伸び悩んでいた不動産オウンドメディアのPVが4倍。3カ月でメディアを立て直した戦略と施策とは?
遠州鉄道株式会社 2020.08.11 2021/3/24- 3カ月という短期間で、PV数は約4倍、自然検索の流入数は15倍まで成長
- メルマガだけに頼らずに、オウンドメディアを通じて新規顧客の獲得ができるようになった
- ミエルカを活用することで、ユーザーニーズに沿ったコンテンツの制作と公開が計画的にできるようになった
遠州鉄道株式会社(本社:静岡県浜松市)では、鉄道だけではなく、百貨店や介護、不動産事業など幅広い事業を展開しています。2020年1月、お客さまの「住むを結ぶ」をテーマに、住まいと暮らしの総合メディア「おすむび(OSUMUBI)」を立ち上げ、運営を開始。
しかし、オウンドメディアのPVは伸びず、検索順位もほとんどつかない状態で伸び悩んでいました。そこから、ミエルカの導入や外部の優秀な人材の手助けなどがあり、3カ月という短期でPV数は約4倍まで成長を遂げました。同社の経営企画部営業推進課の石橋様に、不動産オウンドメディアを短期で立て直した戦略や施策について伺いました。
「オウンドメディアを立ち上げたけど、PVが伸びない」
「漠然とコンテンツを制作し、ただ公開して終わってしまっている」
そうしたお悩みをお持ちのご担当者さまも多いのではないでしょうか?ぜひ遠州鉄道様の事例から、自社でも活かせる施策をお持ち帰りください。
ミエルカ導入前の課題
「MAツールとの連携を目指しコンテンツを制作するも、成果につながらなかった」
―ミエルカ導入前、どのような課題をお持ちでしたか?
石橋様:MA(マーケティングオートメーション)ツールを導入し、コンテンツを作っていたのですが、成果につながらなかったことが課題でした。
弊社では不動産を売買する不動産仲介ビジネスも展開しており、事業の成長のためにMAツールを導入。これを使って「コンテンツを制作し、定期的にコンテンツをメルマガで配信をして、その反応(メールを開封したか・どこをクリックしているか)を分析してPDCAを回していく」施策を始めようとしていました。
ただ、既存の公式サイトには、「遠州鉄道の不動産の強みや会社概要」「物件を売却するときのフロー」など、よくあるページが7~8ページあるだけ。MAツールと連携させられるようなコンテンツを制作し、活用していく方針を決め、動き始めました。
―コンテンツに取り組んでみて、いかがでしたか?
石橋様:自分たちで20記事ほど制作してみましたが、PVは伸びず、検索順位もほとんどない状況でした。当初は「MAツールを入れたメールの着地先としてコンテンツが存在すればいい」と思っていたとはいえ、「PV数がほとんどないのは課題だ」と焦りを感じ、コンテンツ制作に活かせるツールを探し始めました。
―なぜミエルカを選んでいただけたのでしょうか?
石橋様:ミエルカは「1,500社を超える圧倒的な導入実績があること」と「セミナーやサポートが充実していること」が決め手でした。
業界トップランナーのツールなら期待ができると思いましたし、ゼロからコンテンツマーケティングを学びたいと思っていたので、セミナーやサポートが充実していることも魅力を感じましたね。
また、ビジュアライズ(可視化)がされていることやコンテンツを制作するための機能が多数あったことも選定した理由です。
ミエルカの活用方法
検索意図を重視することは、検索ユーザーとメルマガ読者のどちらにも満足してもらえる結果に
―ミエルカを導入されて、以前とコンテンツの作り方は変わりましたか?
