写真や動画の投稿をメインとするSNS・Instagram(インスタグラム)は、ECサイトとの相性が良いですが、ただ写真を投稿しているだけでは何も起きません。「Instagramのフォロワー数を増やす」基本的な3つの方法について山ノ内智也さんに解説いただきました。Instagramを運用している企業の担当者は必見の内容です。
PerCoRe合同会社 CEO
女性向けアパレルECサイトでWEBマーケティングに6年間従事。自社EC立ち上げから5年で月商5000万規模にグロース(事例)。コンテンツマーケティングは1年半で月間160万PV・1100CVの”成果の出るメディアに。現在は自社メディア運営・SNS運用・企業向けのマーケティング支援など幅広く活動中。集客からCV・CRMまでを一気通貫し分析・改善できることが強み。
Instagramに合う投稿写真は?ユーザーが求めていない投稿はエンゲージメント率が悪くなる
まずInstagramを運用している、これからスタートする担当者の方に、フォロワー数を増やすためにも今すぐできる改善Tipsから。
単なる商品写真を載せても興味を惹かない
特にECサイトの公式アカウントでは、ブランディングの観点からイメージ写真をメインに投稿することが多いのではないでしょうか?
たとえばアパレル企業で、外国人のモデルさんがきれいに着こなしている写真、平置きされた洋服の写真など、商品ページにあるような画像が投稿されていても、あまりエンゲージメントが高く推移しないケースの方が多い印象です。
- もともとユーザーが求めている情報ではない
- 「いかにも」な商品写真をそのままInstagramに投稿しても新鮮味がない
などが原因として考えられます。これからInstagramのフォロワーを増やす(ファンがついていない)状況でこういった投稿は避けたほうがベターです。
エンゲージメント率UPのコツは「コンテンツを作る」
ではどうすればエンゲージメント(ユーザーの「いいね」などの反応)をもっと醸成できるのか。これは「コンテンツを発信する」ことに集約されると思っています。
アパレル系のアカウントであれば「骨格ストレートさんにおすすめワンピース8選」とか「脚を細く見せる5つの裏技」といった投稿がわかりやすいかなと思いますが、単に写真を載せるだけではなくて何かしらのひと工夫があった方がInstagramのエンゲージメント向上に寄与します。
上記のような投稿を駆使して、後発でもフォロワーを増やし、エンゲージメントを獲得できる施策について紹介します。
Instagramは後発でもフォロワー数は伸ばせる?
ECサイト運営とSNS運営は切っても切り離せない時代です。2020年の調査では、SNSを使ったインフルエンサーマーケティングの国内市場は2025年に723億円と、20年の2.3倍に膨らむ見通しで、InstagramはYouTubeに次ぐ規模で展開されています。
インフルエンサーの市場規模は急速に拡大しています。調査会社のデジタルインファクトとサイバー・バズの試算によると、国内市場は2025年に723億円と、20年の2.3倍に膨らむ見通しです。#インフルエンサーhttps://t.co/JYUZLsG7Np pic.twitter.com/tNbZtrQ5s8
— 日経ビジュアルデータ (@nikkeivdata) June 1, 2022
「EC運用のためにインスタグラムを始めたいが、後発でも伸ばせるかどうか…」不安に感じている担当者の方も多いのではないでしょうか。
結論から申し上げると、伸ばせます。ご相談を受ける企業様から「競合がInstagramで強いから、厳しいのでは」というお話もお受けするのですが、やり方さえ間違わなければ、後発でやっても十分に伸ばせる余地はあります。
こう断言できる理由は、大きくわけて2つあります。
Instagramのアルゴリズムが比較的シンプル
私は女性向けファッションECサイトや文具メーカーさんのオウンドメディアでSEOに取り組んできました。その経験から言うと、Googleなどの検索エンジンと比較して、Instagramのアルゴリズムは理解しやすく、単純に「やるべきことをちゃんとやれば成果が出る」という実感を持っています。
Instagramで実績が出せている企業が多い
現在、自社でアカウントを複数運営し、他社様のアカウント運用のレクチャーやサポートをしていますが、ほぼ全アカウントが順調に伸びています。多くは直近半年、長くて1年弱ほどしか運用していないケースが多いのですが、どのアカウントもフォロワー数5,000〜6,000ぐらいで推移しています。
InstagramとGoogle検索、流入はどちらが多い?
フォロワー数だけで見ると「5,000や6,000はそこまで多くないのでは?」と思われる方もいるかも知れません。しかしInstagramでは、いい投稿ができれば5,000以上の「いいね」がつくこともあります。さらにアカウントのトップ画面に設置したURLの導線だけで、web サイトに月間8万〜10万PVほど送客できていることもあります。
2021年10月末から、Instagramのストーリーズから外部Webサイトに誘導できる「URLリンクスタンプ」という新機能が全アカウントに対して開放されました。
試験的にリンクを貼ってみたところ、だいたいクリック率は30〜35%でした。フォロワー数自体は少なくとも、実際の総客数は非常に良い状態で推移しています。こういった機能を使っていい投稿を続けていけば、後発でも十分成果が出せるのではないでしょうか。
私が運用に携わるアカウントの例では、まだ検索エンジンからの集客のほうが多いです。ざっくり全体観で言うと、7割前後は自然検索流入、残り2割くらいがInstagramなどSNSのアカウントから集客できているという状態です。 ※ECサイト運営でいうと、SNS経由の集客が2割強という数値はかなり多い方ではあると思います。
Instagramのアルゴリズムは?
