CVR(コンバージョンレート)の計算式やCVRが低い場合の改善方法を解説 市川莉緒 2021.08.31 2023/1/19 CRO実例 CROCVR改善 CVR(コンバージョンレート)とは CVRの計算方法 実際はページ単体のCVRを出すことが多い CVRが低い場合の原因 CV増加にはCVR改善から取り組もう 【番外編】CPAやCTR、CPC、CPR、CPM、CTAとの違い CVR(コンバージョンレート)とは CVRとは、Conversion Rateの略称であり、顧客転換率と訳されます。Webサイトを訪れた人のうち、サイトが目標とする行動(資料請求や購入など)を取った人が全体の何割だったかを示します。 また、サイトが目標とする行動を取ることをCV(コンバージョン)と呼びます。 CVとなるポイントは、サイトの種類や目的によって異なります。例えばECサイトは商品購入、LPは購入や問い合わせがCVとなることが一般的です。 CVRの計算方法 CVRは「CVに至った人の数÷訪問者数」で求められます。 母数の訪問者数にどの数値を当てはめるかは、サイトの種類やCVポイントによって異なります。 ・CVが資料請求や会員登録の場合 サービスサイトやLPなどで、1ユーザーに対して1件のCVが見込める場合は次のような計算式になります。 CVに至った人の数 ÷ ユニークユーザー数 (UU)またはCV数 ÷ セッション数 (SS) ・CVが購入の場合 ECサイトなどで、1ユーザーが複数回CVする可能性がある場合は次のような計算式になります。 CV数 ÷ セッション数 (SS) またはCV数 ÷ ページビュー数(PV) 実際はページ単体のCVRを出すことが多い 実際は、ページ単体でCVRを出すことが多くあります。なぜなら、どのページが最もCVにつながりやすいかを測り、そのページへの流入や閲覧を増やすことでサイト全体のCV増加に活かせるためです。 ページ単体のCVRを計算する方法は主に2通りあります。 ① ランディングページ別のCVRを算出する どのページに流入した場合にCVRが高くなるかがわかる ② 閲覧、経由されたページ別のCVRを算出する どのページを閲覧、経由した場合にCVRが高くなるかがわかる 以降この2つの計算式とGoogle Analyticsでの見方をそれぞれ詳しく解説します。※Google Analyticsにてコンバージョン設定をしていることが前提です。 ①ランディングページ別のCVRを算出する ユーザーが流入したランディングページをページAとします。その場合、ページAのCVRは次の計算式で求めます。 CVR= ページA上でのCV数 ÷ ページAのセッション数 Google Analytics上では次の手順で確認します。 CVRが高いページの活用場面 たとえば、オウンドメディアやサービスサイト、LPの場合、ランディングページごとのCVRを測り、最もCVRが高いページへの流入を増やすことでCVを増加させる施策を取ることがあります。 ただし、やみくもに広告配信を拡大し、流入を増やそうとするとかえってCVRが低下する場合もあるため注意が必要です。 ②閲覧、経由されたページ別のCVRを算出する CVに至ったユーザーが閲覧、経由しているページをページBとします。ページBのCVRは次の計算式で求めます。 CVR =ページBを経由してCVに至った数 ÷ ページBのページビュー数 CVRが高いページの活用場面 ページB自体への流入は多くないものの、閲覧することでCVが見込める場合、ページBへの誘導を増やす施策を取ります。 たとえば、サービスサイトで料金ページを閲覧するとCVRが高くなると判明した場合、他のページから料金ページへの誘導を強化することでより多くのCVを見込める可能性が高まります。 直接の流入を増やすことが難しいページである場合は、他のページからの誘導を強化できないか検討しましょう。 Google Analyticsでの設定方法 閲覧、経由によるCVRをGoogle Analytics上で見るためには、設定が必要です。手順をご紹介します。 1.「行動>サイトコンテンツ>ランディングページ」を開きます。2.ページ上部の「セグメント」をクリックします。3.「新しいセグメント」をクリックします。 4.「条件」をクリックします。5.フィルタ「ページ」を選択し、対象のURLを入力します。6.セグメント名を任意で入力し、保存をクリックします。 >これで設定は完了です。「コンバージョン>目標>概要」を開くと、さきほど保存したセグメントのコンバージョン率が表示されるようになります。 セグメントの設定は手間がかかりますが、一度設定しておけば以降は簡単にチェックできます。セグメントは全てのページを設定する必要はありません。PV数の多いページや、CVRの高いランディングページなどの主力ページのみ設定しましょう。 CVRが低い場合の原因 CVRが低い場合は様々な原因が考えられますが、ページ内部のUIに原因があることが多くあります。 