自社の商品やサービスを効果的にPRするためには、広告をうまく活用する必要があります。近年では、スマホ利用者やSNS利用者の増加に伴いSNS広告の重要性も高まっています。SNS広告はユーザーの属性や興味関心に合わせて情報を届けられるという特徴があるため、顕在層だけでなく潜在層にもリーチできます。そのため認知獲得からCVまで幅広い活用法があります。
本記事では、SNS広告について種類や特徴、成功事例を詳しく解説します。
※ユーザー数などいずれも2022年1月18日執筆時点の情報です。
Webディレクター、SEOコンサルタントを経て、2013年に事業会社に入社。主にBtoB領域のデジタルマーケティングに携わる。特に、リード獲得を目的とした自主調査においては7年間で累計400件以上を企画、獲得したリード数(企業の名刺情報)は述べ6万件を超える。2020年に独立。
シニアコンテンツディレクターとして、株式会社Faber Companyでも鋭意活動中。▶︎Twitter
目次
SNS広告とは? 主要な媒体の特徴や仕組み
SNS広告とは、特定のSNSのプラットフォーム上に広告を出すインターネット広告の一種です。また、SNS広告は多くの場合、運用型広告に分類されます。運用型広告とは、広告の掲載枠が固定されておらず、広告内容との関連性や予算によって最適な広告を出す種類のもので、インターネット広告の運用型で代表的なものに「リスティング広告」があります。
リスティング広告は、Yahoo!やGoogleなどの検索結果の上位に表示される広告ですが、SNS広告はSNS上に広告が出るという点で違いがあります。SNSの種類は複数あり、それぞれ特徴が異なるため、まずは違いを把握しておきましょう。自社にあったSNSの見極め方については、弊社のYouTube「ミエルカチャンネル」でも解説していますので、ぜひご覧になってください。
・SNSのプロが解説! 自社にあったSNSの見極め方
①Facebook(フェイスブック)
最新のユーザー数 | 2,600万人 |
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ユーザーの年代層 | 10〜50代 |
SNSとしての特徴 | ・実名登録者数が多い ・メインは40代以上のユーザー |
広告フォーマット | ・写真 ・動画 |
課金形態 | 入札形式 |
ターゲティング可能な属性 | 年齢、性別、居住地、趣味・関心、使用デバイス、過去のアクションなど |
出典・引用:Facebook広告: Facebookのオンライン広告 | Facebook for Business
出典・引用:フェイスブック ジャパン長谷川代表が語る「退任の真意」–独占ロングインタビュー – CNET Japan
②Instagram(インスタグラム)
最新のユーザー数 | 3,300万人 |
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ユーザーの年代層 | 10〜40代 |
SNSとしての特徴 | ・写真がメインのSNS ・おしゃれさやデザインの意識の高いユーザーが多い |
広告フォーマット | ・写真 ・動画 |
課金形態 | 入札形式 |
ターゲティング可能な属性 | 位置情報、利用者層データ(年齢、性別、学歴、役職など)、興味・関心、行動、つながりなど |
出典・引用:Instagram広告 | Instagram for Business
出典・引用:Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破
③Twitter(ツイッター)
最新のユーザー数 | 4,500万人 |
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ユーザーの年代層 | 10〜30代 |
SNSとしての特徴 | ・拡散力が高い ・リアルタイムに情報が更新される |
広告フォーマット | ・動画 ・画像 |
課金形態 | 成果報酬 |
ターゲティング可能な属性 | 地域、年齢、言語、性別、端末、プラットフォームなど |
出典・引用:最新の動向の中心にいるオーディエンスとつながる
出典・引用:公式Twitter
④LINE(ライン)
最新のユーザー数 | 8,000万人 |
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ユーザーの年代層 | 10〜60代 |
SNSとしての特徴 | ・コミュニケーションツールとして利用される ・利用ユーザーが多い |
広告フォーマット | ・画像 |
課金形態 | 入札形式 |
ターゲティング可能な属性 | 性別・年齢などの属性 |
出典・引用:【公式】LINE広告|LINE for Business
出典・引用:LINE|Business Guide(Summary)
⑤TikTok(ティックトック)
最新のユーザー数 | 950万人 |
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ユーザーの年代層 | 10〜20代 |
SNSとしての特徴 | ・音楽と動画を組み合わせたコンテンツがメイン ・若年層ユーザーが多い |
広告フォーマット | ・動画 |
課金形態 | 入札形式 ※一部 |
ターゲティング可能な属性 | 年齢、性別、エリアなど |
出典・引用:【公式】TikTok For Business: TikTok広告
出典・引用:TikTokが広告配信プラットフォームをリニューアル!日本法人副社長に聞く、広告主企業の活用価値 (1/3):MarkeZine(マーケジン)
⑥YouTube(ユーチューブ)
