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SEOを考慮した場合、販売終了した商品のページはどのように処理するべきか?

更新日:2024.7.16 公開日:2022.07.11

販売終了した商品のページはどのように処理するべきか

この記事では、SEO 初級者からよく聞かれる質問についてアドバイスします。今回取り上げる質問はこちらです。

EC サイトを運営しています。販売終了した商品のページをトップページにリダイレクトしています。そのページの評価をトップページに残すためです。SEO 的に問題ないでしょうか?

EC サイトで販売を終了した商品のページの扱いを尋ねています。質問者は、SEO に効果があることを期待してトップページにリダイレクトしているそうです。

販売終了ページの扱いにはいくつかの選択肢があります。どれがベストということなく、状況に応じて最適なものを選ぶといいでしょう。この記事で提案する対処法は次のとおりです。

  • ページを削除し 404 を返す
  • そのまま残しておく
  • 新しいバージョンのページにリダイレクトする

順に説明します。

ページを削除し 404 を返す

最もシンプルな対処法は、ページの削除です。 ユーザーはその商品をもう購入できないのですから、ページを削除するのは自然です。購入できない商品のページを残しておくことは、むしろユーザーに失望感を与えるかもしれません。 ページを削除した場合は、ページが存在しないことを表す404 (not found) もしくは 410 (gone) の HTTP ステータスコードを返し、ブラウザではエラーページを表示します。
※筆者注: Google 検索においては 404 と 410 に有意な差はない

存在しないページにアクセスした場合に 404/410 を返す処理はウェブの標準仕様です。404/410 のエラーページがサイトの残りのページのクロールやインデックス、ランキングに悪影響を及ぼすことはありません。

ユーザーフレンドリーなエラーページ

注意点は、ユーザーにとってわかりやすいエラーページを表示する点です。利用しているサーバー環境によっては独自のエラーページを作成できます。エラーページについて、Google は次のようにアドバイスしています。

  • ユーザーに対して、探しているページが見つからないことを明確に伝えます。親しみやすく平易な言葉を使用します。
  • 404 ページを、サイトのその他の部分と同じデザイン(ナビゲーションを含む)にします
  • 最も人気のある記事や投稿へのリンクのほか、ホームページへのリンクを追加します。
  • 無効なリンクを報告する方法をユーザーに提供することを検討します。

遊び心があるなら、ユニークなエラーページを作成するのもいいでしょう。たとえば、こちらはヤマト運輸の 404 エラーページです。Google がアドバイスするような構成で作られていることに加えて、ゲームで遊べます。

クロネコヤマトのエラーページ
マスコットキャラクターのネコが隠れているダンボールを探すゲームができる

カスタマイズしたエラーページに興味を持ったなら、世界中の37サイトから集めたユニークな404ページの例を参考にするといいでしょう。

そのまま残しておく

販売は終了してもページをそのまま残しておくパターンも、頻繁ではありませんが適用できます。人気がある商品だったり、販売終了後でも探し求めるユーザーがたくさん存在したりする商品です。たとえ購入できなかったとしても、もう販売が終わっていると知れることがユーザーに役立つこともありえます。

ただし、もう購入できないのですから、販売が終了したことを丁寧にわかりやすく説明することが大切です。代わりとなる商品があるなら、そちらをオススメすると親切です。

新しいバージョンのページにリダイレクトする

完全な販売終了というよりも、新しいバージョンに切り替わった場合は、その新しいバージョンの商品のページにリダイレクトします。

1 つ前で挙げたように、旧バージョンのページを残しておいて、新バージョンが出ていることをそのページで伝えても構いませんが、新しいページに自動で転送してあげたほうがユーザーに親切だと考えるならリダイレクトの方が適切です。ユーザーが移動する手間を省いてあげられます。

❌トップページへリダイレクトする

ここまでは、販売終了した商品のページの適切な対処方法について説明してきました。冒頭の質問者は、トップページにリダイレクトする方法を採用していました。しかしながら、販売終了商品ページの扱いとしてこの方法は不適切です。ユーザー視点と SEO 視点の両方で不適切です。

ユーザー視点

ユーザーは、特定の商品を求めてきたのに、なんの前触れもなくトップページが表示されたらきっと困惑するでしょう。自分がなにかミスしてしまったのかと勘違いさせてしまうかもしれません。お目当ての商品がもう販売されていないことにすら気付けない可能性もあります。

SEO 視点

トップページへのリダイレクトは、関連性の薄いページへのリダイレクトです。通常、こうした状況のリダイレクトを Google はソフト 404 として処理します。ソフト 404 は、正常にページが表示されたことを示す 200 の HTTP ステータスコードを返すものの、実質的には 404 として扱われます。つまり、検索においては評価の対象になりません

特にリンク評価を失うのを防ぐために、販売終了ページをトップページや上位カテゴリページにリダイレクトする方式を採用する人は少なからずいます。しかし、トップページへのリダイレクトは、ユーザーに不親切なばかりか、SEO 的にもまったく無意味です。

まとめ

この記事では、EC サイトにおける販売を終了した商品ページの扱いについて説明しました。状況に応じて次のいずれかの方法で対処します。

      • ページを削除し 404 を返す
      • そのまま残しておく
      • 新しいバージョンのページにリダイレクトする

一方で、次の対処は不適切です。

      • ❌トップページへリダイレクトする

著者PROFILE

鈴木謙一
鈴木謙一(すずき けんいち)

株式会社 Faber Company 取締役 Search Advocate(サーチ・アドボケイト)。「海外SEO情報ブログ」の運営者。正しいSEOをウェブ担当者に習得してもらうことをミッションに掲げている。検索関連のカンファレンス/イベントの取材やセミナーでの講師が Faber Company での主な役割。最近では、海外カンファレンスでの登壇も経験している。海外SEO情報ブログは、日本では、最も有名な SEO をテーマにしたブログの1つ。Google 公式ヘルプコミュニティのプロダクトエキスパートとして認定を受けており、Google 社員とのつながりも深い。

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