CVRが低い原因の例 ・ページの冒頭で離脱が多発している 具体的な事例を詳しく後述します。 ・内容がほぼ読まれておらず、メリットなどが伝わっていない より読まれる文章の書き方をこちらの記事で紹介しています。 ・CTA(CVボタン)が気づかれていない/うまく機能できていない CTAのクリック率を上げるデザインのコツをこちらの記事で紹介しています。 ページ冒頭の離脱に気づくには? 離脱率が高いページはGoogle Analyticsで簡単に見つけられますが、離脱が起こる原因やどこで起こっているかは、残念ながらわかりません。離脱の原因や発生箇所を調べるには、実際のユーザーに直接聞くと良いですが、難しい場合も多いでしょう。そんな方にオススメしたいツールがヒートマップです。 ヒートマップを使うと、ページ内部の欠点がわかります。具体的には、読まれていない箇所がどこか、離脱がどこで多く発生しているか、ボタンはクリックされているかがひと目でわかります。 ヒートマップを使って、離脱が多く、あまり読まれていない箇所を見つけ、その個所を削っただけでCVRが2倍以上改善した事例もあります。 読まれていない、かつ離脱が起こっている箇所は、ユーザーが興味を持っていないと言えます。ヒートマップを使うことで、ユーザーが興味を持っていない、いわゆる「障害」となっている箇所を見つけられます。 無料で使えるツールですので、CVR改善のために一度使ってみてはいかがでしょうか? 無料のヒートマップを使う CV増加にはCVR改善から取り組もう CV数を増やすには、CVRを改善するか、訪問者そのものを増やす方法が考えられます。どちらを優先的に行うべきなのでしょうか。 CVRを改善するほうが費用対効果は高い SEO対策あるいはWeb広告で訪問者数を増やすより、CVRの改善から取り組むほうが簡単で効率的です。 Webサイトを「バケツ」に例えるならば、CVRを改善していないサイトは「穴の空いたバケツ」と言えます。いくら集客数を増やしても効率的にCVさせることはできません。まずは「水が漏れている箇所」を改善することで、効率的にCVアップを目指せます。 【注意】CVRが高いページにアクセスを増やすのはリスクもある 「訪問者数が少なくてCVRが高いページ」は、訪問者を増やすことでCVの増加が期待できます。ただし、やみくもに集客をすると、ユーザーが求める内容とランディングページの内容の不一致が起きやすくなります。結果として離脱率・直帰率が高くなり、CVRが低下することがあります。 特に広告出稿による集客は即効性がありますので、「CVを多く獲得するために集客からはじめよう」と考える方もいるのではないでしょうか。 しかし前述のとおり、まずは優先的にバケツの穴をふさぐことで、リスクを抑えながら効率的に目標のCV増加までたどり着くことができます。 Webサイトの「バケツの穴」を可視化する最も有効な方法がヒートマップです。まずはCVRの改善から始めてみましょう。 無料のヒートマップを使う 【番外編】CPAやCTR、CPC、CPR、CPM、CTAとの違い 最後に、CVRとよく混同されるWebマーケティング用語の略称をまとめて紹介します。 用語 正式名称 意味 計算式 CPA Cost Per Action 1件のCV獲得にかかったコスト 広告費÷購入数、またはCPC÷CVR CTR Click Through Rate ユーザーがクリックした回数の割合 クリック率÷インプレッション×100 CPC Cost Per Click 広告が1回クリックされたときに発生する費用 広告費÷クリック数 CPR Cost Per Response 顧客からのレスポンス1件を獲得するにあたり必要となる費用 広告費÷レスポンス数(お試しやサンプルなど) CPM Cost Per Mille 広告が1,000回表示されたときに必要な広告費 広告費÷表示回数×1000 CTA Call To Action ユーザーをCVへ誘導する行動喚起となるバナーやボタン なし Webマーケティングの担当者の会話で略語が多く飛び交います。聞き慣れないうちは事前に略語をメモしておくと良いでしょう。 CVRを改善してWebサイトの効果を最大化しよう Webサイトの効果測定にCVRは重要な指標となります。ただCVRを追うのではなく、どうすればCVRが上がるのか、改善できるのかを考えましょう。 ミエルカヒートマップは初心者の方でも簡単に使える無料ツールなので是非活用してみてください。 無料のヒートマップを使う 編集者情報 市川莉緒 大阪大学卒。新卒でFaber Companyに入社後、 300近くの企業のヒートマップ分析に従事。 現在はミエルカヒートマップのマーケティングを担当。 大学時代1年休学し1人で世界を放浪。 グレートバリアリーフでのダイビングが最高の思い出。 監修者情報 玉飼 真一 この記事をシェアする