自社の商品開発やブランディング、広告宣伝などに課題がある一方、社内のメンバーのマーケティングへの知見が十分ではないという場面も少なくありません。その際、外部のコンサルタントに「最適なマーケティング手法を提案してほしい」「社内のメンバーと並走するようにして、施策のモニタリングやレポーティングをしてほしい」といったことを検討する企業担当者の方は多いのではないでしょうか。
一方で、外部のマーケティングコンサルタントに業務を依頼する場合、業務範囲などを明確化しておかないと「どのような成果を求め、外注しているのか」「費用に見合った成果は出ているのか」が曖昧になりやすいです。
そこで今回は、デジタルマーケティング歴約20年、1900社以上を支援してきたマーケティング会社が運営する、プロフェッショナル人材マッチングサービス「ミエルカコネクト」が、マーケティングコンサルタントに依頼できる業務範囲や依頼メリットについて解説します。
目次
外部のコンサルタントに依頼できる業務は「マーケティング課題全般」
マーケティングコンサルタントは、企業のマーケティング課題を洗い出し、最適なマーケティング方法を提案する専門職です。 マーケティングを進めていくうえで、各ステップごとに以下のような課題が生じることが多くあります。(※あくまで一例です。)
【1】市場・顧客のリサーチ | ・ターゲット像が曖昧 ・競合の動向が掴み切れない ・他社との差別化が曖昧 |
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【2】製品(サービス)作りと集客 | ・コンセプトをうまくサービスに落とし込めない ・マネタイズの仕掛けがうまく作れない ・集客チャネル選びがうまくできない ・顧客との継続的な接点づくりが分からない |
【3】効果検証 | ・適切なKPIの立て方が分からない ・認知から成約までの歩留まりが悪い ・施策の費用対効果が悪い |
各プロセスで生じがちな一連のマーケティング課題について「【1】市場・顧客のリサーチ」から「【3】効果検証」まで一気通貫でのコンサルティングを外注することも、いずれかのプロセスだけを外注することもできます。
企業が外部のマーケティングコンサルタントへ依頼をするメリットは?
企業が外部のマーケティングコンサルタントへ依頼をする最大のメリットには「外部の専門家から客観的な意見を得て、スピーディーに効果的なマーケティング施策を立案・実行できる」点が挙げられます。
コンサルタントにリサーチや分析を依頼せず、自社だけで施策を立案・実行する場合、社内にはマーケティング業務に不慣れなメンバーもいるはずです。
「マーケティング以外の業務も忙しく、時間が取れない」
「マーケティングの知識がない」
「リサーチしてみたつもりだけれど競合の動向が掴み切れなかった」
などの理由で施策が後ろ倒しになってしまう場合もあるでしょう。 外部のコンサルタントは既に課題解決に関する様々なノウハウを持っているため、課題解決までのスピードが上がることが期待できます。
また、マーケティングのプロが関わる形で立案された各種施策に対して、経営陣への提案を手伝ってくれたり、専門家の意見として理解も得やすかったりというメリットもあります。結果、施策の立案・実行の社内稟議において、稟議のスピードを上げられる可能性も高いでしょう。
マーケティングコンサルタントに業務を依頼する際の主な外注先
マーケティングコンサルタントに業務を依頼する場合、主な外注先には以下の3通りが挙げられます。なお、外注先によって業務範囲や予算の規模感はかなり変わってきます。
たとえば戦略コンサルティングファームに外注する場合、「中長期の戦略立案」を見据えて、マーケティング戦略だけでなく新規事業立案やDX化、M&Aや採用など総合的な提案が実施されることがあります。コンサルティング費用そのものに加え、DX化やM&A、採用など、提案に沿った施策の実行にもかなりの予算がかかることを事前に認識しておくことをおすすめします。
総じてどこからどこまでをマーケティングコンサルタントに依頼したいのかによって、最適な外注先が変わる点には注意しましょう。
戦略コンサルティングファーム
戦略コンサルティングファームには、企業の経営戦略策定を支援してもらうことができ、その支援内容の一つとしてマーケティング戦略も含まれています。
つまりマーケティング戦略のコンサルティングを依頼する先としては、かなり大規模な外注先と言えます。支援内容はマーケティングに留まらず、以下のような項目が挙げられます。
戦略領域 | 具体的な内容 |
