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画像生成AI『Ideogram』がすごすぎるので全コンテンツマーケターに知ってほしい

更新日: 2024.10.24   公開日:2024.11.01

画像生成AIの進化が止まらない中、筆者がとくに注目しているツールが『Ideogram』です。

画像生成AIツールのおかげで、コンテンツマーケティング現場における制作スピードとクオリティが大幅に向上しました。しかし、多くのマーケターは、まだその潜在能力を十分に活用しきれていないのが現状です。

本記事では、『Ideogram』がどのように使えるのか、他のツールとの違いとメリット・デメリット、実際の活用法を紹介します。

生成AIで作成した画像アリストテレスが現代のキャンプ場でキャンプをしている様子キャンプ場の敷地内でテントを張って、その前で湯を沸かしている

Ideogramとは?

Ideogramは、Google Brainや米国の大学でAIプロジェクトを率いてきたメンバーによって開発された、テキストを入力して画像を生成するAIツールです。

主な特徴は以下のとおり。

・スタイル(写実的、アニメ風など)や基調の色を自在に操れる
・生成した画像に複数のフォントによるテキストを出力できる
・文字を画像に挿入する精度が高い
・AIからフィードバックを受けることができる
・商用利用が可能 *

”フィードバック” とは、たとえばAIが「こういったプロンプトにすれば、もっと精度高く生成できますよ」と提案してくれる機能です。(後述します)

料金プランは3種類ありますが、無料プランでも1日あたり10枚のスロークレジット(最大40枚の画像生成に相当)が提供されるので、とりあえず触ってみたい方は無料版で十分です。アカウント作成だけで、すぐに使えます。

【商用利用についての補足 *】

2024年10月時点のIdeogramの規約に、「ユーザー入力やユーザー出力に対して所有権を主張せず、ユーザー出力を自身の目的(商業目的を含む)で使用することを制限しません。あなたとIdeogramとの間ではユーザー出力に対して何らかの権利を取得した場合、その権利、権原、利益はすべてあなたに譲渡されます」と記載されています。

Ideogramの使い方

テキストプロンプトだけで、ありとあらゆる画像が作れてしまいます。アートの才能がなくても大丈夫です。

こちらがTOPページ。
Exploreタブには、世界中で作られた画像がランダムに並んでいます。

Ideogramトップページの画像

※ちなみに、画像をクリックすると、基となったプロンプトが見れるので、プロンプトの勉強にもなります

論より証拠ということで、いくつか作ってみました。

【プロンプト】
若い女性が木製のテーブルに座っている水彩画。黒くてボリュームのある髪を持ち、淡いブルーの流れるようなブラウスを着ています。手を頭に乗せ、物思いにふけっているように見えます。背景は柔らかな青と白の色調で描かれ、曇った空や水滴が垂れる様子がかすかに表現されています。テーブルの上には、いくつかの本が積まれています。全体の雰囲気は静かで内省的。

Ideogramで作成した女性のイラスト。プロンプト指示に沿ったイラストになっている。

イメージに近いものができました。十分なクオリティです。

生成された画像の横に、Ideogram側が提案してくれた別のプロンプトが表示されたので、それで再生成してみたら、少し変わりました。(これがAIによる”フィードバック”です)

筆者のプロンプト若い女性が木製のテーブルに座っている水彩画。黒くてボリュームのある髪を持ち、淡いブルーの流れるようなブラウスを着ています。手を頭に乗せ、物思いにふけっているように見えます。背景は柔らかな青と白の色調で描かれ、曇った空や水滴が垂れる様子がかすかに表現されています。テーブルの上には、いくつかの本が積まれています。全体の雰囲気は静かで内省的。Ideogramが提案してきたプロンプトA watercolor painting of a young woman sitting at a wooden table. She has black and voluminous hair and wears a pale blue blouse with flowing lines. Her hands are resting on her head, giving the impression that she is deep in thought. The background is painted in soft blue and white tones, with a cloudy sky and dripping water subtly depicted. There are several books stacked on the table. The overall atmosphere of the painting is quiet and introspective.

これを使って再生成したのがこちら。

Ideogramで作成した女性のイラスト。さきほど提案されたイラストと似ているが、木製テーブルの上の本の冊数が増えている。

元の画像を活かしてチューニングしてくれるので、より狙った画像が作れますね。

遊び心を出してみたのがこちら。

【プロンプト】
現代のキャンプ用品を使ってキャンプを楽しむアリストテレス

生成AIで作成した画像アリストテレス風の人物が現代のキャンプ場でキャンプをしている様子。キャンプ場の敷地内でテントを張って、その前で折りたたみ椅子に座っている。傍らにある木製テーブルの上にポットが直接載せられている。

まるでアリストテレスがタイムスリップしたかのよう。
道具の描写にややツッコミどころを残すものの、悪くありません。

【プロンプト】
55歳の白いひげを生やした日本人のおじさんの写真。青いジャケットにベージュのシャツを着ています。彼の後ろには、茅葺き屋根の伝統的な日本の建物があり、背景には緑が広がっています。

プロンプト指示どおりの、写真のような画像。ただし男性の年齢は60歳から70歳ほどの高齢になっている。

年齢がややズレている気もしますが、十分に合格です。

他の画像生成AIツールと比較してどうか?

