【5分でわかる】マイクロコンバージョンとは?~設定するメリットや方法を徹底解説~ 西田健人 2022.07.22 2023/1/19 CROUI/UX実例 CROCVR改善UIUXWEBデザインサイト改善ヒートマップ マイクロコンバージョンとは? マイクロコンバージョンを設定するメリット マイクロコンバージョンを設定するデメリット マイクロコンバージョンの設定方法とポイント 広告運用・サイト改善に効果的なヒートマップ マイクロコンバージョン(MCV)とは マイクロコンバージョン(MCV)とは、コンバージョンに至るまでの各段階に設定する中間地点のことです。中間コンバージョンと言われることもあります。 以降、図解を用いて詳しく解説します。 コンバージョンとの違い コンバージョンとは運営側が定めたサイト上でのゴールのことです。 コンバージョンの詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。 それに対し、マイクロコンバージョンとはコンバージョンの中間地点であり、コンバージョンを達成するための指標です。 マイクロコンバージョンはサイトの種類や目的によって異なります。 たとえば、ECサイトであれば、商品ページの「カートに追加ボタンのクリック」やカートページの「お客様情報入力ボタンのクリック」などが主なマイクロコンバージョンです。BtoB向けのWebサイトであれば、ホワイトペーパーのダウンロードやセミナーの申し込みなどが主なマイクロコンバージョンです。 マイクロコンバージョンを設定するメリット マイクロコンバージョンを設定するメリットは主に2つあります。 ①課題となるページを発見し、ページを改善してコンバージョン数の増加につながる②広告運用においては自動入札に必要なコンバージョン数を担保できる 課題となるページを発見し、ページを改善してコンバージョン数の増加につながる マイクロコンバージョンを設定することで、課題となるページを発見でき、そのページを改善することでコンバージョン数の増加につながります。 コンバージョンの母数が少ない場合、コンバージョンのデータだけではサイト内のどこに問題があるか判断ができないからです。 たとえば、上記のECサイトでは「購入完了」をコンバージョンとし、その手前の行動である「カートに追加ボタンのクリック」と「お客様情報入力ボタンのクリック」をマイクロコンバージョンとして設定しています。設定方法は後に詳しく説明します。 上記のECサイトでは、「カートに追加ボタンのクリック」をしている割合は90%であり、「お客様情報入力ボタンのクリック」をしている割合は11%であることがわかります。このことから、お客様情報入力ボタンのクリック数を増やせる、つまり、カートページに改善の余地があるとわかります。 マイクロコンバージョンを設定することで、ユーザーがコンバージョンまで到達しない原因を発見でき、サイト改善や広告運用に活かすことができます。 広告運用においては自動入札に必要なコンバージョン数を担保できる 自動入札とは広告運用において、Googleが機械学習を使用して、コンバージョンの数やコンバージョンの値を自動で最適化してくれる機能です。この自動入札においてマイクロコンバージョンの設定は重要です。 なぜなら、マイクロコンバージョンが自動入札において必要なコンバージョン数を補足してくれるからです。 自動入札を用いた広告運用の最適化には、一定のコンバージョン数が必要になります。コンバージョンの数が少ないと、自動入札の精度が低くなるからです。一般的に、Googleでは過去30日間に30件以上のコンバージョンが推奨されています。 広告費が低予算の場合やコンバージョン数が少ないときに、マイクロコンバージョンを設定し、コンバージョン数を補うことで、自動入札の精度を高めてくれます。 マイクロコンバージョンを設定するデメリット マイクロコンバージョンを設定するデメリットは主に2つあります。 ①管理が必要な指標が増える②自動入札への配慮が必要になる 管理が必要な指標が増える マイクロコンバージョンを細かく設定することで管理する指標やデータが増え、運用に手間がかかります。 コンバージョンとマイクロコンバージョンは分けて運用しないと正しい効果測定が行えないため、手間はかかりますが、広告運用・サイト改善には必要なことになります。 自動入札への配慮が必要になる 先ほど、メリットの一つとして、「 自動入札に必要なコンバージョン数を担保できる」とありましたが、同時に自動入札への配慮が必要になります。 マイクロコンバージョンの獲得が目的になってしまい、本来の目的であるコンバージョン数の増加が達成できなくなってしまう可能性があるからです。 コンバージョンにつながらないキーワードを外し、意図しない入札を減らす工夫が必要になります。 設定方法とポイント マイクロコンバージョンは次の2つのポイントを意識して設定します。 ①コンバージョンと相関がある指標を設定する②設定したマイクロコンバージョンは検証する コンバージョンと相関がある指標を設定する マイクロコンバージョンの設定では、コンバージョンと相関があるかを考えないといけません。 マイクロコンバージョンは、コンバージョンを上げるための改善ポイントを見つけ出すために設定するからです。 コンバージョンに至るまでのユーザー行動の流れを検証し、最終的なコンバージョンに繋がる可能性の高いマイクロコンバージョンの設定が必要になります。 たとえば、上記の場合、取りたいコンバージョンが「購入完了」である場合、「何のアクション」をマイクロコンバージョンとするかを決めないといけないのです。 