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事業戦略 | – 新規事業の立ち上げ – 既存事業の改革 – 事業ポートフォリオの最適化 |
組織戦略 | – 組織体制の改革 – 人事制度の構築 – 社内人材の育成(リーダーシップ開発) |
マーケティング戦略 | – 顧客分析 – 市場調査 – 商品・サービス開発 – 価格戦略 – 販促戦略 |
DX化・IT戦略 | – ITシステムの導入・運用 – デジタル化戦略 – サイバーセキュリティ対策 |
M&A戦略 | – 企業買収・統合(M&A)の検討 – デューデリジェンス(資産査定) – PMI(統合マネジメント) |
マーケティング戦略に留まらず、組織戦略や事業ポートフォリオの最適化、M&A、またDX化が遅れているならばIT戦略なども一気通貫で支援を依頼したい場合、戦略コンサルティングファームへの依頼は適しています。
一方、支援を依頼したい範囲があくまで「マーケティング戦略のみ」の場合は、戦略コンサルティングファーム以外の外注先も候補に含めて検討すべきでしょう。
広告代理店(総合型)
総合型の広告代理店はテレビ、新聞、雑誌などのマスメディアから、インターネット広告、交通広告、イベント企画・運営など、あらゆる広告媒体を横断的に取り扱います。そして広告企画・制作の工程の中に、どのようなターゲットに向けどのような訴求の広告を流すべきかというマーケティングリサーチ業務が加わります。
広告代理店に依頼できる主な業務範囲は以下の通りです。
戦略領域 | 具体的な内容 |
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広告戦略の策定 | – ターゲット設定 – メディア選定 – 広告予算の配分 – 広告クリエイティブの企画 |
広告制作 | – テレビCM – 新聞広告 – 雑誌広告 – Web広告 – 交通広告 – イベント企画・運営 |
広告運用代行 | – メディア選定 – KW選定(リスティング広告の場合) – 入稿・配信 – 効果測定 |
マーケティングリサーチ | – 市場調査 – 顧客分析 – 競合分析 |
テレビCMや雑誌、交通広告からWeb広告まで多岐に渡る広告の掲載面の取り扱いがある反面、マーケティングリサーチはあくまで「広告に付随する範囲のリサーチ」になりやすいです。
広告出稿を必ずしも前提とすることなく、マーケティングリサーチをまずは実施したいという場合は外注先として適していないこともあります。
外部のプロフェッショナル人材に依頼をするという手もある
戦略コンサルティングファームや総合型の広告代理店に依頼するのではなく、外部のプロフェッショナル人材に外注するという手もあります。
総合型の広告代理店やコンサルティングファームと比較した際、外部人材には、『まずは市場・顧客のリサーチだけをお願いしたい』といった具合に、マーケティングの一部のフェーズだけを切り出して外注しやすいです。
その他のメリットとしては、コンサルティングファームや代理店との橋渡し的な役割を「プロフェッショナル人材」に委託することも可能です。そもそも社内にマーケティングの知見がない場合、コンサルティングファームや広告代理店に依頼しても「与件整理もできず、外部に適切な依頼ができているか分からない」といったことがあります。
よって、社内と広告代理店やコンサルティング会社との橋渡しをまずはプロフェッショナル人材が担いつつ、社内人材の育成を段階的に行い、徐々にインハウス化に移行していくという流れも将来的に考えられます。
マーケティングコンサルティングの費用は「業務のスコープでかなり変わる」
「どのような外注先に業務を依頼するか」だけでなく、コンサルティングの費用が気になる方も多いでしょう。。一般的には「人月単価」で計算され、たとえば『1人月500万円で50%稼働の場合、ひと月250万円』といった形で見積もりを行います。
しかし、残念ながらマーケティング戦略のコンサルティングにかかる費用は一概には目安をお伝えすることができません。その理由は、業務のスコープの広さと難易度で全く見積もりが変わるためです。
コンサルティング費用は以下のような要因で、見積もりが大きく上下しやすいです。よってコンサルティング費用は変動が激しいことを前提とした上で「その見積もりは自社にとって納得できる金額感か否か」をケースバイケースで検討する必要があるでしょう。
スコープの広さ
一般的にコンサルティングでは、クライアント企業の要求・要望を洗い出したうえで、優先度や緊急性、改善できた際のインパクトの大きさ等に沿って要件の絞り込みを行います。
