
非IT業種でもDX化が進む中、事業会社の事業責任者や人事の方にとっては「優秀なマーケティング担当者の採用」は悩ましい問題の1つ。2021年にはインターネット広告費(2兆7,052億円)がテレビなどマスコミ4媒体(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)を上回るなど、マーケティング手法として「Webマーケティング」が主流となる反面、Webマーケティング担当者は採用が難しい職種の1つであることが理由です。
| 比較項目 | Webマーケティング | オフラインマーケティング |
|---|---|---|
| 例 |
・広告運用 ・SEO対策 ・SNS広告 |
・TVCM ・新聞広告 ・実店舗 |
| メリット | 小予算で高精度なターゲティング | 広範な層へのアプローチ |
| デメリット | 業務の専門性が高い | ターゲティング精度が低く、効果測定が困難 |
少額で精度の高いターゲティングができるWebマーケティングが主流となる一方、施策は多岐にわたり、専門知識をもとに競合分析から施策実行まで担える人材は限られています。
マケキャン by DMM.comの調査によると、実際に人事担当者が直面しがちな、マーケター採用に関する悩みの例は以下の通りです。
- 求人に対して応募が来ない
- 採用コストが高い
- 入社後、元々期待していたスキルと実際のスキルに乖離がある
- 入社後、カルチャーマッチしない
93%のインターネット広告代理店が「Webマーケティング経験者の採用が難しい」とも回答しており、多くの企業がマーケター採用に苦戦していることが明らかに。インターネット広告代理店ではない非IT業種の企業などの場合、一層、採用の難易度は高いでしょう。
そこでおすすめなのが、フリーランスマーケターの採用。今回は事業会社の事業責任者や人事の方に向け、フリーランスのマーケティング担当者を採用するメリットや料金、注意点を解説します。
目次
※参考:マケキャン by DMM.comの調査(株式会社インフラトップ)
※関連記事:Webマーケティングとは?種類と始め方を具体例でわかりやすく解説
フリーランスのマーケターを採用するメリット
1.人件費の変動費化
フリーランスのマーケティング担当者を採用するメリットの1つが「人件費の変動費化」。企業の損益分岐点売上高は、以下の計算式で求められます。

売上高が2000万円、固定費が1000万円、変動費が300万円だとします。上の式に照らし合わせると、損益分岐点売上高は1176万4705円。 上の計算式は「固定費の増減」が、変動費の増減よりも影響が大きい点がポイント。固定費を300万円削減し、同額を変動費に計上したとします。
すると固定費が700万円、変動費が600万円の場合、損益分岐点売上高は1000万円まで下がります。 つまり自社の経営を「変動費中心型」に移行し、損益分岐点に早く到達。企業体質を「早期に利益が出るモデル」へと変えていくことができます。

専門スキルを取り入れながら経営体質の改善を図れます。
2.採用のミスマッチのリスクが小さい
人事担当者から見て、日本企業の従業員は「解雇しづらい」人材です。
たとえば「企業が従業員や労働組合と十分に協議を行わず解雇した場合」などに「不当解雇」と裁判所に判断され、高額の支払いを命じられるリスクがあるためです。
一方で、2021年に株式会社コミクスが経営者・役員106名を対象に行った調査では「48.1%の経営者・役員が自社とマーケター人材のミスマッチを複数回経験している」ことが明らかになりました。

つまり正社員のマーケター採用には「マーケターが自社にマッチしないリスクが高く、なおかつ解雇しづらい」という難しさがあります。 一方でフリーランス採用は「正規雇用」ではありません。業務委託契約は一般的に3か月ごとに更新されます。自社のカルチャーにフリーランス人材がマッチしなかったとしても、3か月後に更新を打ち切れば問題ありません。正社員と比べてはるかに「採用しやすく」「契約を打ち切りやすい」ため、採用サイドにとってローリスクな人材と言えるでしょう。
3. 打つべき施策に対して順次採用可能
冒頭で解説した通り、近年、マーケターに求められるスキルは多様化が進んでいます。 特にWebマーケティングの場合、たとえば「新規顧客の集客」と「見込み顧客に対する接客」では必要なスキルセットが全く違います。
| 競合分析 | 新規顧客獲得 | Web接客 | 既存顧客の育成 |
|---|---|---|---|
|
環境分析 ・ファイブフォース 分析 ・3C分析 ・PEST分析 ・SWOT分析 事業の方向性 ・マーケティング ミックス ・バリューチェーン 分析 |
調査 ・競合の広告状況 ・競合サイト状況 ・競合の想定売上、 想定利益 集客 ・GEO対策 ・SEO対策 ・リスティング広告 ・ディスプレイ広告 ・SNS広告 ・LP制作 |
各種運用、改善 ・LPO対策 ・EFO対策 ・チャットボット ・MAツール導入 ・ホワイトペーパー |
各種運用、改善 ・メールマーケ ・伴走支援 ・アンケート ・顧客インタビュー |
自社で「新規顧客の集客」に精通した正社員を採用した場合、施策のフェーズが「見込み顧客に対する接客」に移った場合に能力を発揮できなくなることも多いです。一方でフリーランス採用であれば、施策のフェーズに応じてマーケターをチェンジすることも可能です。
フリーランスマーケターによるWebサービスの改善事例

