9月15日~17日の3日間に渡り開催された、ミエルカユーザー会『ミエルカweek』。ミエルカweekでは「オーディエンスビルディング」をテーマに、ミエルカユーザーの方々と豪華ゲストの皆様に講演いただきました。今回は3日目の様子をお届けします。
※「オーディエンスビルディング」をさらに詳しく知りたい方は「Content Marketing Institute」のファウンダーであるJoe Pulizzi氏の解説動画もあわせてご覧ください。 ▶1日目のレポートはこちら
▶2日目のレポートはこちら
【目次】
・インハウスでMAU2倍、オウンドメディア「アキチャン」のakippa運営体制3つの秘訣
・1年で1300万PVPVを達成したSNS×SEOのマルチチャネル成功事例
・足立流コンテンツの作り方とマーケターとしての心得
インハウスでMAU2倍、オウンドメディア「アキチャン」のakippa運営体制3つの秘訣
最終日のトップバッターはakippa株式会社の猪原綾氏。 駐車場予約サービスを提供されているakippa社は「アキチャン」というオウンドメディアを運営し、これまでサービスと接点がなかった層へ、最終的にリーチするきっかけをつくることを目的に駐車場まとめ系記事、アクセス系記事、お役立ち系、おでかけ系、などのコンテンツを配信しています。
アキチャンは「梅田 駐車場」で1位、「ディズニーランド駐車場」で公式の次の2位をキープし、昨年は前年の2倍以上のMAU(Monthly Active Usersの略。月当たりのアクティブユーザー数)を獲得。MAU倍増の理由をお話しいただきました。
「アキチャン」運営体制の3つの秘訣
実施されたことは、主に以下の3つ。
1.インハウス体制の整備
2.半年に1度の戦略練り直し
3.インテントの追求=クオリティの追求
1.インハウス体制の整備
こちらについての詳しい内容は、Web担当者フォーラムの記事がありますので、詳しく知りたい方はこちらをチェック!
現在はインハウスライターの体制から、ミエルカコネクトを活用した外部ライター体制に変更しているとのことでした。
2. 半年に1度の戦略練り直し
施策の優先順位付けや方向性の決定のため、また施策を進める中で本来の目的を見失わないために半年に1度振り返りと戦略練り直しを行っているそうです。
この振り返りによって、既存記事の大改善、品質向上に工数をかけることにシフトチェンジし、そこからMAUを再度伸ばすことに成功とのことでした。
3.インテントの追求=クオリティの追求
2つの工程でインテントの追求を実施されている猪原氏。
①徹底したペルソナ作り
エリアのニーズ毎の細かなペルソナ設計はまず必要なことです。性別や家族構成、住んでいる場所や仕事などを徹底的に考え検索シーンを想定することでユーザーニーズにぴったり合うコンテンツとなるよう工夫されているそうです。
②とことんインテント調査
ペルソナ作りの次は検索意図の深堀り。ミエルカのサジェストネットワークやサジェストインテンションを使い、ユーザーの検索意図を洗い出し、上位サイトに書かれていないことや独自性が出せそうな内容をピックアップしているとのことです。 競合サイトも分析し、構成順を決め構成案に落とし込み肉付けされているそうです。
誰に何を届けたら喜んでもらえるかを考えてコンテンツを制作されているという猪原氏。今後のアキチャンの成長も目が離せません。
1年で1300万PVを達成したSNS×SEOのマルチチャネル成功事例
ミエルカユーザーさま最後のご登壇はハウスクリーニングのオウンドメディア「ユアマイスター」編集長のユアマイスター株式会社加瀬健吾氏。当社前田との対談セッションで「1年で1300万PVを達成したSNS×SEOのマルチチャネル成功事例」をお話しいただきました。 イベントでの講演レポートはこちらWeb担当者Forum/MarkeZine
ユアマイスター成功の3つの要因
加瀬流3つの成功Tipsは
1.圧倒的高品質のSNS投稿でファン爆増
2.お宝ノウハウ集のSEOコンテンツで流入増
3.紳士的なユーザーエスコートでCV増
それぞれ詳しく解説いただきました。
1.圧倒的高品質のSNS投稿でファン爆増
Tik Tokのフォロワー11万人、Instagramのフォロワー22万人を誇るユアマイスターさま。SNS3つのポイントを教えていただきました。
②Tik Tokは楽曲×企画のトレンドが大切!Tik Tok世代に制作をお任せ。
③Instagram・Tik Tokのハッシュタグを徹底分析。 Instagramは30個、Tik Tokは4~6個。
2.お宝ノウハウ集のSEOコンテンツで流入増
続いて、1年で検索流入3倍、オウンドメディア月間1300万PVを達成されているSEOコンテンツのお話を伺いました。ここでの成功ポイントは2つ。
①ニーズを細部までカバー
ミエルカ導入以前は手作業でされていたという、サジェストキーワードの検索意図分類。現在は、ミエルカのサジェストインテンションを用いて、“1ニーズ1記事”を合言葉にコンテンツを制作されているそうです。
②圧倒的な当事者目線
記事冒頭で読者に近い人が書いたことをアピールし、自分ごと化してもらうことを大事にしているとのことです。
そして、コンテンツの最後まで図や写真を使って離脱ポイントがないようにしているそうです。様々なチャネルで露出を増やしたことで、指名検索が爆増したとのことでした。
3.紳士的なユーザーエスコートでCV増
最後に昨年比CV6倍の秘策を教えていただきました。ここにも2つのポイントが。
①ニーズ別・CVエスコート
ユーザーのニーズに合わせて、直接ECにエスコートする場合と関連記事にエスコートする場合というように分け、ニーズに合わせてCV導線を変えていらっしゃるそうです。
②徹底したバナーABテスト
