Google検索にはさまざまな機能があります。検索されたキーワードに関連する情報を表示する機能を「関連ワード機能」などと呼びますが、「他の人はこちらも検索」はその1種です 。
2017年にモバイル版がはじめに導入されました。2023年11月現在はPC版で表示されなくなり、スマートフォンや タブレットでのみ表示されます。
PC版も含め、「他の人はこちらも検索」とはどのような機能なのか、仕組みやSEO対策としての活用法まで解説します。
目次
1.Googleの「他の人はこちらも検索」とは?
Googleの「他の人はこちらも検索」は、ユーザー体験を補助する検索機能の1つです。検索したキーワードと関連性の高い別のキーワードを検索画面上にボックスで表示します。メインキーワードの検索結果には表れない、ユーザーの潜在ニーズを読み取ることができます。
英語では「People also search for」といい、略してPASF(ピーエーエスエフ)と呼ばれることもあります。
2016年10月に英語圏ではじめて導入され、その後日本でもモバイル版とPC版にそれぞれ適用されるようになりました。ただし、2023年11月現在はスマートフォンやタブレットでのみ表示される ようになっています。PC版で表示されなくなったのは 、「関連する質問」や「関連性の高い検索」など、そのほかの検索機能が充実してきたためです。
2.「他の人はこちらも検索」の仕組みや表示形式
「他の人はこちらも検索」は、Googleのアルゴリズムが機械的に表示しています。仕組みについてGoogleからは公にされていませんが、ユーザーが知りたい情報にたどり着けるよう、さまざまな検索データやユーザー属性が使用されていると考えられています。
「他の人はこちらも検索」の仕組みや表示形式、表示される内容について解説します。
以前はPC版でも表示されていた
PC版の「他の人はこちらも検索」は、ユーザーが特定のWebサイトを閲覧した後、ブラウザバック(ブラウザの戻るボタンを押す)で検索結果画面に戻った際に表示されていました。
もとの検索画面上に「他の人はこちらも検索」を表示するのは、訪問先のWebサイトではユーザーの検索キーワードを満たす情報が得られなかったとGoogleが判断しているためだ と考えられています。
そのため、PC版の「他の人はこちらも検索」は検索画面に戻ったとき、訪問したWebサイトの直下に表示されていました。「他の人はこちらも検索」が表示されるWebサイトも、検索結果の1ページ目である1〜10位までが対象でした。
2023年11月現在 、PC版では「関連する質問」や「関連性の高い検索」という検索機能に集約されており、「他の人はこちらも検索」は表示されなくなっています。
モバイル版ではブラウザバックなしで2回表示される
モバイル版では、ブラウザバックなしでも「他の人はこちらも検索」が検索結果画面に表示されます。検索結果の画面上に2カ所ほど表示され、スクロールするたびに目に入ります。
サジェストキーワード以外も表示される
主に「他の人はこちらも検索」に表示されるのは、サジェストキーワードです。PC版の「関連性の高い検索(関連キーワード)」と似た内容が表示されます。
サイト毎に表示される内容が異なり、検索する時期やユーザーの位置情報によっても「他の人はこちらも検索」の表示結果が変わります。
これは、Googleがユーザーの検索ニーズを満たすために、検索キーワードに関連性の高いキーワードをつねに更新しているためです。類義語や関連語句が表示される場合もあり、表示結果は流動的に変わります。
※「生産設備とは」の検索結果
3.類似のGoogle検索機能
Googleの検索機能はつねに更新・追加されており、「他の人はこちらも検索」と類似する検索機能もあります。以下に代表的な類似機能を3つ、紹介します。
- Googleオートコンプリート
- 他の人はこちらも質問(People Also Ask)
- 関連キーワード
Googleオートコンプリート
「Googleオートコンプリート」は、Google検索の検索窓にキーワードを入力した際に、ユーザーが知りたいと思っていることや解決したい悩みを補完するようなキーワードが自動的に表示される補助機能です。
検索窓に入力した内容と一致する一般的なキーワードや、トレンドのキーワードを調べて返してくれます。 関連するキーワードが検索窓の直下に一覧で表示されるので、ユーザーは検索を効率化でき、知りたい情報にたどり着きやすくなります。
キーワード候補は、ユーザー自身の閲覧履歴のほか、多くのユーザーが検索しているキーワードやキーワードで注目度の高まっている関心事などからGoogleが生成しています。
他の人はこちらも質問(People Also Ask)
「他の人はこちらも質問」は、検索キーワードに関連するよくある質問とその回答が表示される機能です。英語では「People Also Ask」、略してPAA(ピーエーエー)とも呼ばれます。
検索キーワードに関連した質問文がリスト形式で表示されます。それぞれの質問をクリックすると、そのまま検索結果の画面上に回答とその回答が読めるページへのリンクが展開されます。
「他の人はこちらも質問」は、関連サイトのFAQコンテンツや本文の中から回答に近い文章が自動的に選択されます。また、「他の人はこちらも質問」の表示結果をクリックすると、さらに関連する質問が表示され、ユーザーの検索結果を補助するのが特長です。
Googleは「他の人はこちらも質問」に関しても機能更新を行っており、2023年11月現在は「関連する質問」という名称に変更されています。
参考:Google、「他の人はこちらも質問」機能の複数パターンのラベルをテスト中
関連キーワード
「関連キーワード」は名称のとおり、検索したキーワードと関連性の高い内容を表示する機能です。2023年11月現在は「関連性の高い検索」という機能にアップデートされています。
「関連性の高い検索」では、一緒に検索されることの多いキーワードの組み合わせを候補として表示します。検索キーワード以外にもユーザーの興味関心を高めるような写真や書籍、店舗情報といった関連情報がまとめて表示されます。
また、Googleのサービスにログインしておくことで、関連性の高い検索の表示結果はカスタマイズされます。たとえば、ユーザー自身や友人、フォローしている人の写真や投稿なども関連性の高い検索に表れます。
このため、ユーザーの潜在的なニーズを多角的な視点から調べることに役立ち、ユーザー満足度を高めます。ただし「関連性の高い検索」はPC版に特有の機能であり、モバイル検索では表示されません。
※「家系ラーメンとは」で調べたときの「関連性の高い検索」。現在地付近の店舗についてレビューやマップ情報を返してくれる。
4.「他の人はこちらも検索」はうざい? 無効・非表示にできる?
