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ファーストパーティークッキーとは?サードパーティークッキーの違い、重要性を解説

公開日:2024.10.16
ファーストパーティークッキーとは?サードパーティークッキーの違い、重要性を解説

ファーストパーティークッキー(1st Party Cookie)とは、ウェブサイトがユーザーの体験を向上させるため、もしくはアクセス解析を行うためにそのサイト自身が発行し、訪問者のブラウザに保存されるクッキー(ファイル)のことです。クッキーにはユーザーが入力したログイン情報や訪問履歴、サイト内での行動などが記録されます。

この記事では、重要性が高まるファーストパーティークッキーの意味やできること、活用するメリット、サードパーティークッキーとの違いをくわしく解説します。

参考記事:ファーストパーティーデータの収集方法やサードパーティーデータとの違い

清重愛一郎
監修:シン・マーケ株式会社 代表マーケター 清重愛一郎事業会社のマーケティングに15年の経験を持ち、特にSEOとWEBサイトのCVR改善に強みがある。元ビズリーチ・サクシードのマーケティング責任者として、自然流入とリード獲得を増加させ、FY21ビジョナルIC全社MVPを受賞した。2022年7月にシン・マーケ株式会社を創業し、代表マーケターとして活動中。ミエルカ公認アンバサダーとして、最新のSEO手法を取り入れ、クライアントのビジネス成長を支援している。 ▶︎X(Twitter):https://x.com/loveone6

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ファーストパーティークッキー(1st Party Cookie)とは

はじめに、ファーストパーティークッキーの意味やできることを解説します。

クッキー(Cookie)とはそもそも何かをおさらい

Cookieの仕組み

クッキー(Cookie)とは、Webサイトにアクセスした際に作成され、訪問者のブラウザに保存されるファイルのことです。パスワードなどのログイン情報やカート内の商品情報、フォーム内の入力情報、訪問サイトの履歴などが記録されます。

Cookieの仕組みにより、対象サイトに再び訪問した際に、ログイン情報などを再び入力する必要がなくなります。また、企業側はWebサイトに訪問したユーザーの情報を判別し、アクセス解析“>や広告配信などに役立てることができます。

ファーストパーティークッキーの意味

ファーストパーティークッキーとは、アクセスしたWebサイトと同じドメインから発行されるCookieです。後述するサードパーティークッキーと比べてブラウザにブロックされにくい点や、訪問サイトでのみ機能する点が特徴です。

ファーストパーティークッキーでは、「自社サイトを訪問したユーザーが、どのような行動をしているか」を記録・把握できます。

ファーストパーティークッキーの代表的な活用方法

ファーストパーティークッキーでは、主に2つの用途で活用されます。

1つ目はユーザーの利便性向上です。たとえば、ファーストパーティークッキーには一度自社サイトを訪問したユーザーのログイン情報が保持されるため、次回アクセス時に再びログインIDやパスワードなどを入力せずに済みます。また、カートの内容を保持しておくことで、再び商品検索や保存などを行わずに購入してもらえます。

加えて、過去購入した商品と似たような商品をレコメンドすることも可能であり、よりユーザーの好みにマッチするユーザー体験の提供につながります。一部の求人サイトではユーザーの過去の検索履歴や閲覧履歴を元にそのユーザーにあった職種の求人がトップページで掲載されるなど、SEOマーケティングにもファーストパーティークッキーが積極的に活用されています。

2つ目はアクセス解析です。たとえば自社サイトでファーストパーティークッキーを発行すると、ユニークユーザー数や訪問者のセッションなどを測定できます。GA4ではファーストパーティークッキーはデフォルトでは2年間の有効期限があります。ただし、Safariでは最大7日間で削除されます。このように一部のブラウザで制限がかかっているものの、以前としてファーストパーティークッキーはアクセス解析をする上で重要な役割を果たしています。

サードパーティークッキー(3rd Party Cookie)との違い

この章では、ファーストパーティークッキーとサードパーティークッキーの違いを解説します。

サードパーティークッキー(3rd Party Cookie)とは

サードパーティークッキーとは、ユーザーが訪問しているWebサイトとは異なるドメインから発行されるCookieです。たとえば訪問サイト内に広告が貼られている場合、広告の配信元から発行されるCookieがサードパーティークッキーに該当します。

