“SEOツール”として使っているだけではもったいない!ミエルカSEOで可能になった営業の効率と質の向上
株式会社サンケイリビング新聞社 2024.07.24 2024/7/23- ミエルカSEOをコンテンツ以外で営業目的に活用
- ChatGPTの併用で社内での活用率が向上
- ポップアップ活用により半期でLINEの登録者数が200%増
『リビング新聞』『シティリビング』などのメディアを持つ株式会社サンケイリビング新聞社は、2021年から新規事業として地域共創プラットフォーム『まちっと』をローンチした。『まちっと』の開発運営を率いる同社新領域事業統括DX推進室室長・山口氏は、自身の経験から、社内の業務効率化の前提となる数値化や、サイトグロースに関して課題を感じ、ミエルカSEOを導入。様々な施策を行ううちに営業側への活用やChatGPTとの併用を発案し、Faber Companyの伴走支援を受けながら実行。定量・定性の両面で効果を感じているという。今回は山口氏に、コンテンツ制作にとどまらないミエルカSEO活用法について伺った。
SEOツールだけでなく、営業にも生かせるツールとしてミエルカSEOを選定
「すべての女性の未来と地域の活力を応援し続ける」をミッションとし、首都圏と大阪・神戸エリアを中心にフリーペーパー『リビング新聞』『シティリビング』を発行するサンケイリビング新聞社。フリーペーパーのイメージが強いが、現在はステークホルダーが持つマーケティング、ブランディング課題に対し、Web、プロモーション、シンクタンク機能をソリューションとして提供する課題解決型のマーケティング企業となっている。
新規事業として2021年から地域共創プラットフォーム『まちっと』の開発運営に携わる山口氏は、『まちっと』のメディアとしてのマネタイズやサイトグロースに関して課題を感じていた。また、DX推進室室長の役回りとして、「業務効率化」「課題解決力の向上」を目的としたデジタルツールの社内導入も検討する中で、業務の仕組み化や数値化ができていないことが、効率化や課題解決力向上においてボトルネックだと感じていたという。
「営業として現場で動いていたときも、統括する立場になってからも、仕組みづくりは課題でした。どうしても属人的なところが多くなってしまい、再現性がつくれていなかったのです。『まちっと』は、仕組みでモノが売れる状態を作るために立ち上げた新規事業でもありました。しかし、後発の地域メディアとなり、かつリソースも限られる中ではサイトグロースやマネタイズに課題がありました」(山口氏)
そこで『まちっと』ローンチから1年後の2022年、業務の仕組み化や効率化に寄与するツールの導入を検討。導入目的としては下記の2点を主軸に置いた。
1.検索行動や生活者インサイトの分析をすること
課題やニーズの宝庫である検索行動を分析することで、生活者/ステークホルダーのインサイトを捉え、必要としている人に必要な情報やサービス、価値を提供できる状態をつくる。
2.提供価値を数値やビジュアルで可視化すること
50年以上にわたりメディアを発行しているが、感覚的・属人的に捉えているニーズ・課題が多くあった。そこで自社の提供価値が実際のニーズとマッチしているのかを、数値やビジュアルで可視化することで、組織としての提供価値のボトムアップを図る。
