Google検索品質評価ガイドラインとは、Googleが検索エンジンの品質を評価するために、外部の品質評価者に向けて評価方法を説明した資料のこと。検索品質評価ガイドラインには、Googleがどんなページを高く評価するかが書いてあります。
要点は、Googleの基準は「ページの品質(Page Quality)」「ユーザーニーズを満たしているか(Needs Met)」「使いやすさ(Usability)」の3つ。ウェブマスター向けガイドラインとの違いやE-A-T、YMYLも解説しています。
最新版は2019年12月のもので、一般公開(PDF)されていて誰でも読めます。ただし、英語なのと150ページ以上あって日本人には大変かもしれません。日本語で読みたいなら電通デジタルさんの記事がよくまとまっていてオススメです。ウェブマスターはもちろん、SEOに関わる人はぜひご一読を。
Google検索品質評価ガイドラインには、具体的に何が書かれているか
アヤカ:Google検索品質評価ガイドラインって何が書かれているんですか?
スズキ:Googleの検索結果が、自分たちが目指すような品質の検索結果をユーザーに提供できているかを外部の人にチェックしてもらうんですよ。レイター(評価者)って呼んでいて、そのレイターが評価するためのマニュアルですね。こういう基準に従って採点してくださいといった感じの。そのためのマニュアルです。どういった点で品質をチェックするのかが事細かに書かれています。
アヤカ:色々な角度から、品質が高いかどうかをチェックしているんですね。
E-A-TとYMYLについて
スズキ:品質を見る項目として、「E-A-T」というコンセプトがあります。Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の頭文字をとってE-A-Tと呼んでいます。
検索エンジンのアルゴリズムは、この3つを兼ね備えているページを検索結果に出したいとしています。全てのジャンル、クエリではないけど、「専門性」があって「権威」があって「信頼」できる人、あるいは組織が書いたコンテンツを上位表示させようという考え方が強くなっています。
特にYMYL、「Your Money or Your Life」等の人の幸福とか人生、お金に関するジャンルに対するコンテンツに対しては特に高いE-A-Tが求められています。で、このYMYLも領域が広がっていて、以前はお金や健康に関するコンテンツくらいだったけど、今は科学、ニュース記事、人種、ショッピングなどもこのE-A-Tの対象分野になってきています。ビジネスで運用している企業サイトであれば、もうYMYLの対象だと考えてください。
アヤカ:そうなんですね。
スズキ:あとは、Needs Metと言って、検索ユーザーの検索意図に沿った結果が出ていますかというチェック項目もあります。たとえば、「赤坂 ラーメン」で検索した時に札幌のラーメン情報が出てきたらどうですか?
アヤカ:意図と合っていないですね。
スズキ:単純な例ですけど、検索ユーザーに合った検索結果が出ているか、ユーザーの検索意図を満たせているかというのもチェック対象になります。だから、高品質なサイトを作りたいと思ったら、実際に人間の意見を聞いてください。
アヤカ:人間の意見?
スズキ:友達、家族あるいは自分が運営するサイトに全く無関係な人に聞いてみて、「この言葉、難しくて分からない」というのであれば、その部分の改善が必要ということですよね。
アヤカ:なるほど。
スズキ:今はスマホ検索が多くなっているので、スマートフォン対応しているか、広告が多すぎて見づらくなっていないか、ページ表示速度が遅くないか…といったUX(ユーザーエクスペリエンス)も最近の評価ガイドラインには含まれるようになりました。
※UX(ユーザーエクスペリエンス):ユーザー体験と訳される。モバイルフレンドリー・表示速度・HTTPSなどが相応する
一つ補足しておくと、E-A-TとかYMYLはあくまでも品質評価ガイドラインを使うレイター(人間)のためのコンセプトであって、アルゴリズムではないんです。レイターさんによって評価のばらつきが出ないように、ガイドラインの基準を明確にしています。
Google検索品質評価ガイドラインを読むにあたって
アヤカ:Google検索品質評価ガイドラインは誰でも読めるんですか?
スズキ:今は誰でも読めます。以前はライター(評価者)だけにGoogleが配布していたんですが、僕たちウェブマスターにとっても有益な情報だったので、公開されるようになりました。不定期なんですけど、年に数回内容が更新されます。「Google General Guidelines」と検索すれば出てきます。ただ、中身は全て英語です。現状のページ数は168ページあって結構ボリュームあります。
アヤカ:英語が苦手な人はどうすれば良いですか?
スズキ:最新版でいうと、電通デジタルさんが概要や最新事情、要点などを日本語で解説しているので、日本語で読みたい人にはお勧めです。
ただ、全文読むととても勉強になります。Googleが目指している検索結果の理想像がわかるのですごく良いヒントになります。
上位表示は狙えるのか?
アヤカ:ということは、Google検索品質評価ガイドラインに沿ってコンテンツをつくれば、検索結果にも上位表示されやすくなる?
スズキ:うーん、そうとも限りません。あくまでもレイターが品質をチェックするためのものであって、レイターがチェックした結果が即座に検索結果に反映されるわけではないんです。
アヤカ:実際に評価(採点)するだけで、ランキング付けするものではないですね。
スズキ:そこを勘違いする人が多いです。何十億という記事があるのに一つ一つチャックできないでしょ?もっとスケーラブルにするために全てアルゴリズムで解決しようとします。
ウェブマスター向けガイドラインとの違い
アヤカ:Google検索品質評価ガイドラインとウェブマスター向けガイドラインの違いはなんですか?
スズキ:これ間違いやすいんですよ。この二つは全くの別物です。ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)はそれこそアルゴリズムが見ているもの。Googleが定めたルールに従ってくださいって内容です。それこそ、禁止項目も書かれています。で、それを破ってしまうと、俗にいうペナルティ、手動による対策を受けることがあります。
ウェブマスター向けガイドラインは必ず読んでください。さらに上位レベルを目指したいのであれば、Google検索品質評価ガイドラインも読むこと。Google検索品質評価ガイドラインは読むに越したことはないけど、コンセプト的に難しいかもしれないので、最初は読まなくても良いと思います。
ウェブマスター向けガイドラインは僕たち「サイト管理者」のためのもの、Google検索品質評価ガイドラインはレイターのためのもの、でも役に立ちますよってだけの話です。
アヤカ:なるほど。
スズキ:で、手動対策を受けた場合はウェブマスター向けガイドラインを見て問題を見つけなければいけません。
ミエルカチャンネル
「SEO初心者、Webマーケティング担当者、コンテンツマーケティングに取り組んでいる人、オウンドメディアを運営している人」向けにSEOの具体的な手順や手法の解説、Googleが発信した情報やガイドラインの解説、アルゴリズム変動速報を発信しています。
おわり
著者PROFILE
SEO・ソーシャル・動画の3領域でのコンテンツ企画と制作が得意な生粋のコンテンツクリエイター。ソフトバンク、楽天トラベル、Six Apart、freee、ファベルカンパニーを経て2024年に独立。コンテンツマーケティングを専業とし、オウンドメディアとYouTubeの設計 / 企画 / 執筆 / 編集 / 分析 / 改善 / SEO を幅広く行う。MarkeZine、Web担当者Forum、ねとらぼ、WorkshipMAGAZINE等で執筆しつつ、Content Marketing Academyでは特任講師を務める。
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