ROASとは?計算式やROI・CPAとの違いをわかりやすく解説 高田 愛 2025.02.27 CRO ROASとは ROASの計算式 ROI・CPAとの違い ROASの活用例3選 ROASの改善のための施策4選 まとめ ROAS(Return on Advertising Spend)は、「広告費用対効果」とも呼ばれ、 広告出稿の際にかけた費用に対して、どれだけの収益(売上)を生み出したか を示す指標です。 この記事ではROASについて、計算方法やROI・CPAとの違い、ROASの活用方法や改善方法についてわかりやすく解説します。 ミエルカヒートマップを無料で試してみる ROASとは ROAS(Return on Advertising Spend)は、「広告費用対効果」とも呼ばれ、 広告出稿の際にかけた費用に対して、どれだけの収益(売上)を生み出したか を示す指標です。 ROASは、パーセンテージで表され、例えばROASが200%であれば、広告費用1円に対して2円の収益が出ていることを意味します。 ROASを用いる理由と目的 広告運用においては、どれだけ多くの人に広告を見てもらえたか(インプレッション数)や、どれだけの人が広告をクリックしたか(クリック数)といった指標で効果を測定することが一般的です。しかし、インプレッションやクリックがどんなに多くても、実際に収益につながらなければ、意味がありません。 そこで現代のWebマーケティングにおいては、収益を基準として費用対効果を明確にするROASが重要視されているのです。 ROASを用いることで、どんなターゲティングや設定が収益に繋がりやすいのかを定量的に可視化することができます。利益が出やすいキャンペーンに注力すれば、広告施策全体の費用対効果をさらに上げることができるため、広告運用においてROASの算出はとても重要だと言えます。 ROASを算出するメリットとデメリット 前述した通り、ROASは、 売上に対する広告の寄与度を数値化する指標です。そのため、広告の効果を、収益という観点から客観的に評価できるというメリットがあります。 その一方で、ROASは広告費に対する効果を測定する指標であるため、 広告運用やクリエイティブ制作、LP制作の外注費などのコストは考慮されていません。 そのため、ROASが高かったとしても、広告費以外のコストを入れて考えた場合に、必ずしも利益が出ているとは限らないというデメリットがあるのです。 ROASの定期的な算出・把握は必要ですが、CPAやROIなどの他の指標と合わせて確認すると良いでしょう。 ROASの計算式 ROASは、以下の計算式で算出されます。 ROAS = 収益 ÷ 広告費用 × 100 例えば、広告費用として10万円を投下し、それによって得られた収益が30万円だった場合、ROASは次のようになります。 ROAS = 30万円 ÷ 10万円 × 100 = 300% つまり、この広告キャンペーンでは、広告費用1円に対して3円の収益が出ている、非常に効率の良い結果が出ていると言えます。 ROI・CPAとの違い ROASと似た指標に、ROI(Return on Investment:投資収益率)とCPA(Cost Per Action:顧客獲得単価)があります。この章では、それぞれの違いについて解説します。 ROAS ROI CPA 意味 広告出稿の際にかけた費用に対して、どれだけの収益(売上)を生み出したか 広告に限らず、事業のあらゆる投資に対してどれだけの利益を得られたか 商品購入や資料請求などのコンバージョン1件を起こすためにどれだけの広告費がかかったのか 計算式 収益 ÷ 広告費用 × 100 粗利(売上総利益) ÷ 投資費用 × 100 広告費用 ÷ CV数 ROASとの 違い 何をコストとして考えるか 利益につながっているかどうか ROIとの違い ROIは、広告に限らず、事業のあらゆる投資に対してどれだけの利益を得られたかを示す指標です。 広告の場合であれば、広告費以外にも人件費やシステム利用料などのコストも全て含めて計算するため、 ROIが100%以上になれば、確実に利益が出ているということができます。 ROIの計算式は以下の通りです。 ROI = 粗利(売上総利益)÷ 投資費用 × 100 ROASとROIの大きな違いは、何をコストとして捉えるかという点です。ROASの場合は、広告費のみをコストとして考えますが、ROIの場合は、広告費だけでなく、人件費や制作費なども全てコストとして考えます。 CPAとの違い CPAは、 顧客獲得単価ともいい、商品購入や資料請求などのコンバージョン1件を起こすためにどれだけの広告費がかかったのかを示す指標です。 CPAの計算式は以下の通りです。 CPA = 広告費用 ÷ コンバージョン数 ROASとCPAの大きな違いは、利益につながっているかどうかという点です。