CPAとは?下げる方法や業界ごとの平均、CPCとの違いをわかりやすく解説 高田愛 2025.01.17 2025/1/27 Uncategorized CROCVR改善 CPAとは CPAの計算・算出方法 CPAとCPC、CPM、CAC、CPO、CPR、ROIの違い 限界CPAと目標CPA 業界ごとのCPAの平均・目安 CPAを下げる方法 ヒートマップ導入後、2カ月でCPA50%減!株式会社キャンバス様の事例 WebマーケティングにおけるCPA(Cost Per Acquisition)とは、1件のコンバージョンを獲得するのにかかった広告費用のことで、「顧客獲得単価」や「コンバージョン単価」とも呼ばれます。 この記事では、CPAの計算方法や、CPCをはじめとする似ている用語との違い、業界ごとのCPAの平均、CPAを下げる方法などを解説していきます。 CPAとは webマーケティングにおけるCPAとは、Cost Per Acquisitionの略で、1件のコンバージョンを獲得するのにかかった広告費用のことを指します。「顧客獲得単価」や「コンバージョン単価」とも呼ばれ、広告運用においては非常に重要な指標です。 コンバージョンとは、ウェブサイトや広告において、最終的な目標となる行動のことです。例えば、ECサイトであれば商品購入、BtoB業界のサイトであれば資料請求完了などがコンバージョンに当たります。 業界やサービスによって、コンバージョン1件にかかる費用はそれぞれですが、コンバージョン1件の獲得にかかった費用が低ければ低いほど、費用対効果が高くなることを意味するので、一般的にCPAは低いことをよしとする指標であると言えます。 CPAの計算・算出方法 CPAは、広告費用 ÷ コンバージョン数で求められます。 例えば、広告費用が10万円で、コンバージョン数が10件だった場合、コンバージョン1件にかかった費用は以下の計算式で算出できます。 広告費用 ÷ コンバージョン数=10万円÷10件=1万円 この場合、CPAは1万円となり、顧客一人を獲得するために1万円の広告費用がかかっているということになります。 CPAとCPC、CPM、CAC、CPO、CPR、ROIの違い Web広告には、CPA以外にも様々な指標が存在します。ここでは、CPAと混同しやすい代表的な指標との違いをわかりやすく解説します。 CPC(Cost Per Click:クリック単価)とCPAの違い CPCは、広告がクリックされるごとに発生する費用のことで、リスティング広告の運用では非常にメジャーな指標です。CPAがコンバージョン数で広告費を割るのに対し、CPCはクリック数で割る点が異なります。 Google広告などの広告出稿プラットフォームで、課金方法としてクリック課金(広告がクリックされた回数に応じて予算が消化されていく課金ルール)を選択した場合は、CPAだけでなくCPCも併せて確認するのが一般的です。 CPCは、低ければ低いほど費用対効果が高いと言われています。CPCを下げるための施策としては、クリエイティブや広告文を最適化するなどの方法があります。 CPM(Cost Per Mille:インプレッション単価)とCPAの違い CPMは、広告が1,000回表示されるごとに発生する費用で、ディスプレイ広告やYouTube広告の運用でよく使われる指標です。CPAは広告の効果を測る際に用いられますが、CPMは広告費の計算の時にもよく利用されます。 一般的な広告出稿プラットフォームでは、「1,000回の表示に対して◯◯円」というように、広告の表示回数に対して料金が決まります。CPMを下げるためには、ターゲットを拡大して、競争が激しくないターゲットにも広告を表示させるように設定するなどの施策が挙げられます。 CAC(Customer Acquisition Cost:顧客獲得単価)とCPAの違い CACは、新規顧客を一人獲得するのにかかった全費用を指します。 CPAと似ており、CPAと同じく「顧客獲得単価」と訳されることもありますが、CPAはコンバージョン1件にかかった広告費を表すのに対し、CACは広告費以外の費用(人件費や販促費など)も含む場合があるのが違いです。 CPO(Cost Per Order:受注単価)とコンバージョン単価(CPA)の違い CPOは、受注1件あたりにかかった費用を指します。 toCの場合は、購入をコンバージョンとしておいていることが多いため、CPAとCPOがほぼ同じ意味になることが多いです。 一方toBの場合、CPOが受注1件を基準にしているのに対し、CPAでは資料請求1件や無料トライアル1件を基準としていることがほとんどです。資料請求や無料トライアルは、受注の手前の段階であり、資料請求や無料トライアルした人の中から、実際に受注まで至る顧客はさらに少なくなります。そのため、CPOはCPAよりも高くなる傾向にあります。 CPR(Cost Per Response:反応単価)とCPAの違い CPRは、資料請求やアンケート回答など、顧客からの反応1件あたりにかかった費用を指します。 