ミエルカTOP ミエルカジャーナル 生成AI 【資料作成が3倍速くなる】生成AIで『伝わる』資料を最短で作る方法
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【資料作成が3倍速くなる】生成AIで『伝わる』資料を最短で作る方法

公開日:2025.02.25

ビジネスの現場で、資料作成に多くの時間を取られていませんか?企画書やプレゼン資料、報告書など、どれも欠かせない作業ですが、果たしてその時間は本当に生産的でしょうか。

「見た目を整えるだけの単調な作業や、繰り返し行う編集作業を減らせたら、その分を本当に重要な業務に充てられるのに…」と感じることも多いはずです。

本記事では、受け手に伝わる内容をスピーディに作るための具体的なアプローチを解説します。単なる「時短」ではなく、質とスピードを両立する新しい方法を一緒に考えてみましょう。

※ChatGPTのDALL·E3 で生成

資料作成時間を短くするために減らすべきこと

そもそも、資料作成に時間がかかるのは、実際の作成時間ではなく「悩んでいる時間」が大半を占めているからです。どんな内容を盛り込むか、どの順序で伝えるか、どのデザインが適切か…の判断に時間を取られているのです。

つまり、以下の3点に集約されます。

1.目的が曖昧なまま作業を始める
「何を伝えたいのか」が不明確な状態で始めると、方向性がぶれ、何度も修正が必要になります。伝えたいことが広がりすぎたり、重要なポイントが抜け落ち、伝わりにくい資料になる原因です。最初に「目的」や「伝えたい核」を明確にすることが資料作りの基本です。

2.デザインやレイアウトに手間をかけすぎる
配色やフォント、図表の配置などに時間をかけすぎて、肝心の内容がおろそかになっていませんか?デザインと内容を同時進行すると効率が下がります。まずはメッセージに集中し、デザインは最後に仕上げましょう。

3.最終完成形(型)をイメージしていない
議事録や企画書、提案書など、資料には必ず「型」が存在します。型をイメージできれば、それに沿って作成するだけでスムーズに進められます。型を意識せずゼロから考えると、構成で迷い無駄な労力を使う原因になります。

たとえば、提案書なら「課題の明確化 → 解決策の提示 → 効果の説明」という基本構成を意識すれば、必要な情報を効率的に整理し、完成までの道筋をスムーズに描けます。

資料を作るスピードはその人の能力よりも、”上記3点が作業前にできている”かどうかで決まります。資料作成が早い人は、要素が整理できて完成イメージを掴んでいるため、迷うことなく作業に取り掛かれているだけです。

読み手の期待に応えるために確認すべきこと

 

資料作成は、「伝えたいことが、伝えたい人に、過不足なく伝わる」ことが本質です。以下の2つを意識するといいでしょう。

1.目的を明確化する
何をいまさらと思うかもしれませんが、「目的(誰の何のための資料か)」を言語化しましょう。以下の3つのどれかに当てはまると思います。

・共有:データや事実を正確に伝え、関係者に現状を共有する
 ◦例: 月次報告書、プロジェクト進捗レポート、調査結果のレポートなど
・説得:提案やプレゼンで相手に納得してもらい、行動を促す
 ◦例: 提案書、営業プレゼン資料、投資家向けピッチ資料など
・教育:知識やスキルを伝え、受け手の理解を深める
 ◦例: 新人研修マニュアル、社内トレーニング資料、外部向けセミナー資料など

2.受け手の視点に立つ
「誰が読むのか」「読み手は何を知りたいのか」を考えます。経営層向けなら要点を簡潔にまとめるべきですし、現場担当者向けなら具体的な手順や詳細なデータが必要になります。期待や立場に応じて内容と構成を調整することで、期待に沿った資料に仕上げられます。

たとえば、以下のような質問を自分に投げかけてみてください。

・受け手の立場や背景は?(経営層、現場担当者、クライアントなど)

・受け手が最も知りたいことは?(現状、解決策、メリットなど)

・受け手に理解しやすい表現や形式は?(図解、箇条書き、ストーリー形式など)

生成AIで資料作成するプロセス

 

