リターゲティング広告とは、数多くあるWeb広告のうちの一つで、以前サイトなどに訪れたことのあるユーザーに、再度広告を表示することができる広告のことです。この記事ではリターゲティング広告の仕組みから運用メリット、他のWeb広告との違いや実際の運用の始め方について解説していきます。
リターゲティング広告とは
リターゲティング広告とは、Web広告の一種で、一度サイトやLPに訪問したユーザーに、再度広告を表示することができる広告のことです。リタゲ広告と省略されることもあります。
例えば、気になる商品をカートに入れたままECサイトから離脱した際に、その商品の広告が再度表示されたことはありませんか?このように、一度訪れたサイトの広告が再度表示されるのが、リターゲティング広告です。
リターゲティング広告を利用するメリット
リターゲティング広告には、大きく分けて2つのメリットがあります。
メリット①:確度の高い顧客にアプローチでき、CV率や費用対効果が高くなる
リターゲティング広告の大きなメリットの一つとして、CV率や費用対効果が高くなりやすいというものがあります。
前述したように、リターゲティング広告は、一度サイトに訪れたユーザーに対して再度アプローチする広告手法です。一度サイトに訪れているということは、広告をクリックしたり、カートに商品を追加したり、サービスの詳細資料を請求したりなど、自社の商品やサービスに興味関心を持っている可能性が高いと言えます。つまり、リターゲティング広告が表示されるユーザーは、他の広告に比べて、確度が高く、CVする可能性が非常に高いのです。
メリット②:見込み客取りこぼしの防止
一度訪れたサイトの広告を再度目にするということは、その商品やサービス、ブランドに接触する回数が増えるということです。たとえすぐにコンバージョンに至らなかったとしても、繰り返し広告を見ることで商品やサービスのことを覚えてもらえたり、ブランドに対する印象を深めたりすることができるため、見込み客を取りこぼさないことにも繋がります。
リターゲティング広告の仕組み
なぜ、リターゲティング広告は、サイトを一度訪れた人にのみ表示させることができるのでしょうか?その秘密は、Cookieにあります。
Cookieには、ユーザーがサイト上でどのような行動をとったか(どのページを閲覧したか、どの商品をカートに入れたかなど)の情報が記録されています。Google広告などの広告配信プラットフォームは、このCookie情報に基づいて、過去の行動履歴と関連が深い広告を表示させているのです。
リタゲ広告が使えなくなる!?Cookie規制とは
近年、企業がCookieを用いてユーザー行動を追跡することはプライバシーの侵害に当たるとして、Cookieの利用を制限する動きが強まっています。
代表的な例としては、Apple社のブラウザであるSafariに搭載されたプライバシー保護機能「ITP(Intelligent Tracking Prevention)」や、Google ChromeによるサードパーティCookieの段階的な廃止などが挙げられます。こうした規制により、Cookieの中にユーザーのサイト閲覧情報が保存されなくなったり、そもそも広告配信プラットフォームがCookieを利用できなくなったりする可能性があるため、将来的には、Cookieを用いた従来のリターゲティング広告の効果が低下していくと予想されています。
しかしその一方で、Cookieに依存しないリターゲティング広告の手法も登場しています。例えば、Googleが提供する「プライバシー・サンドボックス」は、ユーザーのプライバシーを保護しながら、広告配信に必要な情報を取得できる仕組みです。これは、APIを用いることによって、ユーザーの行動履歴等が広告を配信している企業に共有されることなく、リターゲティング広告を行うことができるシステムであると言われています。
現時点でリターゲティング広告を配信していたり、これから配信を予定している方は、こうしたCookieに依存しない形でのリターゲティング広告運用についても検討してみることをおすすめします。
リマーケティング広告との違い
「リマーケティング広告」と「リターゲティング広告」は、実は同じ広告手法です。利用する広告配信プラットフォームによって呼び方が異なるだけで、特徴や仕組みなどはどちらも同じものであると言えるでしょう。実際に広告を運用したことがある人でも、「場面や話す相手によって、どちらの呼び名にするか使い分ける」という人が多いようです。
ちなみに、各媒体の呼び方は以下の通りです。
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リマーケティング |
Yahoo! |
サイトリターゲティング |
|
リターゲティング |
Criteo |
リターゲティング |
リターゲティング広告の配信にかかる費用
一般的にリターゲティング広告は、「最大いくらかけられるか」という「予算」を広告管理画面で設定し、一定の課金ルールに沿って、その予算を消化していく形になります。この記事では、その予算の相場と、実際にどんな課金ルールで予算が消化されていくのかを解説します。
リスティング広告の費用相場は?広告予算はどれくらいあればいいの?
