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【動画速報】2020/12/3 Googleコアアルゴリズムアップデートの影響と現状動向をまとめました(December 2020 Core Update)

更新日:2022.4.14 公開日:2020.12.14

2020年12月3日(日本時間の12月4日未明)にリリースされたGoogleコアアルゴリズムアップデート(December 2020 Core Update)の速報をまとめました。今後の対策や施策について参考になれば幸いです。

変動したサイトのケーススタディ・大きく変動したジャンルを具体的な事例等を用いながら紹介します。December 2020 Core Updateは、2020年5月4日以降、7か月ぶりのコアアルゴリズムアップデート(今年3回目)です。

  • 2020 年 1 月実施
  • 2020 年 5 月実施
  • 2020 年 12 月実施⇐ 今回

アップデートにより大きな順位変動が発生すると予想されていますが、慌てず落ち着いて対処しましょう。そして今一度、関連性があり高品質なコンテンツをユーザーに提供できているか否かを確認してみてください。次報で揃ったデータをまとめて詳しく解説します。

12月3日に実施されたコアアップデートの特徴は?

現地時間、太平洋時間の2020年12月3日の午前に、日本では12月4日の深夜から未明にかけて、広範囲のコアアルゴリズムアップデートが実施されたとGoogleから告知がありました。

December2020CoreUpdateの傾向を説明した資料 実はコアアップデートは年に数回実施されていますが、今年は1月と5月に2回実施されているので、今回で3回目になります。アップデートが実施されると検索順位の大変動が起きる可能性が非常に高いです。完全にロールアウト(順位変動が落ち着く)までは、1週間2週間ほどかかると言われているので、現時点の状況が確定ではないです。

※あくまで今回の情報は速報です。

今回、新型コロナウイルスの影響とか年末のホリデーシーズンに差し掛かったので、年内のアップデートって実は実施されないのではないかと巷で予想されていましたが、その予想が覆されて今の状況に至ります。

コアアルゴリズムアップデートそもそもの定義に関しては、2020年5月に実施されたコアアップデートの動画で詳しく解説しているのでそちらをご覧ください。

※注意) この後、紹介する事例は、必ずしも実施した施策が評価されて順位が上がったという確証はありません。順位が上昇したサイトが何をしたというのは、相関関係であり因果関係ではないので、そこはご容赦ください。  

①安さへの訴求(圏外から4位へ)

まず1つ目です。これはの某美容系サイトで、「美容系のキーワード」✖️「安い」というワードです。 某美容系サイトで順位が上昇した例 ターンワードですが、このターンワードの圏外から4位まで上がったケースです。これは実際に取り扱っているプロダクトが実際に安いので「安さへの訴求」をサイトの見やすい場所や各ページやブログに丁寧に訴求しました。

ただ、単純に安いという言葉を目立たせるような施策ではなく、さらに分かりやすく「明朗な金額」「そのプランの紹介」「実際に無料で体験できる範囲」などをユーザーに分かりやすい場所に分かりやすく訴求した形です。

このサイトは実際に、この施策で数ヶ月前から対応していましたが、順位になかなか反映されていませんでした。ですが、今回のアップデートで順位が上がったので、行ってきた施策が適切に再評価されたのではないかなと考えてます。  

②過剰広告の廃止(22位から10位へ)

これは某教育系のクエリです。これはウォッチしている900キーワードの平均掲載順位です。これは、22位から10位まで上がったという事例です。

某教育系クエリで順位が上昇した例

実際に行った施策としては、過剰すぎる広告を廃止しました。コンテンツなのか広告なのか境界線が曖昧のものだったり、「勘違いを誘発するような広告の廃止」「専有面積が広い広告の廃止」などです。削除した広告はページの下の「ごく一部分にまとめて」広告枠として掲載したり。

注意して欲しいのは、広告がダメなわけではありません。ただ、過剰に見えてしまう広告はユーザーの利便性も阻害しますし、そのサイト自体が下手したら嫌われてしまう(避けられてしまう)ような要因となり得てしまうので、やはり広告は適切な数を、そしてユーザーの利便性を阻害しないような位置に収めるのが良いと思います。  

③著者情報の強化(15位から11位へ)

これは某不動産系のクエリで15位から11位に上がってます。 某不動産系クエリで順位が上昇した例

これは、コンテンツの著者情報を強化しました。具体的には、「記載されていなかったコンテンツに著者情報を設置した」など、特に専門職が強い情報やトピックに関しては、重点的に設置してます。また、「コンテンツに関連した資格保持者を採用し明確に記載」しました。

ユーザーに提示している情報の透明性や信頼性の担保なので、E-A-Tを確保する鉄板の施策とも言えるかもしれないです。

④メンション獲得(15位から9位へ)

