コンテンツマーケティングを上手にやりくりするには、トレンドを把握し、競合を分析し、SEO対策を行うなど、様々なスキルが求められますが、いかんせん時間と労力がかかります。そこで注目したいのが、最新情報にリアルタイムでアクセスできるChatGPTサーチです。
ChatGPTサーチを使うと、企画、構成、執筆、編集、リライトのプロセスを効率化し、質の高いコンテンツを生み出すことができます。本記事では、ChatGPTサーチをコンテンツマーケティングに活用するための具体的な方法をいくつかご紹介します。
※ChatGPTのDALL·E3 で生成
ChatGPT Search とは?
ChatGPT Searchは、ChatGPTに新たに統合されたウェブ検索機能で、ユーザーは最新の情報を含む回答を得ることが可能となりました。従来のChatGPTは2021年9月までのデータに基づいていましたが、ChatGPT Searchの導入により、リアルタイムの情報を取得し、正確で最新の回答を得られます。
■主な特徴
・リアルタイム検索: 最新のニュース、天気、株価など、現在の情報を即座に取得できる
・情報源の提示: 回答には参照元のリンクが含まれ、情報の信頼性を確認できる。
・視覚的な情報提供: グラフやチャートなどを用いて、情報をわかりやすく視覚化する
■利用方法
ChatGPTのウェブサイトやデスクトップアプリ、モバイルアプリで利用可能です。2024年11月時点では、ChatGPT PlusおよびTeamプランのユーザーが利用できますが、今後数週間以内にEnterpriseやEduユーザー、数ヶ月以内に無料ユーザーにも提供される予定です。
■注意点
提供される情報はAIによる要約であり、必ずしも正確性が保証されているわけではありません。特に医療や金融など専門的な分野では、専門家の意見を参考にしてください。
ChatGPT Search で最新情報が知れる
たとえば、J1リーグの成績と順位を尋ねると、その日の最新情報を返してくれます。
※11月19日時点の情報
さらに、「降格争いはジュビロ磐田と北海道コンサドーレ札幌の2チームに絞られたが、どちらが降格する可能性が高いか?現時点の勝点と残りの対戦相手を考慮して推測してください」と追加で聞くと……
■ジュビロ磐田
第37節:ホーム vs 湘南ベルマーレ(15位)
第38節:アウェイ vs FC東京(8位)
■北海道コンサドーレ札幌
第37節:アウェイ vs 川崎フロンターレ(14位)
第38節:ホーム vs 柏レイソル(17位)
■分析
・ジュビロ磐田
・湘南ベルマーレとの対戦で有利な過去の成績を持っています
・ホームでの試合であり、勝利が期待できます
・一方、FC東京とのアウェイ戦は厳しい試合が予想されます
・北海道コンサドーレ札幌
・川崎フロンターレとのアウェイ戦があり、厳しい試合が予想されます
・柏レイソルとのホーム戦では過去の対戦成績で劣勢に立っています
これらの要素を総合的に考慮すると、現時点では北海道コンサドーレ札幌の方が降格する可能性が高いと推測されます。
過去の対戦データをもとに推測もしてくれます。(このへんは以前からの機能でもできたでしょうが)
では、コンテンツマーケティングの現場でどう活用するのか、企画、構成、執筆、編集、リライトの場面でそれぞれ活用法を挙げてみます。
「企画」や「構成」の場面で活用する
1.トレンド分析
最新情報にリアルタイムでアクセスできるため、変化の早い業界トレンドや流行に沿ったテーマ企画が可能です。真っ先に思い浮かぶ用途ですね。
こんな用途にオススメ
・SNS業界のアルゴリズム変更に即座に対応したテーマで記事を書く
・新たな購買行動や消費者傾向について先行してトレンドをキャッチし、特集を立案する
・スポーツイベントや新商品発売直後の反応をもとに、注目度の高い商品レビューを反映した記事を企画する
2.競合分析
競合他社のSNS投稿内容、最新ニュース、提携や買収の発表、価格設定、プロモーション活動、顧客ターゲティング等を調べ、自社との差別化ポイントを把握できます。
こんな用途にオススメ
・競合の公式ウェブサイトやニュースリリースを検索し、新製品やサービスの発表情報を迅速に取得する
・新たな技術の導入やマーケティング手法の変化などをいち早く察知し、自社の戦略に反映させる
・競合他社のSNS投稿内容やユーザーの反応を調査し、戦略を分析する
3.インサイトの獲得
業界の反応や消費者の意見もリアルタイムに把握でき、より具体的なニーズを捉えた企画立案ができます。情報を集めるだけでなく、解釈もさせるという使い方です。
こんな用途にオススメ
・SNSをチェックし、顧客が求める製品の特徴や改善点を反映させる提案をする
・レビューやUGCから製品への期待や懸念点を深掘りし、それに応じた問題解決型のコンテンツを立案する
・レビューサイトやSNSで消費者が頻繁に質問している点を把握し、ニーズに即したQ&A形式の記事やコンテンツを企画する
4.アウトライン作成
記事執筆の際にすでに活用している方も多いと思いますが、最新のSEOベストプラクティスに基づいた構成案を取得し、効果的なアウトラインを設計させる用途です。
こんな用途にオススメ
・シーズンに合わせた人気商品やキーワードを基に、検索数が上昇しているテーマで記事を展開する
