こんにちは!カスタマーサクセスチームの白瀧です。少し遅れてしまいましたが、当社が2017年11月7-9日に参加したPubcon LasVegas 2017(パブコン ラスベガス)のレポートをまとめました。ぜひご一読くださいませ。
※社内では先日フィードバックしたのですが、その内容はミエルカ内に動画でアップしています。ミエルカユーザーさまはそちらもご覧ください。
Pubcon(パブコン)とは
まずはPubconについて少し解説します。Pubconは、アメリカで開催される最大級のWebマーケティングのカンファレンスです。もともとはイギリスのパブ(Pub)で集まり、情報交換をしていたことがきっかけとなったそうです。
カンファレンスは、1日ごとに6テーマほどが用意されており、それぞれのテーマごとに5~6のセッション(約1時間)があります。テーマは、「SEO」「インハウスSEO」「モバイルSEO」「AMP」「PPC」「インフルエンサー・マーケティング」「リンクビルディング」など幅広く扱われます。
(リンクビルディングが1テーマとなっているところがアメリカらしい)
テーマを見るだけでも、「いま何が進化しているのか、何がホットなトピックなのか」をつかむことができるのではないでしょうか。朝と昼はキーノート(基調講演)があり、個別のセッションと比べて大きな会場で行われます。とくに、GoogleのGary Illyes氏のキーノートはいつも新しい発表(去年はMobile First Index(MFI)があった)がある可能性が高いため、見逃せません。
なぜPubconに参加するのか
当社は海外カンファレンスにかなりの頻度で参加していますが、その目的には、以下のようなものがあります。
・いまホットなトピックの最新情報や事例をキャッチアップ
・中長期的なビジネスの方向性を模索
があると考えています。
たとえば、いまホットなトピックといえば「モバイル」「構造化マークアップ」があります。「構造化マークアップ」はGoogleに文字と意味の関連性を伝えるためだけではなく、検索結果上で特殊な表示になる「強調スニペット」が採用されやすくなるメリットがあります。検索結果(SERPs)がリッチになれば、特定ページにアクセスすることなく検索結果上で検索ユーザーへの情報提供を完結できる”SEPRs最適化”という概念もでてきているので、こうした最新情報も重要です。
中長期的な視点になると、「音声検索」も重要なトピックです。アメリカではすでに検索全体の2割ほどが音声検索とのことですが、まだ明確な分析手法や最適化方法は確立されていない印象を受けます。Search Consoleでも音声検索のクエリであるかのフィルタが実装されていないことを考えると、詳細な分析などができるようになるのは少し先の話になりそうですね。
Pubconで参加したセッション所感
今回はおもに「SEO」「コンテンツマーケティング」を中心に、AMPや動画マーケティングのセッションにも参加しました。
SEOについては「クロール最適化」などのテクニカルな話があった一方、必ず話題として出ていたのが「構造化マークアップと強調スニペット」でした。
強調スニペットとは、検索結果画面で特殊な表示となり、検索順位1位の上に表示される内容のことです。検索クエリによっては文章だけの場合や、文章+画像などバリエーションはさまざまです。
検索1位よりも目立つため、「SEOは検索順位0位を目指せ」というフレーズを何回も聞きました。実際に強調スニペットに採用されるためのTIPSを紹介するセッションは、参考になることも多く面白かったです。
一方、全般的なマーケティング手法に関しては、ユーザーが広告ブロックのアプリなどを導入している中、「インフルエンサー」とコンテンツを共同制作することで、自分だけではアプローチできなかったコミュニティと接点を持てるようにする試みは面白かったです。なんとインフルエンサーに使用する1ドルは9.6ドルの価値があるとのこと(つまり9.6倍の価値を産み出す、ということですかね)。アメリカにはインフルエンサーが探せるようなクラウドサービスが複数存在しており、インフルエンサーマーケティングの環境が進んでいる印象を受けました。
セッション全体を通して、日本と比較すると「強調スニペット」「音声検索」「インフルエンサー」が大きく取り上げられていたテーマでした。一方、「モバイル」「AMP」「コンテンツマーケティング」の温度感は日本と同程度だったように感じました。
カンファレンスの醍醐味は「キーパーソンに直接質問できること」
ここまでセッションの内容を中心まとめてきましたが、海外カンファレンスの醍醐味としてはキーパーソンに直接質問できることがあります。とくに、GoogleのGary Illyes氏に直接質問できたことは大きなメリットの1つです!今回はおもに「頻発している順位変動の理由」や「ブランドに対する言及がどのようにSEOに影響するか」を聞いてきました。
Garyにとある実測データを示して質問。Q:ブランド検索(サイト名、サービス名)の検索数増がランキングに影響する度合いは?テレビCM露出量と順位相関が見られるがどうか?
A:直接的には影響しないがメンション(評判・言及)が増えてエンティティを形成しポジティブであれば良い事であろう。#Pubcon pic.twitter.com/GN2ZoBEg2t— 古澤暢央 (@samurai_nobu) 2017年11月9日
特に確認したかったところはこの部分です。2017年はさまざまなアップデートがありましたが、中でも信頼性は大きなポイントでした。情報発信側の信頼性が問われる中、この「エンティティを形成できるかどうか」が色々な施策に影響してきそうな気がしています。今後もこの部分は調査と研究を続ける必要がありますね。
以上、簡単ではありますがPubcon LasVegasの参加レポートでした。続報があればまたお知らせします。
おわり
著者PROFILE
2014 年にFaber Company へ。おもにクライアントのコンテンツマーケティング支援を担当し、海外向けサイト立ち上げなども経験。現在はSEO 施策とアクセス解析のコンサルティングを実務とする。アメリカで開催されたSEO&SEM の世界的イベント「SMX EAST2016」「SMX WEST2017」のTheater Presentation で講演。