フリーランスマーケターによる改善事例には、様々なものがあります。今回は「急落したWebサイトの立て直し」「Webマーケティングチームの体制構築」に関する事例を紹介します。 人材紹介やプログラミングスクール事業などを手がけるインターノウス株式会社様は、WebサイトのPV急落やWebマーケティング体制の不備といった課題に直面。人材リソース不足による、チームの立て直しを迫られていました。急遽1か月以内に採用との目安で人材確保に走りましたが、条件に見合う人材はなかなか見つかりませんでした。
そこで弊社が運営している人材マッチングサービス『ミエルカコネクト』に相談したところ、条件以上の人材が見つかり、フリーランス採用が決定。PV数は1年で約2倍(下落ピーク時の約4倍)、CVも約4倍にまで増加。 また外部人材のノウハウを取り入れたことにより、社内のWebマーケティング体制が整備されました。人の入れ替わりなどがある中でもスムーズに体制を構築しつつ、最小限の予算の中でPV数、CV数をそれぞれ最大化することに成功した事例と言えるでしょう。
業務委託にかかる費用の目安
フリーランスマーケターへの業務委託にかかる費用は、プロジェクト難易度や工数によって大きく変わりますが目安は「月20万~30万円」です。 月20万~30万円の稼働の内訳は「週数日のフルリモート稼働」。週5日のフルコミットや出社を求める場合は、上記の倍以上の見積もりとなることも。逆に稼働量を調節することで、金額をより抑えることも可能です。

※関連記事:マーケティングを業務委託するメリットとは?外注の流れ、料金相場
フリーランスにはWebマーケティング/オフラインマーケティング、どちらを任せるべき?
事業責任者や人事担当者の方がフリーランスマーケターの採用前、まず検討すべきは「Webマーケティング」「オフラインマーケティング」のどちらを外注するか。 主にフリーランスマーケターヘの外注に向くのは、小予算での運用と効果測定が可能で、なおかつ専門性が高い「Webマーケティング」です。
TVCMや新聞広告など予算が大きいものや、オフラインイベントなどは内製で進めつつ、Webマーケティングは外注するといった棲み分けが考えられるでしょう。
【人事担当者向け】採用前に検討するべきチェックポイント
Webマーケティングをフリーランスに発注する前に検討すべきチェックポイントは、以下の7つです。 7つの問いに対して、全て「明確な答えが思い浮かび」「さらなる改善に向けた施策が社内で進んでいる」場合、マーケティング業務がインハウスで十分に機能している可能性が高いです。
フリーランス採用の優先度は必ずしも高くないかもしれません。 「答えが曖昧な項目」「答えが分からない項目」などが複数ある場合、マーケティング業務に改善の余地があるかもしれません。フリーランス採用を一層前向きに検討する価値があるでしょう。
求めているのは「新規顧客の獲得」か「見込み顧客への接客」か
前述の通り、「新規顧客の獲得」「見込み顧客への接客」では求められるマーケティングスキルは大きく変わります。 「新規顧客の獲得」「見込み顧客への接客」どちらに注力すべきか迷っている場合は「1:5の法則」を意識するのがおすすめです。

筆者個人の見解としては、マーケティング施策の打ち手に迷った場合は「まず見込み顧客への接客」を優先することをおすすめします。「オフラインで営業担当者が集めた名刺」なども含めて、見込み顧客に対してまずメールマーケティングや架電を実施。一度受注しているクライアントからも随時、アップセルやクロスセルを狙いましょう。 なおかつ並行して新規顧客の囲い込みに向けては、ロングテールキーワードを狙ったSEO対策を行うといった施策が考えられます。
社内にWebサービスやオウンドメディアの立ち上げ経験があるメンバーが在籍しているか
社内にWebサービスやオウンドメディアの立ち上げ経験があるメンバーが在籍しているかは、非常に重要なポイントです。

