2018年3月27日(火)~3月29日(木)の3日間、Faber Companyとして2度目となる「人工知能インターン」を開催しました。3日間の様子をレポートします。
倍率約12倍。応募者の5人に1人が東京大・大学院生
今回の応募総数は109名。事前課題をクリアし、約12倍の倍率を勝ち抜いた9名が参加してくださいました。中には故郷のベトナムから京都大学へ留学中の学生さんもいらっしゃいました。
前回同様、当社のSEOプラットフォーム「MIERUCA(ミエルカ)」を共同研究してくださっている吉田光男先生(豊橋技術科学大学情報・知能工学系助教)、技術顧問の髙木友博先生(明治大学理工学部情報学科教授)が、ワークショップやハッカソンの講評を担当してくださいました。
テーマは言葉同士の類似度を測る「自然言語処理」
当社の人工知能インターンで取り組むテーマは「自然言語処理」です。
自然言語処理とは、人間同士のコミュニケーションのために、自然発生的に構築された「自然言語」(英語や日本語、手話など)を、機械的に処理するための要素技術およびその応用を含む技術分野のこと。例えば仮名漢字変換やWeb検索、翻訳、自動応答、校正などのさまざまな分野での実用化が進んでおり、日常生活に欠かせないものとして浸透しています。
Faber Companyでは、この技術をSEOプラットフォーム「MIERUCA(ミエルカ)」の基幹機能に応用しています。
検索の際に表示されるサジェストキーワードを、「関連性」や「検索頻度」などに基づきマッピングする機能
単語と単語の「意味的な近さ」を視覚化する機能
特定のテーマにおける重要なトピックを抽出する機能
これらの機能により、ユーザーがコンテンツ(記事)を執筆する際、何をポイントにすれば良いかを分析できるようになります。また検索ユーザーの知りたいことの幅・興味の度合いまで短時間で分析できるので、消費者ニーズ調査を活かしたマーケティング、商品開発、広告制作に活用される企業様もいらっしゃいます。
「文と文の類似度」を計測する手法を開発
今回インターンの皆さんには、この「文と文の類似度」を、自然言語処理と機械学習によって測る技術の精度を競う課題に取り組んでいただきました。
1日の終了段階での発表は手法が似たり寄ったり。現在広く流行しているワードエンベディングとニューラルネットワークという技術を全員が踏襲していました。
しかし豊橋技術科学大・吉田先生や当社ミエルカ開発チームのエンジニア陣がフィードバックを行ったところ、2日目から変化が。古典的な手法を用いたユニークな解答も出てきて、キャッチアップの速さを感じさせたのです。
課題に取り組んだ3日の成果を最終日に発表
最終日にはそれぞれのインターンが成果を発表。ベースラインを超えた参加者の中には、プロエンジニア並みの視点を感じさせる発表もありました。
多くの参加者が、
「実際のサービスにおけるAIの応用が具体的にイメージできて、ますます興味が湧いた」
と語ってくださったのが印象的でした。
現在、長期インターンにも数名が興味を示してくださっています。
明治大・髙木先生もご指摘の通り、現在の日本では「人工知能とマーケティングの橋渡しできる人材」がビジネスの現場で広く求められています。
当社では人工知能学会、言語処理学会に協賛しておりますが、産学共同研究を続けてきた当社ならではの視点で後進を育成するために、今後も人工知能インターンに取り組んでまいります。
(終わり)
著者PROFILE
記者、ライターとして活動後、大手英会話教材のWeb担当を経て、株式会社Faber Companyへ。広報としてミエルカ導入企業様の事例取材など発信業務を担当する。趣味は都内の銭湯めぐり。