たとえば要件が1から4まで存在した場合、「要件1と要件2は改善できたとしても売上へのインパクトが大きく無いため、今回は要件3と要件4に絞って改善を進めましょう」といった形です。
この工程は、コンサルタントの側にとっては「コンサルティング業務においてどこからどこまでを担当するのか」というスコープ確定の意味を持っています。スコープが広ければ広いほどコンサルティングの業務範囲は広く、費用も大きく跳ね上がります。
もしコンサルティング費用を抑えたいのであれば、コンサルタントに依頼をする前に「そのコンサルタントにどこからどこまでの業務を担当してほしいのか」を自社の側で絞り込んでおくことも大切です。
アプローチの難しさ
たとえば製品開発・サービス開発のマーケティング戦略を行う場合、市場や顧客に向けてのアプローチの難しさや自社のケイパビリティによっても、コンサルティングにかかる費用は変わってきます。
製品開発やサービス開発でのマーケティング戦略を検討する際には、まずは現状の分析から行います。具体的にはマクロ環境の調査・分析に加えて、競合調査・分析、そして自社のケイパビリティについても検討が必要です。 業務スコープが広く、なおかつ市場規模や競合の強さ、自社固有の強みの有無といった面で難易度が高い場合、アプローチの難易度も上がり、費用の見積もりも高くなります。
工数
コンサルタントは依頼元の企業に出社し、現場を見たり、実際に働いている他の社員と対面してやり取りしながら業務を進めることも珍しくはありません。
戦略立案をしても、その戦略を好意的に捉え、協力してくれる社員が内部に居なくては、現場とコンサルタントの間で溝が深まってしまうためです。また競合調査などに加え、自社のケイパビリティを分析するためには「出社して、内部から企業をウォッチする」のは有効な手段です。
従って、コンサルタントが週何日、何時間オフィスに出社するのかという点でも見積もりは上下しやすいです。
マーケティングコンサルティングの基本的な料金体系
マーケティングコンサルティングの料金体系は、大きく分けて以下の3種類があります。
プロジェクト報酬
プロジェクト報酬は、基本的には期間を区切った上で、数か月単位のプロジェクトを依頼する際に採用される報酬体系です。最も一般的なコンサルティングサービスの料金体系と言えるでしょう。
プロジェクト報酬は「関与時間」×「単価」で算出されます。後者の「単価」は、そのプロジェクトのスコープの広さやアプローチの難しさに加え、コンサルタントの役職によって上下します。発注側の企業が「単価」について価格交渉をすることは基本的にはできません。
一方で関与時間を増やしたり、減らすことでコンサルタントへの発注額をコントロールすることは可能です。
成果報酬
成果報酬は、コンサルティングによって達成された成果に応じて料金を決定する方式です。コンサルティングによって増加した売上もしくは粗利益に対して、一定のパーセンテージで報酬が決定するものです。
成果報酬の割合はプロジェクトによって異なる他、プロジェクト報酬と成果報酬を組み合わせてコンサルティングを行う場合もあります。
定額報酬(アドバイザリー契約)
毎月一定額の料金を支払うことで、コンサルタントから継続的にアドバイスを受けられる方式です。「顧問契約」に極めて近い報酬体系で、一般的には定期的な面談実施や個別相談がコンサルティング内容の主となります。
定額報酬のメリットは、毎月一定額の料金で継続的にコンサルティングを受けられるため、予算が立てやすいことです。「顧問」に近いため、そのコンサルタントから優秀な他の人材の紹介を受けられる場合もあるでしょう。
一方でプロジェクト報酬や成果報酬と異なり、関与時間が短いケースが多く、「成果に応じて料金が決まる」側面も薄く、費用対効果も明確ではない点がデメリットです。
最適なマーケティングコンサルタントを選ぶ3つのポイント
そのコンサルタントのスキルや実績、人柄は自社の採用目的にマッチしているか
まず、コンサルタントのスキルや実績、人柄が自社の採用目的にマッチしているかどうかを確認する必要があります。 必要な専門知識や経験を持っているかどうかや、過去に類似案件で実績を上げているかチェックしましょう。
また実績がある人物でも、社風や理念に合致する人物でなくては、社内のメンバーからそのコンサルタントが支持を集めることが難しい場合もあります。よって当たり前ですが「人柄」も大事にすると良いでしょう。
コンサルティング費用と報酬体系は妥当か
「コンサルティング費用と報酬体系が妥当か」を、事前に見積もりを取り、費用明細を細かくチェックして検討しましょう。
