公式オンラインショップの売り上げに悩んでいた酒造メーカーが、月間売上12.5倍まで成長!SNSと連携したコンテンツの作り方を解説
久米仙酒造株式会社 2020.07.11 2024/1/26- PV3倍!公式オンラインショップの売り上げは(新型コロナの需要を掴むことで)月間で12.5倍まで成長!
- SNSとミエルカを連動させてコンテンツ制作し、1日で2万3000ユーザーを獲得!
- コンテンツを通して、これまでの顧客を大切にケアしながら、新規顧客の獲得につながっている
「久米仙酒造株式会社(本社:沖縄県)」は、1952年創業の老舗泡盛メーカーとして、泡盛を販売しています。
同社では、以前よりWeb施策に力を入れ、ECのショッピングモールや自社の公式オンラインショップを通じて商品の販売もしていますが、公式オンラインショップの集客や売り上げに課題を感じていました。
ミエルカを導入してコンテンツを制作することで、PVは以前の3倍・公式のオンラインショップの売り上げは(新型コロナの需要を掴むことで)月間で12.5倍まで成長(需要安定後でこの成長率。最も影響の大きな時期は月間売り上げが91.2倍に)。
「【高濃度アルコール・消毒用エタノール関連】注意喚起情報まとめ」というコンテンツでは、SNSで寄せられるフォロワーからの声をもとに執筆し、わずか1日で約2万3000ユーザーを獲得するなどの成果もあげられています。
同社の甲斐氏に、効果の出るコンテンツの考え方や作り方、そして地方メーカーがコンテンツマーケティングに取り組む意義について伺いました。
ミエルカ導入前の課題
「自社の公式オンラインショップの売上を増やしたいが、そもそもアクセスが少ない…」
―どのような課題があり、当社にご相談いただいたのでしょうか?
甲斐様:公式オンラインショップの売り上げが伸び悩んでいたことです。
顧客が自然と集まるECのショッピングモールでは商品が売れるのですが、公式オンラインショップの売り上げが伸びず、月間で10倍ほど差が出てしまうこともありました。
ECのショッピングモールは、出店するだけで多額の費用がかかります。
将来を見据えて公式オンラインショップの売り上げを伸ばすことが必要不可欠だったので、集客や売り上げを伸ばす手段を模索していました。
―どのようなことに取り組まれたのですか?
甲斐様:Web広告を使って集客を増やそうとしましたが、泡盛を含む焼酎業界は競争が激しく、広告価格が高騰しています。実際に取り組んでみましたが、費用対効果は低いと言わざるを得ませんでした。
また、泡盛という商品領域は非常にニッチな分野で、泡盛について調べる人はそこまで多くはありません。泡盛についてまだ知らない潜在層にアプローチをして新規顧客の開拓をしていく必要もありました。
そこで、泡盛の美味しい飲み方や魅力などについて伝えるコンテンツに注力し、集客を行っていこうと考えていました。
ただ、「コンテンツで本当に成果が得られるのか?」と確信が持てず、不安はありましたが、ミエルカであれば、データを基にしたコンテンツ制作や内製化をすることが可能で、「成果につながるはずだ」と感じ、導入を決定しました。
ミエルカの活用方法
SNSとミエルカを連動させてコンテンツ制作し、1日で2万3000ユーザーを獲得!企画の仕方など実際の施策を解説します
―ミエルカはどのようにご活用いただいていますか?
甲斐様:ミエルカを使って検索意図の分析を行うことで、これまで漠然としか分からなかったユーザーニーズが的確に理解でき、コンテンツ制作に欠かせない存在になりました。
特に良かったと思っているのは、迷いなくコンテンツを制作できるようになった点です。
これまでは、コンテンツの方針や大枠を決めるのに、かなりの時間がかかっていました。タイトル1つ付けるにしても、選択肢は無限にあります。
「ユーザーがなぜ検索しているのか?」「どういう情報を求めているのか?」が、ミエルカを活用することで、すぐ分かります。このおかげで、コンテンツの方針や大枠を決めるスピードがかなり速くなりました。
SNSとミエルカを連動したコンテンツ制作を行っていると伺いました。どのようにコンテンツを企画したかについて詳しく伺えますか?
甲斐様:ミエルカを導入してから、3本目に執筆した「【高濃度アルコール・消毒用エタノール関連】注意喚起情報まとめ」というコンテンツを例に解説します。
このコンテンツは、公開した翌日にGoogle Discover※1に掲載され、たった1日で2万3000ユーザーを獲得しました。弊社の公式サイト立ち上げ以来、最大の来訪者数で驚きましたし、多くの方にご覧いただけて非常にうれしかったですね。
※1 Google Discoverとは、スマホでGoogle検索を利用する際に表示されるニュースフィードのこと
制作しようと思ったきっかけは、弊社で運用しているFacebook、Twitter、インスタグラム、LINEなどのSNSで、フォロワーから寄せられる大量のお問い合わせをいただいていたことです。
弊社では、泡盛のほかに、高濃度アルコールや消毒用エタノールも販売しています。
SNS上では、高濃度アルコールや消毒用エタノールに関するさまざまな情報発信をしていたところ、フォロワーからの反響が大変大きく、「助かる」などのお声を沢山いただいています。
こうした情報発信を続けていたところ、弊社へのお問い合わせの量が増えていき、対応できないほどになりました。そこで、コンテンツを使ってよく寄せられる質問に答えようと企画し始めました。
フォロワーのご期待に応え、かつ自分たちがどういった者かを知ってもらい、新規のお客様を獲得しようとしたことが今回のコンテンツの出発点でした。
―具体的にどのようにコンテンツを制作していきましたか?
