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【SEO最新戦略】UXの向上とリンク獲得はどちらを重視すべき?ジム・ボイキン氏に独占インタビュー

公開日:2024.11.26

UX向上とリンク獲得は、どちらもSEOにおける重要な施策です。しかし、UXの重要性が叫ばれる一方で、リンク獲得の重要性が低くなってきていると言われ始めています。そこで今回、米国を代表する超一流のリンクビルダーであるJim Boykin(ジム・ボイキン)氏に、弊社取締役の鈴木謙一が、UX向上とリンク獲得のどちらを優先すべきなのかや、リンク獲得の手法などについて、独占インタビューしました。

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Jim Boykin(ジム・ボイキン)
Internet Marketing Ninjas CEO Jim Boykin(ジム・ボイキン)1999年にSEOサービスおよびツール提供会社Internet Marketing Ninjas(IMN)を設立。リンクビルディング手法を先駆的に提供し、教育機関や政府サイトといった信頼性の高いリンクを通じて多くの成果を上げる。現在は、リンクビルディングからコンテンツ提供に重点を移し、SEOにおける信頼とブランドシグナルの重要性を提唱。SEO系の主要フォーラムも運営中。
▶︎ https://www.internetmarketingninjas.com/

鈴木 謙一
株式会社Faber Company 取締役(Search Advocate)鈴木 謙一Google 公式の検索セントラル ヘルプ コミュニティのダイヤモンド プロダクト エキスパート(アジア太平洋で初)。
新潟県上越市出身。新潟大学教育学部英語科卒業後、就職のため上京。ITトレーナーや情報システム管理者、ヒューマンスキル系社内講師などの会社員を経て独立。2007年に開設した「海外SEO情報ブログ」は、SEOに特化したブログとしては国内で最も多い記事数とアクセス数を誇る。2008年、当社入社。最新SEOの情報収集・情報発信、セミナー講師・イベントスピーカーが主たる職務。講演・寄稿実績多数。

海外SEO情報ブログ – SuzukiKenichi.COM: 海外SEO
▶︎https://www.suzukikenichi.com/blog/
Web担当者フォーラム執筆記事
▶︎https://webtan.impress.co.jp/user/1730/articles
X(旧Twitter)
https://x.com/suzukik

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「リンク獲得は以前ほど重要ではなくなった」は本当?

鈴木:ジョン・ミューラーやゲイリー・イリェシュのようなGoogle関係者が、リンクは以前ほど重要ではなくなったと言っていますが、本当にそうでしょうか?近頃、リンクはどれくらい重要なのでしょうか?

ジム:良い質問ですね、ありがとうございます。

検索順位の決定には、技術的な側面、サイトのコンテンツ、被リンク、そしてユーザーエクスペリエンスという4つの主要な側面があることがわかっています。ユーザーエクスペリエンスはますます重要になってきています。GoogleはChromeのデータを使って、ユーザーが何をクリックしているか、どこをクリックしているかを調べていますし、ユーザーエクスペリエンスは最近ではより重要になっていると言えます。

しかし、非常に高速で技術的に優れたウェブサイトがあり、最高のコンテンツと優れたユーザーエクスペリエンスがあっても、リンクがなければGoogleで上位表示することはできません。数ヶ月前にGoogleのアルゴリズムの情報がリークされたとき、その文書全体で被リンクデータが使用されていることがわかりました。

では、被リンクは今はそれほど重要ではないのでしょうか?確かに、ユーザビリティが、方程式の半分を占めているかもしれません。ユーザビリティは今非常に重要です。しかし、リンクがなければ、Googleで上位表示できません。技術的側面やコンテンツはそれほど重要ではなく、リンクもそれほど重要ではないと言う人もいるかもしれません。それはユーザーエクスペリエンスが非常に重要だからです。しかし、リンクは重要ではないのでしょうか?いいえ、そうではありません。リンクがなければ上位表示されません。ですから、「リンクを得るために何かをする必要はない」と思っていると、競合に負けることになります。

Googleが何を言おうと、リンクは依然として非常に重要です。ユーザーエクスペリエンスは確かに今より重要になってきており、検索順位の決定においてより大きな役割を果たしていると思いますが、リンクがなければどこにも行き着きません。上位表示させるためにはリンクが必要です。

上位表示された後にその順位を維持できるかどうかは、ユーザーエクスペリエンスにかかっています。ユーザーがフレーズを検索してあなたのページにアクセスしたものの、求めているものが見つからず、他のサイトに長く滞在して答えを見つけている場合、順位は下がります。しかし、被リンクがなければ、上位表示されるチャンスすらありません。被リンクは依然として非常に重要です。

UXの改善と被リンクの獲得、どちらが重要?

