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Search Central Live Singapore 2022 参加レポート

更新日: 2024.11.19   公開日:2022.12.12

2022 年 11 月 24 日にシンガポールで開催された Search Central Live Singapore 2022 に参加してきました。この記事では、このイベントでの体験をレポートします。

夏のクリスマス

日本を出発したのはイベントの前日、11 月 23 日でした。この日の羽田は雨。12 月並みの寒さでした。

一方、現地のシンガポールは赤道近くの亜熱帯の国です。日本の真夏ほどではないにしても11月下旬でも 30℃ 前後の蒸し暑い気候です。そんな年中夏のシンガポールですが、街のあちこちがクリスマスのイルミネーションで飾られていました。

タクシーの運転手によれば、たくさんあるショッピングモールが集客のために互いに美しさを競っているのだそうです。

シンガポールのクリスマスイルミネーション

なおシンガポールのクリスマスも日本と同様に、(キリスト教徒を除けば)宗教的な意味合いはほぼなく、商業的なイベントとのことです。

ゲイリーとつけ麺🍜

シンガポールまでは、日本から直行便で約 7 時間です。時差は 1 時間。筆者の海外出張のほとんどは欧米向けで、10 時間のフライト、時差で昼夜逆転です。それに比べればシンガポールへのフライトによる疲れはまったくありません。

夕方に到着し、その日の晩は、Google 社員の代表としてイベントにも登壇する Gary Illyes(ゲイリー・イリェーシュ)氏と会食しました。

もっとも会食と言っても、行き先はラーメン店です。ゲイリーはつけ麺が大好物です。

ゲイリー氏の好物のつけ麺

ゲイリー・イリェーシュ氏

僕の出身が新潟県ということをゲイリーは知っていたので、新潟のラーメンとコシヒカリが食べられるラーメン店に場所を設定してくれていたのでした。

つけ麺を食べながらでも(僕は味噌ラーメンですが)、仕事のことは忘れません。今回はあくまでもビジネス出張です(笑)。

AI が生成したコンテンツの扱いをどうするのかをゲイリーにさまざまな視点から質問してきました(このとき聞いたことはまた別の機会に)。

イベント当日: 開始前

いよいよイベント当日です。

会場は Google シンガポールです。Google シンガポールは APAC(アジア太平洋)リージョンの本部です。万単位の社員が働いているとかいないとか。

Googleのロゴモニュメント

Googleロゴモニュメント
ロゴのモニュメントは立体構造になっていて、正しい方向から見ると「GOOGLE」になる

イベントルームでは Googlebot のキャラクターのパネルがお迎えです。

Googlebotのキャラクターパネル

スピーカーが登壇するステージです。

スピーカーが登壇するステージ
右に見えるクモのようなキャラクターの名前は Crawly(クローリー)

ステージの両側にスクリーンがあります。

スピーカーが登壇するステージ

ステージの様子

イベント開始までに、朝食代わりの軽食が振る舞われます。

軽食

軽食

参加者(抽選応募の当選者)は140名弱くらいだったそうです。シンガポールを中心にマレーシアなど東南アジアからが大半ですが、インドやフィリピンからの参加者もいました。

参加者の様子

日本からは筆者を含めて 3 人が参加していました。うち 1 人は、サイバーエージェントの木村さんです(前日のゲイリーとの会食をセッティングしてくれました)。

鈴木-木村氏

イベント当日: セッション

そうこうしているうちにセッションが始まります。

まずは、Cherry(チェリー)さんのウェルカムトークからです。

チェリー氏のウェルカムトークの様子

この日は 全部で 11 個のセッションがありました。

  1. 1.How Search Works(検索の仕組み)
  2. 2.What’s new in Search(検索の新着情報)
  3. 3.Helpful Content Update(ヘルプフル コンテンツ アップデート)
  4. 4.Search Console: What’s New and 5 Things To Do(Search Console: 新機能と 5 つのやるべきこと)
  5. 5.Partnering with Google Search(Google 検索とパートナーになる)
  6. 6.SEO for Video(動画 SEO)
  7. 7.SEO for Images(画像 SEO)
  8. 8.SEO for Begginers(初級者向け SEO)
  9. 9.SEO Musical Chair(ネットワーキング)
  10. 10.More on Crawling and Indexing(クロール/インデックスのさらなる詳細)
  11. 11.Interactive Q&A and Panel Discussion(ライブ Q&A)

How Search Works

最初の How Search Works セッションは、Cherry さんがウェルカムトークからそのまま入ります。検索の仕組みがテーマでした。

Google では、毎日新しい検索が出現しています。

Google は検索を絶えず改善しています。2021 年に Google が実施したテストは

  • 800,000 件

実際に導入した機能/改善は

  • 4,300 件以上

だそうです。

How Search Works セッション

単純計算で、1 日に 10 個以上の何らかの変更が加えられていることになります。

What’s new in Search

ゲイリーによる What’s new in Search では、最近起きた Google 検索での次のような重要な出来事が紹介されました。

  • Googlebot の HTTP/2 サポート
  • Googlebotの IP アドレス公開
  • 米国外からの Googlebot のクロール
  • より賢くなった Googlebot のクロールのスケジューリング
  • レンダリング性能の向上
  • Webmaster Guidelines(ウェブマスター向けガイドライン)から Search Essencials(検索の基本事項)へ
  • モバイル検索のサイト名表示
  • ランキング要因としてのコア ウェブ バイタル
  • アップデート
    • ヘルプフル コンテンツ アップデート
    • プロダクト レビュー アップデート
    • コア アップデート
    • スパム アップデート
What’s new in Searchセッション

Helpful Content Update

次のセッションでは、Duy(デューイ)さんが、ヘルプフル コンテンツ アップデートに焦点を当てて話しました。特段目新しい情報はなかったのですが、ヘルプフルなコンテンツとヘルプフルではないコンテンツの具体例を見せてくれたのが、とてもヘルプフルでした。

ヘルプフルコンテンツ アップデート対策について解説した記事はこちら
GoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏へのインタビュー動画もありますのでよろしければご覧ください!