これは某美容系+「地域」で15位から9位まで上がっています。 某美容系サイトで順位が上昇した例

これに関しては、メンションの獲得に注力しているので、実際にはこのサイトは、ブランディングの確保やオーガニック以外のチャネルからの流入をしっかり見込むために、公式のソーシャルアカウントをしっかり使って情報を提供するなどの「ソーシャル活動」を行いました。

また、対象地域に関連している「ポータルサイトに登録」してそこから流入を期待するなどです。「積極的にプレスリリース」を行ってウェブ上にいろんな所で自分たちの会社の名前を認知してもらうような施策をしています。

決して人工的なリンクとかを獲得するという意味合いではなく、ブランディング確保とかオーガニック以外のチャネルからの流入を目的として、結果としてメンションが多く獲得できたというものです。  

検索順位が上がったサイトの共通点

紹介してきたサイトが行った施策に共通しているのが、Googleへの訴求ではなくてユーザーへの訴求です。いかにユーザーに好んでもらえる、選んでもらえるようなサイトに近づけるかという理念と考えのもとに行った施策です。今回順位が上がったものは、それが結果的に評価されたものなのだと思います。  

全体的な特徴と大きく変動したジャンル

※今回の変動は途中経過なので、現時点(12月6日時点)での仮説、見解です。落ち着くまでに1週間から2週間くらい時間かかるのでそこはご容赦ください。

こちらは、5月以来の大変化です。 5月と12月を比較した時、順位変動を表すグラフ

例えばYMYLと言われる領域だけ強めに変化したことももちろんですが、今回もすべてのジャンルが変わってます。ただここからが問題で、この変動がこのまま落ち着くのか、さらにもう一度戻ってくるのかまでは、分かりません。

過去の例を見ると、2020年1月のコアアルゴリズムアップデートの時は、3日間変わり続けました。 2020年1月のアップデートで変動が起きた日数を表すグラフ なので、ここから変化するかどうかというところは着目すべきますポイントですね。

実は2019年3月の時も、3月に大きな変化があった後に調整らしきものが入ったことがあるので、今回また順位が変動するかもしれないと踏んでいます。焦らず今(12月6日時点)は変化中なので、1、2週間待ちましょう。  

具体例①順位が戻っているケース(例:美容系)

2020年5月、新型コロナウイルス感染拡大とともに徐々に下がっていますが、今回のアップデートで元に戻っています。 5月のアップデートで下落したサイトが今回のアップデートで順位上昇したことを表すグラフ

(※このサイトは5月から落ち始めた色んなキーワードで戻っています) おそらく、アルゴリズムが評価軸が5月の以前のものに少し戻ったように感じます。これであらゆるキーワードの3月時点で上位だったサイトが徐々に落ち始めています。 2020年3月、11月、12月での順位比較を表す表

ただこれも明日明後日どうなるかは、今のところ予知できません。こういう現象が今起きているということを把握してもらいたいです。  

具体例②金融・規模の大きいサイトの変化

次は、規模の大きい金融のサイトです。こちらは様々なウェブサイトの検索エンジン上で見つけさの指標です。特に黒色のサイト、落ちていますよね。2、3割落ちたようなサイトも中にはあります。

金融関連サイトの直近1カ月の順位変動を表すグラフ これも今の同じようなキーワード群を非常に長いスパンで今年の4月からとったグラフです。 金融関連サイトの4月以降の順位変動を表すグラフ E-A-Tを確保しているサイトはやはり評価されており、ちゃんと評価がされているサイトも一定数あります。ただ、上がっているサイトは結局ドメインが強い印象を受けます。 ドメインが強いサイトが順位回復していることを表すグラフ

そのサイトのブランドが有名なのか。第1想起されるサイトは強いです。

もちろんうまくいってるサイトもありますが、コアアルゴリズムアップデートのたびに下がっていく傾向にあるのかなと。 逆に20%以上下落してるサイトもあります。

これも同じようなキーワード群で調べていますが、黒色のグラフを見るとわかるように、5月は上がっているのに、今回のアップデートで下がっています。どうも専門性が見られているように感じます。

金融関連サイトの4月以降の順位変動と専門性の関連を示唆するグラフ

そのジャンルにおける専門家である、もしくは有名であるサイトは非常に強く見ているなと。これも観察した方が良いですね。

逆に5月に上がって12月下がったサイトもありますし、5月に下がって上がったサイト、5月に下がってそのままサイトもあるように順位変動は様々です。

金融関連サイトの4月以降の順位変動で順位回復していないサイトのグラフ 変化のないようなサイトもああるので、やはり一定期間落ち着くまで待ち、その上で評価をしてくことが非常に重要です。