石橋様:大きく変わりましたね。これまでは何となくコンテンツを作っていたのですが、検索意図を重視するように意識が変わりました。
以前は感覚的に「ユーザーはこんなことを知りたいだろう」と考えていましたし、どちらかといえばメルマガのユーザーに向けてコンテンツを書いていました。
しかし、コンテンツマーケティングやSEOについて知れば知るほど、「メルマガの読者と検索ユーザーの知りたいことは大筋で一致している」と思うようになりました。
検索意図を重視したコンテンツを公開することで、検索で上位表示が可能になるだけでなく、メルマガで読者が求めている情報を出すことにもつながりつつあるので、今後もミエルカを活用してコンテンツ制作を進めていきます。
「コンテンツシート」を制作することでコンテンツ戦略を決定
―具体的に、ミエルカのどの機能をどう活用しているか教えてください
石橋様:まず、下の画像をご覧ください。
「中古住宅」(月間検索数66,000)に関連する一連のキーワード群で、コンテンツ戦略を決めた時に使用した「コンテンツシート」です。ミエルカの機能をフル活用して、この「コンテンツシート」を作り、枠組みを決めています。
大まかに言えば、
➀関連する言葉(サジェストキーワード)を調査
➁コンテンツに盛り込む内容を取捨選択
➂キーワードをグルーピングし、コンテンツの枠組みや本数を決定
という流れです。それぞれ詳しくご説明をしていきます。
【ミエルカ活用➀】「サジェスト抽出」機能で検索意図を調査
左列は、ミエルカの「サジェスト抽出」機能を活用して、ターゲットキーワードに関連するサジェストの月間検索数を一覧にまとめています。
この機能を使うことが、検索意図を把握する第一歩です。ユーザーがどんな言葉で検索をしているのか?が一目でわかるようになります。
この例でいけば、「中古住宅」のサジェストを一覧にしています。
【ミエルカ活用➁】「クエリタイプ分析」機能を利用して、盛り込む内容を取捨選択
次に、➀で出したキーワード一覧を、「クエリタイプ分析」機能で調査して、コンテンツに盛り込む内容を取捨選択していきます。
「クエリタイプ分析」機能では、検索結果上でどのクエリが強い傾向にあるのかを把握し、「誰に向けてどんな方向性で書けばいいのか」という分析を短時間で行ってくれます。
例えば、「中古住宅リフォーム」(月間検索数1,733)では、ユーザーの検索意図として「リフォームした中古住宅を購入したいのか」「これからリフォームするための情報を欲しがっているのか」など、検索意図がわかりづらい時があります。
このキーワードを調査してみると、商品やサービスの購入を検討している「取引クエリ」がメインに位置しており、「リフォームした中古住宅を購入したい」という意図が強いキーワードとわかります、ユーザーは具体的な物件サイトを見たいはずなので、コンテンツとの相性が悪そうだと推測できます。
一方で、「中古住宅リフォーム費用」(月間検索数640)であれば、リフォームの相場や事例を知りたがっている「比較検討クエリ」に位置しているとわかります。情報収集段階なので、コンテンツとの相性がよく、実際にコンテンツを制作しました。(実際の記事はコチラ)
これまでは、上位表示している記事を1つずつ読んで、どういう方向の記事なのかを見定めていました。ミエルカ導入後は、「コンテンツに向いているキーワードかどうか」が、一目でわかるので時間短縮と裏付けのあるデータから判断できることにつながっています。
※クエリタイプ分析の詳しい機能説明はコチラ
【ミエルカ活用➂】「サジェストインテンション」機能で、キーワードごとにグルーピングし、コンテンツの内容と本数を決定
最後に、➁で取捨選択したキーワードを、「サジェストインテンション」機能と呼ばれる検索意図を分析するためのバブルチャートを使用してグルーピングしていきます。
・どこまでを1コンテンツにするか
・どんな言葉をコンテンツに盛り込むか
を決めていきます。今回のケースで言えば、
「中古住宅購入」「中古住宅リフォーム」「中古住宅ローン控除」
などが近い意図としてグルーピングできたため、それぞれのキーワードに沿ってコンテンツの大枠(タイトルや見出し)を作成していきました。
―かなり使いこなしていただいていますね。すぐに使いこなせましたか?
石橋様:使いこなせるかどうかと不安でしたが、無事に使いこなせています。こうしたツールは、「ツールを入れたけど使いこなせない」こともあると思いますが、ミエルカの場合、サポートを丁寧にしていただけたので、そうした失敗をせずにすみました。
オンラインセミナーが充実しており、講師と一緒に手を動かしながら行うので、とても分かりやすく、2回目からは自分だけで使うことが可能です。また、月一回定期ミーティングを行っているので、わからないことがあればすぐ聞けることも助けになりました。
ミエルカ導入した効果
月間PVは4倍、自然検索の流入数は15倍に成長。高性能なツールと外部の優秀なブレインが成長の要因。
―こうしたコンテンツを制作するようになって、どのような結果につながりましたか?
