【講演レポート】「BtoBだからコンテンツマーケは無理」ってあきらめてない?コンテンツマーケティングのノウハウを伝授!| MarkeZineDay2019 Focusレポート
更新日:2021.8.6 公開日:2019.07.192019年7月9日(火)大崎ブライトコアホールにて開催されたMarkeZineDay2019 Focusに当社カスタマーサクセスチーム エバンジェリストの中山順司が登壇。コンテンツマーケティングが難しいと言われるBtoB領域でもうまくいくノウハウをお伝えしました。当日の講演内容を、IMC部1年目の竹田夢子がレポートします!
BtoBはコンテンツマーケティングが必要&相性がいい!
まず、なぜBtoBでコンテンツマーケティングが必要なのでしょうか?
その答えは、お客様の情報収集力が圧倒的に高まり、従来の「営業を呼んでから学ぶ」時代から「学んでから営業を呼ぶ」時代になったから。お客様の情報収集段階で検討候補としてリストアップしてもらえないと、提案の機会すらなくなってしまうのです。
そうは言っても「BtoBはコンテンツマーケティングが難しい」とか「BtoCがうらやましい」という話を聞いたり、中山自身そう思ったこともあったそうです。しかし、よくよく考えてみると、BtoBとコンテンツマーケティングは相性がいいのです!その理由として中山は以下の4つを挙げました。つまり「顧客が知りたい情報を正しいタイミングで正しい人に説得力のあるデータで示せればBtoCよりも戦いやすい」と中山は断言します。
そして、ここからが本題です。
BtoBにおいてコンテンツマーケティングが必要なのも、相性がいいのも分かった!でも多くのマーケターが及び腰になる理由について、中山は以下の4つに分類されると言います。
②編集部の運営方法が分からない
③始めやすいが続けるのが難しい、いつ終わりにしたらよいか分からない
④効果測定の方法が悩ましい
中山が考えるそれぞれの解決策を解説していきます。
コンテンツマーケティングのよくある課題に効く4つのクスリ
①ライターや編集者が社内にいない
外注でライターさんに依頼できる場合は良いのですが、コストをかけられない場合は社内で書く必要がありますよね。ただ、社内で書き手を探すとまず問題になるのが「誰に記事を書いてもらうのか」。社内で書き手を探して記事を書いてもらうには「発見する→依頼する→続けてもらう」のサイクルにうまくのせる必要があります。
“発見する”の段階で中山がおすすめするのは、他薦。現業もあるのが当たり前なので、自薦で立候補する人はなかなかいません。なので、それぞれの部署やその上長に「あの人って何に詳しいんですか?」「〇〇に詳しい人いませんか?」と調査することで、意外な人が発見できるというのです。
“依頼する”では、ハードルを下げることと上司の理解を得られるよう交渉してあげることがポイント。「文章が苦手」「時間がない」といった書けない理由を取り除いてあげることが必要です。
そして最後の“続けてもらう”。ここで大切なのはフィードバックと承認&表彰。「次も書こう」と思ってもらえるように、フィードバックや表彰、レポートを出して感謝を社内の人に見える形にします。
②編集部の運営方法が分からない
中山がクラウド会計ソフト会社で月間400万PVもアクセスがあるようなオウンドメディア編集長をしていた頃、「編集部って何人でやっているんですか?」という質問をよく受けていたそうです。
「1人です、分業はしてましたけど」
なんとあのメディアの編集部は中山の1人だったというのが驚きです。編集部の仕事は大きく分けると、企画&構成・執筆・編集・CMS投稿・公開&拡散&分析の5つに分けられます。中山が薦める分業は、企画&構成・編集・公開&拡散&分析を編集部で行い、その他の執筆・CMS投稿は外部にお願いする方法。
「思考」の部分は編集部で行うことでノウハウを貯めることができ、「作業」の部分を編集部以外の方にお願いすることで、他業務と兼任しながらの編集部運営が可能になります。
③始めやすいが続けるのが難しい、いつ終わりにしたらよいか分からない
メディア運営は「月何本書いたらいいんだろう?」「ネタが枯渇したらどうしよう・・・」などの不安から、運営を続けることがストレスになってしまいがち。そこで、中山がおすすめするのがインデックス型コンテンツ。
インデックス型コンテンツとは、対象のモノやコトについての解説型コンテンツのこと。対象におけるテーマを網羅していることが重要で、読んで面白いかどうかは別問題。インデックス型コンテンツがオススメなのは、最初にカテゴリや記事数の大枠を固められること。施策を始める前にゴールを決めておくことで、目標や予算、スケジュールの目安もつけやすいため、会社からの理解が得られやすくなるそうです。
