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SMX Advanced Europe 2024 参加レポート

公開日:2024.11.27

2024年9月10日〜11日に独ベルリンで開催されたSMX Advanced Europeカンファレンスに参加しました。この記事では、いくつかのセッションのハイライトを共有します。

AIを活用した検索:明日のための戦略と戦術 by Mike King

マイク・キング氏は、生成AIがSEOに及ぼす影響について深く掘り下げました。SEO担当者はAI、特に埋め込み技術を活用し、ユーザーの意図に合致する高品質なコンテンツに焦点を当てることで、独自の優位性を築くことができる点を強調しました。

重要ポイント

  • 検索はベクトル空間モデルで動作し、ページとクエリは多次元空間にマッピングされる。 関連性は、この空間におけるクエリとの近接性によって決定される
  • Googleは、(キーワードを数える)字句モデルから、Word2Vecを活用した(意味を理解する)意味モデルへと移行した
  • Googleは現在、Embedding(埋め込み)とハイブリッドな字句/意味モデルを使用しており、SEO担当者にとってランキング要因を理解することが難しくなっている
  • ChatGPTを離れた後のユーザーの40%はGoogleに行く
  • SEO担当者の96~97%は依然として文字モデルで運用しており、意味理解への移行を見逃している
  • Embedding(埋め込み)は、Googleがコンテンツをどのように理解し分類しているかを明らかにするため、SEO担当者にとって魅力的な探求分野
  • Googleは埋め込みを使用して、ページのトピックの近接性をサイト全体のエンティティに対して判断する
  • Googleはクリックとユーザー行動を中心にしている。 ユーザー行動はランキングに影響を与え、強化する。
  • SEO担当者は、「人間の条件」を満たすコンテンツに焦点を当てる必要がある。つまり、ざっと見しやすく、情報検索が容易な構造のコンテンツを設計する必要がある
  • コンテンツ削除: 劣化しているコンテンツを特定し、可能性があるかどうかを判断し、その後、改訂、リダイレクト、または削除を実行する
  • コンテンツ作成に生成AIを試す。ただし、それを万能の解決策として扱ってはいけない。 独自の視点と情報強化との整合性に焦点を当てる
  • 量よりも質に焦点を当てる —— オーディエンスの期待、購入者の期待、検索エンジンの期待を合致させてコンテンツを作成する

 

未来を見据えたSEO:常にトップを維持するための必須知識 by Lily Ray

リリー・レイ氏は、Googleの大規模アップデートやAIの進化により、SEOにとって激動の1年であったことを浮き彫りにしました。検索結果におけるAI生成の概要の台頭、オーガニック検索の可視性への影響、そしてGoogleによる精度向上への取り組みをレイ氏は詳細に説明します。