ところが実際には「コンセプト」の作り込みは悪くないものの、サイト構成や要件定義の面には抜け漏れや欠点があるサイトが少なくありません
たとえば筆者は昔、とある大手企業のWebサービスの「ローンチ後の運用」を経験したことがあります。同サービスはWebサービス立ち上げ経験が無い社員が企画の取りまとめを担当。設計や実装は外部の開発企業に丸々委託する形で実施。 実際に参画してみると、外部企業が「大量の重複ページが生まれる設計」を「独自CMS」で行っていることが判明。次々と重複ページが検索エンジンによって検出されており、noindexやcanonicalの適用も独自CMSの壁に阻まれ、全て外部のエンジニアを通さなくてはできない状況でした。
そうした状況下でもできる限りの実装やコンテンツ投下は進めたものの、設計の欠点を補うには至らず、同サービスは早々にクローズすることとなりました。
上の事例から見える反省点は「社内にWebの知見があるメンバーが存在せず」「開発を全て社外に委託した状態」でのWebサービスの立ち上げ・運用はリスクが大きいということです。社内に高度な知見があるメンバーがいない場合は、最低限、自社で運用するサービスのサイトマップや技術的な仕様などについては外部のマーケターにも共有。設計上のリスクなどを洗い出したうえで、実装に取り掛かることをおすすめします。
※関連記事:
・noindexとは?タグの書き方や設定、活用法 | SEOへの影響や注意点について解説
・canonical(カノニカル)タグとは?URL正規化でSEO評価向上を目指す技
必要なコンテンツ投下数を洗い出すことはできているか
Webサービスやメディアの成長には、適切なコンテンツの投下は欠かせません。一方で現場の社員は、往々にして「コンテンツ作成そのもの」を目的化しがちです。本来の作成目的は、コンテンツ投下を通じて一定の流入を自社サービスに生み、目的とするコンバージョン数を獲得することにあるはずです。
コンテンツ作成そのものを目的化しないためには、目標達成に対して必要なコンテンツ投下数をあらかじめ洗い出すことが必要。 コンテンツ投下数を洗い出すには「何記事作成したら」「どれくらいの流入数」「どれくらいのコンバージョン数」を得られるのか、事前のシミュレーションが必要です。 シミュレーションの立て方などが分からない場合、こちらも外部のマーケターに業務を委託する価値があります。
※関連記事:コンバージョン(CV)とは?簡単に解説! 意味・具体事例・設計・計測・増やし方
競合他社の流入状況や売上に関して可能な限りデータ収集することはできているか
自社と同等程度の規模の他社が「広告予算をどれくらい確保し、出稿を行っているか」「競合のオウンドメディアのPV数はどれくらいか」といった点について、可能な限りデータ収集を行うことも重要です。「現場のスタッフ」だけではミクロなことばかりに目を奪われ、意思決定を誤るというのはよくあることです。一歩引いたマクロな視点からのアドバイスや、競合他社を対象とした調査などが必要な際は外部のマーケターを使う価値があります。
現実的かつ有意義な目標を立てることができているか
「1年後にPV数を倍にする」といった目標を立てることは簡単です。しかしその目標が「予算」や「人員数」「現実的に投下可能なコンテンツ数」などと照らし合わした際に、現実的なものか否かも検討する必要があります。 非現実的な目標設定を行うことは、むしろ現場のメンバーの意欲を削いでしまいます。適切な目標設定を心がけましょう。
日次・週次・月次で「PV」「CV数」など主要指標を定点観測する仕組みは構築済みか
コンバージョン数が伸びないときは「CV数もPV数も伸びない状況か」「CV数は伸びていないが、PV数は伸びているのか」細かく主要指標をチェックする必要があります。
これらの主要指標をチェックしないまま「PV数が伸びればCV数も伸びる」と早合点してしまうと、自社が求めるペルソナと異なる層の読者が流入し続ける可能性があります。 日次・週次・月次で主要指標を定点観測する仕組みが社内に無い場合、専門家の知見を活かすことも検討しましょう。
※関連記事:ビジネス用語「ペルソナ」とは?作り方・設定事例5つでわかりやすく解説
損益分岐点売上高を引き下げる必要性を感じるか
前述の通り、フリーランスマーケターへの業務委託費は「変動費」に計上されます。固定費を削減し、その分の予算を変動費に計上した場合「損益分岐点売上高」は引き下げられます。変動費よりも固定費の方が、損益分岐点売上高に対する影響幅が大きいためです。
マーケター採用の必要性を感じており、なおかつ経営体質改善のために「損益分岐点売上高も引き下げたい」場合、何らかの形で固定費を削減したうえでのフリーランスマーケター採用は自信をもっておすすめできます。
フリーランスマーケターの紹介を受けられる!
おすすめのエージェント3選
最後にフリーランスマーケターの紹介を受けられる、おすすめエージェントを3つご紹介します。フリーランス人材採用の必要性が高い場合、まずは3社のうちのいずれかに問い合わせや資料請求をしてみましょう。
なおフリーランスマーケターの人材紹介は「稼働開始」までは特に費用がかからないのが一般的。「まずはフリーランス採用に関する話だけでも聞いてみる」と良いでしょう。
ミエルカコネクト
「ミエルカコネクト」はプロが厳選した即戦力Webマーケターを、最短1日で紹介可能な業務委託マッチングサービス。運営元はSEO管理分析ツール「ミエルカ」を提供する株式会社Faber Company(Webマーケティング支援歴20年)。
マーケティングの戦略から、施策の代行までうけおっています。近年話題のAI検索対策(GEO対策/LLMO/AIO)に精通したマーケターも多く、これからの時代を見据えた取り組みができます。
Webマーケティング領域のプロフェッショナルをお探しの方は、ぜひお問い合わせください。専任の担当者が導入事例や料金の解説はもちろん、御社の課題ヒアリングも無料で実施します。
※ミエルカコネクトのノウハウ解説記事:
・マーケティングとは?定義・何をするか初心者向けに解説
・【2026年】SEOとは?AI時代にも効くSEOの基本・対策をわかりやすく解説
・GEO(生成エンジン最適化)とは?AI時代のSEO対策と基本
ITプロパートナーズ
ITプロパートナーズは、株式会社Hajimariが運営するIT人材専門のフリーランスエージェント。マーケター専門ではなく「機械学習エンジニア」「UI/UXデザイン」などの領域も扱っています。
ITプロパートナーズは「マーケティング」「機械学習」「UI/UX」など全般を扱うエージェントです。マーケティングだけでなく様々な開発領域の人材紹介についても、まずは話を聞いてみたいという担当者の方に向いています。
デジパラ
デジパラは株式会社コミクスが運営するフリーランス紹介サービス。ECや不動産、美容クリニックなどの領域でのLPO(ランディング最適化)やMEO(マップエンジン最適化)、定期購入関連の施策やアフィリエイト施策運用が担える人材の紹介に強みを持っています。
デジパラは「不動産」「美容」など業界に特化した形で、LPOやMEOを担当可能な人材を探したい担当者の方に向いているエージェントと言えるでしょう。
プロベル
プロベルは、株式会社プロベルが運営するビジネスマッチングサービス。優れた商品・サービスを提供する誠実な企業やプロフェッショナルを集め、信頼できる外注先やパートナー企業を探せるプラットフォームです。

