
2026年7月に開催した「Japan SEO Conference 2026」。 本記事では、博報堂・徳久氏によるSpecial Session「明日から実践できるエージェンティックコマース」や、DMM.com渡辺氏・サイバーエージェント木村氏・TechFabric(SEO研究チャンネル)平氏・Faber Company(so.la)辻氏によるClosing Keynote「AI検索対応やる? やらない?」を、会場の様子とともにお届けします。
Special Session【博報堂】エージェンティックコマース

明日から実践できる“エージェンティックコマース対応”とは?
イベントも後半に差し掛かった夕方。博報堂・徳久 真也氏が登壇したSpecial Sessionでは、エージェンティックコマース対応を推進するポイントについて発表されました。
※エージェンティックコマースとは:AIエージェントがユーザーの代理となり、商品を検索・比較・決済までも自動的に代行する仕組みのこと
徳久氏は外資系経営コンサルティング会社を経て博報堂に入社。流通・消費財メーカーを中心に、マーケティング戦略の立案やデータドリブンマーケティングの支援を行ってきました。現在は局長として、オンラインのEC・オフラインのリテールの両方を統括しています。
そんな徳久氏は、「エージェンティックコマースの浸透によって、購買ファネルは大きく変わる」と語りました。とくに認知/発見と比較/検討の2つのファネルは、生活の中にAIが深く入り込んでいます。
AIで商品を知り、比較検討したあとに購入/決済まで進む場合は「店舗に行かなくなる、ECサイトにも行かなくなる、破壊的なイノベーションが起きるのではないか」と、徳久氏は予想します。
さらに、意思決定の大半をAIエージェントに依存するようになれば、「AIに選ばれやすい商品の在庫を増やす」「AIに選ばれやすい製品の生産計画を見直す」など、商品企画や商品開発も含む企業のバリューチェーンそのものがAI起点に変わっていく未来もあると解説しました。

では企業は、きたるエージェンティックコマース時代にどう備えるべきなのでしょうか?
徳久氏はエージェンティックコマースの前に、「エージェンティック・エンゲージメント」を設計することが重要だと解きました。エージェンティック・エンゲージメントとは、購買だけでなく、生活のあらゆるシーンでAIを介して生活者と関係構築することを指します。

また、徳久氏は今のECサイトなどは商品情報が圧倒的に不足していると語りました。そのため、海外の先進企業では商品マスタ(商品名や価格、仕様、画像などの商品情報を一元管理するデータベース)を2階層持っているそうです。
商品スペックなどの情報(第1階層)だけでは生活者の意図を満たすかどうか、AIは理解できません。そのため、メタデータと呼ばれる意図・文脈に関する情報(第2階層)を別で持つことで生活者の意図と結びつきやすくしているそうです。
これは当日の別セッションに登壇した、Yuwai田中氏の「商品情報の整備はエージェンティックコマース時代の入場切符になる」という発言と合致します。
ブランドらしさを発揮するために、企業に眠る一次情報が戦略的な価値を持つと徳久氏は述べます。それは商品スペックだけでなく、ユーザーレビュー、店員の接客ログ、従業員がかき集めてきたVocなど、さまざまな場所に存在しているはずです。
加えて、海外でも第三者メディアで自社のブランドがどのように語られているか、その量と質が注目されていると言います。
徳久氏は、エージェンティックコマースはまだ未知数なところも多いとしたうえで、今やるとしたら共通項となる「AIO(AI最適化)」を入り口にしつつ、どのAIエージェントが普及したとしても、〝後悔しない投資〟となる領域から着手すべきと言います。

