イギリス・ブライトンで開催された BrightonSEO にて、弊社取締役の鈴木謙一がGoogleのMartin Splitt(マーティン・スプリット)氏に「JavaScript SEO」についてインタビューしました。
JavaScript SEOとは、JavaScriptを多用するウェブサイトを検索エンジンに適切にクロール、インデックス、表示させるための施策で、テクニカルSEO施策の一部として知られています。JavaScript SEOに関するアップデートや、JavaScript SEOの今後の変化などを、Google検索チームの社員が直々に解説します。
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JavaScript SEOに関連する最近のアップデートについて
鈴木:JavaScript SEOに関して注目だったアップデートはありますか?2年前と比べてWeb Rendering Serviceはどのように進化してきましたか?
Martin Splitt:Web Rendering ServiceはPC版のChrome(のバージョンアップ)に合わせて継続的に進化しています。現在のWeb Rendering Serviceは、Chromeのバージョン105におけるJavaScript関連の新機能に完全に対応できるように実装されています。また、システムをもっと強固で、かつ回復力を持つように改良しました。
このように、表に出ないところでの改良はありますが、今の時点では、特に大きなアップデートはありません。しかし今後も、もっと良く、速く改良していく予定です。
鈴木:Web Rendering Serviceは最新のChromeに対応しているのですね?
Martin Splitt:もちろんです。今は、Chromeの最新バージョンが106で、Web Rendering Serviceが105のままなのですが、数週間で追いつく予定です。
ダイナミック レンダリングの提供終了とその代替策
鈴木:次の質問です。Googleはダイナミック レンダリングを公式に推奨していませんが、私は近い将来、ダイナミック レンダリングの提供を終了するのではないかと考えています。私の考えは正しいですか?
Martin Splitt:はい。ダイナミック レンダリングは回避策であって、決してベストなソリューションではありませんでした。ダイナミック レンダリングではうまくいかない場合も多かったのです。
しかし今は、Next.jsやNuxt.jsなどの新しいフレームワークが進化してきました。しかもこれらのフレームワークは、非常に安定しているのです。
JavaScript SEOのエコシステムを考えると、ダイナミック レンダリングを使った複雑な構成を付け加えるのは賢いやり方ではありません。そうした理由もあって、ダイナミック レンダリングのサポートを終了するのです。実際に昨日、Rendertronの提供の終了を正式に発表しました。
鈴木:ということは、なるべく早くダイナミック レンダリングの使用をストップすることをお勧めするのですよね?
Martin Splitt:ダイナミック レンダリングはほんの一時的な回避策だと過去1、2年言い続けてきました。私たちは、次のステップに移るときだと考えています。例えばハイドレーションやクライアント サイド レンダリング、サーバー サイド レンダリングを使えます。どんな技術を使っても構いませんが、ダイナミック レンダリングで複雑性を増やすべきではありません。
鈴木:ダイナミック レンダリングを使うことでペナルティはありますか?
Martin Splitt:いいえ。我々としては推奨しないだけです。他に良い手法があるので、そちらを勧めますが、もし継続したいのであればそれでも構いません。
鈴木:サーバー サイド レンダリングとクライアント サイド レンダリングのどちらを勧めますか?
Martin Splitt:どちらでも良いですが、サーバー サイド レンダリングを勧めます。重要な情報をいち早くとってくれるのがサーバー サイド レンダリングだからです。クライアント サイド レンダリングでインラインに重要な情報があるなら、処理を合理化できます。クライアント サイド レンダリングとハイドレーションの組み合わせは依然としてオススメです。
Java Script SEOに取り組んでいる方へのアドバイス
鈴木: JavaScript SEOに取り組んでいる人達へのアドバイスをいただけますか?
Martin Splitt:今まで通りのことを継続してください。JavaScript SEOは当面なくなりません。複雑なウェブアプリケーションを作っている人は、クローラーがコンテンツを認識してアクセスできるように必ずしてください。
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