結論から言ってしまえば、リターゲティング広告の費用に、相場というものはありません。リターゲティング広告の費用は、以下にあげたような様々な要因によって大きく変化するためです。
・業界
・扱う商品・サービスの種類
・Webサイトのトラフィック量
・ターゲット
・広告配信プラットフォームの種類
また、「事業の観点から広告に注力することになり、広告にかける費用が増えた」ということもよくあるため、必ずしも一定の予算が継続的に必要になるというわけでもありません。
リターゲティング広告の費用のかかり方と課金の仕組み
前述したように、リターゲティング広告の費用は、一定の基準に沿った料金体系があるわけではありません。
しかし、広告にはいくつかの決まった課金方法があり、その課金方法から、ある程度の費用を予想することができます。この記事では、最も有名な「クリック課金」と「インプレッション課金」について解説します。
クリック課金について
広告がクリックされた回数に応じて予算が消化されていく、という課金ルールです。1クリックに対する単価は、業界や出稿している広告主の数などによって大きく変化しますが、一般的には、1クリックあたり数十円から数百円だと言われています。
リスティング広告やSNS広告でもよく使われる課金方法で、広告LPの閲覧やCV達成を重視する場合に有効だと言えるでしょう。
インプレッション課金(CPM課金)について
広告が表示された回数に応じて広告予算が消化されていく、という課金ルールです。「CPM課金(Cost Per Mille)」と言われることもあります。
多くの広告配信プラットフォームでは、「1,000回の表示で〇〇円」という形で、1,000回単位での単価が決まっており、表示回数が多くなればなるほど費用も高くなっていきます。一般的な相場としては、1,000インプレッションあたり数十円から数百円前後ですが、広告プラットフォームによっては1,000円近くなることもあるようです。
表示回数に対する課金なので、認知拡大や、ユーザーとの接触回数を基準とした費用対効果は高くなると言えるでしょう。その一方で、広告が必ずクリックされるとは限らないため、CV数を基準とした費用対効果は可能性は高くなりにくいことが予想されます。
リターゲティング広告の始め方
ここからは、Google広告を例に、リターゲティング広告の始め方を簡単に紹介します。
タグの取得と設定
まず、Google広告のアカウントを作成し、リターゲティングタグを発行します。発行されたタグをコピーし、Webサイトの全ページのHTMLの</head>タグの直前に設置します。
このタグによって、Cookieが発行され、Google広告がユーザーのサイト閲覧し、広告を表示させるか否かを判断していくことになります。
リストの作成と設定
次に、リターゲティング広告を配信したいユーザーのリストを作成します。リストは、Webサイトへの訪問ページや訪問回数、特定のアクション(商品購入や資料請求など)など、様々な条件で作成することができます。
キャンペーンの作成リストの紐付け
最後に、キャンペーンを作成します。キャンペーンでは、広告の配信期間や予算、ターゲティング、広告クリエイティブなどを設定します。作成したキャンペーンに、先ほど作成したリターゲティングリストを紐付けることで、リスト内のユーザーに広告が配信されるようになります。
まとめ:広告運用ならミエルカ
ここまで、リターゲティング広告の仕組みやメリット、費用、始め方について解説してきました。
リターゲティング広告は、正しく運用すれば高い費用対効果が見込める有効なマーケティング手法です。しかし、初心者にとってはわかりづらく、運用のこつをつかむまでに時間がかかる難しい広告であるとも言えるでしょう。そんな時は、社外の広告のプロに運用を依頼するのも一つの方法です。
ミエルカコネクトでは、リターゲティング広告をはじめとした広告運用のプロを派遣するサービスを展開しております。リターゲティング広告の運用に自信がない場合や、運用を経験したメンバーがチーム内にいない、という方は、まずは無料相談にお申し込みください。企業様ごとにどんなご支援ができるか、どんな広告運用マーケターがマッチするかを、お話しさせていただきます。
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