抽象論が続いたので、ここからは生成AIと一緒に資料を作ってみましょう。
たとえば、以下のような新規事業案のプレゼン資料を社内の経営陣向けに作るとします。

新規事業案:
地元で収穫した新鮮なお米で作ったおにぎりを、移動販売車で提供する「Rice on Wheels」という業態を企画。まずは、テスト出店の合意を取り付けたい。

まずは『新規事業のプレゼン資料の基本構成を出して』とChatGPTに投げると、このように整理されて返ってきます。

1.タイトルスライド
 a.ビジネス名、ロゴ、キャッチコピー
 b.プレゼンの目的や簡単な概要
2.ビジネス概要
 a.ビジョン/ミッション: どのような価値を提供するビジネスか
 b.提供するプロダクト/サービスの概要: 簡単な説明
 c.ターゲット市場: 主な顧客層と市場規模
3.市場の大きさと機会
 a.市場規模: 現在の市場規模と成長性(データで裏付ける)
 b.市場の課題: 競合他社や未解決の問題点
 c.ビジネスの成長機会: 独自のポジショニングや差別化ポイント
4.現在の課題と解決策
 a.課題: 市場や顧客が抱える具体的な問題
 b.解決策: 提供するプロダクト/サービスが課題をどのように解決するか
5.ビジネスモデル
 a.収益モデル: どのように収益を得るのか(例:単品販売、サブスクリプションなど)
 b.顧客獲得計画: どのように顧客を引きつけるのか
 c.販売戦略: 主なチャネルやマーケティング手法
6.売上・成長予測
 a.短期的な売上目標: 初年度・2年目の予測データ
 b.中長期的な成長予測: 5年後の売上や利益の見込み
 c.裏付けデータ: 市場分析や競合調査に基づく予測
7.資金の用途
 a.投資を求める理由: 資金をどのように使う予定か(具体的な内訳)
 b.期待される成果: 資金を活用した場合に見込まれる収益や成長
8.チーム紹介
 a.主要メンバーのプロフィール: 経験や専門性、強みを簡潔に説明
 b.チームの強み: 他社にない独自性や競争優位性をアピール
9.実績と将来計画
 a.現在の進捗: プロダクトの開発状況、顧客数、既存の売上など
 b.今後の計画: 直近の目標とロードマップ(1年後、3年後など)
10.次のステップ
 a.投資家への呼びかけ: 具体的な支援の内容(例:〇〇万円の資金調達)
 b.次のアクション: ミーティングや詳細説明への誘導

上記要素をパッと思いつくのは大変なので、そこをChatGPTに助けてもらいました。

これで全部か?と不安なら、追加で『新規事業のプレゼン資料でカバーすべき要素は他にはないか?』と質問すれば、以下のように追加してくれます。必要に応じて採用しましょう。

1.顧客の声(インサイト)
2.競合優位性の具体的証拠
3.パートナーシップや提携計画
4.リスクと対策
5.ソーシャルインパクトやSDGsとの関連性
6.成功シナリオと失敗シナリオ
7.グローバル展開計画
8.テクノロジーまたは知的財産の強み
9.エグジット戦略

骨子ができれば大枠が固まるので、あとは情報を埋めていくだけです。

次に『「Rice on Wheels」のビジネス案をさっきの構成に当てはめて』と投げると、以下のようにまとめてくれます。

1. タイトルスライド
 ・ビジネス名: Rice on Wheels
 ・キャッチコピー: 「地元の味を手軽にどこでも – 温かいおにぎりをあなたへ」

2. ビジネス概要
 ・ビジョン: 日本の家庭的な味であるおにぎりを、新鮮で温かい状態で全国の人々に届ける
 ・コンセプト: 地元産のお米と新鮮な具材を使用した手作りおにぎりを、移動販売車で提供
 ・ターゲット市場: 忙しいオフィスワーカー、観光客、イベント参加者など

3. 市場の大きさと機会
 ・市場規模: 国内のフードトラック市場は年間〇〇億円規模で前年比15%の成長を記録
 ・市場の課題: ファストフードが多い一方で、温かく健康的な選択肢が不足。特に忙しいランチタイムに適した商品が少ない
 ・成長機会: 健康志向やローカルフードへの関心が高まる中、地域密着型のサービスとして差別化が可能