ユーザーがサービス内容を想起しやすいバナーやスマホで見やすいバナーを選ぶために徹底的なABテストを実施されているとのこと。実際にご自身のスマホで確認し、最終決定されていらっしゃるそうです。
加瀬氏のコンテンツの最大のポイントは“入魂”。製作者の熱い想いが読者の心を動かしているのだと思います。今後もユアマイスターさまの“入魂”コンテンツ、楽しみにしております。
足立流コンテンツの作り方とマーケターとしての心得
ミエルカweek最後の登壇は株式会社ナイアンティックのシニア・ディレクター(当時。現在は株式会社ファミリーマートのチーフ・マーケティング・オフィサー)の足立光氏。数々の企業でマーケターとしてご活躍されている足立氏に、「足立流コンテンツの作り方とマーケターとしての心得」をお話しいただきました。 まず、足立氏が考えるマーケティングとは「人(消費者)の心(結果として行動)を動かすこと」「成功を継続できる仕組み(ブランドもそのひとつ)を作ること」。マーケティングの手法は増えたものの、本質は変わっていないといいます。
では、マーケターとはどのような人と考えていらっしゃるのでしょうか? マーケターとは、扇動者であり、プロデューサーであり、経営者である、というのが足立式の定義だそうです。
成果を出し続けるマーケター7つの定義
そんなマーケターが成果を出し続けるための足立流7つの定義をお話しいただきました。
①Be Different
②Never Give-up
③Be Hungry
④Life is Too Short
⑤People are wonderful
⑥You are NOT alone
⑦Always Enjoy Life
①Be Different
足立さまがこれまで在籍されてきた会社は、当時業績が芳しくなく周囲が行きたがらないような会社だったそうです。そんな中、それらの会社を選んだ理由は「V字回復の経営」の著書で有名な経営者、三枝匡氏の「経験=修羅場の数」という言葉に強く共感したからだそうです。
人がやらないこと、大変そうなことに常に挑戦し続けて、社内外を問わず常に目立つことで、「(目立つからには)結果を出さなくてはいけない」というプレッシャーを常に自分自身にかけているそう。
また、マーケターとして「人と違う視点をもつこと」も重要だと言います。常識を疑うことで、前職のマクドナルドでは「売れないレギュラー品」と言われていたレギュラー商品の総選挙を実施するなど様々な仕掛けを実施されたそうです。
②Never Give-up
サラリーマンは結果が全てであり、自分の価値を残せるのは数字だけだと足立氏は考えているそう。「結果のない優れたリーダーはいない」という言葉に表されるように、リーダーシップとはスタイルではなく、できるだけ短い時間で大きな成果を出すための効果や効率、柔軟性だということでした。
自分の名前=ブランドという意識を持ち、どんな状況になっても約束は守る、諦めない、果たせない約束はしないことが重要だそうです。上司や周囲がどうあったとしても、「これは絶対に効く!」と信じることをやり通すというのが、2つ目のNever Give-upのポイントです。
③Be Hungry
ここには2つのポイントがあるそうです。
1つは常に成長し続けること。新しいことにチャレンジし成果を出し続けることで、仕事の幅が広がったり昇進したりして新たな挑戦ができるようになると足立氏は仰っていました。
2つ目は流行りものに敏感であること。マーケティングとは「人の心を動かすこと」なので、流行りもの=人の心が動いているものを積極的に、自ら体験することでその構造や仕組みを理解していくことで、仕事に活かせるヒントが隠れているとのことです。
④Life is Too Short
短い人生でなりたかった自分になるために、全て自分の時間の使い方次第という足立氏。アウトプットのためには、それを上回るインプットが必要です。そのための方法として①週1~2冊本を読む②同じ時間帯に異なる複数のメディアを見るということを実践されているそうです。 自分の目的・目標達成のために何をするか、何をしないのか。時間と資源配分を選択することが重要とのことでした。
⑤People are wonderful
人と会うことは最高のインプットであり、インスピレーション・知恵の宝庫だそう。食事を最大限に活用し、自分で催し物などを主催し、様々な業種・世代の人と交流しているそうです。
⑥You are NOT alone
論理だけでなく、感情面で繋がることも大切だという足立氏。仕事外でも「GIVE・GIVE・GIVE」の精神で関係を作っているそうです。「頑張る人を助けたい!」と思う気持ちは世界共通。情熱ややる気を撒き散らすことも忘れずに。
⑦Always Enjoy Life
1日に大半の時間は仕事ということは、仕事が楽しくなければ人生は楽しくない!いつも笑顔で仕事を楽しみ、「ワーク・ライフ・バランス」ではなく「ワーク・ライフ・ブレンディング」で人生を楽しむことが大切と講演を締めくくられました。 3日間を通して、ご登壇いただいたミエルカユーザーの花田氏、庄子氏、碓氷氏、永野氏、大沢氏、高殿氏、猪原氏、加瀬氏、ゲストの枌谷氏、艸谷氏、足立氏、ご視聴いただいた多くのミエルカユーザーの皆様、誠にありがとうございました!
おわり
著者PROFILE
大学卒業後、2019年に新卒第5期として入社。ウェビナー・展示会運営やメルマガ、ミエルカ事例取材・執筆などオンライン/オフラインを問わず幅広い施策を担当。学生時代、毎週30人以上の小学生の作文を添削していた経験から、読みやすい文章とは?について日々模索中。趣味はスポーツ観戦、読書、コロナ自粛をきっかけに韓国ドラマにハマり中。
>Twitterのアカウントは@ta_yumeko