現役UXデザイナーが解説。UXデザイナーになる手段と必要スキルとは? 北林 万里奈 2021.05.13 2023/1/19 UI/UXWEBデザインデザイナー UIUXUXデザイナーデザイナーヒートマップ UXデザイナーとWEBデザイナーの違い UXデザイナーになるプロセス UXデザイナーが持っておきたいスキルセット UXデザイナーになるために「数字と向き合う力」を鍛えよう デザイナーが分析スキルを得るメリット ビジネスにおけるデザインの重要性が高まる昨今、SEO業界でも「UXデザイン」という言葉をよく見かけるようになりました。ユーザー目線のコンテンツ施策が検索順位アップに繋がる時代において、デザイナーの活躍できる分野は今後ますます増えていくでしょう。 しかし、実際には「そもそもUXデザイナーって何をやっているの?」「どうやってUXデザイナーになるのか分からない」 そんなデザイナーの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか? 今回は、UXデザイナーになるためのプロセスやスキルセットについて、実際にWEBデザイナーからUXデザイナーに転身した筆者の実体験を交えてわかりやすくお伝えします。 UI/UXデザイナーとしてステップアップしたい方必見!大企業~スタートアップの幅広い案件を獲得できる無料のマッチングサービスでUI/UXデザイナーとして副業を始めてみませんか? UXデザイナーとWEBデザイナーの違い 業務内容の違い 一口にデザイナーといっても、さまざまな役割や業務があります。ここでは、有名な「UXの5段階モデル」をもとにご説明します。 WEBデザイナーの仕事は「表層」にあたるビジュアルデザインがメイン。「どうすれば視覚的にわかりやすく伝わるか?」を考えます。ピクセル単位のズレを修正し、色彩設計を慎重に行う職人仕事で、世間一般で「デザイナー」と呼ばれているのがこちら。 UXデザイナーは「戦略」にあたる、ユーザーのニーズ分析やサービス・プロダクトの目的・目標の設計がメイン。 「どうすればユーザーに期待通りの体験をしてもらえるか?」を考えます。ユーザーとの対話とビジネスゴールの達成に重きを置くため、スピーディーなPDCAを回すことが求められます。 待遇の違い 同じデザイナーの中でも、業務内容が大きく異なるUXデザイナーとWEBデザイナー。待遇にも差が見られます。 UXデザイナーとWEBデザイナーとの違いまとめ 1. UXデザイナーは、より全体を俯瞰できる ユーザー体験そのものをデザインするため、 全体像を把握し戦略を立てることができます。 2. UXデザイナーは、チームプレーの場が増える ユーザーインタビュー・エンジニアやビジネスサイドとのディスカッション・マーケティングチームとの連携など、人と一緒に仕事をすることが増えます。 3. UXデザイナーは、デザインを目的ではなく手段と捉える 時にはビジュアルを犠牲にする判断が求められます。 WEBデザイナーとしてビジュアルデザインの力でユーザーを喜ばせる体験をしてきた方にとっては、スキルや経験を活かしてキャリアアップできる魅力的な仕事といえるでしょう。 一方で、これらの違いが、UXデザイナーにキャリアアップする上での壁となる可能性は大いにあります。 UXデザイナーになったばかりの頃の私のように、「こんな未完成なものを世に出すなんて嫌だ」「関係者が多すぎて、意見がまとまらない」「ビジュアルデザインに時間を割けないとモヤモヤする」 という悩みを抱える方もいるかもしれません。 ※ デザイナーの気持ちを詳しく知りたい方は、ぜひ翔泳社「CreatorZine」での寄稿連載「R35デザイナーの越境」をお読みください。 UI/UXデザイナーとしてステップアップしたい方必見!大企業~スタートアップの幅広い案件を獲得できる無料のマッチングサービスでUI/UXデザイナーとして副業を始めてみませんか? UXデザイナーになるまでのプロセス 実際にWEBデザイナーがUXデザイナーになるには、どうすればよいのでしょうか? 正直に言うと、私ははじめから「UXデザイナー」を目指していたわけではありませんでした。 WEBデザイナーからUIデザイナーに 私はWEBデザイナーからキャリアをスタートしていますが、UXデザイナーになる前の職場でUIデザイナーを経験しています。 SaaSサービスのUIデザインにチャレンジする機会をもらったことがきっかけでした。 UIは「UXの5段階モデル」の表層・骨格・構造にあたる分野です。 UIデザイナーとして働く中で、デザイン品質を維持しながら開発効率を上げることができる「デザインシステム」という概念に出会い、デザインの「構造」を考えることの楽しさを学びました。また、スピード感をもって実装することで、ユーザーからの反応も多くもらえるようになりました。 「納品して終わりじゃないんだ……!」「改善するためには、スピード感を持ってPDCAを回すことが大事なんだ」 制作会社でWEBデザイナーとして働いた経験のある私にとって、とても衝撃的でした。 UXデザイナーに求められる「デザインを目的ではなく手段と捉える」マインドを身につけるためにも、WEBデザイナーの方はまずUIデザインの実戦経験を積むことをおすすめします。 UXデザイナーへのキャリアアップ 私の場合、UIデザイナーとして働くことで構造フェーズの理解が深まると、「そもそもこのボタンにはどんな役割があればいいのか?」