サードパーティークッキーには、ドメインを横断したトラッキングが可能というメリットがあります。この仕組みを活かし、複数のサイトをまたいで行動データを収集・分析したり、それをもとに対象ユーザーが興味関心を持つと考えられる広告(≒リターゲティング広告)を配信したりすることができます。

ただし、ユーザー視点では、訪問先とは異なるWebサイトに訪れた際にも自分の閲覧した商品と類似した商品がディスプレイ広告で表示されることにより、自分の行動が追跡・把握されているように感じられてしまうこともあります。ユーザーにとっては直接訪れたサイトではない企業に趣味嗜好や悩みを把握されるように感じられることもあるため、自身のプライバシーが侵害されていると不快感を抱くユーザーもいる可能性があります。

こういったプライバシーや個人情報保護の観点から、Apple端末では2017年9月からサードパーティークッキーの利用が制限され始めています(ITP1.0)。現在もGoogleなどのプラットフォーマーの間でもサードパーティークッキー規制の議論が継続して行われており、今後現在よりも更に厳しいサードパーティークッキーの取得・活用に制限が課される可能性があります。

ファーストパーティークッキーとサードパーティークッキーは何が違う?

ファーストパーティーCookieとサードパーティーCookieの違い

ファーストパーティークッキーとサードパーティークッキーでは、クッキーの発行元が異なります。

訪問サイトと同じドメインから発行されるファーストパーティークッキーと違い、サードパーティークッキーは訪問サイトとは「異なる」ドメインが発行されます。また、サードパーティークッキーには「複数のWebサイト間で機能する」という特徴もあります。

こうした仕組みから、サードパーティークッキーでは「対象ユーザーがどのようなサイトを利用し、どのような行動をとってきたか」がわかります。マーケティングでは、主に「リターゲティング広告の配信」や「アフィリエイト広告の効果測定」などのシーンで活用されています。

ファーストパーティークッキーの重要性が高まっている背景

ファーストパーティークッキーの重要性が高まっている背景として、全体的に規制が進んでいるCookieの中でも、特にサードパーティークッキーの規制が厳しくなっている点が挙げられます。

Cookieによってユーザーの利便性は向上する一方で、過去の購買や行動の履歴から、ユーザーの興味関心や生活スタイルなどの個人情報が他者に知られてしまう可能性が高まります。こうした背景から、日本を含む各国では、主にCookieを規制する動きが広まっています。

たとえばEUでは、2018年5月からGDPR(EU一般データ保護規則)が施行されています[1]。この規則では、Cookieを個人データとみなし、取得・利用する際にユーザーの同意を得ることを求めるなど、罰則付きで厳格なルールを定めています。

また、日本では「改正個人情報保護法」[2]、アメリカのカルフォルニアでは「カリフォルニア州 消費者プライバシー法(CCPA)」[3]などにより、Cookieに関する法規制が敷かれています。

こうした各国の動きを受けて、事業者の間でもサードパーティークッキーを中心に、Cookieに関する規制を進める動きが広まっています。

たとえばAppleでは、自社ブラウザのSafariのアップデートに伴い、サードパーティークッキーを完全にブロックする機能を追加しました [4]。また、検索エンジン大手のGoogleも、サードパーティークッキーの廃止を検討してきました。ただし2024年7月に、Googleはサードパーティークッキーの廃止方針を撤回した[5]ため、事業者に悪影響がおよぶ事態は現時点では免れています。

とはいえ、世界的に個人情報保護の方向性が変わったわけではありません。Appleなど一部の企業では厳しくプライバシー保護に動いていることから、特にプライバシーを毀損すると言われているサードパーティークッキーは今後さらに利用しづらい状況になると考えられます。

一方でファーストパーティークッキーでは、ユーザーによって訪問されたWebサイトのみが情報を追跡・把握します。また、ファーストパーティークッキーは基本的に訪問したWebサイトでしか機能せず、離脱後の行動までは把握できません。このような特性から、サードパーティークッキーと比べるとユーザーに不快感を抱かれにくいため、ファーストパーティークッキーの活用を重視する動きが広まっています。