鈴木:リンクは依然として重要だとおっしゃいましたが、同時にユーザーエクスペリエンスも重要だと強調されました。難しい質問ですが、UXの改善と多くの被リンクの獲得、どちらに重点を置きますか?

ジム両方です。どちらか一方とは言いたくありません。最高のユーザーエクスペリエンスがあっても、リンクがなくて上位表示されなければ意味がありませんから、どちらも本当に重要だと思います。どちらか一方を選ぶことはできません。リンクなしでユーザビリティだけを改善しても上位表示されませんし、リンクだけを構築してもユーザビリティが悪ければ順位は下がります。よって、両方とも本当に必要なのです。

鈴木:UXの改善と並行してリンクを獲得する必要があるのですね。

ジム:その通りです。

最新のリンクビルディングの手法:Googleはリンクの多様性を求めている

鈴木:次の質問です。10年前と比べて、リンクビルディングの戦略はどのように変化しましたか?例えば、今は効果がないリンクビルディングの手法や、今でも効果がある手法、そして新しい戦略として登場したリンクビルディングの手法などがあれば教えてください。

ジム:私たちのリンクビルディングの多くは、コンテンツを作成し、それを宣伝して、学校、教師、大学、組織、政府機関など、信頼性の高いウェブサイトからリンクを獲得しようと試みることでした。教育的なコンテンツを作成し、組織、政府、教育機関、そして古くから信頼されているサイトに連絡を取り、「ここにリンクすべきものがあります」と伝えることは、今でも非常に価値があります。私たちは10年以上前からそれをやってきました。その主要な部分は変わっていません。

一方で、Googleのリーク情報に基づき、バイラルに拡散することを目的としたコンテンツを作成するという、別のタイプのリンクビルディングも行っています。これは教育的なコンテンツとは異なり、人々が共有し、友人たちに伝えたいと思うようなコンテンツです。話題になれば、ブログやニュースサイトで取り上げられる可能性があります。

Googleのアルゴリズム文書のリークから、バイラルコンテンツは私が思っていた以上に価値があるようです。つまり、Googleはあなたのリンクがどこから来ているのかを見ており、リンクの多様性を求めているのです。ですから多くの人が、教育機関だけでなく、ニュースやブログからもリンクを獲得したいと考えるようになるでしょう。アルゴリズムのリークから学んだことの1つは、様々な種類の被リンクを持つことが重要だということです。

Googleのリークから学んだもうひとつのことは、トラフィックの量も、上位表示のための重要な要素のひとつであるということです。よって、コンテンツが拡散してバイラルになり流入が広がれば、そのトラフィックはすべて上位表示するかどうかの判断の際に考慮されます。例えば、生命保険で上位表示させたい場合、Googleは全ての異なる結果を見て、サイトがどれだけのトラフィックを得ているかを確認しているので、バイラルになるようなものを作って多くのトラフィックを得ることができれば、それもサイトを上位表示させる重要な要素となります。アルゴリズムを見て改めて思ったことは、常に新しいコンテンツとウェブサイトの新しい部分を作成して、常にリンクを引き付ける必要があることを認識したことです。

Googleは、リンクがいつ付いたかも見ています。なので、「私のウェブサイトには素晴らしいリンクがあります」と言う人がいますが、「いつ取得しましたか?」と聞くと、「10年前です」と答えることがあります。すると、「それは今はそれほど価値がありません」となるわけです。こうした点から、新しいリンクは非常に重要です。もう1つは、常に素晴らしいコンテンツを作成し続け、それを宣伝してリンクを獲得しようと努力しなければならないということです。「たくさん持っているからもう必要ない」というわけにはいきません。古いリンクは今はそれほど価値がないので、ウェブサイトで常に新しいコンテンツを作り続けて、リンクをもらい続ける必要があります。

リンクを獲得するには、どんなコンテンツを作れば良い?

