インタビュー記事からSEO記事に舵切りし検索流入2倍!SEO未経験から急成長を果たした人事ポータルサイトの施策とは?
ProFuture株式会社 2023.09.13 2023/9/15- 検索流入セッションが3年間で2倍に成長!
- 検索流入からのCVが3年間で20%増加!
日本最大級の人事ポータルサイト「HRプロ」。人事関連サービスや調査データ、ニュース、コラム記事など、経営者や人事担当者に役立つ情報を発信しています。以前はインタビュー記事をメインコンテンツとしていましたが、2020年4月にSEO記事強化へと大きく方向転換を開始。その結果、サイトの検索流入セッション数が2倍、検索流入からのCVは20%増を達成しました。
SEO初心者だらけの編集メンバーが短期間で成果を出した秘訣について、サイトを運営するProFuture株式会社沢田さま、草野さまにお話を伺いました。
コロナ禍で対面インタビューを断念。SEOへ舵切り
―人事ポータルサイト「HRプロ」は長年インタビュー記事に定評があります。なぜSEO記事に力を入れることにしたのでしょうか?
草野さま(以下敬称略):
2020年1月頃からコロナ禍となり、対面インタビューの実施が厳しくなったからです。以前の「HRプロ」は有識者や先進的取り組みを行う企業のインタビュー記事がメインで、SEO記事に関しては労務関連のトピックを中心に発信していました。
しかし、コロナ禍でインタビュー実施が難しくなるなかで、集客を拡大していくためには、戦略を大きく変えていく必要があると感じました。そこで思いきって、SEO記事にリソースを割くことにしたのです。
―なぜミエルカSEO導入を決めたのでしょうか?
草野:
実は今まではSEO記事に取り組むものの、手ごたえがないまま進めていたんです。ですが、SEO分析ツール「ミエルカSEO」の存在を知り、簡単にデータの可視化ができることに驚きました。明確にミエルカSEOの使用イメージが湧いたことから、さほど他SEOツールとの比較は必要ないかなと、すぐに導入を決めましたね。コロナが流行ってから比較的早い段階の2020年4月頃、ミエルカSEOを使用したSEO記事の施策をスタートしました。
SEO初心者だらけのチームでも迷いなく動ける
―SEO記事を執筆するチームのメンバー構成について教えてください。
沢田さま(以下敬称略):
編集メンバーは全5名です。草野は全体の統括、私はマネージャーとしてSEO記事のキーワード選定や効果測定、戦略立てなどを担当しています。その他3名の編集スタッフが、記事の構成案作成や外部ライターのディレクション、校正などの業務を行っています。
―率直な感想をお聞きしたいのですが、ずばりミエルカSEOの使い勝手はいかがですか?
沢田:
私はイチからSEOを学んだのですが、まったく問題ないですね。コンテンツ制作もデータ分析も迷いなくできていますし、非常に使いやすいです。
―どのような記事でミエルカSEOを活用していますか?
沢田:
ほぼSEO記事での活用です。特にセッション数を狙った記事に活用しています。一部、ニュースや社労士コラムでも、「どんな検索意図があるのか?」「どんなキーワードで検索されているか?」といった情報分析もします。
草野:
ミエルカSEOの使用用途として、世間のトレンドや人事界隈で盛り上がっているキーワードを追いかけるのにも便利ですね。需要のあるキーワードを押さえておくことは非常に重要です。たとえば、メールマガジンで読者の興味に即した内容を発信する時にも役立ちます。トレンドをつかみ、次に来そうなトピックを予想するためにミエルカSEOはなくてはならない存在です。
―チームメンバーもSEO初心者とのことですが、しっかりミエルカSEOを使えていますか?
沢田:
SEO初心者のメンバーに記事制作を任せていますが、今のところ必要機能はしっかりと使えているようです。私が1on1などで資料を共有しながらメンバーにレクチャーしていまして、あるメンバーは担当してから2カ月以内でベンチマークに置いているセッション数を達成する記事の制作ができています。良い結果が出ているという意味では、チーム内で上手く連携しながら活用できているのかなと思います。
ちなみに、メンバーには制作に専念してもらっているので、まずは私と草野がデータ分析を担当しています。使える機能が多いので、いっぺんに教えるのではなく、徐々に小出しにしながらシンプルに機能を使うのが良いのではと。SEOの肌感覚がない状態では、一気にたくさんの機能を覚えるのは難しいですからね。
―メンバーのモチベーション維持は大変ではないですか?
沢田:
数字ですぐに結果が分かるからか、やりがいを持ってメンバーは取り組んでくれています。私の方でも「良い結果が出ているよ」とメンバーにすぐ伝えるようにしていますね。
草野:
セッション数を上げるという明確な目標があるのが良いようです。自らの作業がダイレクトに会社にインパクトを与えるので、手ごたえを感じられるのではないでしょうか。SEO施策に取り組み始めてからまもなく2年が経ちますが、いいサイクルが作れていると実感しています。
検索流入セッション2倍!流入からのCVは20%超えを達成
―ミエルカSEOを活用した施策を行ってから、どのような結果が出たのでしょうか?
草野:
SEO施策を始めてから、かなり良い結果が出ています。まず、検索流入セッション数が約2倍にアップしました。
―素晴らしい結果ですね!セッション数が伸びたことでコンバージョンにも影響はありましたか?