石橋様:月間PVが導入前の4倍、自然検索の流入数は15倍になりました。
「不動産」など、月間検索数が1万を超えるようなビッグワードでは既に全国展開している競合が多く、参入が難しいです。ただ、「不動産内覧」「不動産内見」のように月間検索数が少ないロングテールであれば、上位表示することが可能ですし、弊社メディアの場合は、そこできちんと上位表示ができています。
後発メディアでも、ロングテールで上位表示できるようになってくれば、いずれビッグワードも狙えるようになってくるので、今後はビッグワードも狙っていきたいですね。
こうして結果に結びついているので、社内の考え方も徐々に変わってきています。
弊社としては、オウンドメディアやコンテンツマーケティングは初めての試みでした。しかし、ミエルカを導入して成果を出しつつあるので、他部署の社員たちからは「どうやっているの?」と聞かれることも増え、社内での認知度が上がってきていると感じています。
―今回の取り組みを振り返ってみて、いかがでしたか?
石橋様:メルマガの開封率はもともと40%を超えており、高い数値でした。しかし、今回の取り組みで、メルマガだけに頼らずに、オウンドメディアを通じて新規顧客の獲得ができるようになりました。
まだまだ成長途中ではありますが、今後もこの取り組みを続けていきたいですね。
―3カ月という短期間で、なぜここまで成長できたのでしょうか?
石橋様:ミエルカという高性能なツールがあったことはもちろんですが、外部の優秀なブレインの存在も大きかったですね。ご縁があり、ライター歴が長く、メディアの設計から記事執筆まで手がけられているフリーライターにメディア設計や記事執筆のお手伝いをいただいています。この方のおかげで、きちんとコンテンツ制作をできる環境を整えることができました。
私自身は、コンテンツマーケティングに取り組んだことはなく、わからないことも多かったですが、日々手助けをいただいているおかげでもおります。 ツールだけではなく、「優秀なブレインを持つか」というのが、メディアの成長に大切な要素の一つなのかもしれません。
今後の目標
「メルマガやSEOを意識した記事だけでなく、地元ネタの記事も充実させ、独自性のあるオウンドメディアにしていきたい」
―今後の目標についてお教えください。
石橋様:「おすむび」が浜松エリアでより多くの人に見てもらい、地元の人に愛されるようなメディアにしていくことが目標です。
最近では、「浜松にあるお洒落なカフェ情報」など地元浜松に暮らす人のためのお役立ち情報(地元ネタ)の発信も始めました。今後はそうした記事も増やしていき、オウンドメディアのオリジナル性も高めていきたいと思っています。
また、現在は流入数が伸びていますが、売却査定や物件のお問い合わせなどのCVにつながれていないことが課題です。
今後は、CVに結びつくキーワードでの検索流入を増やしていきたいですね。現在は、記事の中にCVボタンを一番下に簡単に置いているだけなので、記事内にボタンを設けてお問い合わせにつなげるなどの施策を実施していきます。
企業プロフィール
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- 社名
- 遠州鉄道株式会社
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- 事業内容
- 鉄道、運輸、自動車販売、小売、不動産等
遠鉄の住まいと暮らしの総合メディア「おすむび」運営
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- 導入時期
- 2020年4月
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- 担当
- 経営企画部営業推進課 ディレクター 石橋 正義 様
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- 体制
- ディレクター1名、アシスタント2名、ライター3名、デザイナー8名
担当CSよりひと言
この度、遠州鉄道様の導入と運用を担当させていただいている坂口です。
石橋様とライターの方と普段からやり取りさせて頂いているのですが、ミエルカの利用方法などを今まで行っていた作業フロー内にすぐに入れて頂き、すぐに実装して頂いたのが凄く印象的でした。
今後としてはより一層PV数やCVに結び付ける事になってくるかと思いますが、一緒に成果に向け乗り越えていきましょう!(担当:坂口 雅治)