CAC(顧客獲得単価)とは?CPAとの違いやLTVとの関係、計算方法をわかりやすく解説 高田 愛 2025.02.27 CRO CACとは CACの計算方法 CACとCPAとの違い CACとLTVの関係 CACを改善する方法 まとめ:CAC・コンバージョン率の改善ならミエルカヒートマップ CAC(Customer Acquisition Cost:顧客獲得単価)とは、1人(または1社)の新規顧客を獲得するために企業が費やしたマーケティングや営業活動にかかった総費用のことで、施策や企業の収益性を表す指標として様々な場面で使われています。 この記事では、CACの意味や計算方法、CPAとの違い、LTVとの関係、CACを改善するための施策例などについて、わかりやすく解説します。 ミエルカヒートマップを無料で試してみる CACとは CAC(Customer Acquisition Cost)は、顧客獲得単価とも言い、1人(または1社)の新規顧客を獲得するために企業が費やしたマーケティングや営業活動にかかった総費用を指します。 CACを設定する理由と目的 CACは、次の2つの理由で非常に重要な指標であると言われています。 ①事業の収益性を示しているため CACが低ければ低いほど、1人の顧客を獲得するコストが低く、効率的に利益を生み出せていることを示しているので、事業全体の収益性が高いと言うことができます。逆にCACが高いと、1人の顧客を獲得するコストが高いことを示しているので、収益性は悪いということができます。 このように、CACは事業の収益性を示す指標であるため、事業を行っている場合はCACを計測・把握することが必須であると言えるでしょう。 ②新規事業や新たな施策にどれくらい予算が必要なのか予測しやすくなるため 事業全体や施策ごとのCACを定期的に観測・把握しておくことで、新規事業を立ち上げる際や、新たな施策を打つ際に、どれくらいのコストがかかり、どれくらいの予算が必要なのかをある程度予想することができます。特に、SEO施策や広告キャンペーン、メールマガジン施策、展示会などのように、継続的に実施していく施策に関しては、CACを把握しておくことで、予算の獲得がスムーズにいきます。 CACの計算方法 CACは、以下の計算式で算出することができます。 CAC = 新規顧客獲得にかかった総費用 ÷ 新規顧客獲得数 例えば、ある広告キャンペーンに、以下のコストをかけたとします。 ・広告クリエイティブを外部デザイナーに発注した費用 10万 ・広告をクリックした時に表示されるLPを外部デザイナーに発注した 10万 ・LPの実装 20万 ・広告運用を外部に依頼する 50万 ・広告出稿費用 60万 これらを全てあわせると、この広告キャンペーンには総額150万円の費用がかかったことになります。この広告で150人の新規顧客を獲得できた場合、 150万円÷150人=1万円 となり、CACは1万円となります。 なおCACは、事業全体で考えることもあれば、広告キャンペーンのように施策ごとで考えることもあります。 CACとCPAとの違い CPA(Cost Per Acquisition)は、CACと同様「顧客獲得単価」と呼ばれるマーケティング指標の一つです。CACと混同されがちですが、厳密には異なる意味合いを持っています。 CACは、一つの事業や施策において、1人の顧客を獲得するためにかかったマーケティングコストや営業コストを全て含めたものですが、CPAは基本的に、1つの広告キャンペーンにおいて、1件あたりのコンバージョンを獲得するのにかかった広告費用を指します。 CAC CPA 計測の範囲 事業、施策 基本的には広告キャンペーン 計測の種類 1人の顧客(利益が実際に発生したコンバージョン)を獲得するのにかかったコスト 1件のコンバージョン(利益に直結するものだけでなく、資料請求やお問い合わせなどのリード獲得も含む)を獲得するのにかかったコスト コストの種類 マーケティング費用、外注費、営業コストなど全てを含める 広告費のみ 冒頭で出した例で考えてみましょう。 例えば、ある広告キャンペーンに、以下のコストをかけたとします。 ・広告クリエイティブを外部デザイナーに発注した費用 10万 ・広告をクリックした時に表示されるLPを外部デザイナーに発注した 10万 ・LPの実装 20万 ・広告運用を外部に依頼する 50万 ・広告出稿費用 60万 仮に、この広告で150人の新規顧客を獲得できた場合、 CAC=(10万+10万+20万+50万+60万) ÷ 150人=1万円 となり、CACは1万円となります。 