博報堂では、未来からのバックキャスティングでの「エージェンティックコマース事業戦略コンサルティング」や「商品マスタのデータエンリッチメント」「ChatGPT広告」など幅広い支援メニューを取り揃えているとのことです。気になる方はぜひ、問い合わせてみてくださいね。
Closing Keynote ーAI検索対応 推進派vs慎重派ー
DMM.com × サイバーエージェント × SEO研究チャンネル × Faber company
Closing Keynoteは、会場参加限定セッションです。SEOの黎明期から業界をけん引してきたレジェンドの方々に「AI検索対応やる?やらない?」というテーマでぶっちゃけトークをしていただきました。
どんな発言が飛び出すかわからない怖さを感じつつ、このメンバーはどんなことを話すのだろうかと、開始前からわくわくが止まりませんでした。

サイバーエージェント 木村 賢 氏、TechFabric(SEO研究チャンネル)平 大志朗 氏、
DMM.com 渡辺 隆広 氏、Faber Company 辻 正浩 氏
今回は、少し趣向を変えてGEO推進派と慎重派という座組みでトークをしていただきました。モデレーターはWeb担当者Forum初代編集長の安田 英久 氏です。
| GEO 推進派 | GEO 慎重派 |
| 木村 賢 氏 (株式会社サイバーエージェント) 平 大志朗 氏 (SEO研究チャンネル) | 渡辺 隆広 氏 (合同会社DMM.com) 辻 正浩 氏 (株式会社Faber Company) |
それぞれの立場で以下のようなテーマでお話しいただきました。
- GEO/LLMOを売り込んでくる会社ってやばくないですか?
AI検索対応のせいで面倒が起きてません? - 「GEO/LLMOは”SEO”の延長線」それって、”SEO”の定義そろってます?
- AI検索がより普及していくとして、
今の時点でやるべき・準備しておくべきことは? どんなデータに注意すべき?
いずれもなかなか深い激論が交わされました。
GEOやLLMOについて、当社はツールを提供する側、つまりある意味で推進する側とも言えます。それでも個人的に感じるのは、「本質的でない提案を行うベンダーが多い」ということです。テクニカルセッションでアユダンテのコガン氏が指摘した、llms.txtなどはその典型例でしょう。
※アユダンテのコガン・ポリーナ氏が登壇したセッションレポートはこちら
一方で、GEOとSEOが全く同じかというとそうではありません(SEOをどう捉えるかにもよるのですが……)。やはり、プラットフォームが異なり、顧客体験が異なるという点は無視できないと思います。
だからこそ、今は現状の可視化やモニタリングが重要になると感じます。
会場の熱気をお届けすることができず残念なのですが、毎年恒例、安田さんの「独断まとめ」と、当社の上席SEOコンサルタント・辻がまとめた現段階におけるAI検索に有効な施策を一例としてご共有します。


Closing Keynoteは、写真撮影NGのスライドが多くクローズドなセッションだったぶん、当日会場にお越しいただいた方は貴重なお話を耳にできたのではないでしょうか。
Japan SEO Conferenceは2027年も開催予定です。ぜひ、実際に参加いただきレジェンドたちの知見と熱量を感じてみてください。
セッション後の懇親会では、直接話をしたり質問もできます。
懇親会(アフターパーティー)
熱気あふれるClosing Sessionの後は、参加者の皆さまと記念撮影を行い、懇親会(After Party)へ。集合写真を見返すと、改めて多くの方にご来場いただけたことを実感し、Faber Company一同、胸が熱くなります。

今年、乾杯の挨拶をつとめてくださったのはアイオイクス株式会社の遠藤 幸三郎氏。

懇親会では、SEOやGEO、マーケティングに携わるみなさまが情報交換を楽しんでいました。フランクに話せる時だから語れるシークレットなトピックってありますよね。



JSC26のブースエリア
今年は、さまざまな企業様が会場前のブースに出展してくださいました。参加者のみなさまと交流したり、サービスの説明や相談を受ける姿もあちこちで見ることができ、昨年以上の盛り上がりを実感しました。

また、お帰りの際に申し込める限定ノベルティ、Japan SEO Confence特性Tシャツとパンツも大好評でした。

Japan SEO Conferenceは、来年の2027年も開催予定です。AI検索へ取り組むみなさま、ぜひお楽しみに!