最新のユーザー数 | 6,500万人 |
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ユーザーの年代層 | 10〜60代 |
SNSとしての特徴 | ・世界最大の動画共有サイト ・利用ユーザーが多い |
広告フォーマット | ・画像 ・動画 |
課金形態 | 入札形式 |
ターゲティング可能な属性 | 年齢、性別、地域、興味や関心、ライフイベントなど |
出典・引用:オンライン動画広告キャンペーン – YouTube広告
出典・引用:月間 6,500 万ユーザーを超えたYouTube、2020年の国内利用実態──テレビでの利用も2倍に
⑦LinkedIn(リンクドイン)
最新のユーザー数 | 200万人 |
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ユーザーの年代層 | 20代〜50代 |
SNSとしての特徴 | ・ビジネス特化型SNS ・海外がメインだが日本も広がりを見せつつある |
広告フォーマット | ・画像 ・動画 ・メッセージ |
課金形態 | 入札形式 |
ターゲティング可能な属性 | 場所、会社、職務経験、学歴、統計データ、関心と特徴などのオーディエンス属性 |
出典・引用:About Us
出典・引用:LinkedInの広告枠について | Marketing Solutions Help
SNS広告の比較一覧表
上記で紹介しましたSNS広告について一覧表にまとめました。ぜひ、比較の役に立ててみてください。
ユーザー数 | 年代 | 広告フォーマット | 課金形態態 | ターゲティング | |
2,600万人 | 10〜50代 | ・写真 ・動画 |
入札形式 | 年齢、性別、居住 地、趣味・関心、 使用デバイス、 過去のアクションなど |
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3,300万人 | 10〜40代 | ・写真 ・動画 |
入札形式 | 位置情報、利用者 層データ(年齢、 性別、学歴、役職 など)、興味・関 心、行動、つなが りなど |
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4,500万人 | 10〜30代 | ・動画 ・画像 |
成果報酬 | 地域、年齢、言 語、性別、端末、 プラットフォーム など |
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LINE | 8,000万人 | 10〜60代 | ・画像 | 入札形式 | 性別・年齢などの 属性 |
TikTok | 950万人 | 10〜20代 | ・動画 | 入札形式 | 年齢、性別、エリ アなど |
YouTube | 6,500万人 | 10〜60代 | ・画像 ・動画 |
入札形式 | 年齢、性別、地 域、興味や関心、 ライフイベントな ど |
200万人 | 20代〜50代 | ・画像 ・動画 ・メッセージ |
入札形式 | 場所、会社、職務 経験、学歴、統計 データ、関心と特 徴などのオーディ エンス属性 |
SNS広告を出稿するメリット
SNS広告はリスティング広告などとは違ういくつかのメリットがあります。まずは、どのようなメリットがあるのか押さえておきましょう。
①潜在層にもリーチできる
SNS広告では、ユーザーの関心に合わせて配信(タイムラインなどに表示)することが可能です。そのため商品やサービスを認知していない潜在層にも情報を届けられます。
自社や商品のことを知らないユーザーでも、関連するテーマに興味があれば広告が表示される可能性があるため、認知獲得や新規顧客獲得にも繋がりやすいです。
②きめ細かなターゲティングが可能
SNS広告は、そのSNSを使っているユーザーに対して広告を表示します。アカウント登録時の情報を基に年齢や性別、地域などでターゲティングが可能です。またその他にも閲覧しているコンテンツから推測される興味関心でのターゲティングもできます。
こうしたきめ細かなターゲティングを活用し、配信する広告内容やキャンペーンを工夫すれば、反応率やエンゲージメントも高めやすいでしょう。
③ブランディングに活用できる
SNS広告はテキスト以外に画像や動画を使ったものなど、広告フォーマットの種類が多いです。商品やサービスの内容をより詳しくユーザーに届けられるため、認知度アップやブランドイメージ向上に役立ちます。
SNS広告を運用する際のポイント
SNS広告の費用対効果を最適化するためにもいくつか運用のコツを押さえておきましょう。ここからは、SNS広告を運用する際のポイントを紹介します。
①商品やサービスのターゲットを明確にする
マーケティングに共通することですが、まずは、商品・サービスのターゲットを明確にしましょう。ターゲットによって適したSNSの種類や広告クリエイティブの内容が違ってきます。
例えば、若い女性がターゲットであり、商品のデザインにこだわっているのであれば、Instagramなどの写真や動画で魅力を伝えられるSNSを使うと良いでしょう。
②SNS広告を運用する目的を明確にする
SNS広告を運用する際は、ターゲットだけでなく目的を明確にすることが大切です。例えば、新商品の認知獲得か、セールの商品をオンラインサイトで購入してもらいたいのか、といった目的によって広告の手法や選ぶべきSNSは変わります。
③目的に合わせたクリエイティブや導線を用意する
SNS広告を運用する際は、目的に合わせて広告クリエイティブや導線を用意することが大切です。ターゲットとなるユーザーの目に触れても、魅力を感じる内容でなければ次に繋がりません。