地域生活者のインサイトを、検索行動を可視化することで把握し、適切なコンテンツを提供していく。それにより、地域愛の醸成、サイトへの愛着・共感の醸成を図ることができ、継続利用にも寄与すると山口氏は考えた。
また、この2点に加え、自身の経験からもう一つの”狙い”があったという。
「元々私が営業だったこともあり、いわゆる“SEOツール”としての活用だけではもったいないと感じていました。生活者/ステークホルダーのインサイトをとらえ、フィードバックを行うという観点で考えると、コンテンツ制作以外に営業活動にも生かせるポイントがあると考えました」(山口氏)
営業活動、特に提案資料の作成場面における活用を見越して検討を進めていた山口氏に対し、Faber Companyの営業担当は、提案場面でのミエルカSEOの活用方法を提示した。特に「サジェストインテンション機能」(バブルの大きさや距離でユーザーの検索意図や潜在ニーズがわかる機能)に惹かれ、活用場面にも納得感を感じた山口氏は、2022年8月からの導入を決断した。
営業での活用にもとどまらず、ChatGPTとの併用にも幅を広げた
導入段階で、SEOだけではない「生活者インサイト可視化ツール」というとらえ方をしていた山口氏だが、まずはスタンダードに、サイト分析やコンテンツ制作にミエルカSEOを活用。徐々に営業面での活用に幅を広げていった。
主にサジェスト抽出、サジェストインテンション、新規トピック分析を活用して、提案先企業の商品・サービスの現状把握と生活者インサイトの分析、仮説立案などを実施。CVにつながるキーワード予測を活用し、商品・サービスを利用するターゲット生活者が使用する可能性のあるクエリを分析。さらに、商品・サービスの、Google広告の利用状況や競合サービスの閲覧状況などを把握・整理し、営業でのソリューション提案に活用している。
「当社が対峙する企業の皆さんが自社商品・サービス改善のために行うであろうミエルカSEO活用を、提案時に当社が先回りして行うイメージです。ミエルカSEOを使うことで、説明のしやすさ、理解していただける確率が格段に上がったと思っています」(山口氏)
さらにサンケイリビング新聞社の活用において特筆すべきは、ChatGPTとの併用を行ったことだ。これは山口氏と担当CSの伊藤が営業での活用を話し合う中で出てきたアイデアとなる。伊藤はその意図をこう語る。
「ミエルカは元々、コンテンツSEO用のツールです。そこに、営業の方たちにとってプラスアルファの価値を与えることができないかを山口さんと話し合いました。ちょうどChatGPTが出てきて、自社でもChatGPTを活用方法について実験や議論を重ねていたところだったので、それをそのままノウハウとして提供しようと考えたのです」(伊藤)
Faber Companyはサンケイリビング新聞社に対し、ChatGPT関連の勉強会を、時期を分けて2回実施した。1回目は、コンテンツ制作に直結するChatGPTの使い方について。「プロンプトとは何か」といった基礎部分を、Faber CompanyのChatGPT研究チームのメンバーから解説した。
2回目は、およそ半年後、営業目的での活用を意識したChatGPTの使い方について。営業チームのメンバーが、企業調査をする際の手元を見せながらレクチャーした。主要メンバーがフラットに活用できるようにし、活用幅もコンテンツ制作から営業へと広がったことで、社内の活用率はより高まっているという。
営業の武器が増え、案件獲得に寄与。LINE登録は半期で200%増!