一方CPAに関しては、広告費のみを考えるので、 CPA=60万 ÷ 15万 =4万 となり、CPAは4万円となります。 参考:CPAとは?下げる方法や業界ごとの平均、CPCとの違いをわかりやすく解説 CACとLTVの関係 CACとLTVの間には、密接な関係があります。 LTV(顧客生涯価値:Life Time Value)とは、 一人の顧客が生涯にわたって企業にもたらす総利益のことです。企業は、一人の顧客を獲得するのにかかる費用(CAC)よりも、その顧客から得られる生涯利益(LTV)が上回るようにビジネスを設計する必要があります。 LTV CAC 日本語訳 顧客生涯価値 顧客獲得単価 意味 一人の顧客が生涯にわたって企業にもたらす総利益 一人の顧客を獲得するのにかかる費用 LTV > CAC であれば、ビジネスは健全に成長していると言えます。逆に、CAC > LTV の状態が続くと、企業は赤字を計上し続けることになり、事業の継続が困難になります。そのため、CACを計測・把握する際には、LTVもあわせて算出し、事業が健全に展開されているかどうか判断するのが一般的です。 事業の健全性の判断基準「ユニットエコノミクス」 CACとLTVを用いて事業の健全性を判断する方法を「ユニットエコノミクス」と言い、以下の計算式で算出することができます。 ユニットエコノミクス=LTV ÷ CAC 一般に、LTVがCACの3倍以上あること、つまりこの計算式で算出された値が3以上である状態が望ましいとされています。 ・3倍以上:非常に健全な状態 ・2〜3倍:改善の余地あり ・1〜2倍:要注意 ・1倍以下:危険 参考:「LTV(ライフタイムバリュー 顧客生涯価値)」とは?言葉の意味や重要性、計算方法、事例まで詳しく解説 CACを改善する方法 実際にCACを算出してみて、「思ったよりCACの値が悪い」「どうにかしてCACを改善したい」と思われている方も多いのではないでしょうか。 そこで本章では、CACを改善する方法を3つ解説します。 ①事業にあった効果的なマーケティング施策を選ぶ 業界や商品、事業によって、効果があるマーケティング施策は異なります。集客一つとっても、広告が良いのかコンテンツSEOが良いのか、広告の中でもSNSが良いのかリスティング広告が良いのかなど、事業によってマッチする施策はそれぞれです。 闇雲にマーケティング活動を行うのではなく、ターゲットと設定している顧客層に最適なマーケティングチャネルを探し出し、費用対効果の高い施策に予算を集中投下することで、CACを改善することができます。 ②コンバージョン率の改善 Webサイトやランディングページの改善、顧客対応の質向上などによってコンバージョン率を高めることで、顧客獲得にかかるコストを下げることができ、結果的にCACを下げることができます。 例えばヒートマップを使って、サイトやLPの中でコンバージョンを妨げているポイントを確認・改善することで、広告費を増やすことなくコンバージョンを増やすことができるので、顧客獲得の費用対効果を大きく上げることができます。 無料で使えるツールもあるので、この機会にぜひ確認してみてください。 ヒートマップを無料で試してみる ③リードを獲得してから利益が発生するまでのフローを見直す リードの獲得率を上げるだけではなく、リードの成約率・受注率を改善することも大切です。営業部門と協力しながら、実際に受注した顧客や商談を分析し、どうすれば成約率を上げられるのかを再度検討してみてください。 まとめ:CAC・コンバージョン率の改善ならミエルカヒートマップ CACは、事業が適切に展開されているかどうかを判断する重要な指標です。CACの改善に取り組むことは、事業の安定や拡大に繋がります。 前述した通り、CACの改善には、コンバージョン率の改善が不可欠です。この機会にぜひ、ヒートマップを使って、コンバージョンを妨げている原因を探し出してみてください。 ミエルカヒートマップを無料で試してみる 編集者情報 高田 愛 株式会社Faber Companyに新卒入社した後、自社ソフトウェアの開発ディレクション業務に携わる。現在は、ミエルカヒートマップのUI・UX向上や、ABテスト機能の開発、リリースした機能のプロモーション業務を中心に担っている。 この記事をシェアする