ミエルカTOP ミエルカジャーナル Webマーケティング 直帰率とは何かから、計算方法、離脱率との違い、改善方法まで解説
Webマーケティング

直帰率とは何かから、計算方法、離脱率との違い、改善方法まで解説

更新日:2023.8.16 公開日:2023.07.01

直帰率 アイキャッチ

自社サイトを日々運営するにあたり、Googleアナリティクスなどで直帰率を確認していると思います。

「直帰率はユーザーの満足度が反映されたもの」と考えがちですが、この数値ばかりに惑わされてしまうのは、本末転倒です。

大事なことは、直帰率の数値を使い、自社にとってユーザーが満足できるWebサイトにいかに改善していくかです。

今回は直帰率の基本から、計算方法、直帰率の改善方法や注意点をくわしく解説します。

直帰率とはなにか?

まず、直帰率を解説する前に「直帰」行動を解説します。

直帰とは「1セッション=1PV」の訪問で、Webサイトを離れるユーザー行動を指します。

もう少し分かりやすく解説すると、直帰とはユーザーが検索したWebサイトを開いた最初の1ページ目だけを見て、そのWebサイトから離脱する行動です。

つまり、直帰率とは一定期間のWebサイトを訪問したユーザーのうち、1ページ目だけ見てWebサイトを離れたユーザーの「割合」を示しています。

直帰率の計算方法は?

直帰率は次の式で算出されます。

【直帰率計算式】

直帰率=直帰セッション数 ÷ Webサイトの全セッション数

例えば、あるWebサイトの全セッション数が、1週間で10,000セッションとします。

そのうち、直帰セッションが2,000セッションの場合、直帰率は次の通りです。

直帰セッション数(2,000)÷ 全セッション数(10,000)= 直帰率20%

直帰率と離脱率との違いは?

直帰率を解説するうえで、よく出てくるのが離脱率との違いです。

まず、直帰と離脱の違いを次の通り整理します。

  • 直帰:ユーザーが検索したWebサイトを開いた最初の1ページ目だけを見て、

そのWebサイトから離脱する行動

  • 離脱:Webサイト訪れたユーザーが、Webサイトから離れてしまう行動

Webサイトから離れてしまうのはどちらも共通していますが、一番の違いは「Webサイトの最初の1ページだけを見て、Webサイトから離れたかどうか」です。

なぜ直帰率が上がってしまうのか?

直帰率が上がる主な要因は、次のとおりです。

  • ユーザーの要望とコンテンツ内容が一致していない
  • 最初のページ表示がユーザーに魅力的に映らない
  • 内部リンク設定の問題
  • ページ表示速度の問題
  • デバイスの最適化の問題
  • 他のコンテンツへの導線の問題
  • ユーザーの要望を満たされてしまった

ユーザーの要望とコンテンツ内容が一致していない

ユーザーの欲しい情報がWebサイト内のコンテンツにない場合、直帰率が高くなります。

どんなキーワードでユーザーが自社のWebサイトに流入したかを調査し、ユーザーの欲しい情報コンテンツを作り込んでおくことが大切です。

また、コンテンツがあったとしても、広告に埋もれていたり、地味なデザインで目につかないものになっていないかも確認しておくと良いでしょう。

最初のページ表示がユーザーに魅力的に映らない

直帰するユーザーはWebサイトの最初の1ページだけを見て、Webサイトを去ります。

最初の1ページでユーザーに「欲しい情報がここにありそうだ」と思ってもらえなければ意味がありません。

ユーザーが魅力的に映らない例は、次の事象が挙げられます。

  • Webサイトの情報が整理されておらず煩雑な状態である
  • Webサイトのデザインが古い印象を受ける
  • やたら広告が多い

ユーザーの直帰判断は、最初の1ページが勝負です。

常に自社のWebサイトが魅力的かどうか、定期的にチェックしておきましょう。

内部リンク設定の問題

内部リンクの設定に問題がある場合、直帰率にも影響が出ます。

自社サイト内のユーザーの回遊行動に影響が出るため、結果としてユーザーがWebサイトから離脱します。内部リンクの設定に問題がないか必ず定期的に確認しましょう。

ページ表示速度の問題

ユーザーの8割以上がスマートフォンを使ってWebサイトを訪れます。

そのため、スマートフォンなどのモバイルページ表示の最適化が施されていない場合、表示に時間がかかり、待ちきれないユーザーはすぐに離脱します。

2017年にGoogleが公表した調査によると、画面表示に3秒以上かかる場合、Webサイトを訪れた全体の53%のユーザーが、Webサイトから離れてしまう結果が出ています。