Helpful Content Updateセッション

Helpful Content Updateセッション

Search Console: What’s New and 5 Things To Do

Aaseesh(アシーシュ)さんの Search Console: What’s New and 5 Things To Do は Search Console の基本的な使い方と新機能の紹介です。非常に初歩的な内容でした。参加者のなかには SEO 初級者も含まれているようなので、そういう人たちに向けたセッションも用意したのでしょう。

What’s New and 5 Things To Doセッション

Partnering with Google Search

その次の Partnering with Google Search セッションは、Google 検索の特殊機能の紹介と活用方法がテーマでした。

具体的には次の特殊機能です。

  • リッチリザルト
  • ナレッジパネル
  • ビジネスリスティング(Google ビジネス プロフィール)
Partnering with Google Search セッション
Cassie Chan さんと Rica Handayani が交互にトーク

このセッションもどちらかというと初級者向けでした。

SEO for Video

次は動画 SEO のセッションです。

スピーカーのケイシーさんによれば、YouTube 動画を Google は検索で特別扱いしていないとのことでした。ウェブ検索の動画結果や [動画] タブでの検索で Google が重視しているのは次の要素です。

  • 関連性
  • 多様性
  • ユーザーをインスパイアする

こうした条件を満たせば、YouTube 動画でなくても上位表示できます(個人的には、それでも YouTube 動画が有利だと感じてしまいますが)。

まとめとしての 動画 SEO のベストプラクティスは次のようになります。

  • 専用ページを作る
  • Google が動画を取得できるようにする
  • Clip と SeekToAction の構造化データでマークアップ

SEO for Image

画像 SEO のセッションには再びゲイリーが登場します。

SEO for Imageセッション

機械学習による画像認識を画像検索でも利用するようになっていますが、まだまだ初歩的な分類しかできないそうです。何の画像なのかを Google が理解するには依然としてテキスト情報が重要です。

テキスト情報とは次の要素です。

  • 画像まわりの(画像に関連する)テキスト
  • キャプション
  • 画像を適切に描写する alt 属性
  • そのページの title タグ

また、画像サイトマップの送信も画像理解の非常に助けになるともゲイリーは言っていました。

More on Crawling and Indexing

ゲイリーによるもう 1 つのセッションは、テクニカル上級編です。クロールとインデックスのプロセスに関して一般的に知られている内容よりもさらに突っ込んだ仕組みを解説しました。

僕にとっても初めての情報が多くありました。

More on Crawling and Indexingセッション

クロールは次のプロセスにさらに分解できます。

  1. 1.URL Extraction(URL 抽出)
  2. 2.Normalizing(ノーマライズ)
  3. 3.Dedupulication(重複解消)

「インターネットの 60% は重複」という驚きの数字も飛び出しました。

ほかにもクロールの優先度決定や、インデックスする・しないの決定要因など、検索セントラルのドキュメントでも触れてない内部的なメカニズムをゲイリーは教えてくれました。超大規模サイトをいくつも管理している木村さんが大喜びのセッションでした。

Interactive Q&A and Panel Discussion

最後のセッションはライブ Q&A です。参加者からの質問にスピーカーたちがその場で回答します。

筆者は、セッションの合間に聞きたいことは直接質問したのでここではおとなしく座っていました(笑)。

Interactive Q&A and Panel Discussionセッション

こんな感じで、朝 10 時から夕方 17 時までの Search Live Conference Singapore はあっという間に終わってしまいました。あっという間だったのはそれだけ充実していた証拠です。

Google の検索チームが主催する対面でのイベントがシンガポールを皮切りに再開しました。アジア地域を特に重視してこうしたイベントを増やしていきたいとのことでした。筆者が聞いた限りでは、日本での開催予定は未定だそうですが、来年には開催してくれるだろうと信じています。

おまけ

セッションの概要をざっと紹介しましたが、1 日ぶっ通しではもちろんありません。お楽しみのランチタイムも当然ありました。

ランチの様子

ランチの様子
揚げ餃子? 揚げ春巻き? おいしかった😋

セッションと同じ会場でのランチのため、お腹がへり始めるお昼前のセッションでは料理の匂いが漂ってきて、スピーカーの話に集中するのに苦労しました。

シンガポールは食べ物が美味しい国です。イベント終了後は、地元の人に人気というローカルフードのレストランで夕食です。

以前に日本の検索チームで働いていた Kiyotaka Tanaka さんに連れて行ってもらいました(今は、Google シンガポールの YouTube の Trust&Safety チームに所属されています)。

シンガポール料理のディナー

シンガポール料理のディナー

シンガポール料理のディナー
3 番目のお肉料理はいちばん人気の Champagne Pork(シャンパンポーク)

お土産は、カヤジャムです。チャンギ空港でお土産用の小瓶セットが買えます。今回は観光ではないので、空港でお土産を調達です。

お土産のカヤジャム

こうして 2 泊 3 日のシンガポール出張は終わりです。短い滞在でしたが、セッションだけではなく、コロナ禍でしばらく会えていなかった人に加えて、新しい人にも会えた充実した出張でした。

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本記事の著者
鈴木 謙一
鈴木 謙一
取締役 Search Advocate
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