👉🏻 2026年10月28日のAIニュース:全体の傾向
- GoogleがAI回答への貢献度に応じて媒体へ対価を支払う試験を進めていると報じられた。Webコンテンツの価値を「どれだけ流入を生んだか」だけでなく、「AI回答にどれだけ貢献したか」で評価する新たな試みとして注目される。
- ChatGPTやGeminiの商品推薦は、同じ質問でも推奨商品や参照元が変動し、APIと実際の利用画面にも差がある。AI検索の可視性は、1回の計測や単一の順位だけでは捉えにくく、継続的な観測が必要になっている。
- 検索体験が対話・画像・音声へ広がり、従来の1〜10位という順位指標にも限界が出ている。一方で、検索意図との一致、信頼性、コンテンツ品質、独自の一次情報といったSEOの基本は依然として重要であり、評価指標を広げつつ土台を磨くことが求められる。
各ニュースリンク+日本語概要
❶Google、AI回答への「貢献度」に応じ約100媒体へ対価を支払う試験
URL:https://www.theinformation.com/articles/google-paying-100-digital-publishers-ai-overviews
参考:https://www.suzukikenichi.com/blog/google-reportedly-pays-about-100-publishers-based-on-their-contributions-to-ai-answers/
翻訳概要:Google、AI回答への貢献度をもとに約100のデジタル媒体へ対価を支払う試験を実施
- The Informationの報道によると、Googleは、AI OverviewsやAI Mode、GeminiなどのAI回答にコンテンツがどの程度貢献したかに応じて、約100のデジタル媒体へ対価を支払う試験を進めている。単純なコンテンツの利用回数ではなく、AI回答を意味のある形で改善したかどうかが評価される仕組みとされている。
- 支払額には大きな差がある。年間100万ドル超を得ている媒体がある一方、小規模サイトでは数カ月で1,000ドル未満のケースもある。複数の中小媒体では広告収入の0.1%未満にとどまり、金額の小ささから参加を見送る大手媒体もあるという。
- 参加媒体はSearch Consoleを通じて、AIでの利用状況や支払額を確認できる。一方、何を「意味のある貢献」と評価するのか、どのコンテンツにどの程度の価値が付くのかといった算定基準は明らかになっていない。
ポイント:
これまで検索エンジンとメディアの関係は、コンテンツを検索結果に掲載し、その対価としてWebサイトへ流入を送るモデルが中心だった。今回の試験は、AI回答によってユーザーがサイトを訪れなくても、回答の生成に貢献したコンテンツ自体に経済的な価値を認める動きといえる。
まだ約100媒体を対象とした試験段階で、支払額や評価基準にも不透明な部分が多い。ただし、AI検索におけるコンテンツの価値を「クリックを何件生んだか」だけではなく、「回答の質にどれだけ貢献したか」という尺度でも評価する試みが始まっている点は注目したい。
❷生成AIの商品推薦を調査、同じ質問でもおすすめ商品や参照元が変動
URL:https://arxiv.org/abs/2609.18729
参考:https://webtan.impress.co.jp/e/2026/10/02/53367#item01
翻訳概要:ChatGPTやGeminiの商品推薦は回答ごとに変動、APIと実際の利用画面にも大きな差
- 研究チームは、実際のユーザーが入力した117件の商品推薦に関する質問を、ChatGPT、Gemini、Google検索のAI Overviewsなどで繰り返し検証した。ChatGPTは商品を推薦した回答の79%で「私ならこれを選ぶ」といった一人称の選好を示したのに対し、Geminiは7%、AI Overviewsは2%だった。
- 同じ質問を繰り返しても、おすすめされる商品は一定ではなかった。おすすめ商品の一致度はChatGPTが特に低く、AIによる商品推薦を1回確認しただけでは、そのブランドが安定して推薦されているとは判断しにくいことが示された。
- 参照する情報源にも大きな違いがあった。同じ質問に対するChatGPTとGeminiの表示ドメインの平均重複率は5.4%で、76.7%の比較では共通するドメインが1つもなかった。また、ChatGPTでは利用者向け画面とAPIの表示ドメインの重複率が12.0%、Geminiでも14.8%にとどまった。
ポイント:
AI検索で自社商品やブランドの露出を測る場合、「ある質問で1回表示されたか」だけを指標にするのは不十分である。回答や推薦商品、参照元は同じ質問でも変動するため、複数回計測して表示される傾向を見る必要がある。
また、APIを使った計測結果が、実際にユーザーが見るChatGPTやGeminiの画面と一致するとは限らない。AI検索の可視性を評価する際は、対象となるサービスごとに、実際の利用画面を含めて継続的に確認することが重要になりそうだ。
※関連記事:【1,700プロンプトを調査】Google AIOとAIモード、引用されるページは7〜8割が違う! ブランド名の露出度にも30ポイントの差
❸ Google検索責任者が語る、AI時代の「検索」の未来
URL:https://www.youtube.com/watch?v=1-JAG94hnnM
参考:https://www.suzukikenichi.com/blog/1-what-will-googling-look-like-in-2030-a-google-executive-on-the-present-and-future-of-ai-search/
翻訳概要:Google検索は「キーワードで情報を探す」から、対話しながら行動を支援するパートナーへ
- Googleのナレッジ&インフォメーション担当SVPのニック・フォックス氏は、AI時代の検索について、従来の検索、オープンなWeb、生成AIそれぞれの強みを組み合わせて進化させていく考えを示した。検索の速さや正確性、信頼性といった基本的な価値は今後も維持するとしている。
- 検索方法も、短いキーワードを入力するだけではなく、長文で相談したり、画像やカメラ、音声を使って質問したりする形へ広がっている。ユーザーが検索方法を意識せず、その場で自然な方法を使って情報を得られる、マルチモーダルな検索体験を目指している。
