「電気といえば東北電力」がAI検索では逆転。東北電力がGEOに取り組む理由

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前田 絵理 編集者:Faber Company(ミエルカ)マーケティングディレクター/前田 絵理
東北電力ミエルカGEO事例
(左より)東北電力 鈴木健人氏、鈴木義史氏、桑田氏、佐藤氏

東北電力株式会社では、AI検索で自社の情報が正しく参照されないことに課題を感じていました。

生成AIに「東北でおすすめの電力会社は?」と尋ねても、回答に挙がるのは新電力の事業者が多く、地域では「電気といえば東北電力」という認知がある一方、AI検索の領域では立場が逆転していたといいます。また、料金プランの比較においても、特定のプランだけとの比較がされるなど、適切な比較がされていませんでした。

こうした状況を受け、同社ではWeb上での情報発信を強化する方針へ。しかし、「東北電力 〇〇」といった指名検索では上位に表示される一方、それ以外のキーワードでは自社のコンテンツが十分にありませんでした。「IH メリット」「電気代 コンビニ支払い」など検索ニーズのあるHow toテーマで、正しい情報を届ける接点が限られていたのです。

GEOとSEOの両方に取り組む必要性を感じた同社は、支援会社5社を比較検討。その結果、コンサルティングだけでなく自分たちでも計測・分析できるツールがあること、内製化を進めるうえでSEOやAI検索の有識者へすぐに相談できる体制があることから、ミエルカGEOの導入を決定しました。

現在は、AI検索における自社ブランドの出現状況を把握するところからスタート。対策の優先度が高いプロンプトを見極めながら、GEOとSEOの両面を見据えたオウンドメディアの立ち上げも視野に入れています。

東北電力の個人のお客さま向けのプロモーションやマーケティングを担当する、リビング営業部の鈴木氏と桑田氏に、ミエルカGEO導入の背景と今後の展望をうかがいました。

この事例の概要
企業名東北電力株式会社
事業内容発電・卸
グリーンビジネス
エネルギー・ソリューションサービス
その他関連事業
従業員数4,587名(2026年3月31日時点)
支援サイト 東北電力 公式サイト
導入サービス
課題
  • AI検索で自社ブランドが挙がらない
  • 料金比較のAI回答に、自社が訴求したい情報が反映されていない
  • 指名検索による流入が中心で、
    それ以外のキーワードでは自社のコンテンツが少ない状態だった
  • SEOもほぼ手付かずの状態だった
ミエルカGEO
導入後の変化
  • AI検索での自社の出現状況を、プロンプト単位で継続的に把握できる状態になった
  • 規制料金と自由料金の比較のされ方など、対策すべき具体的な論点を特定できた
  • 対策の優先度を判断する材料がそろい、オウンドメディアの立ち上げ検討に着手できた

電力の小売自由化で新電力の攻勢が激化。平時からの情報発信が急務に

ミエルカ:
まずは、皆さんが所属されているリビング営業部の業務について教えてください。

東北電力 リビング営業部 鈴木氏(以下、鈴木氏):
リビング営業部は、個人のお客さまに向けたプロモーションを担当する部署です。

扱うサービスは、大きく3つあります。主力事業である電気事業と、安心・快適で、エコな暮らしを提供するオール電化の普及推進・販売拡大。

そして、電気事業の周辺事業として始めたくらしサービスです。くらしサービスでは、リフォームやハウスクリーニング、空き家管理サービスなど、暮らしの困りごとを解決するサービスを提供しています。

東北電力 リビング営業部 桑田氏(以下、桑田氏):
我々プロモーションチームでは、TVCM、ダイレクトメールや新聞、WEB広告やWEB接客、メール配信、サイト分析、CDP運用等のデジタルマーケティングなど、さまざまな媒体を用いたプロモーションをしています。

ミエルカ:
個人のお客様向けのマーケティングでは、どのような施策を行っていますか?

