクの上には、紙の資料、手帳、マグカップ、スマートフォンが置かれている
- 自然でやわらかい光、シネマティックな雰囲気、プロフェッショナルな空気感
- アスペクト比16:9
Nano Banana利用時の注意点
最新のNano Banana 2はとても高性能ですが、AI画像生成の特性上、あらかじめ知っておくべき注意点がいくつかあります。
視覚的なマークや透かしが自動で入る場合がある
利用するツールや出力方法によっては、画像の右下にAI生成であることを示す小さな識別マークが入ることがあります。ブログのアイキャッチとして使いたい場合は、マークが入らない位置で切り取る(トリミングする)か、上から別の要素を重ねて隠すといった工夫が必要です。
なお、目に見えるマークの有無にかかわらず、画像にはAI生成コンテンツであることを識別するための不可視の電子透かし(SynthID)が自動的に埋め込まれます。
長文や複雑な日本語テキストはまだ苦手
最新モデルになって文字を描写する能力(テキストレンダリング)は劇的に向上しており、短い単語であれば日本語も崩れずに生成できるようになりました。
ただし、キャッチコピーのような長文や、複雑なレイアウト、フォントの細かな指定などは、まだ文字が化けたり潰れたりすることがあります。どうしても狙い通りにいかない場合は、文字のない背景画像をAIに作らせたあと、デザインツールで後からテキストを重ねるのが確実です。
ピクセル単位の細かいレイアウト指定はできない
「右端から○センチ空ける」「中央の要素を少し左に寄せる」といった、デザインツールのような緻密な位置指定はAIには伝わりません。「中央に人物を配置する」「背景の右側にオフィスビルが見える」など、大まかな構図の指示にとどめ、ミリ単位の調整は生成後の編集機能(イメージ編集)や後工程で行いましょう。
生成した画像はブログの商用利用に使ってもいいの?
Nano Bananaで生成した画像は、ユーザーのものになります。ブログのアイキャッチやビジネス目的での利用(商用利用含)は基本的に問題ないとされています。
ただし、既存の著作物(有名キャラクターや他社の商標など)との類似による知財侵害リスクはすべて自己責任(ユーザー側の担保)となります。とくにプロンプトで特定のブランド名や「〇〇風」といった指定を行うのは避け、公開前には権利侵害がないかディレクション側で必ずチェックを行う仕組みにしましょう。
※参考記事:
・Google 利用規約 – ポリシーと規約
・生成 AI の使用禁止に関するポリシー
・Gemini API 追加利用規約 | Google AI for Developers
【個人的なコツ】イメージを言語化できない場合の方法
「そもそも、ビジュアル要素をどう文字にすればいいか分からない」という場合は、ゼロから考えずに既存の画像をベースにしてみましょう。画像の要素を分解し、その内容をもとにプロンプトを組み立てるという方法です。
手順は次の4ステップです。
- 作りたいイメージに近い画像を用意する
- 画像の内容をAIに言語化させる
- プロンプトを目的に合わせて整える
- 必要な要素だけを追加する
1.作りたいイメージに近い画像を用意する
まずは、作りたいイメージに近い画像を用意します。完全に一致している必要はなく、方向性が近ければ十分です。
たとえば、次のような画像を作りたいとします。
▼筆者が旅先で撮った1枚