ROASは「使った広告費が何倍の売上になったか」という指標であるのに対して、CPAは「使った広告費が何件のリード獲得(資料請求などのコンバージョン件数)につながったか」という指標であり、ROASの方が売上重視の指標であるということができます。 参考:CPAとは?下げる方法や業界ごとの平均、CPCとの違いをわかりやすく解説 ROASの活用例3選 ここからは、ROASの実際の活用例をご紹介します。「ROASを使って何をやればいいのかわからない」「ROASを算出しても、その値をどう活用すれば良いかわからない」という方は、ぜひ参考にしてみてください。 ①複数キャンペーンの比較によるそれぞれの最適化 複数の広告キャンペーンを実施している場合、それぞれのROASを比較することで、 どの広告プラットフォームやどんな訴求の広告が効果的なのかを判断することができます。 ROASの値を参考にして、より高い効果が出ているキャンペーンに予算を集中させたり、効果の低いキャンペーンへの投資を減らしたりすることで、広告全体の費用対効果を上げることができます。 ②短期的なROASの把握による商品の季節性やトレンドの把握 ハロウィンやクリスマス、バレンタインなど、季節によって売上や需要が大きく変動する商品もあります。季節ごとや月ごとのROASを分析することで、 季節ごとの需要変動を把握し、広告配信の開始タイミングや予算配分などを最適化することができます。 ③年間を通したROASの把握による施策の選定 ROASは、短期的な視点だけでなく、 長期的なマーケティング戦略にも活用できます。 例えば、10代を対象とした広告をSNSに出稿したい場合、少し前はTwitterやInstagramを利用する10代が多かったため、それらのプラットフォームへの出稿が主流でしたが、現在はTikTokを利用する10代が増えてきており、TikTokに広告を出稿する企業も増えてきています。 このように、その年の流行や変化を数値化して見ることができるので、ROASは広告施策の選定にも役立てることができます。 ROASの改善のための施策4選 ROASを改善するためには、CV数を増やして、利益に繋がる顧客をより多く獲得するか、1つのコンバージョンから得られる利益を増やすことが必要です。 今回はその中でも、王道と言われる施策を4つご紹介します。 ①広告文や広告クリエイティブを改善する ②LPを改善する ③広告のターゲティングを工夫する ④単価を上げる ①広告文や広告クリエイティブを改善する リスティング広告の場合は広告文、ディスプレイ広告の場合はクリエイティブなど、広告をクリックさせる入口となる部分を改善することで、流入数が増え、CVを増やすことに繋がります。CVが増えれば、注文や購入・契約に繋がる数も多くなるため、まずは流入数を増やすことに注力すると良いでしょう。 ②LPを改善する LPを改善することによって、商品のメリットやアピールポイントが確実に伝わるようになり、CVRを上げることができます。 例えばヒートマップを使って、サイトやLPの中でコンバージョンを妨げているポイントを確認・改善すれば、広告費を増やすことなくコンバージョンを増やすことができるので、顧客獲得の費用対効果を大きく上げることができます。 無料で使えるツールもあるので、この機会にぜひ確認してみてください。 ヒートマップを無料で試してみる ③広告のターゲティングを工夫する ROASを改善するためには、「広告で訴求している商品を買うことができる層」にアプローチすることも大切です。 例えばGoogle広告では、広告を表示させるターゲットの年収を、出稿側である程度指定することができます。表示回数が減るので、CV数は減るかもしれませんが、商品の購入率は上がるので、無駄な広告費を減らすことができます。 ④単価を上げる ROASは広告コストに対してどれくらいの売上を獲得できたのかを示す指標なので、単価を上げれば、コストが占める割合は相対的に下がります。 商品単価を上げることはもちろん、1回の注文でより多く注文してもらえるようクーポンを活用したり、他の商品も一緒に購入してもらうようにポップアップ等で工夫することも効果的です。 まとめ ROASは、利益を守りながら効率よく広告を運用するために重要な指標です。CPAやROIだけでなく、ROASもあわせてみることで、広告を適切に運用することができます。 前述したように、ROASを改善するには、LPの改善が不可欠です。「利益になるCVがなかなか発生しない」とお悩みの方は、ぜひこの機会にヒートマップを導入し、LPの中でどこが課題なのか、確かめてみてください。 ミエルカヒートマップを無料で試してみる 編集者情報 高田 愛 株式会社Faber Companyに新卒入社した後、自社ソフトウェアの開発ディレクション業務に携わる。現在は、ミエルカヒートマップのUI・UX向上や、ABテスト機能の開発、リリースした機能のプロモーション業務を中心に担っている。 この記事をシェアする