草野:
資料ダウンロードなどのコンバージョン数も増えていますね。以前は検索流入のうち数%程度だったのですが、現在は検索流入の約20%がコンバージョンにつながっています。
―SEO施策成功の要因は何でしょうか?
草野:
とにかく実直に作業して、安定して新規の記事を公開し続けたことに尽きますね。継続できたからこそ成功につながったのだと思います。
沢田:
ミエルカSEOを使用することで、時期を捉えたキーワード選定ができたことも成功要因の一つです。人事業界では採用や育成、異動、評価といった、1年の中である程度スケジュールが決まっているトピックがあります。その時期を逆算して、需要のあるキーワードを押さえた記事を制作できたのが良かったですね。
また、旬のキーワードを押さえることも大事です。たとえば「リスキング(技術革新の変化に対応するために、新しい知識やスキルを学ぶこと)」や「人的資本経営」など、いまトレンドとして盛り上がっているキーワードは常にチェックするようにしています。
そのほか、トレンドだけでなく、検索ボリュームのあるキーワードも積極的に取りに行くなど、バランス良くキーワードを攻める戦略が功を奏したのだと思います。
草野:
人事系キーワードに偏ってしまうと検索ボリュームが少ないという弱点があるんです。もちろん人事系キーワードは取りに行きますが、SEOの観点で言うと、人事に関連しながらも普遍的なトレンドワードを狙うことも大切ですね。
―キーワード選定の仕方にコツがあるのですね。そのほかにも、競合に勝てた要因はありますか?
沢田:
競合と同じようなSEO記事を作らないことでしょうか。たとえ完璧に競合分析をしても、情報を入れ替えただけの金太郎アメのようなSEO記事は面白みのないものです。
「HRプロ」はSEOを意識しつつも、記事の中立性や専門性の担保をめざしています。人事担当ならではの気付きや発見など、深い情報を入れ込むことで、ほかにはない永続的に読まれる記事にしたいと考えています。
SEO施策で必須!ミエルカSEOの便利な機能
―実際にミエルカSEOを利用してみて、どの機能が便利だと感じましたか?
沢田:
特によく使う機能は「サジェスト抽出」です。狙うキーワードがどの程度ユーザーニーズ(=検索ボリューム)があるか調べるほか、月間検索数の伸びを調査するなど、キーワードの精度を高めるために重宝しています。さらに「サジェストインテンショングルーピング」機能で狙うキーワードを分析し、構成案作りに役立てています。
「クエリタイプ分析」も便利な機能ですね。検索上で5つのクエリタイプ(「とは」「HOW TO」「比較検討」「感情」「取引」)のどのタイプが強い傾向にあるのかを分析してくれます。
競合記事が含む要素は確実に押さえつつ、事例などプラスアルファの要素を入れるように意識することが大切です。実際に自分で検索しながら、目視でもある程度クエリタイプのチェックはできますが、数字として可視化されることで確実に効率アップにつながっています。
草野:
サイトのSEO状況を可視化するサイトレポートのデータを簡単にPowerPointに出力できる「SEOレポートダウンロード」機能も便利です。
GAですと複数の要素をチェックして出力する時にカスタマイズは必須ですが、この機能を使えば必要な指標を一括でダウンロードできるのが良いところですね。社内の編集会議における情報共有でこのレポートが活躍しています。
沢田:
基本的には必要な機能をシンプルに使っています。あとは、ヒートマップ機能の活用に今後取り組んでいきたいですね。
セッション数の伸びは期待以上!さらなるコンバージョン率向上をめざす
―2年半の間、SEO施策に取り組んでみていかがでしたか?
草野:
まずは一定の成果が出ているので良かったと感じています。正直なところ成果が出るまでもう少し時間がかかると予想していましたが、セッション数の伸びは想像以上のスピード感でした。最終ゴールはもう少し先にありますので、これからも気を引き締めていきたいです。
沢田:
同じく、成果が出たことでホッとしています。成功した理由には、メンバーのマインド面が大きかったのではないでしょうか。競合と同じ記事を作らないように、メンバーには「ただの作業者になるな」と口を酸っぱくして伝えてきました。「HRプロ」が発信する記事のあり方を共有し、メンバー全員で意識を高めながら進めていけたのが良かったです。
―ありがとうございます。最後に、今後の目標を教えてください。
沢田:
SEO記事のヒット率を高めつつ、結果が出ていない記事はリライトを重ねて検索順位も伸ばしていきたいです。そのためには改善する記事の優先順位を決める必要がありそうです。
草野:
この成長を止めてはならないなと。同じことをやっていても成長曲線は上がっていきません。既存記事のリライトで検索順位アップを図ると同時に、ページを訪れた人にどうコンバージョンに導くかにも注力したいです。
コンバージョンポイントとしては、資料ダウンロード、会員登録、セミナー参加申し込みなどですね。今後の課題は導線づくり。まだまだやることがたくさんあるので、ここにも力を入れていきたいです。
企業プロフィール
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- 社名
- ProFuture株式会社
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- 事業内容
- 人事ポータルサイト「HRプロ」の運営
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- 導入時期
- 2020年4月
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- 体制
- 社員5名、外注ライター4名