デバイスの最適化の問題

先のページ表示の問題と関連がありますが、スマートフォンに対し最適化されていないWebサイトは直帰率が高くなります。

各デバイスに対応した画像や文字表示がなされているか、確認しましょう。

他コンテンツへの導線の問題

いくらWebサイトのコンテンツが良くても、他のコンテンツページへの導線が複雑な場合、直帰される可能性が高いです。

 

そうならないために、例えば以下の対応をしてみると良いでしょう。

 

  • おすすめ記事一覧の表示
  • コンテンツ内に別の関連記事のリンクを入れておく

ユーザーの要望を満たされてしまった

良いことではあるのですが、ユーザーの期待どおりの情報を提供し満足し、ユーザーがWebサイトを離脱するケースです。

頻繁にリピートされるブログサイトでは、最近の投稿記事を読んでWebサイトから離脱するケースがままあります。

この場合、他コンテンツへの導線を考慮した設計を検討してみると良いでしょう。

直帰率の確認方法

直帰率は次の視点で確認します。

  • Webサイト全体
  • 参照元別
  • ページ別

確認はGoogleアナリティクスで行いますが、操作はどれも簡単です。

Webサイト全体

Webサイト全体の直帰率確認手順は、次のとおりです。

  1. Googleアナリティクスにログインします
  2. 画面左にあるメニューの「ユーザー」から「概要」を選択します
  3. 選択後、ユーザーサマリーの画面が表示されるので、表示内にある「直帰率」の数値を確認する

参照元別

参照元別に直帰率を確認する手順は、次のとおりです。

1.Googleアナリティクスにログインします

2.画面左にあるメニューの「集客」から「すべてのトラフィック」を選択します

3.選択後、「参照元/メディア」を選択します

4.選択後、参照元のメディア情報が一覧で表示され、「行動」カテゴリー内に直帰率が表示されます

ページ別

ページ別に直帰率を確認する手順は、次のとおりです。

1.Googleアナリティクスにログインします

2.画面左にあるメニューの「行動」から「サイトコンテンツ」を選択します

3.選択後、「すべてのページ」を選択します

4.選択後、参照元のコンテンツページ一覧が表示され、直帰率が表示されます

直帰率の目安は何%がよい?

直帰率の正確な目安となる基準はありません。

Webサイトの運営目的やコンテンツの内容、加えてユーザーがどのように自社のWebサイトから流入方法も異なるからです。

自社のWebサイトと同一条件のサイトを見つけるのは困難で、比較もできません。

ただ、何も参考となる数値がないのは考えにくいので、おおまかなサイトの系統別の平均参考値を記載します。

Webサイト種類

平均直帰率(%)

ブログサイト

70~80

ECサイト

30~40

コーポレートサイト

40~50

LP(ランディングページ)

70~90

また、業種毎のWebサイト直帰率の平均値は次のとおりです。

業種

平均直帰率(%)

飲食

65.52

化学

62.24

人と社会

58.75

ペット

57.93

ニュース

56.52

芸術・エンターテイメント

56.04

本と文学

55.86

美容とフィットネス

55.73

家・ガーデニング

55.06

コンピューター・電子機器

55.54

趣味・レジャー

54.05

インターネット

53.59

自動車・乗り物

51.96

ファイナンス

51.71

スポーツ

51.12

旅行

50.65

ビジネス&産業

50.59

仕事・教育

49.34

オンラインコミュニティ

46.98

ゲーム

46.70

ショッピング

45.68

不動産

44.50

参照元:Bounce Rate Benchmarks: What’s a Good Bounce Rate, Anyway?