鈴木氏:
まずは、電力小売の近年の変化からお話しします。

2016年の電力の小売全面自由化により、当社以外の小売電気事業者も個人のお客さまへ電力を販売できるようになりました。それまで地域のお客さまには、基本的に当社とご契約いただいていましたが、自由化後は、お客さまが電力会社を選べるようになり、当社も数ある事業者の中から選んでいただく必要が生まれたのです。

👉電力の小売全面自由化とは?
2016年4月、電力の小売全面自由化により、家庭を含むすべての消費者が、電力会社や料金プランを自由に選べるようになりました。 

国が進める電力システム改革の一環で、事業者間の競争を促すとともに、料金メニューやサービスなど、利用者の選択肢を広げることがねらいのひとつです。それまで家庭向けの電気は、東北電力など地域ごとの旧一般電気事業者が主に供給していましたが、自由化後は、新たに参入した小売電気事業者などからも電気を購入できるようになりました。

消費者は、自分の住んでいる地域でサービスを提供している電力会社や料金プランの中から、自分に合ったものを選べます。 たとえば、ライフスタイルに合わせて夜間の料金単価が安いプランを選んだり、再生可能エネルギー由来の電気を取り入れた料金プランを選んだりすることができます。全面自由化によって電力会社や料金メニューを選択できる仕組みになっています。
現在、小売電気事業者として800を超える事業者が登録されています。 

※参考記事:
・電力小売全面自由化|資源エネルギー庁
・電力小売全面自由化の進捗状況について|資源エネルギー庁(PDF)

鈴木氏:
実際に、電力会社の乗り換えにより、当社のシェアは2016年以前に比べ減っています。そのため「離脱の防止」や、他の事業者へ乗り換えたお客さまに、「再び東北電力とご契約いただくこと」。この2つがプロモーションの軸となっています。

ミエルカ:
他の事業者への乗り換えは、どのようなきっかけで起こるのでしょうか?

鈴木氏:
例えば、通信系の事業者の例が挙げられます。スマートフォンの新規契約などで店頭へ来店された方に、「電気も一緒に契約しませんか」と勧める。ポイントサービスなどと一緒に案内するケースが多く、脅威に感じています。

ミエルカ:
そのような乗り換えを防ぐために、どういった対策を行っていますか。

鈴木氏:
まずは、ダイレクトメールなどの紙媒体で、お客さまに合った料金プランをご案内しています。

例えば、従来の「従量電灯」プランをご契約中のお客さまであれば、電気のご利用状況に応じて、最適なプランにご加入いただくことで年間の電気料金が数千円程度安くなるケースもあります。

こうした情報をお届けすることで、他社への乗り換えを検討される前に、東北電力を継続してご利用いただきながら料金を抑えられることをお伝えしています。

また、オール電化の訴求は、テレビCM、Webと包括的にプロモーションを展開しています。

しかしながら、電力という差別化要素の比較的少ない商材であることや、電気事業そのものの変遷などを考えると、これまで積極的なプロモーションの必要性があまりなかったことは事実です。マーケティング活動について、まだ日が浅いという状況はあります。


広告やキャンペーンを軸にした施策は、やはりコストがかかりますから、キャンペーンを用いなくても、平時からお客さまとの接点を作れる状態にしたい。情報発信のあり方そのものに課題を感じていました。

電力会社をすすめるAI検索の回答に、東北電力が出てこない

ミエルカ:
情報発信のあり方を検討するなかで、AI検索にも注目されたのでしょうか。

鈴木氏:
生成AIの普及は、社内でも関心が高いテーマです。AI検索では、回答結果に要約が表示されます。そうなると、当社の事業にどのような影響があるのかを考えるようになりました。

実際にAI検索で、「東北でおすすめの電力会社は?」「仙台でおすすめの電力会社は?」と質問しても、なかなか東北電力の名前が出ませんでした。新電力の事業者の名前がずらっと並んで、東北電力の名前は最後に出てくるかどうか…、という状況でした。

これには、立場が逆転していると危機感を覚えました。

東北6県と新潟県においては、これまで長い間ご契約いただいているお客さまも多いことから、「電気といえば東北電力」と思っていただけることが多いです。

しかしAI検索では、「電気といえば新電力」が出てくる状況になっています。AI回答の参照元は、電力の比較サイトやランキングサイトが多く、そのサイト内で紹介されていて評価の高い新電力がおすすめされていました。

より具体的に、「仙台に引っ越すので、電力会社のおすすめを教えて」と聞いても、「東北電力の◯◯プランに入っているなら新電力がおすすめですよ」のような回答が返ってくるのです。

