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経営者、Web改善のプロとして活躍していた岩本がFaber Companyへの参画を決めた理由とは

更新日:2023.3.17 公開日:2023.01.19

古澤-岩本

Faber Companyに、長年LPO、CROやA/BテストなどWeb改善に携わってきた岩本庸佑氏が電撃入社した。

2013年頃からヒートマップツールなどの海外Saasツールをローカライズし、サービス化する事業を複数立ち上げた後、A/Bテストツールの更なるマーケット拡大などのため株式会社アッションに参画。同社では代表取締役としてCRO(LPO)コンサルサービスを立ち上げや年間1,000パターンの仮説検証(A/Bテスト)を行うなど、幅広い経験を積んできた。

経営者だけでなくWeb改善のプロとしても、活躍の幅を広げていた岩本氏。
なぜFaber Companyに参画しようと思ったのか。また今後の展望などについて代表の古澤と語った。

「ぶつかり稽古ができそうな会社って珍しいし、面白いですよね」

岩本

古澤:5年間口説き続けて入社を決めてくれましたね(笑)。

岩本:思い返してみると、出会いは10年前くらいですよね。定期的に食事にも誘っていただき、古澤さんから経営者としての姿勢などを学ばせてもらっていました。食事の後には翌日こんなこと試してみようと発見するきっかけになっていたんですよ。

古澤:いやいやそんなことないですよ。経営者としてどんな壁を感じていたんですか?

岩本:守りに入ってしまっていたんですよね。代表を務めたことは良い経験になりましたが、勝手な気構えがあって全てにおいて保守的になってしまっていた。自分が最後の砦であると思っていたので、発言1つ1つを重くとらえていたのかもしれません。

でも、私の強みって熱量を持ってとにかく攻めに転じ続けることなんですよ。それができていなかったので、新しく挑戦する場を探そうと。

古澤:熱血で一本筋が通ったところが岩本さんの良さですよね。新たな挑戦の場として、どんな場所を求めていたんですか?

岩本:戦ってくれる人がいそうな場所ですね。相撲の「ぶつかり稽古」みたいなことが好きで(笑)。いい仕事をするため、ディスカッションなどを通じて切磋琢磨しながらやっていくのが理想なんですが、そういうことを求めていない人も一定数いるんですよ(もちろん自分自身の至らなさが大きいとは思いますが)。

そのことに気づいて、とあるタイミングで「ぶつかり稽古」をやめたこともありました。それに伴って事業に対する熱が冷めていくことに気付いて「自分の人生が楽しくならないな」と。そういう仕事への熱意は失いたくないですし、その様に熱意をもって何かを作っていることをし続けると、同じ状況でも見え方が変わる(ポジティブに)ということを背中で子供たちに見せ続けたい。自分のように不器用になってしまったら申し訳ないですが(笑)。

悩んでいた時に、10年くらい付き合っているお客さんから貰ったアドバイスも後押ししてくれました。「我々みたいな人間は戦っていることに価値が見いだせる。そこから生まれてくる価値を許容できる組織や経営者がいるところで働いていくべきだよね」と。本当にその通りだなと思って、戦い続けられる場所をさがすようになりました。

古澤:Faber Companyでは「ぶつかり稽古」できそうですか?(笑)

岩本:「ぶつかり稽古」、めちゃくちゃウエルカムな感じですよね。諦めずに古澤さんと副島さんは付き合ってくれていたので、自分自身の強みを表に出していけそうですし、情熱を持って仕事ができそうなので今からワクワクしています。

絶えず変化する市場の中で、勝っても負けても得るものがあるのが、この仕事の面白さ

対談風景

古澤:岩本さんは長年LPOやA/BテストなどWeb改善に関わってこられましたよね。少しその話を聞いてみたいです。トレンドの変化って感じますか?

岩本:最初にヒートマップツールを日本でローカライズして販売していた時は、見た目が印象的だったんでインパクト大きかったですよ。

ヒートマップって、アナリティクスなどとは対極的なところにあるじゃないですか。アナリティクスはそもそも改善するページを決定するためのものである一方、ヒートマップはページ内の分析をしていくためのもの。また、アナリティクスは数値を読み解くのが難しいですよね。でも、ヒートマップなら可視化されていて、どこが見られているかどうかが一目でわかるので、数字を分析していくよりもライトなスキルで分析できますよね。

ヒートマップの登場前は、勘や経験、メソッドみたいなものに基づいて一部の経験者がやりこんでいたイメージです。ヒートマップの登場で、Webの仮説立てや改善案が出しやすくなりましたし、Web改善の打率も高くなりましたよね。

でも今だと、ヒートマップの分析だけでは少し足りないので、その辺りは変化してますよね。

古澤:変化はどういう部分で感じますか?

岩本:一方でこの「改善」というものの定義があいまいであり続けることに疑問を感じています。改善したのか?否か?が非常に感覚的に評価されてしまっている感があります。例えば「先月対比で〇%改善しました」では、変化要素(内的、外的ともに)が多すぎるんですよ。自分自身もそうでしたが、それを改善としてしまっているのが多い印象です。

でも、そこでABテストも挟むことで、きちんと検証できるようになります。だから「ヒートマップで課題抽出→改善案出し→ABテストで検証」というのを必ず行うようにしています。巷で言われている勝ちパターンが、そのサイトにハマるかどうかは結局検証してみないとわからないんですよ。どのサイトでも勝ってきた施策が、負けることもあるんですよ。それはここ数年感じてますね。

対談風景

古澤:へー!面白いですね。具体例とかありますか?

