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SGEが今後の検索、SEO対策に影響をもたらす?【Googleのジョン・ミューラー氏に直撃】

公開日:2024.11.26

イギリス・ブライトンで開催された BrightonSEO にて、弊社取締役の鈴木謙一がGoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏に「SGE」についてインタビューしました。

SGE(Search Generative Experiences、現AI Overviews)とは、ユーザーが検索したキーワードに対して、Google の生成AIが回答を提供する新機能のことです。 検索結果として表示された記事をクリックせずとも回答が得られるため、「トラフィックが減るのではないか」「SEOは意味がなくなるのではないか」など、SEOへの影響が大きく注目されています。そんなSGEについて、Google検索リレーションチームのリーダーが直々に解説します。

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John Mueller(ジョン・ミューラー)
Google LLC / Search Advocate John Mueller(ジョン・ミューラー)Google 検索リレーションチームのリーダー。スイスのチューリッヒオフィスに勤務。YouTubeでのオフィスアワーやツイッター、カンファレンスなどでSEOに取り組む人たちと積極的にコミュニケーションを図っている。
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鈴木 謙一
株式会社Faber Company 取締役(Search Advocate)鈴木 謙一Google 公式の検索セントラル ヘルプ コミュニティのダイヤモンド プロダクト エキスパート(アジア太平洋で初)。
新潟県上越市出身。新潟大学教育学部英語科卒業後、就職のため上京。ITトレーナーや情報システム管理者、ヒューマンスキル系社内講師などの会社員を経て独立。2007年に開設した「海外SEO情報ブログ」は、SEOに特化したブログとしては国内で最も多い記事数とアクセス数を誇る。2008年、当社入社。最新SEOの情報収集・情報発信、セミナー講師・イベントスピーカーが主たる職務。講演・寄稿実績多数。

海外SEO情報ブログ – SuzukiKenichi.COM: 海外SEO
▶︎https://www.suzukikenichi.com/blog/
Web担当者フォーラム執筆記事
▶︎https://webtan.impress.co.jp/user/1730/articles
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市川 莉緒
株式会社Faber Company ミエルカSEOヒートマップ プロダクトマネージャー/PM 市川 莉緒株式会社Faber Companyに新卒入社後、クライアントのCROコンサルティングに従事。 その後自社のWebサイトのディレクションを担当し、1.5倍のCVR改善に成功。 現在は自社ソフトウェアの開発マネジメントまで幅広く担う。 2023年海外カンファレンス初登壇。
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TikTokやYouTubeショートなどの短尺動画について

鈴木:では、最初の質問です。TikTokのセッションに参加されているのを見かけましたが、TikTokを実際に使っていますか?もしそうなら、どんなコンテンツを作っていますか?使っていないなら、TikTokを使ってみたいと思いますか?

John Mueller:君はTikTokをやっているの?(笑)

鈴木:やっていません。基本的にTikTokは若い世代向けで、私はもうその世代を超えているので(笑)。

John Mueller:マーケティングの仕事をしているのなら、すべての世代と話ができなければならないですよね?(笑)

鈴木:そうですね。でもTikTokは若すぎます…ただの動画ですし(笑)。

John Mueller:そうかな?

鈴木:私ではなく、ジョンに聞いているんですよ(笑)。

John Mueller:私もTikTokは使いませんが、多くの人が使っているのをよく見かけます。人気があることは明らかです。私たちが始めたのは、TikTokと全く同じものではありませんが、20秒か30秒の動画を作成して投稿するYouTubeショートです。

冒頭を面白くして、人々に実際に最後まで見てもらうようにするのは大変ですが、フィードバックを見るかぎりではかなり良い反応を得ているので、今後もっと注力していくかもしれません。

鈴木:短時間で伝えるのは難しいですよね?

John Mueller:短い時間で何か役に立つ情報を伝えるのは、とても難しいです。既存のコンテンツを宣伝するだけであれば簡単ですが、つまらないですよね。「長い動画を見てください」という短い動画を誰がわざわざ見るでしょうか?そこが非常に難しいところです。

今、私は動画チームと一緒に仕事をしているのですが、台本とテレプロンプターを使って、公式動画をチームと一緒に制作しています。こういうちょっとした楽しいショート動画も作っているんですよ。

鈴木:あなたは素敵なTikTokerになれると思いますよ(笑)。

John Mueller:いえいえ、とんでもないです(笑)。

鈴木:(笑)では、本題のSGEの話に移りましょう。

SGEは今後の検索に影響をもたらす?

鈴木SGEによって、Googleが検索意図や文脈を理解する方法はどのように変わるでしょうか?キーワード予測やSEOにどのような影響があるでしょうか?

John Mueller:まだ実験段階なので、どうなるか分かりません。SGEには多くの興味深い側面があります。例えば、すでにあるコンテンツを集めたり、まとめたり、質問をするユーザーとの会話があったりといった側面です。したがって、まずは、我々自身やユーザーが、様々なことを試してみるべきだと思っています。そこから、Googleがうまくいくものとそうでないものを判断していくことになるでしょう。最終的な答えが何になるのかは分かりません。

なかには、SGEのことを、Googleが検索の最上位にまとめを表示する強調スニペットのようだと言う人もいます。ただし、それが最終的な形になるかどうかは分かりません。強調スニペットは基本的に、そのクエリに対する一般的な答えを表示しますが、SGEはもう少し検索意図に最適化されているように感じます。

実際にどうなるかはわかりませんが、状況の変化に合わせて、実験が繰り返されることになるでしょう。「これは素晴らしい!トラフィックがたくさん来る!」と言うSEO担当者もいれば、「これは嫌だ」と言うSEO担当者も出てくるでしょう。ユーザーの反応も、SEO担当者と同じかもしれないし、違うかもしれない。SEO担当者やサイト運営者が望むものと、ユーザーが役に立つと思うものの間でバランスをとり、全員が満足する方法を見つけなければなりません。

鈴木:つまり、SGEはまだ実験段階なので、最終的にどうなるかは分からないということですね。

John Mueller:分からないです。私たちの中でわかる人はいないと思います。人々の反応を見てみないといけないからです。良い反応もあれば、悪い反応もあるでしょう。開発チームはこの数週間で、かなりスピーディーに変更を加えているので、SGEは今後、さらに良くなっていくと思います。

SGEに対する反応はポジティブなものが多い?

