本体サイトへの流入数前年比300%超。 専任1人のオウンドメディアで月30本以上更新できるワケ
株式会社ラクーンコマース 2021.03.22 2024/1/26- PV数前年比160%超。本体サイトへの流入数は前年比305%
- レポート機能を活用し、社内レポートを5分で作成
- CS担当のサポートで記事制作に客観的な視点をもてるように
事業者専用の卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」を運営されている株式会社ラクーンコマースさま。オウンドメディア「スーパーデリバリーメディア」に本格的に注力し始めたのは2019年。
専任担当が1人しかいない状況でも、高品質な記事を毎月30~40本更新されています。「ツールにお任せ」部分「自分の頭で考える」部分「担当サポートスタッフに頼る」部分の3つを上手く切り分け、オウンドメディアを成長させるコツをご担当の後藤さまに伺いました。
PV数前年比160%超。本体サイトの流入数は前年比300%を超える成長!
―早速ですが、ミエルカ導入後の成果を教えていただけますか?
2020年11月~2021年1月までの3カ月間のPVは前年比160%、2021年2月も前年比163%の月間43,000PV超を獲得しています。ミエルカ導入前は1日に1,000PVに届かないことも多かったのですが、今では1,500~2,000PVの間を推移しています。
スーパーデリバリー本体の流入は昨年比305%(2021年2月)。ブログ以外にもTwitterやInstagram、You Tubeなど複数のSNSも併せて運用し、右肩上がりで順調に増加しています。
とは言え、数字が全てではないとも思っています。情報を求めているユーザーの方々に対して、確かな・役立つ情報をお届けすることがメディアとして最も重要な役割と考えているからです。数字ばかりを追いかけていたら、きっと途中で疲れてしまい、ここまでの成果は出せなかったんじゃないかな。
自分たちが“楽しく続ける”ことでユーザーの方々に満足いたただけるような記事が書けると思います。メディアを始めたきっかけでもある「弊社が持っている情報や知識を困っている人・悩んでいる人にお届けする」ことができているのが何よりも嬉しいです。
―それでも、会社や上長の方への報告は必要ですよね?
ミエルカのレポート機能を活用しています。パワーポイントで出力ができ、20ページ近いレポートも5~10分で簡単に作成できるので、PVを多く獲得している記事や順位傾向は報告しています。
毎日記事更新。立ちはだかった質の担保と孤独の壁
―メディアを始めたきっかけは何だったのでしょうか?
2015年頃に「Web上で何か情報発信した方がいいよね」ということになり、ブログのような形でスタートしました。管理者が特にいるわけではなく、広報チームがお知らせを載せたり、他のチームがブランディングの一環でちょっとした記事を書いたり。月に2~3本更新があればいいほうで、月に1本なんてこともありましたね。
私自身、過去に4~5年ほど有料セミナー集客をブログやSNSで実施しており、手応えを感じていました。その経験や知識をスーパーデリバリーの集客販促活動にも活かせたら面白いのではないかと考え、代表取締役社長に直訴。周囲の方々にアドバイスを頂きつつ、最終的には「既存事業に活かせるならやってみなよ」ということで、2019年2月に晴れて編集長としてブログを担当することになりました。
最初の目標は更新頻度を上げること。社外に向けてスーパーデリバリーを知ってもらうということはもちろんなのですが、社内に向けてブログの存在認知を広げる活動をしたのが、その後社内でメディアを理解してもらうのに効果的だったと思います。
弊社はEC事業がメインなので、ブログを書いているというと社内メンバーから“遊んでいる人”というイメージになることを危惧しました。毎日記事を更新するのは想像以上に大変ですし、SNSと組み合わせながら記事を発信していくことで、会社の認知向上や長期的視点の成果に繋がると草の根的にアピール。
約1年更新を続けた結果、これまでのカスタマーサポートの部署から離れ、新たにプロモーション部を立ち上げることになりました。
それをきっかけに目標を更新頻度から記事の質や量に移行。「今までの更新頻度を保ちつつ、質を担保するにはきっとコツがあるはず」と思い、調べたり外注にお願いしたりする中でMIERUCA(ミエルカ)と出会いました。
―ミエルカの決め手はどこですか?