という定義(要件フェーズ)や、「そもそもこのプロダクトにユーザーが求めているのはどんなことなのか?」というニーズ分析(戦略フェーズ)に興味が湧きました。 「もっと大きなプロダクトでPDCAを回したい!(やったことないけど)」 そんな私の情熱に応えてくれたのが現職です。 UIデザイナーやUXデザイナーの募集では、実務経験や実績が応募基準になっているケースが少なくありません。一方で、スタートアップ企業やベンチャー企業、大企業の新規事業部などは比較的挑戦しやすいかもしれません。 UXデザイナーが持っておきたいスキルセット UXデザイナーの業務内容は、WEBデザイナーとは大きく異なります。 そのため、「WEBデザインができればUXデザイナーになれる!」 というわけにはいきません。 一方、「デザイナーというと美大卒が有利そう」 という声もありますが、UXデザイナーは業務範囲が広いので、「文系・理系」「美大卒」問わず誰でも自分の強みで活躍できる仕事です。 その中でも、UXデザイナーが持っておくと役に立つスキルセットについてご紹介します。 1. コミュニケーション能力 立場の異なる人々と接する場面の多いUXデザイナーの仕事では、コミュニケーション能力が重要になります。 2. 巻き込み力 ユーザーとの対話のためにはマーケティングチームやCSチームとの連携が、良いプロダクトを作るリソース確保のためには経営陣の理解が不可欠です。気軽に協力してもらえる人間関係を構築できると理想です。 3. ブランディングの知識 一貫性のあるプロダクトを生み出す上で、ターゲット市場での認識を分析し、どのように認識されたいかを計画していくブランディングの知識が役立ちます。 4. 開発の知識 コードやプログラムの知識があればあるほど、エンジニアとの連携がスムーズになり、生産性が向上します。 5. 数字と向き合う力 経験値や「なんとなく」の感覚値ではユーザーからの評価は推し量れません。Google Analyticsやヒートマップなどの数字と向き合うことで、自分の意図をより正しくユーザーに伝えることができるようになります。 UXデザイナーになるために「数字と向き合う力」を鍛えよう 「数字と向き合う力」と言われて、うっ……と思われた方もいるのではないでしょうか。 たしかに、ビジュアルデザインを強みとするデザイナーにとって、細かい分析画面を見るのはあまり楽しい作業とはいえないかもしれません。 逆に言えば、ビジュアルを見るだけで分析ができたら、直感的に楽しく「数字と向き合う」力を鍛えられるのではないでしょうか? 「ミエルカヒートマップ」はまさに、視覚的データで「数字と向き合う力」を鍛えることができるツールなのです。 そもそもヒートマップ とは? ヒートマップとは、ユーザーの行動や興味関心を可視化できるツールです。 無料のヒートマップを使う ヒートマップの使い方 ヒートマップの使い方はいたってシンプルです。 1. ユーザー行動をもとに読まれていないところを削除する 2. ユーザーの離脱が起こっている箇所を改善する どんなに頑張って作ったデザインでも、ユーザーに見てもらえていないとしたら……。とても残念ですよね。デザイナー→ユーザーの一方通行をなくすためにも、ヒートマップは効果的です。 さらに、変更した部分が効果を生んでいるかの効果検証を行う ことも可能。スピーディーなPDCAを回すことができます。 無料のヒートマップを使う デザイナーが分析スキルを得るメリット デザイナーが分析スキルを得るメリットについてまとめました。 1. 根拠に基づいた提案ができるようになる クライアントを納得させやすくなります。 2. 評価されやすくなる 評価されづらいデザイナーの仕事。成果物そのものや改善実績が効果を生んでいることを証明できるようになります。 3. ポートフォリオに書ける 「数字と向き合える」「サイト分析ができる」というデザイナーは希少性が高く、多くの現場で重宝されます。また、UIデザイナーやUXデザイナーへの転職の際のアピールポイントにもなりえます。 分析スキルをあげるために、まずはヒートマップを使ってみてはいかがでしょうか? 無料のヒートマップを使う あとがき 近年の人気職種、UXデザイナー。DX化や検索エンジンの技術進歩に伴い、ユーザー目線で戦略立案できるUXデザイナーの活躍場面は今後も増えていくでしょう。 WEBデザイナーがUXデザイナーを目指す上で壁となりうるのが、「デザイン」の捉え方の違いです。 ユーザーの心を動かすビジュアルデザインの力を信じながらも、「本当にこのデザインはユーザーの期待に応えられているのか?」「ユーザーが期待することは何なのか?」 を一歩踏み込んで考え、必要であればビジュアルを捨てる判断をすることもあります。 「ミエルカヒートマップ」で数字と向き合う経験は、UXデザイナーとしての新たなキャリアに繋がるかもしれません。 無料のヒートマップを使う また、ミエルカコネクトでは大企業~スタートアップまで幅広い副業案件を取り扱っています。まずは無料登録をして、UI/UXデザイナーとしてステップアップしてみませんか? 編集者情報 北林 万里奈 早稲田大学法学部卒。 制作会社にて大手企業の広告デザインを多数手がけた後、 ベンチャー企業でのリードデザイナー経験を経て、 Faber Companyではデザイン戦略・UXデザイン設計から ビジュアルデザインまでデザイン領域を幅広く担当。 趣味は料理・フルート。 監修者情報 玉飼 真一 この記事をシェアする