画像生成AIでお馴染みの、Stable DiffusionDALL·E3(ChatGPT) 、ImageFX(Google)と比較してみましょう。

公平を期すために、同じプロンプトで生成してみました。

【プロンプト】
若い女性が木製のテーブルに座っている水彩画。黒くてボリュームのある髪を持ち、淡いブルーの流れるようなブラウスを着ています。手を頭に乗せ、物思いにふけっているように見えます。背景は柔らかな青と白の色調で描かれ、曇った空や水滴が垂れる様子がかすかに表現されています。テーブルの上には、いくつかの本が積まれています。全体の雰囲気は静かで内省的。

Stable Diffusionの場合

Stable Diffusionの提案したイラスト画像

・なぜか女性が水中(水彩画を水中画と誤解した?)
・左手の位置があり得ない
・右手だとしたら指がおかしい
・髪が切れている
・意味不明の文字が加えられている
・ブラウスがブルーではない
・テーブルも本もない

絵のタッチは見事なのですが、プロンプトをほぼ無視してきました。日本語の理解力が低すぎます。

DALL·E3 の場合

DALL·E3の提案したイラスト画像。プロンプト指示のとおりの画像だが、キャンバス地に描かれたような素材感のイラストになっている。

DALL·E3 はIdeogram同様、プロンプトから外れておらず、上々です。
しかし、水彩画らしさはありません。

ImageFXの場合

Googleアカウントがあれば誰でも無料で利用できます。

意気揚々と日本語で入力すると、「特定の種類の画像を生成する方法についてはまだ学習中のため、ご希望のものを正確に作成できないかもしれません」と返ってきました。(2024年10月18日時点)

え?人物画は架空であっても作れないのか?と驚きました。ちなみに、「Gemini Advanced で人物の画像生成を利用できるようになります」だそうです。どうやら、まだ日本語に対応していないため、そのせいかもしれません。

プロンプトを英語に翻訳して生成してみると、一応生成はしてくれますが、個人的にはIdeigramの圧勝かなと。

ImageFXの提案した画像。水彩画らしさはなく、女性は正面を向いており、物思いにふけっている様子ではない。

【プロンプト】
現代のキャンプ用品を使ってキャンプを楽しむアリストテレス

Stable Diffusionの場合

Stable Diffusionの提案した画像。キャンプ用品が地面に置いてあるのみ。

まさかの無人!(嘘だろ…)

そんなはずはないと、「哲学者のアリストテレスです」「昔の人物です」と何度も訂正しましたがダメ。ハンマーとか、鍋とか、道具だけの画像しか生成しません。

Stable Diffusion、劣化してしまったのか…?と心配になるほどの低クオリティです。

DALL·E3 の場合

DALL·E3の提案した画像。CGらしいテイストのイラスト。

アリストテレスっぽさは十分。ギターや左手のスマホといった小物演出も頑張ってくれています。ただ、いくら「写実的に」と指示しても、イラスト感は残ってしまいます。

ImageFXの場合

ImageFXの提案した画像。キャンプ用テントと折りたたみ椅子、ナップザックが置いてある。

背景だけは生成しましたが、人物は拒否。
しかも、椅子とリュックの縮尺がおかしいので、ミニチュアのように見えるのが残念です。

【プロンプト】
55歳の白いひげを生やした日本人のおじさんの写真。青いジャケットにベージュのシャツを着ています。彼の後ろには、茅葺き屋根の伝統的な日本の建物があり、背景には緑が広がっています。

Stable Diffusionの場合

・ヒゲがない
・ベージュのシャツを着ていない
・茅葺の建物がない

写真のようなリアリティはまずまずなのですが、いくつかの指示を反映していません。
何度試しても改善はしませんでした。

DALL·E3 の場合

プロンプトには忠実です。
しかし、独特なAIイラストっぽいタッチが拭いきれないのはあいかわらず。

ImageFXの場合

拒否されて、何も生成されませんでした。
有料版の Gemini Advanced で使えるようになるのを待つしかないようです。

なお、ImageFXは動物や物体は問題なく描いてくれます。

※寿司

ガリとわさびはちゃんと描写されていますが、巻物と握りを区別できないのは、海外生成AIツールあるあるです。箸の縮尺もややズレています。

日本人のイメージする寿司を海外生成AIツールが完璧に再現できたとき、画像生成にブレイクスルーが起きる!と個人的には期待しています。

※タコス

ピザ、ハンバーガーなど、アメリカンな食べ物の描写は得意です。

※牛

クオリティ的には十分です。

ということで、

・Ideogram(無料版)
・Stable Diffusion(無料版)
・DALL·E3(有料版)
・ImageFX(無料版)

の4者の比較結果は、

Ideogram(無料版) >>>>> DALL·E3(有料版) > ImageFX(無料版) > Stable Diffusion(無料版)

と、Ideogramの圧勝でした。無料でここまでできるとは素晴らしい。
ちなみに、筆者が画像生成するときは、最近はほぼIdeogram一択ですね。

ただし、無料版だと1日あたりの生成枚数に制限がありますので、その点だけはご注意を。

筆者がオススメするIdeogram活用法

筆者は以下の用途で使うことが多いです。

・プレゼン資料の挿絵
・企画書に挿入するイメージ図
・原稿に挿入するイラストや画像
・バナー素材となる写真

画像素材サイトでいちいち探す必要はないし、無料だし、狙い通りの画像が一発で出るし、良いこと尽くめです。

たとえば、こんなプロンプトを投げると、

【プロンプト】
「Mieruca Japanese Great SEO Tool」というテキストが、渦巻く青の半透明の文字で書かれた3Dタイポグラフィーデザイン。文字はそれぞれ精巧に繋がり、柔らかな光を放っています。ゴールドの星が名前を囲み、魅力的な輝きを放ちます。風に舞うハートが魔法のような魅力を加えています。淡いグレーの背景が洗練された外観を際立たせています。

こんなものが作れます。

現状はIdeogramが個人的にイチオシですが、生成AIツールは日進月歩で進化しますし、性能もイタチごっこで変化するので、比較しつつ試し続けるのが良いと思います。

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本記事の著者
中山 順司
中山 順司
コンテンツクリエイター
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