もともと120万人強の会員組織を持ち、定量・定性調査と分析と結果に基づくソリューション提供を強みとしていた同社。しかし、調査には一定時間を費やし、クライアントによって、求められる生活者インサイトやソリューションの粒度は異なり、それぞれにマッチする提供をやりきることは困難となっていた。
ここにミエルカSEOを導入したことで得られた効果について、山口氏はこう答える。
「ミエルカを導入したことで、生活者インサイト把握工数は大幅に削減でき、それをもとに立てた仮説をベースに設問設計やインタビューもできるようになりました。さらに、提案場面でもミエルカを活用した結果、自治体プロポーザル、メーカーのプロモーション、また企業のサイト改修案件の受託などの案件を獲得することができています。もちろん使った場合と使わなかった場合を正確に比較することは難しいのですが、少なくとも我々にとっての武器が1つ増えたことは間違いありません」(山口氏)
これに加え同社では、生活者インサイトをもとに制作したコンテンツに対して、ミエルカヒートマップのポップアップ機能を活用し、LINEお友達登録導線を設計。半年間で登録156%増という成果もあげている。
「普通にLINEお友達登録キャンペーンをすると、1件あたり100~200円の獲得コストがかかります。そこでミエルカヒートマップのアップグレードをして、使える範囲を広げました。おかげさまで1件あたりの獲得コストは40円ほどまで下がり、かつ、ポップアップを出す以外にも、ヒートマップでより広い分析ができますから、一挙両得の形になっています」(山口氏)
サンケイリビング新聞社の一連の取り組みについて、担当CSの伊藤はこのように見ている。
「山口さんはご自身で、ミエルカSEOを使って営業提案した際の『この場面ではこの機能を使った』という事例を社内向けに一覧化されていました。ナレッジを貯め、活用する工夫を様々してくださったことで、ビジネス的な数字もきちんと出るようなったことを大変嬉しく思います」(伊藤)
企業の課題に真摯に向き合い、柔軟にサポートを変化させる
山口氏は、自社の課題に寄り添い、通常のミエルカSEOの活用目的(SEOやコンテンツ制作など)とは異なる方法を提案されたことを高く評価している。
「営業面での活用にしても、ChatGPTのようなトレンドのツールの勉強会にしても、その時に即した活用を柔軟に考え、レクチャーしてくださったことは非常に心強かったです。こういうサポートをリソースを割いて行うことは難しいことだと思うのでありがたいですね」(山口氏)
型にはまらない支援を実施した今回は、伊藤にとってもチャレンジングな取り組みとなった。
「導入いただいた当初の目的、課題をいかに解決できるかの2軸で考えることはどの企業様でも変わりません。本当にやりたいこと、解決したいことは何なのか、何度もオンラインミーティングや電話を通して話し合い、山口さんのお立場も踏まえながら適切な着地点を探っていきました」(伊藤)
コンテンツ制作やヒートマップを活用して一定のコンバージョンを得るといったことであれば、数字的な成果が見えやすく、対外的なアピール材料にもしやすい。しかし、そこに甘んじることなく、課題の本質的な解決を目指し、自社のケイパビリティをフル活用してサポート形態を変容させていくことが伊藤の信条だ。
メディア会社がミエルカSEOを活用するメリットについて、山口氏はこのように語る。
「基本はSEO目的だと思います。ただ、生活者・ステークホルダー双方の課題を的確に知り、その解決を目指すサービスを提供することがメディアの役割とするならば、効率的にそれを実現する仕組みとしてミエルカは必要です。SEOツールとして以外の解決のきっかけがミエルカには秘められていると思っているので、むしろSEOにとどまっていてはもったいないと思います」(山口氏)
最後に、今後の展望について山口氏に伺った。
「今後はより深く生活者、ステークホルダー、世の中の課題を知り、寄り添い、ソリューションを提供していきます。その伴走者としてFaber Companyさんがいてくださることは本当にありがたいですし、これまで以上にミエルカの活用の幅も広げていきたいと思っています。今後も対峙する企業様の課題解決をしていきながら、ともにいい未来を作っていけたら幸いです」(山口氏)
同社は、1社ですべて内製して利益追求するよりも、各分野の専門家に頼りながら“共創”することに重きを置く。今後はフリーペーパーや『まちっと』などのメディアだけでなく、様々なソリューションを持つ総合マーケティング企業として、クライアントの課題解決に注力していく所存だ。
Faber Companyは今後も、自社とサンケイリビング新聞社との共創関係を強くするだけでなく、同社とそのクライアント企業の共創関係づくりにも寄与していけるよう、支援を続ける。
企業プロフィール
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- 社名
- 株式会社サンケイリビング新聞社
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- 事業内容
- 新聞・雑誌の発行、出版、放送、インターネット等を含めたコンテンツ全般に関する事業、 および演劇・音楽・映画、その他催し物の企画制作、興行並びにその事業販売全般に関わる事業、以上に付帯する事業全般。
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- 導入時期
- 2022年8月31日
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- 担当
- 山口様