2.画像の内容をAIに言語化させる
次に、その画像をAI(Geminiなど)に見せて、プロンプト向けの文章にしてもらいます。
「この画像を再現するためのプロンプトとして英語で言語化してください」と依頼すると、そのまま使える形に整えてくれます。
a small harbor with boats docked, a red and white boat in the foreground, floating piers, several small boats on the right, a large building in the background, mountains behind, cloudy sky, calm water, realistic photo
(ボートが係留された小さな港。手前に赤と白のボート、浮き桟橋があり、右側に複数の小型ボートが並んでいる。奥には大きな建物があり、その背後に山が見える。曇り空で、水面は穏やか。写実的な写真。)
日本語で出力させても構いませんが、画像生成モデルは英語のデータで学習されていることが多いため、英語のほうが意図通りに解釈されやすい印象があります。構図やスタイルを細かく指定する場合は、英語で組み立てたほうがズレが少ないです(筆者の体感です)。
3.プロンプトを目的に合わせて整える
AIから出てきた文章をそのまま使うのではなく、必要な要素を残し、不要な要素を削ります。
「主役は何か」「どこを見せたいのか」「どこまで情報を入れるのか」を整理しながら調整しましょう。
先ほどの写真であれば、「港全体」を見せるのか、「手前の船」を主役にするのかによって、プロンプトの組み立て方は大きく変わります。
4.必要な要素だけを追加する
最後に、画像の用途に合わせて、必要な要素だけを付け足します。アイキャッチ画像にするのであれば、情報を詰め込みすぎず、構図が分かりやすくなるように引き算を意識して調整します。
具体的には、「明るさを変える」「人物を加える」「時間帯を朝から夕方に変える」「写真風ではなくイラスト風にする」といった調整です。
こうして整えたプロンプトは、次のようになります。
a small harbor scene, a red and white boat in the foreground, several small boats docked on the right, a floating pier in the center, a large building in the background, mountains, cloudy sky, calm water, wide angle, realistic, clean composition
(小さな港の風景。手前に赤と白のボート、右側に複数の小型ボートが係留されている。中央に浮き桟橋、奥には大きな建物。背景に山があり、曇り空で、水面は穏やか。広角、写実的で、すっきりした構図。)
以下、生成結果です。
▼Nano Banana

▼試しに、同じプロンプトでChatGPTに作らせたのがこちら。

瓜二つ!とまではいきませんが、悪くはないレベルかなとは思います。
オウンドメディア運用で差がつく「アイキャッチ管理」3つの鉄則
Nano Bananaなどの生成AIをマーケティング実務に組み込む場合、単発のクリエイティブ制作にとどまらず、「メディア全体のトンマナ(トーン&マナー)の維持」や「制作フローの効率化」まで視野に入れる必要があります。
企業メディアやビジネスブログとしてのクオリティを担保するために、以下の3つの鉄則を運用のガイドラインに組み込みましょう。
1.複数案を作り、比較する
1案だけでは、良いかどうかは判断できません。アングルや構成要素を変えた複数案を同時に生成し、比較検討してください。複数案を並べると、構図や情報量の差が見えてきます。
主題が伝わるか、不要な要素が入っていないか、サムネイルでも成立するかを見て判断します(異なるツールで生成するのも良いでしょう)。
2.ビジュアルとテキストは「分離」してディレクションする
最新モデルになり日本語のテキストレンダリング精度は向上していますが、毎回100%同じフォントや配置を再現できるわけではありません。文字化けや微妙な位置のズレは、企業のクリエイティブとして微修正の手間(コスト)を増やしてしまいます。
実務において効率的なのは、「ビジュアル(背景)はAIに任せ、テキストはFigmaやCanvaなどの外部ツールで後入れする」という作業の分離です。この役割分担により、急なコピー変更やA/Bテストにも柔軟に対応できる運用体制が整います。
3.ブランドのトンマナをコントロールする
記事ごとに画像の雰囲気がばらつくと、メディア全体がちぐはぐに見えます。色味(明るさやコントラスト)、構図(人物中心か物中心か)、スタイル(写実かイラストか)といった要素は、あらかじめ基準を決めておきます。
毎回完全に固定する必要はありませんが、あらかじめ「自社メディアのトーンの定義」をプロンプトの共通パーツとしてストックしておくことで、複数人のライターや属人的な運用でも統一感のあるクオリティを維持できます。
AI画像生成は、ツールの性能より「何をどう指示するか」で結果が大きく変わります。
役割・構図・情景を先に決め、ディテールを積み上げながら削っていく。このプロセスを繰り返すことで、指示の精度は確実に上がっていきます。
まずは1枚、Nano Bananaで試してみましょう。