老舗SEO会社で17年間、事業部長やChief Communication Officer(CCO)などを歴任してきた本田卓也氏。SEO情報サイト「SEO Japan」の運営や、「本田ディスティニー卓也」というキャラでSEO界隈を湧かせるなど、SEOの認知拡大に長年貢献してきた。50歳という節目を迎えた本田氏が、キャリアを締めくくるために入社したのはFaber Companyだった。
「『10万人のマーケターのライフラインになる』というFaber Companyの目標に向けて自分の力を試したい」。そう語る本田氏が入社を決めた理由や現在のSEOについて代表の古澤と語った。
「10万人のマーケターのライフラインになる」という目標に向けて自分の力を試したい
古澤:本田さんと出会ったのは、2006年初め頃のことでしたよね。確か、ある勉強会で声をかけてもらった記憶があります。
本田:そうですね。実は声をかける前から古澤さんのことを知っていました。
ある勉強会で一度登壇されていましたよね?話し方も上手いだけでなく、内容もかなり熱い内容で「この人と何か一緒にできたら面白いだろうな」と運命的なものを感じていたんです。
その後、ある勉強会の最前列で「集客師ノブ」(※古澤の昔の愛称)を見つけたので、声をかけたのが出会いのきっかけでしたよね。
古澤:懐かしいですね~。それから17年、一緒に海外旅行に行ったり、食事に行ったり友人関係でしたね。
本田:2006年当時、「自分のやりたいこと」というノートがあったんですが、「ノブと仲良くなる」って書いていたんです(笑)「いつかこの人と仲良くなりたいし、なんか一緒にできたらいいな」と。だから今回入社するのもデスティニー(運命)を勝手に感じています。
古澤:本田さんが入社してくれて本当に嬉しいです。本田さんは入社前、Faber Companyに対してどんな印象を持っていましたか?
本田:やっぱり一番印象的なのはSEOツール「ミエルカSEO」ですよね。マーケターの効率化を手助けするだけでなく、見えないものを「ミエルカ」してくれる。最初見た時は衝撃的でした。あとは、長年おつきあいしてきたので、古澤さんの掲げる未来に対する共感もありました。
古澤:どの辺りが気になりましたか?
本田:「10万人のマーケターのライフラインになる」という目標を古澤さんはよく話されていますよね。「そんなに多くの人とつながって何をするんだろう」と最初は思っていましたが、詳しく話を聞くと面白い世界を目指しているなと。
これは私の解釈ですが、これから先の未来できっとマーケターの重要度は増してくると思うんです。その未来を見通して、マーケターに役立つものを作ろうしている。
「ミエルカ」もその一つですよね。実際に自分がSEOに取り組んでいたからこそ思うことですが、「ミエルカ」は本質的なSEOに役立つツールだと思うんです。ツールを使って、無駄な作業や本質的ではないことをを無くすことができる。それで自分たちのサービスやユーザーに対して、頭を使う時間を増やすことにつながる。
これから先、ミエルカ以外にも面白い製品やサービスをきっと出していくはずと予想できましたし、そもそもそんな存在を目指している会社を聞いたことがなかった。この会社の目指している未来や理想の世界が面白く、自分もその一員になりたいと思ったんです。
古澤:「10万人」というのは私の方で仮定した数字でしかないですが、ツールという枠だけでなく、多くのマーケターにとって役立つ存在でありたいというのが私の夢なんです。そこに共感してもらえるのは非常に嬉しいです。
「辺境の知から”マーケティングゼロ”を実現する」。会社理念への想い。
本田:「展望」や「DNAマップ」と呼ばれるものも作成されていますよね。共感できる部分が多かったのも入社の決め手になりましたね。
古澤:コダワリぬいて作っているものなので非常に嬉しいです。これらは2022年に作成し、会社メンバーの判断や行動の拠り所となっている言葉です。「私たちは何を目指し、何のために集まっているのか」がきちんと定まっていなければ、皆が同じ方向を向いて意思決定することは難しいですよね。
新たな挑戦をしていく第三創業にあたり、みんなの「共通言語」が必要だったんです。現時点におけるFaber Compnayが向かう未来を示せたのではないかと考えています。
