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eスポーツ業界の先駆者 JCG 営業主体からマーケティング主体へ。BtoBリード獲得につながるSEO施策とは

株式会社JCG 2025.03.05 2025/3/7

  • WebサイトのPV数が約7倍に成長
  • Webサイトから大規模プロジェクトのリード獲得
  • 担当者のマーケターとしての成長、覚醒

株式会社JCGは、日本のeスポーツシーンを支える代表的な存在として、2017年5月に設立された。日本最大のオンラインeスポーツトーナメントプラットフォームを運営しており、登録プレイヤー数は20万人を超える。

多数のゲームジャンルにおけるeスポーツトーナメントやイベントの企画・運営を行う同社だが、営業活動を通じての顧客獲得に限界を感じていた。2023年にマーケティングチームを発足しSEO対策に乗り出した後、成果の最大化に向けてSEOツール「ミエルカSEO」を導入。1年ほどでPV数は約7倍に増加し、大規模なプロジェクトの問い合わせも寄せられるようになった。

今日の成果につながった背景について、CMO 兼 新規事業統括の豊後祐紀氏とB2Bマーケティング責任者の佐野真太郎氏に伺った。

SEO施策で業態ならではの課題を解決しようと決断

eスポーツ市場が急速に拡大する中、業界の先駆者として知られるJCGは2023年に日本テレビ放送網株式会社の傘下となり事業戦略を大きく転換した。そのひとつとして従来の営業部門主体の案件獲得から、デジタルマーケティングを軸としたアプローチへと舵を切ったのである。その背景には、eスポーツという新しい市場特有の課題があった。

「eスポーツという言葉は徐々に一般にも浸透してきましたが、具体的にどのようなものなのかまで理解している人は多くありません。また、ゲームに対する否定的な価値観も依然として存在しています。そういった課題に対して、より多くの人々にeスポーツの価値を伝えていく必要があると考えていました」と、JCGのCMOである豊後祐紀氏は語る。

この課題に対応するため、JCGは2023年2月にマーケティング部門を新設。豊後氏によれば、マーケティング部門設立はeスポーツに対する偏見をなくす以外にも、もうひとつ別の課題があったからだという。それは、従来の営業スタイルに感じていた限界

「弊社はこれまで、営業チームの立ち上げと解体を何度も繰り返してきました。広告代理店出身者を採用するなどさまざまな施策を試みましたが、なかなか成果が出ませんでした。eスポーツは無形商材で、提案内容を具体化することが難しい。顧客に対しても、eスポーツを起点としてどのような経営課題が解決できるのか、解決策としてどのような施策が実行できるのかなどをうまく示せずにいました」(豊後氏)。

営業チームがうまく機能しない以上、マーケティング戦略を通じて顧客からの問い合わせや受注を獲得する必要がある。そこでマーケティング部門が立ち上げられ、同時にリード獲得に向けたSEO対策に乗り出すことになった。

「わかりやすさ+専門性の高さ」からミエルカSEOにリプレイス

2023年5月、新たなチームにおけるSEO施策の責任者として抜擢されたのは、ディレクター、プロデューサーなどさまざまなポジションを経験していた佐野真太郎氏。就任当初は人力でSEO対策に乗り出したと、佐野氏は当時を振り返る。

まずは、eスポーツに関連するキーワードでランキングを上げることに注力した佐野氏。そこで導入したのが、記事作成に特化したSEOツールだった。「このツールは記事作成という点で非常に使いやすく、『eスポーツ✕〇〇』といったシンプルなキーワードで順調に上位表示を獲得できるようになっていきました」(佐野氏)。

上位表示される記事が増える一方、BtoBマーケティングの観点から、より多角的なキーワード分析や市場把握が必要だと感じるようになった。そうした中で出会ったのが、「ミエルカSEO」だったという。

トライアルで『ミエルカSEO』を使ったとき、率直に感じたのは『さまざまな情報を視覚化することにものすごく力を入れているな』という点でした。特にレポートの視覚化が充実していて、社内での共有・説明がしやすいと感じました。機能面においても直感的に操作できる部分が多く、専門的な分析をしたい場合もそれに応じたメニューがあり、使いやすいと感じました」(佐野氏)。

キーワードの発見や盛り上がりの可視化で活躍

ミエルカの導入後、JCGのウェブサイトは目覚ましい成果を上げている。「PV数は導入前と比べて5〜7倍に増加しました」と佐野氏は語る。特に注目すべきは、大きな検索ボリュームを持つキーワードでの上位表示獲得だ

「有名ゲーム名など検索数も多いキーワードで検索上位を獲得していることをはじめ、”高齢者向けのeスポーツ”でのお問合せなど、BtoBリード獲得という意味でも成果を発揮しています」と佐野氏は説明する。また、ゲームプレイヤーの多くが関心を寄せる「〇〇(ゲーム名) 賞金」といったキーワードの一部でも1位を獲得する記事が出てくるなど、着実に成果を上げている。

このような成果を支えているのが、ミエルカSEOの複数の機能を組み合わせた効果的な活用法だ。「eスポーツ関連のキーワードはそれほど多くないため、まずサジェストネットワーク機能で全体像を把握し、そこからAIコンテンツアシスタント機能を使って壁打ちをしています」と佐野氏は具体的な活用法を説明する。