CPAにおいても、コンバージョンを資料請求やアンケート回答においている場合は、CPRとCPAは同じ意味になりますが、使い方に緩やかな違いがあります。CPAは無料トライアルなど、より受注に近い指標が置かれるのに対し、CPRはアンケート回答のように、必ずしも新規の受注につながらないものが置かれることもあります。 ROI(Return On Investment:投資収益率)とCPAの違い ROIは、投資に対してどれだけのリターンがあったのかを示す指標です。広告だけでなく、ツール導入や採用など、様々なビジネスシーンで用いられます。 限界CPAと目標CPA 広告業界では、よく「限界CPA」と「目標CPA」という用語が用いられます。これらは、広告の運用には欠かせない考え方です。それぞれ、わかりやすく解説していきます。 限界CPAとは 限界CPAとは、赤字にならないためのCPAの上限額のことです。 例えば、利益1万円の商材を売るのに1万円の広告費がかかってしまった場合、利益が全て広告費の支払いに当てられてしまうため、手元に残る利益は0になってしまいます。この場合、CPA1万円が限界CPA(損益分岐点)だと言えます。 実際はここまで単純ではなく、コンバージョン獲得後の受注率なども考慮して計算していきます。 目標CPAとは 目標CPAとは、売上目標のために達成しなければならない、CPAの上限額のことです。目標CPAを算出するには、売上目標や粗利目標・営業利益目標から逆算して、必要なコンバージョン数を求めます。 例えば、目標利益を100万円、商品1個あたりの利益を1万円とすると、必要なコンバージョン数(商品購入数)は100件です。この100件を、広告予算50万円で獲得することを目標とした場合、目標CPAは5,000円になります。 業界ごとのCPAの平均・目安 CPAの平均値は、業界や広告媒体、ターゲット層、季節変動などによって大きく異なります。以下に掲載しているのは、リスティング広告などの検索広告とディスプレイ広告の業界別CPA平均です。データは海外のものなので、あくまで目安程度にみていただければと思います。 ※表の中の英文および数値は引用元にあるものをそのまま記載、日本語訳は筆者による。 Industry 業界 Average CPA(Search) 平均CPA(検索広告) Average CPA(GDN) 平均CPA(ディスプレイ広告) Advocacy 行政・公的機関 $96.55 $70.69 Auto 自動車 $33.52 $23.68 B2B BtoB $116.13 $130.36 Consumer Services BtoC $90.70 $60.48 Dating & Personals 出会い・結婚相談 $76.76 $60.23 E-Commerce EC $45.27 $65.80 Education 教育 $72.70 $143.36 Employment Services 人材 $48.04 $59.47 Finance & Insurance 金融・保険 $81.93 $56.76 Health & Medical 健康・医療 $78.09 $72.58 Home Goods インテリア $87.13 $116.17 Industrial Services 産業サービス $79.28 $51.58 Legal 法律 $86.02 $39.52 Real Estate 不動産 $116.61 $74.79 Technology IT $133.52 $103.60 Travel & Hospitality 旅行・ホスピタリティ $44.73 $99.13 出典:Mark Irvine, (May 13, 2024), Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!], WebSteam by LocaliQ あくまでも目安ですが、自社のCPAが平均と比べて高すぎる場合は、改善の余地があると言えるでしょう。 CPAを下げる方法 CPAを改善するには、以下の3つのポイントを意識することが重要です。 CPA改善のための3つのポイント 具体的な施策 ①広告のクリック回数を増やす ・広告文やクリエイティブの最適化 ②ウェブサイトのCVRを高める ・LPの最適化 ・フォームの最適化 ③無駄な広告費を削減する ・アドフラウド対策ツールの導入 それぞれ、順に解説していきます。 広告文やクリエイティブの最適化 CPAを低くするには、広告をクリック、つまり顧客獲得のチャンスを増やす必要があります。広告文やクリエイティブを魅力的なものにすることで、広告をクリックしてもらいやすくなり、顧客獲得のチャンスが増え、結果としてCPAを下げることができます。 例えばリスティング広告の場合、検索されるKWと出稿KWの検索意図があっているかどうかを確認し、検索意図にあうように広告文やクリエイティブのコピーを改善したり、そもそも検索意図に合わないものを削除したりといった施策が考えられます。 