ミエルカ:
それは、危機感が強まりますね。

鈴木氏:
このような経緯から、GEOやLLMOと呼ばれる取り組みについてリサーチするようになりました。さらに、その過程で「いずれAI検索の回答から申し込みまでできる未来になる」という情報を見聞きする機会が増えたんですね。

そうなると、いよいよ大変なことになる。問題が深刻化し、手遅れにならないうちに、GEOに取り組もうと考えました。

※関連記事:GEO(生成エンジン最適化)とは?AI時代のSEO対策・基本を解説

AIに正しい情報が参照されず、他サービスとの比較が不利に

ミエルカ:
AI検索では、他社との比較も行われますよね。その点ではいかがですか。

鈴木氏:
AI回答内での料金プランの比較のされ方にも問題を感じています。

まず、ご家庭向けの電気料金には、大きく規制料金と自由料金の2種類があります。
規制料金とは、自由化以前から続く、国の審査や認可が必要な料金プランです。

対して自由料金とは、電力自由化にあわせて設けられた新しい料金体系です。東北電力でもお客さまのライフスタイルに合わせたさまざまな自由料金プランをご用意しています。

規制料金 自由料金
料金の決め方 国の認可等に基づき
決められている
電力会社が原則として
自由に決める
東北電力のプラン 従量電灯Bなど 「よりそう+eねっとバリュー」など、お客様のライフスタイルに合わせた多様な料金プラン

ところが、新電力事業者との比較では、当社の規制料金が対象にされやすいのです。

新電力各社が提供しているのは自由料金ですから、「東北電力の従量電灯Bと比べると安くなりますよ」といった、自由料金と規制料金を比べるかたちになっている。

当社にも自由料金のプランがあるにもかかわらず、そちらと比較されるケースは少ないのです。そのため、一見すると「契約会社を変えたほうが安くなるんだ」と誤って伝わってしまうことが問題でした。

ミエルカ:
契約会社は東北電力のまま自由料金のプランを選べるのに、AIの回答に正しい情報が反映されていない状況があるんですね。

鈴木氏:
私たちとしては、当社の新しいプランに加入される方を増やしていきたいですし、比較するなら、同じ土俵として自由料金同士を比較してほしい。

AIに正しい情報を参照してもらい、回答結果での露出アップと、比較回答の改善の両方を達成したいと考えています。

桑田氏:
そもそも当社は、SEOに本格的に取り組めていませんでした。

「東北電力 ◯◯」のような指名検索では上位に表示されますが、それ以外のキーワードには戦略的に対応できておらず、検索結果に当社の発信情報が出てこないのです。

多様なキーワードで当社の記事やコンテンツがあれば、お客さまに東北電力を正しく認識していただけますし、誤認の予防にもなります。GEOだけでなく、SEOの土台を整えることも必要だと感じていました。

GEO支援会社5社を比較。導入の決め手はUIと伴走支援、専門家への相談

ミエルカ:
では、ミエルカGEOを知ったきっかけを教えてください。

鈴木氏:
GEOについて検討し始めたとき、SEO、AIO、GEO関連の支援会社をリストアップしました。検索からFaber Company(ファベルカンパニー)を見つけまして、他社様の導入事例も非常に豊富でしたし、ミエルカGEOというツールも認識していましたので、Webセミナーを申し込みました。

ミエルカ:
何社ほど比較検討されましたか?

鈴木氏:
ツールを提供する会社のほか、GEOやSEOコンサルティング専門の会社も含めて、合計で5社です。

ミエルカ:
どのような軸で検討したのでしょうか。

鈴木氏:
初めから比較の軸があったわけではありません。情報がゼロのところから、GEOに関するインプットもかねて各社の話を聞きました。そのなかで、ゆくゆくは内製化ができて、始めやすいコスト感であるかを軸に、検討するようになったんです。

ミエルカ:
内製化を視野に入れていらっしゃったんですね。

鈴木氏:
やはりツールを自分たちで触り、GEOの分析・施策の実行・振り返りといった一連のサイクルを実施することが重要です。

その点、コンサルティングだけでは、GEOに関する提案をいただけても、自社にノウハウを蓄積しにくいのではないか、と。また、生成AIを取り巻く状況は日々変化するため、月1などのミーティングだけで情報の鮮度を保てるのかという懸念もありました。

最終的には、ミエルカGEOと海外製のツールを比較しました。海外製のツールも無料トライアルで触り、使い勝手の良さを感じましたが、AIライティングの機能がうまく日本語に対応していなかったという懸念点がありました。当社はSEOのコンテンツ制作もしたいので、日本語の精度を重視したのです。

ミエルカ:
国内ツールのなかでもミエルカGEOを選んだ決め手はありますか?