鈴木:教育機関や政府機関からのリンクがより重要だと言われましたが、そのようなリンクを獲得するにはどのようなコンテンツを作成すればよいのでしょうか?

ジム:自社の製品に何らかの形で関連するコンテンツです。生命保険を販売しているのであれば、1700年代、1800年代、1900年代、1950年、そして現在の平均寿命に関する記事を書くと良いかもしれません。生命保険に関連して、学校の先生や教育者がリンクしやすいようなもので考えてみましょう。大学時代を思い出してみて、履修した授業で扱った内容と関連しそうなものがなかったかどうか考えてみてください。平均寿命について話した授業があったかもしれないですよね。

鈴木統計や調査、アンケートのようなものが良いかもしれないですね。

ジム:そうですね。

生命保険は少し難しい例ですね。ペットボトル入りミネラルウォーターのようなものを例に挙げればよかったです。そうすれば、海や小川、きれいな水について書くことができます。水を販売しているのであれば、水のpHと、さまざまな種類の水に生息する生物の研究、そして水の循環について書くことができます。学校で水の循環について勉強したのを覚えているでしょう?ペットボトル入りミネラルウォーターを販売しているのであれば、水の循環について素晴らしいページを書こうというわけです。そうすれば、K12(小中高)や教育機関のウェブサイトで水の循環について書かれた多くのページを見つけることができます。

そして、まず彼らに連絡して、「水の循環について調べていたら、水の循環について書かれた良いページを見つけました。すでに他のリソースへのリンクを貼っているようですが、ここに、有用なページがあるので、追加してみてはどうですか?」と伝えるのです。学校や教育者に提案するようなものですね。

鈴木:あなたの会社では、誰がそれらの記事を書いているのですか?

ジム:私たちです。私ではありませんが、会社の社員が書いています。今ではAIを使って記事のアウトラインを作成してもらうことで、少し時間を節約できますが、それでも記事を書いているのは人間です。AIにアウトラインを作成してもらい、記事を書きながらそれを見ることもあります。

リンクビルディングにAIは使わない方が良い

鈴木:AIと言えば、リンクビルディングにAIツールを使っていますか?もしそうなら、どのように活用していますか?

ジム:いいえ、使っていません。

リンクビルディングにおいて、例えば水の循環について書いたページがあり、教育機関の教授に連絡する時、私は自分が人間であり、本物であることを相手に知ってもらうべきだと思っています。水の循環について書かれたページがあり、水の循環について書かれた教育機関のページもあるけれど、その教育機関のページは外部サイトへのリンクを貼っていないという状況で、教授に連絡して、「このリンクを追加してください」と言っても、「なぜですか?」と言われるでしょう。したがって、私は人間であることを伝えることが重要だと信じています。

「ハッピーマンデー」と入れてみたり、もし相手が大学の教授で、その大学のマスコットが鷲だった時には、「がんばれイーグル!」とか、そういったことを書くこともあります。「水の循環について調べていたら、あなたも水の循環について書かれたページを持っていることに気づきました。すでに他のリソースへのリンクを貼っているようですが、ここに、有用な記事があります。こちらも役に立つと思うのでご紹介しますね。ゴー・イーグルス」と書けば、相手はそれを読んで、「これはAIが生成したメールではない」と思うでしょう。サイトに載っている犬について触れたり、私たちが本物の人間であることを証明するために何かを書くこともあります。

私たちはリンクビルディングにAIを使いません。私たちが人間であり、メールが本物であり、リンクの追加に意味があることを示すべきだからです。ボタンを押せばいいというわけではありません。人々がそれを見て、「ああ、詐欺師だ。人間では無いから、これはスパムとして報告しよう」と思うかもしれないですよね。

鈴木:全く同感です。私は20年近く記事を書いてきたので、AIに記事を書いてもらいたくありません。まだAIよりも良い記事が書けると信じています。

ジム:私もそうです。最近の記事を読むと、「これはAIっぽいな」と思うことがあります。ですから、私は人間らしい文章を書くように心がけています。「…」のような句読点を使ったり、人々が読んで「これは機械ではなく、人間が書いたものだ」と思うような工夫をしています。

最近のリンク構築の事例

鈴木:最後の質問です。最近、強力なリンクを構築することに成功した事例があれば教えていただけますか?