「他の人はこちらも検索」の表示をわずらわしく感じることもあるかもしれません。「他の人はこちらも検索」は、PC版のGoogle Chromeであれば拡張機能を使うことで非表示 にできますが、モバイルを含むほかのデバイスやブラウザでは非表示にできません。
PCでGoogle Chromeを使用している場合は、拡張機能の「No Search For」を追加することで「他の人はこちらも検索」を非表示にできます。一方、モバイル版では機能をオフにできないため、非表示にする方法はありません。
5.Googleの検索機能をSEOやマーケティングに活かす方法
Googleの検索機能をSEOやマーケティングに活かすことで、検索キーワードを満たすコンテンツが制作でき、ユーザー満足度をさらに高めることができます 。
「他の人はこちらも検索」をはじめ「関連性の高い検索(旧:関連キーワード)」や「関連する質問(旧:他の人はこちらも質問)」、「Googleオートコンプリート」、といった検索機能をマーケティングに活かす方法 を4つ紹介します。
- SEO記事の構成案作成に活かす
- 記事中の図や表の作成に活かす
- ホワイトペーパーなどの企画案に活かす
- 広告のLPやバナーなどの要素に活かす
SEO記事の構成案作成に活かす
「他の人はこちらも検索」や「関連する質問」「関連性の高い検索」は、検索キーワードには表れていない ユーザーの検索ニーズを反映しています。そのため、SEO記事の構成案を考える際の参考にできます。
たとえば、「家系ラーメン」で調べたときに表示される「関連性の高い検索」の結果を、店舗レビューや店舗ランキングのコンテンツを作る際の1つの参考とすることができます。 家系ラーメンの中でも、どのようなメニューや店舗がよりユーザーに評価されているかを参考にできるためです。
ただし、すべての関連キーワードを盛り込めばいいというものではありません。ターゲットの検索ニーズに近しいものや、課題解決になる情報を選別し、SEO記事に盛り込むようにしましょう。
記事中の図や表の作成に活かす
「関連する質問(他の人はこちらも質問)」はユーザーの疑問やもっと知りたい点を表しています。そのため、関連する質問に表示されている項目を参考に、わかりやすい図や表を作成して コンテンツに盛り込むことで、ユーザーの検索ニーズに沿った記事を作ることができます 。
たとえば下図は、脱炭素やカーボンニュートラルと関係性が深い「スコープ3」の関連する質問です。「スコープ3の具体例」というキーワードがあがっているので、表などで具体例を挙げるとよいことがわかります。
ホワイトペーパーなどの企画案に活かす
検索機能の表示結果は、ホワイトペーパーなどの企画案に活かすこともできます。
たとえば、「物流の2024年問題」を検索した際の「関連する質問」には、「物流の2024年問題で運送業が対応すべきこと」や「待機時間」という結果が表示されています。
これらに対する具体的かつ詳細な対応方法やステップをホワイトペーパーなどの冊子にまとめることで、より潜在的な検索ニーズに刺さるコンテンツが作れます。
さらに、検索ニーズを深掘りしたホワイトペーパーを、「○○とは」といったKnowキーワードのSEO記事のCTAとして設置してみましょう。CVRが高まる傾向にあるので、おすすめです。
広告のLPやバナーなどの要素に活かす
検索機能の表示結果はSEOコンテンツのみならず、広告やLP、バナーなどの訴求に活かすこともできます。
下図は「日帰り温泉」の検索結果に表出された「関連性の高い検索」ですが、「隠れ家」や「人が少ない」といったキーワードが見受けられました。
「隠れ家」や「人が少ない」といったキーワードをLPのコピーやバナーのデザインに反映することで、コンテンツの訴求力を高めることができます。
6.ユーザーの検索意図を可視化するならミエルカSEOがおすすめ
Googleの「他の人はこちらも検索」とは、検索されたキーワードと関連性の高い情報を表示する検索機能の1つです。2023年11月現在はスマートフォンやタブレットでのみ表示され、PC版は「関連性の高い検索」という機能にアップデートされました。
「他の人はこちらも検索」をはじめとする検索結果には、ユーザーの知りたいことや悩みに関する情報が満載です。きめ細かく見ていくことで、SEO記事だけでなくホワイトペーパーから広告出稿まで、さまざまなマーケティング活動に活かすことができます 。
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