このマイクロコンバージョンは、最終的なコンバージョンに繋がる可能性の高いものにしましょう。上記の場合は、「購入完了」というコンバージョンの手前の行動である「カートに追加ボタンのクリック」と「お客様情報入力ボタンのクリック」をマイクロコンバージョンとして設定しました。 設定したマイクロコンバージョンは検証し、サイト改善に活かす マイクロコンバージョンは設定するだけでなく検証することが重要になります。検証をすることで 、コンバージョンの数を増やすための改善ポイントが分かるからです。 先ほどの例では、「カートに追加ボタンのクリック」と「お客様情報入力ボタンのクリック」をマイクロコンバージョンとして設定しました。 マイクロコンバージョンの設定後に検証をしたところ、「カートに追加ボタンのクリック」をしている割合は90%ですが、「お客様情報入力ボタンのクリック」をしている割合は11%でした。このことから、お客様情報入力ボタンのクリック数を増やせる、つまりカートページに改善の余地があると判断しました。 検証をする際は、期間を決め、サイト内のどのページがコンバージョンに繋がる指標であるかを見極め、改善・運用を行う必要があります。 具体的なサイトの改善・運用法は次の5章で説明します。 サイト改善・広告運用に効果的なヒートマップ マイクロコンバージョンの検証から発見した、課題となるページを改善するにはヒートマップを使用することがオススメです。 マイクロコンバージョンの検証結果から、どのページを改善するべきかがわかり、そのページの改善をヒートマップで行います。 本章ではヒートマップとは何か、使用するメリットや機能について紹介します。 ヒートマップとは? ヒートマップとはWebサイトに訪れたユーザー行動のデータを色で視覚化するツールです。 ヒートマップを用いることで、改善したいページのユーザー行動がわかり、コンバージョンにつながるサイト改善が見込めます。 ミエルカヒートマップの機能と出来ること ヒートマップの機能は主に3つあります。 ①アテンションヒートマップ(熟読箇所の可視化)②スクロールヒートマップ(離脱箇所の可視化)③クリックヒートマップ(クリック箇所の可視化) ヒートマップの詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。 ヒートマップではユーザーがページのどの部分に興味をもち、熟読しているかを可視化します。 よく熟読されている箇所の近くに「カートに追加ボタンのクリック」や「お客様情報入力ボタンのクリック」というマイクロコンバージョンを設定することで、コンバージョン数の増加が見込めます。 逆に、ユーザーが興味を示さず、熟読されていない箇所に対しては、ユーザーが求めている内容ではない可能性や図や表がなく分かりにくい可能性などが考えられるので、改善が必要になります。 無料のヒートマップを使う イベントセグメント機能 イベントセグメント機能とは、設定したマイクロコンバージョンごとに、上記のヒートマップを比較できる機能です。 イベントセグメント機能でできることは主に二つです。 ①マイクロコンバージョンを達成したユーザー(目標達成ユーザー)のヒートマップデータを可視化できる。②目標達成ユーザーと未達成ユーザーのヒートマップデータを比較できる。 たとえば、①に関しては、「カートに追加ボタンのクリック」や「お客様情報入力ボタンのクリック」をマイクロコンバージョンとして設定した場合、「カートに追加ボタンのクリック」をしたユーザー、「お客様情報入力ボタンのクリック」をしたユーザーの熟読箇所や離脱箇所の把握ができます。 ②に関しては、目標達成ユーザーと未達成ユーザーで熟読箇所に違いはないか、未達成ユーザーは主にどこで離脱しているかを比較し、目標未達成ユーザーを達成ユーザーにするために必要な情報を得ることができます。 無料のヒートマップを使う ヒートマップを用いた事例 ヒートマップを活用して、LPの改善を行った結果、CTAのクリック率が4.3倍になった事例を紹介します。 マイクロコンバージョンを設定することで、コンバージョン数増加のためにどのページを改善するべきかを発見でき、ヒートマップで具体的なサイト内の改善を行いました。 ※CTA(Call To Action)とは、「行動喚起」と訳され、サイト内のユーザーに対して、取ってもらいたい行動に導くことです。 熟読箇所がわかるアテンションヒートマップを利用し、「お試しの申込み」というCTAをユーザーがよく熟読している箇所の近くに追加するようご提案しました。 高熟読エリアは多くのユーザーが興味を持って立ち止まっている箇所なので、そこに「お試しの申込み」を設置したことで、より認識され、クリックされやすくなりました。 その結果、改善前と改善後のLPを比較すると、改善後のLPではCTAのCTRが4.3倍になりました。 無料のヒートマップを使う まとめ 本記事では、マイクロコンバージョンについてご紹介しました。マイクロコンバージョンは、コンバージョンを上げるための改善ポイントを見つけ出すために設定するという認識が重要です。 そして、設定したマイクロコンバージョンを検証し、サイトのどのページを改善するのかを考えましょう。 サイト内の具体的な改善には、ヒートマップをご紹介しました。コンバージョンに課題を感じている方は、マイクロコンバージョンを設定し、ヒートマップを用いて、サイト内の改善や広告運用を行いましょう。 編集者情報 西田健人 同志社大学卒。新卒でFaber Companyに入社後、 ミエルカヒートマップチームに配属。 学生時代はサッカーに明け暮れていた。 趣味はサウナと古着巡り。 この記事をシェアする