カスタマーサクセス(CS)のサポートと教育コンテンツの充実です。
検討段階のツールの中には、検索キーワードを抽出するだけのものや、分析結果だけを表示するものもありました。しかし、すでに1年ほど自力で記事を更新していたので、データの抽出だけでは物足りませんでした。自分が悩んだときに相談できるCSがいるのは心強いなと感じました。
例えば、「薬局物販」というキーワード。調剤薬局で売られている商品をスーパーデリバリーでも紹介できればと思い、記事を制作しました。ところが、期待していたほどのPVがなく、担当CSの坂口さんに相談。記事をリライトしたり、検索結果を確認したりしてみたところ、「薬局」関連のキーワードで表示されるコンテンツはほとんどが消費者をターゲットにしているものでした。
ミエルカを導入以前は、相談できる相手がいなかったので「絶対に物販で上位表示できるはずだ!」「もっとPVが伸びるはず!!」と意固地になって、1つのキーワードに拘っていたと思います。
でも、今回のようにアドバイスをもらって、データに基づいてリライトしてもダメなら「このキーワードは得策ではなかったのかもしれない」と気づけます。客観的な視点で判断してくれる存在がいるのは頼りになりますね。
また、教育コンテンツが充実していたのも、もう1つの理由です。
セミナーや学習動画は何度でも見られるので、後からオウンドメディアに携わることになったスタッフにも簡単に学んでもらうことができます。私も復習したいときに、ラジオ感覚で繰り返し何度も聞いています。
“思考”と“作業”を切り分け専任担当1人で毎月約30本更新
―ミエルカの活用法を教えてください!
「フェアトレード」というキーワードを例に説明します。
①サジェストネットワークとサジェストインテンションで調査
検索ユーザーの大まかな意図を把握し、どのキーワードなら弊社のビジネスと関連するユーザーに情報を届けられるか見極めます。
②検索上位サイトをチェック
どんな内容が書かれているのか?どんな切り口の記事なのかなどを確認。関連キーワード調査機能も使い具体的な記事の内容やタイトルを固めていきます。
③公開後、タイトル・ディスクリプションの修正
記事を公開した後は、3週間程度様子を見てタイトルやディスクリプションの修正、記事内容の追加や削除などを実施。
ここでは、クエリタイプ分析機能を使い、記事制作前よりさらに細かく検索上位サイトを分析し、自分たちの記事に不足しているものはないか?を確認しています。公開後も定期的に記事をチェックすることで、検索ニーズにドンピシャで応えられるような内容にブラッシュアップ。
疑問が湧いたらすぐに坂口さんに相談です。チャットツールで繋がっているので、気軽に質問できますね。「ツールの調査に任せる部分」「自分たちで頭を使って考える部分」「CSに相談する部分」を上手く分けることにより、専任担当1人でも質を担保しつつ毎月30~40本の記事公開が可能になりました。
また、チームミーティングでもミエルカを活用しています。
月報や日報で日々の施策を共有していますが、月初のチームミーティングでは必ずSEOレポートとコンテンツに関するプチ情報を話しています。
チームにはオウンドメディアに関係ない業務をしている人もいるので、自分たちがどんな想いをもって記事を制作しているのか、何を目的にメディア運営しているのか、そして成果にどう繋がっているのかを積極的に発信。
ミエルカを使ったコンテンツの制作方法を伝授することで、チームに知識を共有。社内にノウハウが貯まっていくことはコンテンツを内製化する大きなメリットだと思います。
「フェアトレード」の記事は普段オウンドメディアの運営にそれほど携わっていないECチームと一緒に制作しました。これまでは、オウンドメディアチームはオウンドメディア、ECチームはECサイトというようにバラバラに動いている部分が多かったのですが、社内でノウハウを共有できるようになったことで、チームを超えたコンテンツ制作できるようになりました。
加速するデジタル化。ユーザーファーストの視点でさらに見やすく分かりやすいサイトへ
―今後の目標を教えてください。
当初、上位表示を狙いたいと考えミエルカに登録していたキーワードのうち7割はすでに検索1ページ目に表示されるようになりました。今後は、今はまだ需要がそこまでなくてもこれから伸びてきそうな分野を予測したキーワード選定や記事制作をしていきたいと考えています。
また、コロナの影響もありデジタル化の流れはさらに増していくと思います。すでに取り扱っている商品を紹介するライブ配信行うなどしていますがデジタルでの情報発信やユーザーとのコミュニケーションをさらに強化していきたいですね。
おかげさまで、スーパーデリバリーの商品掲載数は150万商品突破。出展企業数も今期だけで200社以上増加しました。その中で、ユーザーの方々が商品を選びやすいサイトにするには何が必要なのか?会社として出展企業さまをより魅力的にご紹介するにはどうすればよいのか?オウンドメディアチームとECチームが連動して取り組んでいきたいと思います。
―ありがとうございました!
企業プロフィール
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- 社名
- 株式会社ラクーンコマース
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- 事業内容
- 衣料・雑貨の企業間電子商取引を行う「スーパーデリバリー」の運営
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- 導入時期
- 2020年6月
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- 担当
- 後藤 由希 氏
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- 体制
- 専任1名・兼任1名・インターン生1名
担当CSよりひと言
後藤さんはデータと想いの両方をうまく記事作りに取り込んでいる印象です。ユーザーの悩みはデータからも読み取れますが、やはり実際に話してこそ分かることもあります。その両方を活かした記事作りをしているからこそ、月30本というハイペースでも楽しく成果を出せているのではないでしょうか。また、私のような外部の人間を含め、周りの人を巻き込む力もさすがですね。
これからも楽しくサポートいたします!(担当:坂口 芽生)