鈴木:一般的に、SGEへの反応は肯定的だと思いますか?

John Mueller:分かりません。反応をモニタリングしていないですし、リアルな反応を目にしていないからです。Twitter(現X)などのソーシャルメディアでは、否定的な反応の方が目立つように感じますが、だからといって、反応の大部分が否定的なわけではありません。

鈴木:ジョンが所属している検索リレーションチームはSGEの開発に直接関わっているのですか?

John Mueller:関わっていると言えるほど直接的ではないですが、開発チームとやりとりすることはあります。SEO担当者やサイト運営者からのフィードバックをチームに伝えています。

SGEは今後、SEOにどんな影響を与えるのか?

鈴木:次の質問です。多くのSEO担当者は、SGEがウェブサイトからの検索トラフィックを奪うのではないかと懸念しています。これについてどう思いますか?SEO担当者は、SGEの長所に合わせてSEOの戦略をどのように調整すれば良いでしょうか?

John Mueller:これもまだ実験段階なので、SEOへの影響は非常に小さいと思います。今はオプトインで利用する必要がありますしね。将来的にどうなるかは分かりません。

強調スニペットが初めて登場した時も、多くのSEO担当者が「誰も私のウェブサイトに来なくなる」と言っていました。しかし、今では、強調スニペットに表示させようと多くのサイトが競争しています。

SGEでも同じようになるのではないでしょうか。表示されたくないと言う人もいれば、表示されたい、どうすればSGEで表示させられるだろうか、と考える人も出てくるでしょう。

鈴木SEOはSGEのせいで死にますか?

John Mueller:もちろんです(笑)。引退してTikTokerになりますか?(笑)

鈴木:(笑)

John Mueller:Twitterで誰かが似たような質問をしてきたのですが、私は「SEO担当者はテキストベースのWebが永遠に存在すると考えているが、そうである必要はない。5年後、10年後、20年後には、人々はテキストベースのウェブをファックス機のように見ているかもしれない」と書きました。

鈴木:Google検索が存在する限り、SEOはなくならないでしょうね。

John Mueller:それはどうなるか分かりません。人々がクエリを入力して検索結果のリストを得ることを望まなくなれば、検索エンジンは大きく変わる必要があると思います。メタバースに行って誰かに質問し、そこで答えを得るような世界になったら、その検索プラットフォームはGoogleではないかもしれません

SGEはどんな仕組みでリンクを選んで表示している?

鈴木SGEでは、スナップショットに関連Webページへのリンクが挿入されていますが、どのように選択されているのでしょうか?通常のウェブ検索とはアルゴリズムが異なるように見えます。

John Mueller:分かりませんが、おそらく異なると思います。SGEで表示させることを狙う、新しいSEOが生まれるかもしれません。すでに試している人がいるはずですが、これは言語モデルと設定によっても異なると思います。例えば、ChatGPTが学習しているデータは2年前のものですよね。今ウェブサイトを更新しても、コンテンツがChatGPTに反映されるまで3年待たなければならないとしたら、SEOを行う対象として現実的ではありません。しかし、もっと早く学習データが更新されるようになれば、検索結果に表示されるのももっと早くなる可能性があります。

SEO担当者は非常にクリエイティブなので、SGEに忍び込む方法を見つけることができれば、いろいろな方法を試す人が出てくるでしょう。

SGEの検索キーワードをGoogle Search Consoleから確認できる?

鈴木:SGEからのトラフィックをサーチコンソールで確認できますか?

John Mueller現時点ではできません。リンクをクリックしたら、通常の検索リファラルとしてカウントされると思います。前提として十分なトラフィック量があることが必要ですが、いつかサーチコンソールで、SGEからのトラフィックであることが表示されるようになるでしょう

ジョン・ミューラー氏は個人的にAIツールを使っている?一般的なLLMとSGEの違いは?

市川:ジョンは個人的にAIツールを使っていますか?

John Mueller:もちろん。AIは多くのものに使われています。テキストベースのチャットインターフェースだけではありません。GoogleフォトなどもAIと機械学習を使っています。人の名前を検索すると写真や場所のリストが表示されますが、あれも機械学習、AIです。

魔法のように、AIだと意識させないものもあれば、ChatGPTにテキストを入力するように、AIと話していると感じさせるものもあります。Googleフォトなどは単なるツールとして使っているので、AIだと意識しません。

鈴木SGEとBardの違いは何ですか?どちらもLLMをベースにしています。

John Mueller私の理解では、Bard(現Gemini)はスタンドアローン(システムが他のリソースに依存せず、単独でも機能すること)で、SGEは(Google検索における)情報を提供するためのものです。Bardは、実際の製品と結びついていないという点で興味深いと言えます。中立で、テストに適していますが、いずれはシステムに統合されるかもしれません。

鈴木:質問は以上です。ジョン、ありがとうございました。来てくれてありがとう。

John Mueller:こちらこそ、ありがとう。

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#SGE #SEO #SearchGenerativeExperiences #AIOverview #Bard #Gemini #強調スニペット

監修者
鈴木 謙一
鈴木 謙一
取締役 Search Advocate
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