また、サジェストネットワークは客観性が高く、自分たちが想定していないキーワードを可視化してくれると佐野氏は付け加える。

「eスポーツ」周辺に存在する検索キーワードをミエルカSEOの「サジェストネットワーク」機能で可視化
※2025年2月時点

AIチャット機能では対話形式でコンテンツの深堀りやアイディア出しが可能。

「サジェストネットワークで発見したキーワードに、『eスポーツ 学校 地名』という組み合わせがあります。『eスポーツ 学校』までは想像できていたのですが、特定の地域に関するキーワードを提案されたことで、これをヒントに、地方の学校に特化したまとめ記事を作成しました。『ミエルカSEO』によって、新たな切り口を見出すことができたんです」(佐野氏)

SEO以外の場面でも、「ミエルカSEO」を活用しているという。「自社のニュースリリースがSEOに与えた影響を週次でチェックしたり、弊社が主催する大会を実施するタイミングでトレンドキーワードを確認したりしています。『ミエルカSEO』は、キーワードの盛り上がりを視覚化するツールとしても活躍しています。」(佐野氏)

PV数の増加だけでなく、問い合わせの質にも変化が生まれているという。実際に、今までに繋がりがない業界の企業から相談を受けたり、大規模イベント実施について問い合わせがあるなど有効なリード獲得にも寄与するようにもなってきている。

「eスポーツを用いた社内イベントの企画など、これまでになかった相談も寄せられるようになりました」(豊後氏)

ユーザー会登壇を機にマーケターとしての覚醒

2024年9月、佐野氏はFaber Company主催の「ミエルカユーザー会」に登壇。SEOだけでなくB2Bのマーケターとして活躍することにより、目覚ましい成長を遂げたと豊後氏は語る

▼佐野氏が登壇したミエルカユーザー会のレポートはこちら。
https://mieru-ca.com/blog/user-meetup-2509/

「経営陣のなかでも、ミエルカのユーザー会に参加して以降の佐野の変化を高く評価しています。SEO対策で成果を出したことはもちろん、ユーザー会後からは積極的に社内の課題を発見し、私に施策を提案してくれるようになりました。貴社との関わりによって佐野を“変えてもらった”ので、非常に感謝しています」(豊後氏)。

「私たちとしては、ツールやSEOのノウハウを提供するだけでなく、プロジェクトで関わる人方々やチームの成長にも寄与したいと考えています。だからこそ、そうした言葉をいただけるのはとても嬉しいです」(Faber Company・澤山)。

2025年度からマーケティングチームは様々な役割を担うようになる予定。佐野氏はチームのなかで、SEO対策をはじめとした各種施策を推進する旗振り役としての活動が期待されている。

幅広い層へのアプローチでさらなる成長を

同社のB2Bマーケティングでは、KPIはPV数と掲載順位、KGIは問い合わせ数にそれぞれ設定されている。その両方で高い成果を出していることで、経営層からも高く評価されているという。

「マーケティング戦略への転換に会社として消極的だったが、今ではSEOをはじめとした施策の成功を認めてくれています。この1年で、マーケティング部門は『市民権を得られた』と実感しています」(豊後氏)

結果、2024年はチーム規模を拡大し人数増員するなど、マーケティングへの投資を行う方針が決定された。2025年も引き続きマーケティングへの期待が高まっている。

今後の展望について、JCGは更なる可能性を見据えている。例えば、佐野氏はeスポーツという文脈を超えて、より幅広い層へのアプローチを目指したいと語る

「例えばZ世代のマーケティングや若者向けブランディングといった、ゲーム以外の文脈でeスポーツを提案していきたいと考えています。eスポーツのスポンサードが、若者の就職意欲にどのような影響を与えるかなど、新しい価値提案の可能性を探っています。

また最近、対戦格闘ゲームの人気が再燃していますが、若者世代に加えて40代のプレイヤーも多く存在します。FPS(※)ゲームのプレイヤーも30代に差しかかっており、直接的な購買層になってきています。そういった新しい市場の可能性も見据えて、活動していきたいと考えています」(佐野)。

※ FPS
「First Person Shooter(ファーストパーソン・シューター)」の略で、一人称視点のシューティングゲームを指す。リアルな戦闘体験と高い臨場感が魅力。

こうした新たな展開を見据え、豊後氏はSEO対策の重要性を改めて強調する。「SEO対策はプロフェッショナルな領域であり、Faber Companyはこの領域において心強い存在といえます。SEOからの成果創出を目指すためのパートナーとして、これからも貴社のご協力や『ミエルカSEO』には期待しています」(豊後氏)。

「現在は、リード獲得のためのホワイトペーパー作りもお手伝いしています。もうすぐリリースできるので、そちらの成果も楽しみですし、これからもご支援領域を広げつつ貢献したいです!」(澤山)

企業プロフィール

  • 社名
    株式会社JCG
  • 事業内容
    eスポーツに関する大会やイベントの企画・運営
    eスポーツを通じたマーケティング活動の企画支援
    ゲーミング大会サイト「JCG」の運営管理
  • サイト
    https://jcg.co.jp/
  • 導入時期
    2024年5月
  • 担当
    豊後 祐紀 様、佐野 真太郎 様

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