・トピックごとの関連情報をリアルタイムで調べ、検索ボリュームが高いサブテーマを効果的に配置して網羅的な構成にする
・同様のトピックで公開されている競合記事を調査し、構成や内容を分析する
たとえば「Googleのアルゴリズム変更に即座に対応したテーマで記事を書く。最新の情報がほしいので、2024年9〜11月に限定して、主なトピックをリストアップして」と問いかけます。
※地球儀マークをクリックすることを忘れずに
返答がこちら。
※ソースを確認する場合は、「情報源」をクリックします
すると、右側にズラッと並べてくれます。
「執筆」の場面で活用する
5.初稿生成
最新のニュースやデータを基にした情報が加わることで、迅速かつ確実な初稿作成が可能です。
こんな用途にオススメ
・法律や政策の最新変更点を含む初稿を素早く作成し、情報の正確性を確保する
・直近で発表された研究結果や統計データを基に、記事内の数値を最新に更新する
・新製品発表やイベントの速報情報で補強し、最新の動向を反映させて執筆する
6.ファクトチェック
引用元の信頼性や統計データを即時に確認できるため、正確な情報で信頼性を高めたコンテンツが作成できます。
こんな用途にオススメ
・特定トピックについて、公的機関、業界レポート、専門家の意見を調査する
・統計の出典元を調べ、引用データの根拠を明確にして精度を高める
・根拠となる論文や報告書を検索し、信頼性のある情報を元に執筆する
7.客観的視点の強化
多様な意見やデータに触れられるため、偏りの少ない内容が実現でき、視野の広い執筆が可能です。
こんな用途にオススメ
・「再生可能エネルギーの経済的影響」について執筆するとして、政府機関、学術論文、業界団体、環境保護団体など、複数の情報源からデータを収集する
・「AIの労働市場への影響」についてのレポートを作成するとして、賛成派と反対派両方の意見を探す
・「気候変動対策の国別取り組み状況」について分析するとして、各国の公式発表や国際機関のレポートを収集する
8.データベースの活用
過去の記事や関連するデータも含めた引用も可能です。文脈を理解しながら適切なデータを選び出し、記事や企画に即した形で提供してくれます。
こんな用途にオススメ
・「日本の金融危機の歴史とその影響」を書くとして、1990年代のバブル崩壊や2008年のリーマンショックなどの過去の金融危機に関するデータや出来事をデータベースから収集し、背景や関連性を知る
・「日本の銀行業界におけるデジタル化の進展」をテーマにするとして、過去10年間のデジタルサービス導入状況や顧客のオンラインバンキング利用率の推移をしらべ、現在の状況と比較分析する
たとえば、「103万円の壁について、公的機関、業界レポート、専門家の意見を調査しつつ、政府はどう解決しようと動いているのか、まとめてほしい」と投げると…
情報源を見ると、厚生労働省、首相官邸、大手メディア報道が確認できます。専門家の意見をもう少し取り入れてほしかったところですが、それも質問を重ねていくことで掘り下げられるでしょう。
「編集」や「リライト」の場面で活用する
9.校正と改善
最新の文法ルールや表現に基づき、文章の精度や一貫性を高められます。
こんな用途にオススメ
・文化庁の「公用文作成の要領」や大手メディアの「表記ルール」に従い、漢字の使用や送り仮名の付け方、外来語の表記などを確認する
・最新のガイドラインに沿った校正や表現をチェックし、コンテンツの品質を向上させる
・専門用語やデータを信頼できる情報源と照らし合わせて検証する(例:「新薬の効果を100%保証する」といった表現を、正確なデータに基づき「臨床試験で80%以上の有効性が確認された」とする等)
10.補足情報の追加
内容に不足がある場合、最新のデータや事例を探して追加し、コンテンツの質を向上できます。
こんな用途にオススメ
・市場動向、統計、事例を補足情報として追加し、記事内容の充実度を高める
・生成AIの最新技術(例:OpenAIが新たに発表した画像生成アルゴリズム)を調査し、補足情報として追加する
・直近のイベントや業界の変化を反映した補足を加え、読者に対する有益性を高める
11.多角的な視点からのレビュー
新たな視点や意見を追加でき、内容の奥行きや客観性を向上させます。
こんな用途にオススメ
・レビューや意見を収集して、ユーザーがどのように製品を評価しているかを含める
・異なる業界の専門家や関係者の意見を追加して、テーマに対する多様な視点を取り入れる
・世界各地のユーザーのフィードバックを反映し、グローバルな視点からの情報として提供する
12.SEOの最適化
検索エンジンのトレンドやアルゴリズムの変化に即時対応し、より高い検索結果を目指せます。
こんな用途にオススメ
・キーワードを含む効果的なタイトルやディスクリプション等のメタ情報を調査する
・「テレワーク」→「リモートワーク」といった言葉の変更や、「ハイブリッドワーク」等の時代に即したキーワードを記事に追加する
・「〇〇に関するよくある質問」を調査し、検索結果に表示される関連質問や回答例を参考にFAQセクションを作成する
ChatGPT登場直後から愛用している筆者は、今回のChatGPT Search のリリースを受けて、「欲しかった機能がついに来た!」と狂喜乱舞しています。みなさんのコンテンツマーケティングに必ず役立つ機能なので、ぜひお試しください。