本田:抽象的で難しい部分もあると思うんですが、私が大切にしている価値観と共通しているものも多かったです。自分の中できちんと解釈し、社内外問わず、浸透させていきたいですね。
古澤:本田さんには「Founder室長」となってもらう予定です。私の代弁者のような存在として、こうした理念の浸透や10万人のマーケターとのネットワーク作りに邁進してもらえると非常に有難いです。
その取り組みの中で、FaberCompanyに参画する仲間はもちろん、いま急速に成長している即戦力 Webマーケターの業務委託マッチング「ミエルカコネクト」で活躍頂くマーケターのスカウトもお願いしたいなと。仲間を集めるのって簡単そうで非常に難しいですよね。私と同じ熱量で語ってくれる本田さんならできると思ったんです。
Webマーケティングの世界でワクワクし続けた20年。
古澤:少し話が変わりますが、本田さん自身の話も聞かせてください。本田さんと言えば、SEOコンサルタントをプロデュースする「本田ディスティニー」が有名ですよね。あれは衝撃でした。
本田:ありがとうございます。(笑)
もともと採用目的のコンテンツでLIGさんと社内のメンバーの企画ではじまったものですが、退職してしまったのでもうあのキャラは封印です。新たなキャラを作ろうかと画策しているので、新しいキャラ候補を思いついたら、ぜひ私まで教えてください。
古澤:もともと本田さんは新卒ではどんな業界に入社したんですか?
本田:キャリアの出発は「インテリジェンス」(現:パーソルキャリア )で、人材営業をしていました。4年ほど勤めてフラフラしてたんですが、同期入社で友人であるサイバーエージェント創業者の藤田 晋さんから「採用活動を手伝ってよ」と声かけられて、サイバーエージェントにジョインしたのがネット業界との出会いです。
その後、ECが伸び始めていた時期に、ECモール運営を行うグループ会社に異動して、店舗さんのコンサルティングをしていました。
古澤:そこからSEOに興味を持ったのはどうしてなんですか?
本田:ECも面白い領域だったんですが、その当時にちょうど「SEO」という概念が登場して、色々調べてみたら「これは面白い」と。どちらかと言えばSEOビジネスの方に興味を持って、有料の勉強会に参加しているうちにのめり込んで、SEO会社に転職することになったんです。それが前職の「アイオイクス」でした。
古澤:アイオイクスでは長かったですよね。17年くらい?
本田:そのくらいですね。入社3ヶ月ほどでSEO事業部長に抜擢されて、その後、Webコンサルティング事業部長を2021年まで担当し、2021年の組織変更で「Chief Communication Officer」(CCO)という役職を新たに授かりました。まあ授かってるというか自分で名前決めたんですけど(笑)。
広報PRやイベント企画、採用など、全てのコミュニケーションを担当してブランドの認知度をいかに広めていくかということに挑戦していました。
SEOの世界は年々本質的になり、面白くなっている。
古澤:前職ではSEO情報サイト「SEO Japan」も運営されていましたよね。あれは本当にタメになって、毎日見ていました。どういう経緯で運営を始められたのですか?
本田:もともとは2002年の創業時に前職の社長のSEOノウハウを書き連ねたものがスタートだったんです。しばらく放置していたんですが、勿体ないなと思ったんですよ。SEO Japanという名前が良いだけでなく、海外の情報を知りたい人は沢山いるはずだと。
海外のSEOメディアはいっぱいあるじゃないですか。当時は、今ほど鈴木謙一さんも有名ではなく、海外の情報をリアルタイムで知れることって価値が高かったんです。
でも、英語できないし、なんか言うのめんどくさいなとか思いながらも社長に「海外の有名メディアの翻訳とか海外カンファレンスのライブレポートする形でリニューアルするのはどうですか?」と提案したら「それいいね、ちょっと待ってて」といって、もう2、3日後には翻訳の許可がたくさん取れていました。(笑)
古澤:当時はそういう海外の情報に触れられるサイトは少なかったですもんね。国内と海外のSEOを長年見てきた中で、以前と変化を感じる部分はありますか?