重要ポイント

  • 2024年は多くのSEO専門家にとって困難な年となっている —— 調査対象者の35%が「例年よりも悪い」と回答し、6%が「キャリアの中で最悪の年」と回答した
  • SEOの可視性が多くのウェブサイト、特にアフィリエイト中心のウェブサイトで低下しているため、求人市場やクライアント獲得の機会は厳しくなっている
  • AI Overviewsに関する観察と課題:
    回答の質は大幅に向上したが、依然として不正確な部分が存在する。
    AI Overviewsの利用可能性と頻度は着実に増加している
    ・情報源の質、特に健康に関するクエリについては、HealthlineやMayo Clinicなどの権威あるサイトへの依存度が高まり、改善している
    AI Overviewsと強調スニペットなどの他の検索機能との間の冗長性がよく見られる。
    ・この技術はまだ開発中であり、純粋にトランザクショナルやローカルなクエリに対する堅牢な機能が不足している
  • Redditにおける前例のないSEO急上昇:
    ・RedditのSEO可視性は過去1年間で急上昇しており、最近のSEOの歴史において他のどのウェブサイトにも匹敵しないほどの、前例のない急上昇を見せている
    この急上昇は、Googleの「Hiddend Gems(隠れた宝石)」の発掘と同時に起こっており、フォーラムコンテンツやディスカッションを優先している
    ・Redditは、1つの検索クエリに対して6~8個のユニークなURLで頻繁にランクインしている
    ・多くの場合、検索結果の最初のページに2つ以上のRedditの結果が表示される
    ・ブランドクエリでは、Redditの結果が圧倒的に多く、ブランド固有の検索に対する典型的な期待を上回ることがよくある
  • Helpful Content Update:
    ・2023年9月に開始されたGoogleのHelpful Content Updateは、主にGoogle検索トラフィックに依存している数千の小さなブログや出版社に深刻な影響を与えた。
    ・このアップデートは、主に検索エンジンをターゲットとしたコンテンツよりも、ユーザーのために作成されたコンテンツを優先することを目的としていた。
    2024年3月、Helpful ContentランキングシステムはGoogleのコアランキングシステムに統合され、個別のHelpful Contentアップデートはなくなった。
  • Helpful Content Updateの影響を受けたサイトによく見られる間違い
    ・SEO目的で、曖昧で一般的な情報を含む、検索エンジン向けに作成されたことが明白な、多数の非常に類似した記事を公開している
    ・不自然な公開頻度で、多くの場合、毎日過剰な量のコンテンツを投稿している
    アフィリエイトコンテンツへの過度の依存があり、記事の大半がアフィリエイトリンクに焦点を当てている
    ・アグレッシブな広告掲載により、ユーザーエクスペリエンスが損なわれている
    ・コンテンツの日付を虚偽に更新して新しく見せるなど、欺瞞的なSEO戦術を採用している
    ・実際の著者の証拠がなく、ストックフォトを過剰に使用している
    ・サイトの中核的なテーマに固執するのではなく、SEO目的で幅広い無関係なトピックをターゲットにしている
  • Googleの変化する状況:信頼できるコンテンツとディスカッションの優遇
    ・Googleの最近のアップデートは、ユーザー中心のコンテンツを明確に優先しており、フォーラムディスカッション、本物の体験、ユーザー生成プラットフォームを重視している
    ・情報提供サイトやアフィリエイトサイトはSEOの可視性が大幅に低下しており、品質、信頼性、ユーザーエンゲージメントを優先する必要性を浮き彫りにしている
    ・SEO担当者はこれらの変化に適応し、真のエンゲージメント、価値あるディスカッション、ユーザー中心の戦略を重視して、進化する検索環境で成功を収める必要がある

 

ページ品質 – トッププレイヤーからの学び by Kevin Indig

ケルビン・インディグ氏は、Googleの進化し続ける検索環境において、ページ品質がインデックス登録とランキングに不可欠な要素であることに焦点を当てました。コンテンツ作成が容易になり、普及するにつれて、Googleはインデックス登録についてより選別的になり、質の高いコンテンツを優先するようになったとインディグ氏は主張します。

重要ポイント

  • Googleはウェブサイトのインデックス登録はますます選別的になり、質の高いページを優先するようになっている
  • 良いコンテンツだけでは不十分であり、際立つためには卓越したコンテンツである必要がある
  • コンテンツ作成がこれまで以上に容易になり、平凡なコンテンツが急増している
  • Googleは過去1年間、平均してほぼ毎月インデックス登録の問題を経験している
  • コアアップデートはSEOにおける最大のリスクであり、可視性とインデックス登録の両方に影響を与える
  • Googleはウェブサイトの問題に迅速に対応するため、技術的な問題はこれまで以上にコストがかかる
  • SEOは「最強のリンク」ゲームから「最弱のリンク」ゲームへと移行しており、質の低いページでもドメイン全体の品質スコアに悪影響を与える可能性がある
  • 低品質ページの割合が高いウェブサイトは、Googleによるインデックス登録が減少し、ユーザーからのシグナルが少なくなり、可視性が低下する悪循環に陥る可能性がある
  • 低品質ページへの対処戦略:
    ・技術的な状態/コンテンツ品質/ユーザーエンゲージメントを徹底的に分析し、低品質ページを特定する
    実行可能であれば、分析に基づいて、技術的な問題の修正、コンテンツの最適化、エンゲージメントの改善を優先する
    ・ページの修正が実行不可能で、他の目的にも必要でない場合は、410リダイレクトを使用して完全に削除する
    有料キャンペーンやユーザー体験など、他の目的でページが必要な場合は、robots.txtまたはnoindexタグを使用してGoogleのインデックスからブロックする