ただし、iPhoneなどのApple製品に搭載されているsafariというブラウザではファーストパーティークッキーに関する時間制限(Intelligent Tracking Preventionによる)規制もが年々短くなって強まっておりいます。2017年にはファーストパーティークッキーの期限は無制限でしたが、2024年9月時点では24時間までとなっています。今後も変更される可能性がありますので、最新情報には注意が必要です。さらに厳しくなることでマーケティング活動に支障をきたすおそれがあります。すでに現時点でも、「ファーストパーティークッキーを使っても、精度の高いデータを取得できない」といった問題が徐々に出始めています。また、ファーストパーティークッキーによって取得したデータであるとしても、使い方次第ではユーザーのプライバシーを侵害するリスクがあります。

以上より、また、企業には個人情報保護にも配慮してファーストパーティークッキーを利用することが求められます。具体的には、データの利用目的をユーザーに伝えたり、データの保管および取り扱いに最新の注意を払うったりことが重要です。

また、規制が大幅に厳しくなる事態を想定し、あらかじめcookieを利用しないデータ収集の手段を確保しておくことも大切です。

[1] GDPR(個人情報保護委員会)

[2] 個人情報保護法の改正によってCookieが規制対象に(NTTコム オンライン)

[3] 米カリフォルニアの「クッキー規制」施行へ、日本企業もあの対応が必須(日経クロステック)

[4] Full Third-Party Cookie Blocking and More(WebKit)

[5] グーグル、サードパーティーCookie廃止方針を撤回(Impress Watch)

ファーストパーティークッキーを活用するメリット

最後に、サードパーティークッキーと比較し、ファーストパーティークッキーを活用する以下2つのメリットを解説します。

ファーストパーティーCookieを活用するメリット

以下では、各メリットを詳しく解説します。

収集する顧客データの鮮度や質が高い

他社を介さずに自前で顧客データを収集するため、比較的最新の状況に基づいた情報となりやすいです。

また、収集対象の顧客層や収集方法なども自社で決定できるため、情報の質も高くなりやすいです。特に、アンケートやインタビュー、メール等でのやり取りでは、見込み客や既存顧客が持つニーズや悩みを深く知ることができます。

顧客ニーズを詳細に把握することで、マーケティング施策の精度も高まり、売上や利益の向上が見込めるでしょう。

顧客データを得るためのコストを抑えやすい

他社が収集したデータを獲得したい場合、基本的には定められた料金を相手に支払わなくてはいけません。一方でファーストパーティークッキーを利用すると、自力でデータを取得できるため、外部の企業や組織に費用を支払う必要がありません。

データ取得にかかるコストが抑えられるため、成果(売上)が同じである場合でも、より多くの利益を手元に残せるでしょう。

まとめ

クッキーの活用は個人情報保護の議論が活発になった今、大きな岐路を迎えています。以前のように無制限でどこまでもサードパーティークッキーが利用されるという状態は是正されつつあります。クッキーを活用する場合には個人の同意が必要で、プライバシーにも配慮が必要となっています。

とくにサードパーティークッキーについては少しずつ規制が厳しくなり、一部のブラウザではブロックされるなど使用が制限され始めています。

ファーストパーティークッキーはサードパーティークッキーと比較して制限は緩やかで、今後もアクセス解析やユーザー体験を改善するための貴重なマーケティングデータ資産として活用されていくことが予想されます。

マーケターや経営者はこのような時代背景も考慮しながら、持続可能なファーストパーティークッキーの活用やデータ分析基盤、初回訪問をしてもらえるような自社サイト・オウンドメディア・自社アプリの構築を中長期視点で考えていく必要があるでしょう。

なおミエルカヒートマップは、サードパーティクッキーを使用せずに、ユーザー行動を追跡できます。サードパーティクッキーを用いない分析に興味のある方は、ぜひ一度お問い合わせください!

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清重愛一郎
監修:シン・マーケ株式会社 代表マーケター 清重愛一郎事業会社のマーケティングに15年の経験を持ち、特にSEOとWEBサイトのCVR改善に強みがある。元ビズリーチ・サクシードのマーケティング責任者として、自然流入とリード獲得を増加させ、FY21ビジョナルIC全社MVPを受賞した。2022年7月にシン・マーケ株式会社を創業し、代表マーケターとして活動中。ミエルカ公認アンバサダーとして、最新のSEO手法を取り入れ、クライアントのビジネス成長を支援している。 ▶︎X(Twitter):https://x.com/loveone6

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