(あくまで仮説ですが)おそらくこの黒色のグラフは、5月のアップデートで過剰に評価されたのではないかなと考えています。

金融関連サイトの4月以降の順位変動で今回のアップデートにより順位下落したサイトのグラフ

今回それが正しいGoogleの評価に戻ってきたといったところで、ユーザにとって有益なものを提供することがやはり重要です。  

メーカー(販売者)は基本ポジティブ

また、メーカーや販売者はポジティブです。メーカーや販売者の順位変動を5月と12月で比較したグラフ

おそらく、人様の物を売ってるわけでなく、プロダクトを作って販売しているからです。このようなサイトはなぜか強いです。ブランド検索(固有名詞検索)も一定数あると思います。  

小規模サイト(金融・ECサイト)

では、小規模なサイトどうなのか。これは戻っているサイトもあります。大中小問わず、今回の変化は広範囲というところがポイントですね。 もちろんこれは、コンテンツをしっかり磨いていたようなサイトですが、左が4月で、右が12月です。

小規模サイトの特定のキーワードの4月以降の順位推移を表したグラフ  

(縦軸が順位で上に行けば行くほど順位が高い) これも先ほどの美容系と同じで、5月まで上がっていた複数のキーワードが戻ってます。 一方で、eコマースは、上がり下がりけっこうあります。

小規模ECサイトの4月以降の流入数の推移を表したグラフ

あるジャンルで有名なサイト(いわゆる月間検索で固有名詞検索されるサイト)は、やはり強いです。大きな影響を受けていません。Googleはそこまで分かるようになってきたのかなと思います。  

医療系ワードの推移

医療系は変化が多いです。ようやく少し落ち着いてきて、調整を繰り返していた中で12月のアップデートでは下落傾向にあります。医療系ワードの5月と12月の順位状況を比較したグラフ

※流入の多いサイトだけをピックアップ 流入の多いサイト群の順位変動はそこまで変わりませんでした。既に有名なサイトだけの検索結果になってきて他のサイトの順位が落ちていった感があります。 ただし、そのジャンルでも一部大幅な下落はあります。

医療系ワードで大幅な順位下落をしたサイトがあることを表すグラフ

例えば、専門性を担保していない場合です。専門性を担保してないというのは、著者情報の話だけではなく、そのブランドの月間検索回数含めてやはり少ないサイトは、今回のアップデートでかなり打撃を受けている印象です。  

まとめ①

今回の内容は、速報であって現時点で影響していても、今後動く可能性があります。そして行った施策が適切に評価されるまでで時間がかかります。もしも今日対応したことが明日明後日評価されるということはまずないので、普段からユーザーに求められるようなサイトを目指すことが必要なのかなと。

もしもまだ読んだことがなければ、Googleが用意している公式のドキュメントを参考にしてください。このドキュメント内でも紹介されていますが、E-A-Tというものがあります。E-A-Tの観点から検討すべき改善点が見つかるかもしれません。このE-A-Tに関しても別動画で詳しく解説したので、そちらからご覧ください。

  【E-A-Tとは】E-A-Tを意識したSEO施策をしよう

Googleが重視するYMYLとE-A-Tとは一体なんなのか?

 

そして、大中小のサイト問わず、あらゆるジャンで広範囲に変化中です。現時点での評価としては、一部5月以前の評価に近い部分があるのではないかなと。また、専門性はやはり引き続き非常に重要なファクターだと思っています。

最後にアルゴリズムが変わろうと、アップデートが実施されようと、私たちがやるべきこと自体は変わりません。Googleの公式ドキュメントを参考にしながら、ユーザーに良かれと思うことを粛々と積み上げていくのが最も良い方法なのかなと思います。

データが揃い次第また改めて詳しく解説します。是非チャンネル登録もよろしくお願いします!

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「SEO初心者、Webマーケティング担当者、コンテンツマーケティングに取り組んでいる人、オウンドメディアを運営している人」向けにSEOの具体的な手順や手法の解説、Googleが発信した情報やガイドラインの解説、アルゴリズム変動速報を発信しています。

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おわり

著者PROFILE

中山 順司(なかやま じゅんじ)

SEO・ソーシャル・動画の3領域でのコンテンツ企画と制作が得意な生粋のコンテンツクリエイター。ソフトバンク、楽天トラベル、Six Apart、freee、ファベルカンパニーを経て2024年に独立。コンテンツマーケティングを専業とし、オウンドメディアとYouTubeの設計 / 企画 / 執筆 / 編集 / 分析 / 改善 / SEO を幅広く行う。MarkeZine、Web担当者Forum、ねとらぼ、WorkshipMAGAZINE等で執筆しつつ、Content Marketing Academyでは特任講師を務める。
・Twitterアカウント @Cycle_Gadget
・Facebookアカウント https://www.facebook.com/junji.nakayama.104

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