会社の概要だけでなく、実際に手掛ける「人」の強みやノウハウを見て依頼先を検討できるのが特徴です。
プロベルは「単なる企業比較ではなく、信頼できるプロフェッショナルや担当者の人柄・実績を見極めて外注先を選びたい」「マーケティングやWeb領域の適切な支援パートナーを探している」という担当者の方におすすめです。
まとめ
昨今のマーケティング業務の主流は、国内のネット広告費がマスコミ4媒体の広告費を上回っていることに顕著な通り「Webマーケティング」です。 Webマーケティング業務をフリーランス人材に委託することで、企業は「人件費の変動費化」を行いつつ、専門性の高い人材を早期に獲得可能。なおかつ正社員採用と比べて、採用のミスマッチのリスクが小さいです。 記事内で紹介したチェックリストなども活用しながら、ぜひフリーランス人材を活用したWebマーケティング体制の構築を検討してみてはいかがでしょうか。
ミエルカコネクトではリクルーティングアドバイザーが現場の課題をヒアリングして「外部に切り出し可能な業務」を洗い出したうえで、確かな経験を持つフリーランス人材をご紹介します。 紹介可能な人材は一部上場企業での勤務経験のあるマーケターから、プロフェッショナルな広告運用/SEO人材、EC関連の専門家やデータサイエンティストまで多岐に渡ります。ミエルカコネクトでは常にご相談を受け付けています。お悩みの場合はぜひご相談ください。
関連記事
事例を探す