ジム:毎日ありますよ(笑)。私たちの会社のリンクビルダーはボーナスをもらいますが、そのボーナスは2つの数字に基づいています。1つは、その月に獲得したリンクの数、もう1つは品質スコアです。

品質スコアは、信頼できるかどうかで始まります。私たちは信頼できないサイトには連絡を取りません。信頼できるというのは、組織、学校、図書館、政府機関、大学、スーパーオーサーからのリンクがたくさんあるということです。スーパーオーサーとは、自分のWikipediaページを持っていたり、Amazonで本を販売していたり、Google Scholarに掲載されている人のことです。そして、最高のカテゴリーは、ジャンルに関連するサイトからのリンクです。水のサイトから私たちのウォーターサイトへのリンクを得ることができれば、それが一番嬉しいです。なのでリンクビルダーは、「水を販売しているので、どんなトピックについて書けばいいだろうか?川の水の中に住む虫の写真と説明がいいかもしれない」と考え、誰にメールを送るかを調べ、「水の虫について書かれたページがあり、他の水の虫のページへのリンクを貼っているサイトは10個しかない」ということがわかり、10通のメールを送信し、もしかしたらリンクを獲得できるかもしれません。チームの別のメンバーは、「学校で水の循環について勉強したのを覚えているから、水の循環についての記事を書こう」と言って、水の循環についての記事を書き、何千人もの人に連絡をするかもしれません。大学や近隣のサイト、スーパーオーサーからのリンクのような本当に質の高いリンクを獲得できれば、より多くのボーナスをもらうことができるのです。

私自身はしばらくリンクビルディングをしていませんが、チームが毎日そのようなリンクを獲得してくれています。私たちはリンク獲得のための資産、つまり口コミコンテンツを作成したのですが、昨年、イーロン・マスクが同じ日に2回ツイートしてくれました。これは本当に素晴らしいことで、実は2年前に作成したものだったのです。何かを作っておけば、後から大きな反響を得ることもあります。3つの大ヒットコンテンツのうち1つは公開から5ヶ月後、もうひとつは8ヶ月後、そしてイーロン・マスクがツイートしたのは公開から2年以上経ってから注目を浴びました。だから、時には後からバイラルになることもあります。それは私のお気に入りの事例の1つです。

スティーブ・ウォズニアックのウェブサイトからもリンクを獲得しています。Google Scholarで何千回も名前が載っている人々からのリンクもあります。たまに、「この人、ドメインオーソリティが10しかないじゃないか」と言う人がいるのですが、それでも良いのです。Googleがこの人がボブ・スミスであることを知っており、ボブ・スミスは自分のWikipediaページを持ち、Amazonで本を出版し、Google Scholarで3000回も言及されているということが重要です。それこそが素晴らしいリンクなのです。ほとんどの場合は大学の教授ですが、そうでない場合もあります。そういう人々が自分のサイトからリンクしてくれたりすると、とても嬉しいです。ドメインオーソリティが2だろうが1だろうが5だろうが関係ありません。Googleが、この人が非常に信頼できる人物であることを知っていることが重要です。

鈴木:素晴らしいですね。貴重な経験談と情報をありがとうございます。

ジム:どういたしまして。

日本のSEO担当者へのメッセージ:リンク獲得は必ずやるべき

鈴木:日本のSEO担当者に向けて、彼らを鼓舞するようなメッセージをお願いします。

ジムリンクが必要です!

鈴木:(笑)

ジム:リンクがなければ上位表示されません。リンクを獲得するためには何かを作成しなければなりません。退屈なものではなく、エキサイティングなものでなければなりません。常にそれを続ける必要があります。

被リンクを構築するためにどんなものが必要か、リストアップしなければいけません。ツールかもしれませんし、ホワイトペーパーかもしれませんし、調査かもしれませんし、動画かもしれません。リストを作成し、常にそのリストを消化していくのです。「もう十分だ」と言って止めてはいけません。リンクは古くなり、常に新しいリンクが必要になります。あなたは自分の業界の専門家でなければならず、あなたの製品に関する専門的なコンテンツを書き、被リンクを獲得しようとするのなら何かを書かなければなりません。

もしあなたがそれをすべて行えば、あなたのウェブサイトは成功するでしょう。

鈴木:ジム、本日はお越しいただきありがとうございました。お話できてとても良かったです。

ジム:どういたしまして。ありがとうございました。

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監修者
鈴木 謙一
鈴木 謙一
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