甲斐様:まず、SNSのフォロワーから多く寄せられる質問として、「高濃度アルコール」や「消毒用エタノール」に関するものがあり、その2つに関するコンテンツの制作を決めました。
「酒造メーカー由来の消毒用エタノールが、一般的な消毒用エタノールとどう違うのか?」「正しい使い方は?」などが寄せられていましたね。
そうしたトピックの中から、ミエルカを利用して、「高濃度アルコール」や「消毒用エタノール」に関して、「ユーザーが知りたい情報は何なのか?」を調査しました。
実際にミエルカの機能を使って調査したところ、以下の3つの検索意図があることが分かりました。
①「除菌」と「消毒」の違いについて知りたい
②希釈のやり方について知りたい
③官公庁の正しい情報について知りたい
SNSで寄せられている質問とミエルカの調査で分かった検索意図をうまく盛り込んでコンテンツを制作していきました。
特に➂については、厚生労働省などの公的機関が出している正しい情報をもとに制作するように気を配りましたね。
フォロワーの関心のあるトピックに、検索意図を足して、コンテンツを作った形だと言えます。
また、コンテンツ内で、どういうリンクを張るかという観点でも、ミエルカの調査を生かしています。
今回のケースでは、「手指消毒」や「国税」などのキーワードと関連性が高いことが分かったので、コンテンツ内で「手指消毒」や「国税(酒税)」に関するコンテンツへ誘導を促すリンクを置いています。
迷うことも多かったリンクについても、どのようなコンテンツのリンクを散りばめたらいいのかが分かるようになり、コンテンツ制作で大変役に立っています。
このコンテンツの取り組みを振り返ってみると、メーカーがトレンドに合わせて情報発信したことが非常にユニークだったと思います。
メーカーがトレンドを拾うことは難しいかもしれませんが、メーカーがトレンドに合わせて出した情報ということが、他の方が書かれているコンテンツとの差別化にもつながったと感じているので、今後もこうした取り組みは続けていきたいですね。
ミエルカの活用効果
PV数は以前の約3倍になり、公式オンラインショップの月間売り上げは12.5倍に増加
―こうした取り組みの結果、どのような成果につながりましたか?
甲斐様:「高濃度アルコール使い方」(月間検索数520)で1位、「消毒用アルコール使い方」(月間検索数280)では、6位に表示されるなど、ミエルカを使ってコンテンツを制作することで着実に集客に結びついています。
以前の公式サイトは、1日3,000PVほどでしたが、現在では安定して1日8,000~1万PVを獲得できるようになりました。
流入が増えたことで、オンラインショップの売り上げもかなり上がり、特に沖縄以外の地域のお客様が増えています。
新しい層のお客様を開拓することができ、購入者は月間で100人ほど増え、売り上げは約12.5倍まで伸びています。
高濃度アルコールで、初めて弊社の商品を知っていただいたお客様が、弊社の主力商品の泡盛を購入いただくケースが増えており、良い循環ができていると感じています。
検索で上位に表示させると、お金もかからず、広告よりも購入へのモチベーションが高い人が入ってきてくれるのでありがたいですね。
地方メーカーがコンテンツマーケティングに取り組む意義
「メーカー側から情報発信をしないと見つけてもらえず、顧客とのつながりが保てなくなっていくのではないか」
―地方のメーカーがコンテンツマーケティングに取り組む意義とは何だと思われますか?
甲斐様:これからは、メーカー側から情報発信をしないと見つけてもらえないですし、顧客とのつながりが保てなくなっていくと考えています。
地域(地元)のお客さんが主な商売相手であっても、最近では地域のお客さんもネットでショッピングをします。コンテンツなど何らかの形で、メーカーこそ情報発信していかないとどんどんと顧客を失うことになると予想しています。
SNSやメルマガを通して既存の顧客との接点を持っていたとしても、それだけでは不十分です。
弊社の場合は、1段階目として既存顧客向けにコンテンツを作成していき、2段階目として新規獲得を狙ったコンテンツに力を入れていく戦略を立てています。
コンテンツを通して、これまでの顧客を大切にケアしながら、新規顧客を獲得していくことが重要だと考えています。
今後の目標
当初目標は早期に達成。次は、「泡盛」関連でのキーワードで、月間ユーザー数1万を超すことが目標
甲斐様:「1年間で月間ユーザー数1万を超える」ことが短期的な目標でしたが、早々に達成をしてしまいました。次は「泡盛」関連のキーワードで、月間ユーザー数1万を超えることを目標にしたいですね。
商品の幅が狭い業界なので、新規獲得のための商品開発が必要だとも思っています。
ですので、新商品が真っ先に検索で引っかかるような強いサイトにしていきたいという長期的な目標もあります。例えば、皆さんがお酒関連でよく検索されるキーワードで、検索上位を取り、新商品への誘導することができたら、それだけでマーケットも広がりますからね。
そうした目標を達成していくため、今後も引き続きご支援やサポートをお願いしたいと思っています。
企業プロフィール
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- 社名
- 久米仙酒造株式会社
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- 事業内容
- 泡盛をメインとした酒類販売
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- 導入時期
- 2020年5月1日
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- 担当
- 甲斐 慶彦 様
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- 体制
- 1人
導入担当よりひと言
この度、久米仙酒造様の導入と運用を担当させていただいている濱岸です。
甲斐様は、社内での内製化にとても積極的で何とかお力添えできればと考えていました。
久米仙酒造様の泡盛マガジンはコンテンツ量も豊富で、とても読み応えのあるサイトです。今後は、甲斐様と一緒に既存コンテンツのブラッシュアップ、SEOコンテンツの作成に取り組んでいければと思っています。「泡盛といえば久米仙」から「焼酎といえば久米仙」を目指して頑張っていきましょう。(濱岸 恭平)