鈴木氏:
まず、ツールが使いやすいこと。トライアルで実際に使ってみましたが、デモ画面で見るよりも、一段とUIが使いやすく操作も直感的にできると感じました。

そして、伴走支援の体制が充実している点も良かったです。Webセミナーを受けたあと、すぐに営業担当の方よりフォローアップのお電話をいただきまして。当社の悩みに寄り添っていただき、課題を深掘りしていただきながら、何度か東北電力むけのご提案をいただきました。

導入後も、カスタマーサクセスの担当者さんにサポートいただきながら進めています。定期的にGEOの最新情報や事例も共有いただいています。検討段階から現在まで、一貫して伴走していただいている実感があります。

加えて、Faber Companyにいらっしゃるデジタルマーケティングのプロに、SEOやGEOの相談ができる点も良いですね。ツールから直接相談できる(※)という距離感の近さが、とても頼もしいなと感じました。

※回答には1〜2営業日ほどのお時間をいただく場合があります。

まずはAI検索の現状把握から。オウンドメディアの立ち上げも視野に

ミエルカ:
今後、ミエルカGEOをどのように活用されたいですか。

鈴木氏:
まずは、AI検索での出現状況をしっかり把握することです。たとえば、「東北のおすすめ電力会社」など、他事業者のブランド露出が多いプロンプトを、定点計測していきたいです。

個人のお客様向けの各サービスそれぞれに、出現率を高めたいプロンプトがあります。当社にとってインパクトの大きいプロンプトを見つけ、対策の優先度を決めていきたいと思います。

あわせて、AIクエリファンアウトの機能を使って、プロンプトがどのようなクエリで構成されているのか、お客様がどんなことを知りたいのかまで理解し、GEOやコンテンツ作成につなげたいですね。

※AIクエリファンアウトとは:生成AIが内部で展開するファンアウトクエリを一括取得できるミエルカGEOの機能(詳しくはこちら)

桑田氏:
GEOの定点計測から対策すべきキーワードを見つけ、必要であればページの改善や新規記事の作成を行っていきたいです。

また、これまで手をつけられていなかったオウンドメディアの立ち上げも視野に入れています。SEOとGEO、AIOを含めた戦略に基づいて、キーワードやプロンプトから設計したコンテンツを作っていきたい。現在は、キーワード選定や調査をしている段階です。

自社のキーワードが今どのくらいの順位や出現率なのか、そのキーワードのボリューム、お申込へのインパクトなど、ミエルカGEOとSEOを用いて、社内でしっかり把握できる状態にしたいですね。

競合他社の調査ができる機能も充実していますので、他社がどのようなキーワードを重視しているのかも、見ていきたいと考えています。


ミエルカ:
ありがとうございました。引き続き、東北電力様のGEOとSEOを支援して参ります。

担当CS 岡本 匠
担当CS
岡本 匠

東北電力様は、当社セミナーへのご参加から導入に至るまでの意思決定がとても迅速で、お客様である地域の皆さまへ適切な情報を届けるという使命感と、AI検索という変化に向き合う姿勢を強く感じています。
モニタリング環境が整い、いよいよ本格的なGEOがスタートします。蓄積したデータをもとに改善策を一緒に考えながら、引き続きご支援してまいります。

ミエルカGEOを無料で試してみる

今回の事例でご紹介したGEO (AI検索・LLMO・AIO)ツール「ミエルカGEO」は、無料トライアルを実施中です。ご希望があれば、お試し期間中でも無料コンサルティングを行いますので、お気軽にご相談ください。

ミエルカGEO
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本記事の編集者
前田 絵理
前田 絵理
Faber Company(ミエルカ)マーケティングディレクター