岩本:最近あったコトなんですが、PCのECサイトを支援した際のことです。競合や他社と比較した時に、ほとんどのサイトがSPの場合は検索結果の商品一覧ページを1カラムでやっていたんですよ。画像とスペックなど詳細まで分かるようになっている一方、支援していた会社では2カラムで画像とタイトルのみ。

PCはスペックなど情報量が多いので、ECサイトで選ぶ際にも一覧の中で一定の情報を吸い上げられる方がいいでしょうし、大手含めて競合では圧倒的に1カラムが主流。それで1カラムに変更してABテストで検証したら負けてるんですよ。こういうことがあるので本当に検証というフェーズは必要不可欠です。

古澤:確かに勝ちパターンがそのまま通用しないこともあるというのはSEOでも同じですよね。

岩本:そうだと思います。パターンだけじゃなく、トレンドみたいなものもよく1〜2年くらいで変わっていきますよね。

こういう話をする時に良く出す例があるんですが、季節ごとによっても打ち出し方を変えた方がいいのが今のトレンドですよね。例えば、ウォーターサーバー。

ウォーターサーバーは夏はキャンペーンを実施して、ユーザーにどれだけ届けられるかが勝負になってきます。キャンペーン内容が魅力的で理解しやすくしているか、契約に至るまでのプロセスがスムーズで、導線設計が綺麗かなどが重要になってくる。一方で、閑散期の冬の場合、どういう用途で使われるか?そのサービスにおける価値をしっかり伝えていかないと態度変容が起きないケースが多いんですよ。シーズンによってサイトで訴求強化していくべき箇所が変わってきます。

古澤:水ってそんなに違うんですね。

岩本:夏のテンションで冬に行ったら負け続けましたよ(笑)。夏ってみんな水を飲みたくなるじゃないですか。でも冬の場合はそうじゃない。そういうことまできちんと考えていかないといけないですよね。

こうやって白黒つくのが、この仕事の面白いところですよね。勝ち続けられれば成長の一つになる一方で、負けても得られるもの、つまり蓄積した経験になる。要因が見えないけれども、掘り下げていったら原因になってる数字を発見したりすると、すごい嬉しくなるんですよ(笑)。

社内を走り回り、経営課題から事業課題まで解決していきたい

岩本

古澤:仕事の面白さの話が出ましたけど、これまで岩本さんはどれくらい支援されてきたんですか?

岩本:トータルで考えると100サイト以上はコンサルしてきましたね。

古澤:すごい数のお客様とぶつかり合ってきてますよね。お客様とのコミュニケーションを取る上で気をつけていることはありますか?

岩本:まず、我々がいただいているフィーとの兼ね合い、ROIが成立するかどうかが大切になってくると思うので、まずそこはきちんとお客様と会話していくようにしてます

例えば、CV30件を130%にしたと仮定します。60%がアポ率だとすると商談になるのは20件ほど。3割が契約になったとしても、契約数自体は3件ほどしか伸びていないことになります。BtoBの場合、LTVが大きい可能性もありますよね、2000万とか3000万とか。それはその業種や商材によって違うから、会話をする中できちんと計算して価値をきちんと提供できるかどうかを大切にしてます。

古澤:確かに仰る通りですけど、小さい企業の場合どうしたらいいんでしょうか。アクセス数もLTVも少なければ、ABテストやCROコンサルしても意味がないと思いますか?

岩本:いや全くそんなことないですよ。よくお客様から相談を受けるんですが、KPI設計をきちんとしておけば問題ありません。特に中間指標をどう設計していくかですね。

ABテストツールを例に考えると、前提としてこのツールは統計学的にそれが確かであるかそうでないかで分析しているんですよ。だからCVが3桁とか4桁なくても、2桁代後半くらいでも計測可能だったりします。じゃあどうやって計測していくかという話になるんですが、ユーザーの行動ファネルを設計して計測していくのが鍵です。

ECサイトならCVや収益がKGIになると思いますが、CV前の確認ページや決済ページや会員登録ページ、カート確認、商品詳細ページなどがありますよね。基本的にテストするのは、CV前の全ページを計測していきます。あと、URLの遷移だけでなく、各要素のクリックやホームとか入力項目がタッチされているかなどイベントベースで計測していくことが大切。項目に触って出ていった人と触らずに出ていったヒトの意味が違いますから。

細かく設計して計測することで、ユーザーはどこまで態度変容しているのか、態度変容まではいかないけど。心理はちょっとずつ変容しているのか…。計測した数字から、仮説を立てていけば、意味のあるWeb改善につながるはずです。

古澤:なるほどー。本当に勉強になりますね。こういう話をお客様にしたら喜ばれるんじゃないですか?

岩本:たいてい喜ばれますね(笑)。これもこの仕事の醍醐味ですよね。お客さんに喜ばれるだけでなく、担当者や会社の利益に直結する可能性もあります。一緒に一喜一憂しながらチームとして成長できるのは面白いですし、やりがいもありますよ。

古澤:今Faber Companyには1800社くらいのお客さんがいるんですが、ぜひ岩本さんの経験を活かしてお客さんを助けてあげて欲しいです。CROやABテストを知らないお客さんも沢山いらっしゃいます。あとは、まっすぐに生きるとか、情熱を持って仕事に取り組む姿勢も若い人に見せてくれるのを期待してます。

岩本:はい、とにかくチャレンジしつづけて駆け抜けたい、どちらかと言えば走り回りたいですね(笑)

自分のこれまで培ってきたことを活かして、成果や売上を作っていくところで価値を提供していくつもりです。裏側のデータやそれを経営に生かしていくかなど幅に活かした形で仕事をしていきたいチャレンジするフィールドを徐々に広げていって、さらなる事業を横展開するのをやっていきたいですね。

対談風景

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