 

ローカルSEOの達人になる方法 by Gregg Gifford

グレッグ・ジフォード氏は、高度なローカルSEO戦略を取り扱いました。ローカルSEOは従来のSEOとは大きく異なり、別個の最適化アプローチが必要であることを強調します。

重要ポイント

  • ローカルSEOには、従来のSEOとは全く異なる最適化戦略が必要
  • 同じキーワードでも検索結果は場所によって変わる
  • Googleのローカルアルゴリズムは従来のアルゴリズムとは異なる
  • ローカルSEOでは異なるシグナルが評価され、それらの重み付けも異なる
  • eコマース企業でさえも、今ではローカルSEOを行う必要がある
  • ローカルSEOのためのコンテンツ戦略:
    ・自社ビジネスが最良の選択肢である理由を示すユニークで魅力的なコンテンツを作成する
    ・コンテンツは自社ビジネスと地域に関するものでなければならない
    ・単にキーワードをいくつか詰め込むだけではいけない。ユーザー体験とコンバージョンも最適化する必要がある
    ・ローカルSEOでは、ウェブ全体で最高のページを作成する必要はない。地域で最高のページを作成すれば十分
  • Googleビジネスプロフィール(GBP)の最適化:
    ・GBPを最適化することで、マップパックにより頻繁に表示されるようになる
    ・Googleビジネスプロフィールのすべての項目を入力する
     GBPには、高品質でプロが撮影した写真を使用する
    ・Googleのアルゴリズムは主要カテゴリを最も重視するため、GBPに適切なカテゴリを選択する。
    ・GBPに正しい営業時間を入力し、常に最新の状態に保つ
    ・投稿は無料の広告のようなものなのであり、活用すべき
  • ローカルSEOのためのオンラインレビュー:
    ・顧客レビューは、Googleのローカルアルゴリズムにとって非常に強力なシグナル
    レビュー獲得に積極的に取り組む。すべてのお客にレビューを残すように依頼する
    ・ポジティブなレビューとネガティブなレビューの両方、すべてに返信する
    ・Googleはレビューの絶対数ではなく、相対数、つまり競合よりも多くのレビューを持っているかどうかを重視する
    ・レビューの数が競合他社よりも極端に多くなりすぎないようにする。そうしないと、レビューが偽物ではないかとユーザーが疑うかもしれない
  • ローカルSEOのためのリンク構築:
    ・リンクはローカル検索アルゴリズムでは異なる方法で評価される
    ・リンクのオーソリティスコアやnofollow属性は気にしなくていい
    ・あなたが取り組んでいるビジネスと同じ地域にある地元企業からのリンクを獲得することに焦点を当てる
    ・ビジネスとは無関係のローカル情報ブログ記事、例えば「[都市名]で最高のハンバーガー店」などを書いてもいい。 このタイプの投稿は、地域との関連性を構築し、ローカルリンク構築の機会を開くのに役立つ

 

Googleのマーティン・スプリット氏に単独インタビュー

Google検索リレーションズチームのMartin Splitt(マーティン・スプリット)氏がスピーカーとして、このカンファレンスに参加していました。低品質ページのインデックスに関して単独インタビューしました。YouTubeに動画を公開しているのでご視聴ください。

おまけ

ベルリンの街での体験を少しだけ最後に紹介します。

会場近くにはカイザー・ヴィルヘルム記念教会がそびえ立っていました。荘厳でした。

ベルリンのLEGOショップには、レゴブロックで組み立てられたブランデンブルグ門が展示されていました。52万個以上のブロックを使い、重さは約1.4tだそうです。制作にかかった時間は2,400時間とのこと。

発祥はオーストリアだそうですが、ドイツでも有名な料理のシュニッツェル。うまかった😋

僕はお酒はほとんど飲まないのですが、Köstritzer Schwarzbier(ケストリッツァー シュヴァルツビア)という黒ビールは美味しく飲めました🍻

本記事の著者
鈴木 謙一
鈴木 謙一
取締役 Search Advocate
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