このときテーマとなるキーワードは、業界や社内でこれだけは外せないという重要キーワードで、かつ範囲が広いキーワード(テーマ)を選ぶのがコツです。
中山は前述の編集長の時代には、『確定申告』というキーワードでこのインデックス型コンテンツを短期間で制作し、施策当時は『確定申告』のキーワードで検索順位で1位を獲得したそうです。
④効果測定の方法が悩ましい
コンテンツマーケティングで費用対効果や成果を問われる問題はどこでもあります。ここでは、誰が見ても分かりやすい効果測定が重要になります。中山の効果測定方法は「単純化」と「置き換え」。
”単純化”とは、PV、直帰率など複数の指標を立てるのではなく、たった1つの指標に絞り込むこと。中山は、検索順位を独自に点数化した「ファインダビリティスコア」を採用していたそうです。あまり詳しくない人でも効果が分かりやすく、点数が大幅に伸びたり、競合をスコアで抜き去ったりするのを共有すると社内で盛り上りやすいそうです。
”置き換え”とは、コンテンツ群を他の価値あるものに置き換えるということ。例えば「PV数を広告価値換算する」と中山。タイアップ記事をだしたときのPV数と広告費を目安とすることで、予算獲得の説明がしやすくなります。
この効果測定は手動でやると時間がかかります。ここは、できるだけツールなどを活用して自動化。レポート作成時間はなるべく0にすべし、とのこと。ちなみにミエルカでもファインダビリティスコアの自動算出が可能です!(笑)
→ミエルカの機能詳細資料はこちらから
ネタの枯渇?「お客さまのお客さま」にも視野を広げる&検索キーワード活用
ここまでで、コンテンツマーケに取り組む、取り組もうという皆さんの悩みは解決!と思いますが、それでもまだイメージが湧かないという方もいるかもしれません。ここで、中山は「自分が豊洲市場のマグロの専門仲卸だったら?」という設定で、コンテンツを考えていくプロセスを解説。さらにBtoBコンテンツのイメージを具体的に掘り下げていきました。
中山がポイントとして挙げたのが「自社のお客さまだけでなく、お客さまのお客さままで目を向ける」こと。マグロの専門仲卸であれば、自社のお客さまである”飲食店の仕入れ担当者”だけに目がいきがちですが、その先のお客さま(=飲食店で食事をする一般消費者)にも目を向けることでコンテンツのネタも作りやすくなるのです。
実際に「マグロ 豊洲 仕入れ」で調べた時、検索1位と2位のサイトには「価格&品質」「購入場所」「購入量」「商品のバラエティ」「目利き」「技術力」「信頼性」といったことが書かれています。確かに、自社のお客様である仕入れ担当者には欠かせない情報ですし、LPならこれで十分なのですが、コンテンツを書くには限界がありそう。
ここで”お客さまのお客さま”まで考えを広げます。
例えば、仕入れ担当者や飲食店店主は、自分の店に来てくれるお客さまに満足してもらうためにどんなことを考えているだろうか、と発想します。食事をする人まで考えると「新しい魚を仕入れて、新メニューを開発したい」かもしれないですし、「定番の魚でもちょっとした工夫と組み合わせで新しいメニューにしたい」かもしれないですよね。こんな風に考えていけば、いくらでもコンテンツが書けそうな気がしてきます!
さらに、検索キーワードから発想する方法もあります。ここでは実際に、当社のMIERUCA(ミエルカ)のアウトプットを用いたコンテンツ案を披露。検索上で評価されているコンテンツなどを分析したアウトプットから、「歩留まり率」や「原価計算」「計算方法」というテーマに興味がありそうというのが見えてきました。
お客さまのお客さままで視野を広げたり、検索キーワードを活用することで、継続的なコンテンツマーケティング運営の具体的なイメージが湧いたのではないでしょうか?ここで中山の講演は終了。会場全体から大きな拍手をいただきました。講演後は、会場外で中山が参加者さんからの質問も受け付けました。名刺交換の列もできたりで、講演内容が評価されたようで私も嬉しかったです!
ハードルが高いと思われがちな、BtoBコンテンツマーケティングについて、明日から使えるノウハウが満載の講演でした。このレポートも皆さまの参考になっていれば、さらに嬉しいです!!ご来場いただいた皆さん、改めてありがとうございました!
おわり
著者PROFILE
大学卒業後、2019年に新卒第5期として入社。ウェビナー・展示会運営やメルマガ、ミエルカ事例取材・執筆などオンライン/オフラインを問わず幅広い施策を担当。学生時代、毎週30人以上の小学生の作文を添削していた経験から、読みやすい文章とは?について日々模索中。趣味はスポーツ観戦、読書、コロナ自粛をきっかけに韓国ドラマにハマり中。
>Twitterのアカウントは@ta_yumeko