LPの最適化(LPO) LP(ランディングページ)とは、ユーザーが広告をクリックした後に遷移するページのことです。ユーザーが広告に期待した内容を、LPでしっかり訴求できれば、コンバージョン率を高めることができます。 具体的には、 ・その商品を購入することでどんなメリットがあるのかを明確にする ・その商品が信頼できるものである証拠を記載する(公的なグランプリでの受賞歴など) ・競合商品に対する強みをしっかり伝える ・購入ボタンなどの導線を目立たせる などの施策が考えられます。 こうしたLPの最適化を行う際には、ヒートマップを導入することをおすすめします。 ヒートマップは、ユーザーがLPのどこを注目し、どこをクリックし、どこで離脱したかがわかるものです。ヒートマップを用いることで、ユーザーが求めている情報は何か、ユーザーがなぜ離脱したのかがわかるようになります。 無料で使えるツールもあるので、興味のある方はぜひ一度試してみてください。 ミエルカヒートマップを無料で試してみる ▶︎LPOとは?具体策やSEO、EFOとの違いをわかりやすく解説 フォームの最適化 入力フォームまで到達したユーザーのほとんどが、最終的な申込みまで至っていないと言われています。業界や商品の単価、何をコンバージョンとしているかなどによっても異なりますが、入力フォームまで到達したユーザーが、フォームを送信(入力を完了)しないままページを離れてしまう割合(離脱率)は、平均でも40~50%、場合によっては70%程度まで上がると言われています。 フォームを最適化することで、コンバージョン率が上がり、結果としてコンバージョン単価を下げることに繋がります。 具体的には、 ・フォームタイトルに入力のメリットや簡単さを明記する ・入力項目の数を必要最小限にする ・CTAで入力後のアクションを明示する などの施策があります。 ▶︎EFOとは?CVR改善に繋がる8つの施策やおすすめのEFOツールをご紹介! アドフラウド対策ツールの導入 アドフラウドとは、不正な広告表示やクリックによって広告費用を騙し取る行為のことです。 例えばディスプレイ広告の場合、広告が表示・閲覧されるごとに、その広告を掲載していたサイトに報酬が渡されます。ところが、適正な流入がない不正サイトで広告を表示させていた場合、その報酬はその不正サイトの運営者に渡ってしまいます。 こうしたアドフラウドを対策するツールを導入することで、無駄な広告費を削減することができ、費用対効果を高めることができます。 ヒートマップ導入後、2カ月でCPA50%減!株式会社キャンバス様の事例 ここからは、実際にヒートマップを用いてCPAを改善した事例をご紹介します。 行った施策は4つあるので、それぞれについて解説していきます。自社でも取り組めそうな施策があれば、ぜひ取り組んでみてください。 ①料金プランの内容を充実させる ユーザーの熟読行動を可視化するアテンションヒートマップを見ると、料金プランがよく読まれていることが判明。 そこで、ユーザーが料金やプランの内容を知りたがっているのでは?と仮説立てを行い、内容を充実させ、見やすいレイアウトに変更しました。 ②CTAを目立たせる 元々潜在層に向けて、ページ下部にホワイトペーパーダウンロードの導線を用意していましたが、クリックヒートマップで確認したところ、思ったよりクリックされていないことが判明。ユーザーに気づかれていないのでは?と仮説を立て、ボタンを赤色に変更し、誰もがクリックできると認識できるデザインに変更したところ、このバナーのCTRが4%上昇しました。 ③FVでサービスメリットを訴えた FVのコピーテキストを、メリットや合理性、信頼性など、サービスを利用することによって得られる価値に焦点を当てて訴求を変更。これにより、FV内のCTRが4%上昇しました。 ④準顕在層向けのCTAを増設した 「すぐにお問合せしたいわけではないが、ホワイトペーパーに書かれていること以外も興味がある」という顧客に向けて、セミナー導線を設置。これにより、コンバージョンの幅が広がり、より多様なフェーズの顧客のリードを獲得できるようになりました。 この4つの施策を行った結果、2ヶ月でCPAを50%減らすことに成功。費用対効果が上がり、売上に大きく貢献することができました。 まとめ:CPAの改善ならミエルカヒートマップ CPAは、Web広告の費用対効果を測る上で非常に重要な指標です。CPAを改善することで、売上アップや事業成長につなげることができます。 ミエルカヒートマップは、CPAを下げるために必要なLP改善を支援するツールです。CPAが下げられずに困っている方、CVRが上らずに悩んでいる方は、ぜひ一度試してみてください。 ミエルカヒートマップを無料で試してみる 編集者情報 高田愛 株式会社Faber Companyに新卒入社した後、自社ソフトウェアの開発ディレクション業務に携わる。 現在は、ミエルカヒートマップのUI・UX向上や、ABテスト機能の開発、リリースした機能のプロモーション業務を中心に担っている。 この記事をシェアする