4. 現在の課題と解決策
 ・課題:
  ◦ 忙しいランチタイムに手軽で健康的な食事の選択肢が少ない
  ◦観光地やイベント会場でのフードオプションがマンネリ化している
 ・解決策:
  ◦地元農家から直接仕入れた新鮮なお米と具材を使用した、安心・安全なおにぎりを提供
  ◦移動販売車を活用して、顧客が多い場所へ柔軟に対応
  ◦季節限定メニューや地域特産の具材を使い、顧客の興味を引きつける

5. ビジネスモデル
 ・収益モデル: 単品販売を基本とし、セットメニューや季節限定商品で客単価を上げる戦略
 ・顧客獲得計画: SNSや口コミを活用し、試食イベントを実施して固定ファンを増やす
 ・販売戦略: オフィス街、観光地、イベント会場など、人が集まる場所に出店

6. 売上・成長予測
 ・初年度売上予測: 年間〇〇万円(月平均〇〇万円)
 ・3年間の成長予測: 年間売上20%成長、リピーター率50%以上を目標
 ・裏付けデータ: フードトラック業界での平均客単価〇〇円、1日平均〇〇人の顧客を想定

7. 資金の用途
 ・移動販売車の購入と改装費用: 〇〇万円
 ・初期広告費(デジタル広告、試食イベント): 〇〇万円
 ・運転資金(人件費、食材費など): 〇〇万円
 ・期待される成果
  ◦開業後6か月以内に黒字化を達成
  ◦月間販売数〇〇個、固定ファン〇〇人の確保

8. チーム紹介
 ・事業責任者: 〇〇(地域農家支援の経験を持ち、地元食材の魅力を広げたいという情熱を持つ)
 ・営業責任者: 〇〇(イベント企画や販売経験が豊富で、集客戦略に強みを持つ)
 ・サポートスタッフ: 〇〇(地元の農家との強いネットワークを持ち、安定した仕入れを実現)
 ・チームの強み
  ◦地元愛を持つメンバーが集結し、品質と顧客満足度を最優先に考える
  ◦食材調達から販売まで、地域に根ざした一貫性のあるビジネスモデル

9. 実績と将来計画
 ・現在の進捗: フードトラックの試験運用済み&試食イベントで高評価を獲得
 ・今後の計画: 〇〇月に正式オープン、初年度で月平均〇〇個のおにぎり販売を目標(2年目以降は追加の移動販売車を導入し、エリアを拡大)

10. 次のステップ
 ・経営陣への呼びかけ: 初期資金〇〇万円の予算承認を目指しています。この資金でフードトラックを改装し、初期運営費をカバーします。
 ・次のアクション: 詳細な計画について個別のミーティングを設定し、さらなる議論を進めたいと考えています。

ChatGPTが独断でビジョンを描いたり、成長予測をしていますので、そのままは使えませんが、ベースの文章があると、あとは各項目を自由に付け足したり、補足すればいいだけなので、ずいぶんと楽に感じるでしょう。

※ほんとに短いプロンプト1文でここまで出してくれますが、前提をしっかり固定したい場合は、詳しい前提条件を記載すべきと思います。

あらゆる資料作成に共通する「型」の重要性

 

プレゼン資料以外のあらゆる資料作成で、この方法は使えます。報告書、議事録、セミナー資料、商品説明、研修資料、月次レポート、営業資料、ホワイトペーパー….全てに型があるのでそれを整理し、埋めるだけ。繰り返しますが、型さえ見つければ仕事はほぼ終わったも同然です。そして、その型さえも生成AIと共に作ればいいのです。

きれいなスライドに落とし込みたければ、CanvaやGPT for Slides等の専用ツールを使えばよいでしょう。ただ、本記事のテーマからは外れるので割愛します。

さて、タイトルに「資料作成が3倍速くなる」と入れましたが、じつは控えめに表現しています。筆者は生成AIのビフォーとアフターで「10倍は加速した」実感があります。資料作成はさっさと終わらせ、生成AIにできない創造的な仕事に取り組むべく、ぜひ業務に取り入れてみてください。

本記事の著者
中山 順司
中山 順司
コンテンツクリエイター
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