本田:古澤さんも攻略屋だからわかると思うんですけど、昔はSEOって”ゲーム感覚”のようなものがありましたよね。でもここ数年は、すごく本質的な話になっている。ユーザーといかに向き合うかが大切な気がしています。
一方で変わらないのが、割とはっきりと成果や効果が見える部分ですよね。事業者側も支援者側も効果が感じられやすいと思いますし、それが自分自身の誇りかもしれません。
過去に老舗時計修理屋さんのWeb展開をしていくためのコンサルティングをしたことがあったんですよ。その会社は 銀行からお金を借りて、私らに投資してくれていたので、結果に対するプレッシャーがかなりありました。
でも、施策がうまくはまって、あっという間に売上がガーンと上がったんです。もう社長から常務からすごい感謝感謝で、なんか神様のように扱われていましたね(笑)「すごい信じられない。こんな世界があったのか」と感謝されると、自分の仕事に誇りを感じられますよね。お客様から喜ばれるっていうのは、Webマーケティングの醍醐味ですよ。
きっとSEO自体は無くなっていかないと思います。ユーザーにとって有益なものが表示されやすくなる流れはさらに加速していくはずなので、より本質的な部分で「ユーザーのためになっているか?」を考えていく必要があるんじゃないでしょうか。
「キャリアの総仕上げを一緒にしましょう」という言葉に心を動かされた
古澤:ところで今更なんですが(笑)、なぜこのタイミングで転職を考えたんですか?
本田:前職に約17年いて、50歳になったタイミングで人生を振り返って、今後のキャリアをどうしていこうかと考えました。その時に、導かれるというか運命的なものを感じて、 次のステージで何か挑戦をしようと思ったんです。
有難いことに、何社からかお声がけいただいて。古澤さんにも伝えたら「1回会って話そうよ」と言ってくれましたよね。逆に、なんで声をかけてくれたんですか?(笑)
古澤:そうですねぇ…SEOの黎明期から知っている人って貴重なんですよね。例えば、あるキーワードを聞いた時に、それが何を知りたいキーワードなのかって、検索意図を言い当てられる人たちっているじゃないですか。そういうのって、SEOを2000年の初頭からやっている人たちだと思いますし、本田さんにも同じシンパシーのようなものを感じています。
あと本田さんの強みはやっぱりコミュニケーションですよね。この部分でちょっと色々と助けていただきたかったんです。
本田:自分で言うのも恥ずかしいですけど、確かにコミュニケーションは私の強みの一つかもしれないですね。
でもそれは、周りの人に恵まれてきたからこそだと思っています。もともと私は頭のキレがいいタイプではなく、ありがたいことに優秀な仲間に助けられてここまできました。だから、少しでもそんな人たちに受けた恩を返したいと思っていて、色んな人と話していたら気付いたらたくさん知り合いや友人ができていました。(笑)
古澤:そのコミュニケーションを活かして、前述の「10万人のマーケターとのネットワーク作り」に邁進していただきたいですね。
本田:「10万人のマーケターのライフラインになる」という目標は、私自身も非常に取り組んでみたいことでし、それが実現したらきっと面白い世界ができそうですよね。そのためにもまずミエルカをはじめとして、Faber Companyのファンを広げていくことにチャレンジしたいと思っています。
Faber Companyの出しているサービスはどれもマーケターの役に立つと思うし、もっと沢山の人に使ってもらいたいんですよね。これからFaber Companyの一員として、皆がワクワクするようなことをしていくつもりです。
古澤:これから一緒に歩んでいく仲間として、共に頑張っていきましょう。