- ユーザーの許可を前提に過去の情報や好みを活用し、一人ひとりに合わせた回答を提示する方向にも進んでいる。将来的には情報を提示するだけでなく、ユーザーに代わって必要なタスクを実行する「パートナー」へ進化していく可能性も示された。
ポイント:
検索行動がキーワード入力から長文の相談や画像・音声を含む対話へ広がれば、企業側も従来の検索キーワードだけを起点にコンテンツを考えるのでは不十分になっていく。
ユーザーがどのような状況で、何を知り、比較し、最終的に何をしたいのかまで捉え、その一連の疑問に答えられる情報を用意することが重要になる。検索インターフェースは変わっても、ユーザーの問いに対して信頼できる情報を提供するというSEOの基本そのものがなくなるわけではない。
※関連記事:Google検索「AIモード」の機能・使い方・消し方、SEOへの影響
❹ Google検索の多様化で「1〜10位」という順位指標に限界
URL:https://www.reddit.com/r/SEO/comments/1wamz5g/how_are_impressions_counted_for_generative_ai_in/
参考:https://www.searchenginejournal.com/google-admits-search-console-reporting-for-ai-search-is-inadequate/589236/
翻訳概要:AI回答や強調スニペットなどが混在し、従来の「検索順位」だけでは可視性を捉えにくくなっている
- Googleのジョン・ミューラー氏は、現在の検索結果にはさまざまな形式の検索機能が存在するため、従来の「1〜10位」という考え方を、サイト運営者にとって有用な形で当てはめることが難しくなっていると説明した。
- Search Consoleでは、生成AIを含む一部の検索機能について、個々のリンクごとではなく検索結果内の「ブロック」として順位を計測している。また、Generative AIのパフォーマンスレポートでは、現時点で順位データを個別には表示していない。
- ミューラー氏は、今後どのような順位計測がサイト運営者にとって有用なのか、SEO関係者からの意見も求めている。検索結果の構成が複雑になるなか、Google側でも従来型の順位指標をそのまま適用することが難しくなっていることがうかがえる。
ポイント:
「何位にいるか」だけを追うSEOレポートでは、検索上の可視性や成果を十分に説明しにくくなっている。AI回答、強調スニペット、画像など複数の検索機能が同じ画面に存在するため、同じ順位でもユーザーからの見え方やクリックされやすさは異なる。
今後は順位そのものに加えて、表示回数、クリック、AI検索での露出、ブランド名の言及などを組み合わせて評価する必要がある。順位が不要になるわけではないが、「1位だから成功」「10位だから不十分」と単純に判断するのは難しくなっている。
※関連記事:AI検索対策とは? 4つの領域に分けて打ち手を整理|LLMOやSEOとの違い
❺ SEO専門家131人が考える、2026年のGoogle検索で重要なランキング要因
URL:https://signal.zyppy.com/p/google-ranking-factors-expert-survey
参考:https://www.suzukikenichi.com/blog/2026-google-ranking-factors-survey-relevance-backlinks-and-content-quality-take-the-top-3-spots/
翻訳概要:検索意図との一致、被リンク、コンテンツ品質が上位。AI時代には独自情報やブランドの信頼性も重要に
- SEO専門家131人が100以上の要因を評価した調査では、「関連性」が最も重要とされ、57.1%がトップ3の要因に挙げた。続いて被リンクが54.8%、コンテンツ品質が47.6%となり、検索意図を満たすこと、信頼性・関連性の高いサイトから評価されること、質の高い情報を提供することが依然として重視されている。
- コンテンツ品質では、独自調査や一次データの評価が高かった。AIで作成したコンテンツそのものが否定されているわけではなく、独自の付加価値を加えず、大量に生成したコンテンツはマイナスに評価される傾向がみられた。
- ブランドやユーザー行動も重要な要素として挙げられている。サイトやブランドへの信頼、指名検索、ユーザーが目的を達成できたかといった満足度が重視された。一方、テクニカルSEOは、それだけで順位を押し上げる要因というより、クロールやインデックスを成立させるための基盤と位置づけられている。
ポイント:
AI検索が広がっても、「検索意図に答える」「信頼される」「独自の価値を提供する」というSEOの基本が大きく変わったわけではない。
一方、生成AIによって一般的な情報を大量に作れるようになったからこそ、自社独自の調査、一次データ、実績、専門家の知見など、他サイトでは得られない情報の価値は相対的に高まっている。コンテンツの量を増やすよりも、「そのサイトだから提供できる情報」を増やすことが、SEOでもAI検索でも重要になりそうだ。
※関連記事:LLMOとは? マーケに活かす5つの対策をわかりやすく解説
編集部コメント
今回の5本から見えてくるのは、AI検索によって情報の探し方だけでなく、コンテンツの使われ方や成果の測り方まで変わりつつあることです。Googleによる媒体への対価支払い試験は、その象徴的な動きといえます。商品推薦の調査では、AIが提示するブランドや参照元が一定ではないことも明らかになりました。
ただし、検索意図との一致や信頼性、独自の一次情報など、良質なコンテンツに求められる条件は大きく変わっていません。変化しているのは、検索順位や流入だけでは、コンテンツやブランドの価値を十分に評価できなくなっている点です。
今後は、従来のSEO指標に加え、AI回答で自社がどのように紹介・引用・推薦されているかを継続的に確認する必要があります。その結果をもとにコンテンツを改善し、AIにもユーザーにも選ばれる情報を蓄積していくことが、これからのSEOの方向性になると考えられます。
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