これらの数値は「あくまで参考値」です。

ECサイトで扱う商材で数値も変わります。

その他のサイトやランディングページも、SNSや検索エンジンなどの流入経路の違いなどで直帰率が変わることに留意してください。

直帰率の改善方法

直帰率を改善するためには次の方法が有効です。

  • 改善すべきコンテンツを把握する
  • コンテンツのタイトルや内容を見直す
  • Webサイトのデザインを改善する
  • ページ表示速度を改善する
  • 内部リンクの設定を見直してみる

改善すべきコンテンツを把握する

改善すべきコンテンツには次の特徴があります。

  • 直帰率が極めて高く、かつ滞在時間も短いコンテンツページ
  • コンバージョン率の高いコンテンツページ

特に後者の場合は、コンバージョンを阻害する要員を取り除くことで、よりコンバージョン率が上昇する可能性があります。

ただし、直帰率が高いコンテンツページのほうが原因も特定しやすく、改善しやすいでしょう。

改善すべきコンテンツの把握には、検索クエリの活用が効果的です。

検索クエリは、ユーザーが検索エンジンの検索窓に入力する言葉を指します。

ユーザーの検索目的をGoogleが次の4タイプに分類しており、検索クエリの判別結果に基づきコンテンツページの改善をおこないます。

【検索クエリカテゴリ】

  • Knowクエリ:~が知りたい
  • Doクエリ:~の方法(やり方)が知りたい
  • Buyクエリ:~が買いたい
  • Goクエリ:~へ行きたい

この4つのカテゴリに対し、「すぐに分かりやすくコンテンツになっているか」に注意し、コンテンツの修正をおこないましょう。

コンテンツのタイトルや内容を見直す

コンテンツのタイトルと内容にズレがないかを定期的に見直すことも、直帰率の改善につながります。

具体的にはGoogleサーチコンソールを使い、ユーザーの検索キーワードを確認します。

Webサイトのデザインを改善する

直帰率改善をおこなう際、滞在時間も同時に確認するケースがあります。

滞在時間は、文章の読みやすさのみではなく、Webサイト自体のデザインの影響を受けていると考えられています。

Webサイトデザインの改善項目は次のとおり多岐にわたりますが、ユーザー視点でユーザーへのストレスを減らせるかが鍵となるでしょう。

  • 色やフォント
  • 使用画像
  • 動画(テイストの種類)

ページ表示速度を改善する

直帰率の改善でページの表示速度は重要な要素です。ユーザーは欲しい情報を短時間で得たいと考えているためです。

画面表示に3秒以上かかる場合、Webサイトを訪れた全体の53%のユーザーがWebサイトから離れてしまう結果が、Googleの2017年の調査で出ています。

ページ速度を計測するツールはいろいろありますが、GoogleのPageSpeed Insightsは無料で利用でき、阻害要因のアドバイスもしてくれます。

内部リンクの設定を見直してみる

企業が運営する自社サイトには、ユーザーにWebサイトに流入してもらったあとの狙い(コンバージョン)があるため、それにつなげるための導線設計があります。

いくらコンテンツが充実していても、ユーザーがコンバージョンにつながる出口に気づかず、やむを得ずサイトを離脱していることも考えられます。

自社のコンバージョンにつなげたいのであれば、ユーザーを迷わせない導線設計にする。

そのために、内部リンクの定期的な見直しは必須と言えるでしょう。

直帰率改善の際の注意点

解説してきたように、直帰率に明確な目安は存在しません。

質問に対する回答がすぐわかり直帰する、天気や交通情報サイトのように、必ずしも「直帰率が高い=ユーザーの満足度が低い」とならないケースも存在します。

直帰率はあくまで指標であり、単純に直帰率の数字だけですべてを判断しないように注意しましょう。

適切な仮説に基づき、直帰率値の有効活用を!

直帰率はWebサイトの評価の指標の1つです。

直帰率の数値を他の指標と関連付けし、改善に必要な仮説をどう作れるかが、Webサイト改善には必要です。

「直帰率が悪い=悪」ではなく、Webサイトの運営目的や用途、扱う商材など、総合的な視点を持つことで、ユーザーから必要とされるWebサイトに改善できるでしょう。

関連記事

ミエルカミエルカでできること

  • 1検索ニーズを自動調査できる

    検索ユーザーの検索意図をAIが自動分析
  • 2サイトの改善点がわかる

    競合サイトとの順位状況を瞬時に比較
  • 3プロにWeb集客相談できる

    改善ページを特定し、改善提案
オンライン対応可

運営会社