前述した「SEOよりもInstagramのアルゴリズムの方が理解しやすい」理由について。「発見タブ」というメガネマークのアイコンに投稿が載るまでに、どのようなアルゴリズムになっているかを説明しましょう。
まず投稿するとフォロワーさんの中から約10%がランダムに選ばれて、投稿が表示されます。この時点で「いいね」やコメントで反応(エンゲージメント)が集まらない場合、その投稿に対する評価が上がらず、その後露出が減っていきます。最初につまづくと“お蔵入り”なんですね。
逆にフォロワーさんの10%に表示された時点でエンゲージメント率が高い場合、より多くのフォロワーさんに表示されていく仕組みです。
エンゲージメント率が引き続き高い場合は、ハッシュタグの人気投稿に載ったり、前述の発見タブに掲載が開始されます。さらに引き続きエンゲージメント率が高まると、より不特定多数の目に留まり、Twitterで言うところの「バズる」状態になります。つまり最初の10%に反応してもらえれば、注目が注目を呼び、拡散の規模が何倍にもなっていく仕組みです。
Instagramのフォロワー数を増やす3つの方法とは?
フォロワーさんとの興味関心度の一致が拡散の肝となるInstagram。では、どのように関心度の高いフォロワーさんを集めればいいのでしょうか?Instagramのフォロワー数を増やすには、大きく分けて3つの方法があります。
①機能をフル活用し、できる限り毎日投稿
Instagramが用意している機能自体をできるだけフル活用しましょう。用意された機能をどんどん使って、ユーザーを飽きさせないよう、基本的には毎日更新できるのが理想です。担当者さんがSNS以外の業務を兼務している場合が多く、忙しいのは重々承知していますが、リソースが許す限り「毎日投稿」を続けましょう。
ショートムービー投稿機能 |
|
ここまで工数をかけて機能をフル活用をおすすめする理由は、私自身が、フィード投稿だけを続けているより、リールもストーリーズも使って毎日投稿しているほうが、比較的伸びた実感があるからです。コンテンツを増やすことで露出が増えるのはあくまでもメリットの一つ。
これに加えて、Instagram側が「このアカウントはいろいろな機能をよく使って投稿を継続してくれてる」という評価をすると、露出面で優遇してくれる傾向にあるのでは?と実感しています(※個人の経験からの感想です)。
②コメントには全返信。積極的にコミュニケーションをとる
投稿に反応してくれた人と、積極的にコミュニケーションを取りましょう。コメントのほかにDM(ダイレクトメッセージ)が来ることもあります。自分の投稿についたコメントには基本、全部返信。これに加えて、自分(自社)が興味があるアカウント、投稿に対しても、積極的にコメントを付けていきましょう。
DMはフォロワーさんのコミット度を深めたり、仲良くなったアカウントの方とコミュニケーションの輪を広げるチャンスです。「待ち」の姿勢待ちの姿勢だと数字上でなかなか変化は出ないので、初動はとにかく自分から積極的にアクションを起こすのがおすすめです。
③工夫のない商品写真はNG!投稿のクオリティを上げる
普段の投稿のクオリティを上げる努力は不可欠です。トライ&エラーが基本。具体的にはエンゲージメントの高い投稿の全体的に占める比率を上げていって発見タブ、ハッシュタグ検索の上位に掲載されるようにしましょう。
たとえば10件ほどフィード投稿した後、一つ一つの投稿のデータを見ていって、エンゲージメントの高い投稿/低い投稿を分析します。それぞれに共通する理由を細かく洗って、反応が良かった投稿をパターン化、テンプレートを作るイメージです。最初は大変かもしれませんが、頑張って続けてやっていくと成果に繋がります。
ネタの事前リストアップ&「1枚めの写真を頑張る」で効率アップ
Instagramの一つ一つの投稿にこだわっていると相応の工数がかかってしまうのですが、ネタ切れにならないよう、テーマや切り口をまず社内でもんで、リストアップしておくのがおすすめです。
1枚目の写真だけはInstagramの特性に沿ったキャッチーな内容で作れば、あとの写真は商品写真でも全く問題ありません。効率的な投稿の継続に、ぜひトライしてみてください!
自社に合ったSNSの見分け方についてはこちら
nstagram、Twitter、LINE、YouTube、TikTokなど、複数のSNSがある中でどれに注力すべき?あなたの企業に合った選び方をCEO/SNSプランナーの津金澤健人さんが解説します。