また認知に繋げることができても、購入までの導線がなければ、売上には繋がりません。
例えば、新商品のPRであれば商品の良さが伝わるクリエイティブを用意することはもちろん、誘導先のLP(ランディングページ)でどのように購買まで落とし込むかの設計も重要です。
④クリエイティブはこまめに変更する
一般的にSNS広告は年齢や興味関心等でセグメントしたターゲットに、バナー広告や動画等を配信します。その際、同じクリエイティブを長く配信してしまうと、ユーザーが見慣れてしまい、クリック率などが下がる傾向にあります。
複数のクリエイティブを用意して小まめに変更し、どのクリエイティブの効果が高いのか試行錯誤することが必要です。
⑤炎上リスクに配慮する
SNSを利用する限り炎上のリスクは付きまといます。適切なSNS広告を出稿していても、一部のユーザーの反感を買い、炎上する可能性はゼロではありません。
例えば人の目を引くために過激な内容のキャッチコピーなどを使った場合などは、炎上することも多いです。特に、Twitterなどは入力できるテキストが少ないため、無理に情報を詰め込もうとすると、うまく意図が伝わらない可能性もあります。また、サプリメントなど美容健康に関する商品サービスでは薬機法・景品表示法違反になるケースもあるので、十分に注意しましょう。SNS広告を運用する際は、炎上した際の対応ルールの整備や運用のマニュアルを用意することが大切です。
⑥運用体制を整える
SNS広告を利用するとき、自社で全てを運用する以外にも広告代理店に依頼する方法もあります。SNS広告の運用には専門的なスキルが求められるため、社内にプロフェッショナルがいない場合は、外部に依頼する方が良いでしょう。
5.SNS広告の成功事例
最後にSNS広告の成功事例をいくつかピックアップします。ぜひ、SNS広告の運用に役立ててみてください。
①Facebook動画広告で売上が45%増加
健康食品ブランドである「京都やまちや」は、FacebookとInstagramの広告を活用してブランドを広めることに成功し、広告経由の売上が45%も増加しました。既存の写真と動画を活用し、自社の特徴を的確に伝えるクリエイティブを制作することで、上質な商品であることをPRできている好例です。
出典・引用:京都やまちや
②Instagramを活用しオンラインヨガスタジオの無料トライアルを促進
オンラインヨガスタジオの「Yoga International」は、Instagramのストーリーズでアンケート広告を行い、3,510人の無料トライアル会員を獲得しました。InstagramとFacebookを活用したことにより、世界中の人とヨガを実践できるようになり、事業規模が4倍に拡大したそうです。
出典・引用:Yoga International
③LINE広告をファンとの新たなコミュニケーションに活用
クラフトビールの製造・販売を行う株式会社ヤッホーブルーイングは、LINEの公式アカウントを開設して情報を発信するだけでなく、LINE広告(友だち追加広告)を定期的に配信することでターゲット層である30代後半~40代男性の友達獲得につなげています。
メッセージ配信をきっかけにWebサイトを訪問するユーザーが増えたり、まだ商品を飲んだことがないユーザーとコミュニケーションを取れるようになりました。
出典・引用:潜在顧客からファンへ――ヤッホーブルーイングが考える友だちの価値とは|LINE for Business
④キャンペーンとTwitter広告でブランド認知度を向上
耐圧分散を特長とするマットレスを扱う株式会社エアウィーヴは、Twitter広告をキャンペーンの認知拡大に活用しました。キャンペーンが特定地域に関連するものであったため、「地域ターゲティング」で該当地域を中心に広告を配信。認知を高めました。
出典・引用:キャンペーンとTwitter広告の連動でブランド認知度を向上。The Quality Sleep(質の高い眠り)をスローガンに掲げる、繊維製品メーカーのTwitter活用術
⑤TikTok広告で潜在層の認知を獲得
チーズタルトを販売する「株式会社BAKE」は夏季限定の新商品「潮風レモンチーズタルト」のプロモーションにTikTok広告を活用しました。ターゲットは潜在層である10~20代の男女です。認知を目標にしていたためKPIはリーチに設定。当初予定だった40万リーチを大きく上回る70万リーチを獲得しています。
出典・引用:若年層へのアプローチにより『潜在層』の認知を獲得、将来のBAKE CHEESE TART ファンにつなげる【BAKE】
⑥YouTube広告を活用し1か月で申込数が3倍に
お菓子のサブスクリプションサービスを展開するsnaq.me(スナックミー)。さらなる顧客獲得のために、YouTubeの「TrueView アクション」という広告を活用しました。TrueView アクションは自社Webサイトなどへのクリッカブルなリンクを設定できるタイプの動画広告です。動画のテストを繰り返すことで広告経由の申込数が1か月で3倍になったとのことです。
出典・引用:snaq.me(スナックミー)
SNS広告の特徴を理解し、自社にあった活用を!
SNS広告はSNSの種類ごとにさまざまなフォーマットがあります。それぞれ、ユーザー数やユーザー属性が異なるだけでなく、広告としての表現方法も違いがあります。そのため、SNS広告を活用するときは、各SNSの特徴を理解し自社の目的に合ったものを選ぶことが大切です。
自社のビジネスモデルや目的に合ったものを選ぶことで、広告・宣伝効果を得られやすくなるでしょう。ただし、SNS広告は専門スキルが必要になるため、広告代理店や外部人材活用など、専門人材に相談することも大切です。SNS広告の特徴を押さえて、ぜひ活用してみてください。