もっとも一社から見積もりを取るだけでは、その見積もりが妥当か否か、判断すること自体が難しいでしょう。できる限り相見積もりをとり、もっとも妥当な見積もりがどれか冷静に判断しましょう。
なお「安すぎる見積もり」にも注意しましょう。安すぎる見積もりに沿って実施されるコンサルティングでは、実作業ごとに追加料金が発生し、結果として高額になるケースがあるためです。
コンサルタントと社内のメンバーのやり取りはスムーズにできそうか
コンサルタントの稼働時間や稼働日数、MTG頻度や必要に応じた出社の可否なども確認しましょう。稼働日数が多く、MTG頻度が高く、対面で話せるほうが社内のメンバーとのやり取りもスムーズです。
コンサルタントの人柄とスキル感によっては「月に1回の打ち合わせ」と「チャットツールでのやり取りのみ」でも、現場と信頼関係を築けることもあります。
相見積もりをとる中で、どんなコンサルタントを選ぶべきか迷ったらシンプルに現場のスタッフに「AさんとBさん、2名のコンサルタント候補がいるけれど、どちらがうちの会社に合っていると思う?」と聞いてみることをおすすめします。
外部のマーケティングコンサルタントを起用したマーケティング業務の成功事例
弊社「ミエルカコネクト」では多くの企業様に対し、外部のマーケティングコンサルタントを起用した業務改善をご提案の上、toB向けの集客やリード獲得・育成、toC向けのプロモーション戦略など様々なご支援を実施しております。
ミエルカコネクトがご支援したマーケティング業務の成功事例を、いくつかご紹介いたします。
【BtoC】 新規事業のプロモーション戦略
テーマパークの企画・運営を手掛けるイオンモールキッズドリーム合同会社が2024年4月に新規事業として開業した、VRアトラクション「DIVR IMMERSIVE ARENA(ダイバーイマーシブアリーナ)」。同社にはマーケティング部署が存在せず、社員も半数以上が店舗スタッフとして採用されたメンバーでした。
そこで弊社サービス「ミエルカコネクト」では、USJのマーケティングチームへの在籍経験があるマーケターをご紹介し、「ターゲットの明確化」「コンセプト設計」「プロモーション戦略設計」の3点において支援を実施しました。その結果、開業時にキー局のテレビ番組に計8回取り上げられるなど高い認知の獲得に成功しています。
VRアトラクション「DIVR IMMERSIVE ARENA(ダイバーイマーシブアリーナ)」の開業に際した、マーケティング支援の事例の詳細はこちらで紹介しております。
【BtoB】マーケティングのトータル支援
BtoBマーケティングの戦略コンサルティングから施策実行までをトータルで支援した事例としては、ミエルカコネクトが提供する「BtoBマーケティングBPO」サービスを活用した支援実績があります。
BtoBマーケティングBPOとは?
BtoBマーケティングにおけるリード獲得からナーチャリング、ツール導入や体制構築について、コンサルティングと代行の二軸で支援。施策の一部分はもちろん、ビジネスゴールを達成するために必要なすべてのマーケティング活動をまるごとお任せも可能です。
システムの受託開発を行うVNEXT JAPANでは、展示会とトップ営業による商談の獲得の注力度が高かったものの「Webからの問い合わせは受注につながりやすい」ことから、Webマーケティングへの取り組みを強化することに。
しかし、社内ではマーケティングの専門的な知見はなく、リソースも不足しておりました。
そこでミエルカコネクトでは、事業成長に必要な商談数を獲得するためのマーケティング施策として、「SEOコンテンツ作成」「ホワイトペーパー作成」「Web広告運用」の3点の施策を提案。それらを並行して推進できる体制構築を実施しました。
中でもWeb広告では、以前の広告配信と比較してコンバージョン数が3倍に伸び、なおかつ一件当たりのCPA(Cost Per Action)は3分の1に下がるという成果が出ています。
より詳細なマーケティング支援の内容や実績については、こちらの記事をお読みください。
マーケティングのコンサルタントを探すなら「ミエルカコネクト」
今回はマーケティングコンサルタントに依頼できる業務範囲や主な外注先、依頼メリットなどについて、プロフェッショナル人材のマッチングサービスを手掛ける「ミエルカコネクト」が実際の支援事例も交えながら解説しました。
- 社内にマーケティングの知見が無く、代理店と社内の橋渡し役が欲しい
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