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オウンドメディア運営は継続が大変!? 長期間コンバージョンに寄与するコンテンツを維持する方法

GMOメイクショップ株式会社 2024.01.23 2024/3/22

  • 広告のCPC高騰により、SEO集客の重要性が高まる
  • 自社と競合の検索順位モニタリングで健康診断、リライト対象を決定
  • ヒートマップも活用してCVアップ施策も実行
  • ミエルカコネクトによる外部人材も活用した運営体制を構築

コンテンツマーケティングによる集客やコンバージョン(CV)獲得を実施しているオウンドメディアはいまや多岐にわたります。新規集客の大部分がコンテンツマーケティングを地道に行なったからこそ実現できたものという成功体験を持っている企業も少なくないのではないでしょうか。

安定的にメディア運営を行えるようになった先の未来では、それらを維持継続し、CVを生み出すためにはどうしたらよいのか。ECサイト構築をはじめとする、ECにおける商取引支援を行うGMOメイクショップ株式会社でも、同様の課題を抱えていました。

高騰する広告のクリック単価(CPC)の影響で、広告のパフォーマンスが悪くなる中、オーガニック集客は重要なチャネルです。オーガニック集客を維持し、CV獲得を行うために「ミエルカSEO」を通じた分析や戦略立案を実施。また「ミエルカコネクト」を活用したフリーランスのマーケターとの協業を行いました。その結果、重要キーワードでの検索順位の維持、CV改善を効果的に実現。淡々と取り組んだという今回の事例における、ミエルカSEOの活用方法や、マーケターとの取り組みの様子を教えていただきました。

高騰するCPCを課題視し、継続的なセッション・CV獲得を目指した

── まず、貴社の事業内容について教えていただけますか?

原様:
弊社は、ECサイト構築SaaS「makeshop byGMO」や大企業向けECサイト構築ソリューション「GMOクラウドEC」を主幹事業としながら、ECサイトの構築支援、ECマーケティング支援、EC運用受託など、企業のECビジネスをトータルサポートしている会社です。ECでの販売チャネルを持ち、ビジネスを拡大したいと考えるお客様にサービスを提供しており、コストパフォーマンスの高さや支援の手厚さなどの観点でこれまで評価をいただいています。

原様

そのなかで、弊社が運営している「makeshop knowhow byGMO」は、ネットショップの開業や運営に必要な知識、取り組みなどをまとめたオウンドメディアです。リスティング広告の出稿による集客のほか、主にコンテンツマーケティングの手法を用いて、検索順位の上位表示を行いながらセッション数を高めてきました。サービスサイト内におけるセッションで半分以上をこのオウンドメディアで獲得しており、CV獲得にも貢献しています。

オウンドメディアとしては長期的に運用されているため、重要なキーワードを意識した記事は出揃ってきていますし、安定的な活用もできているタイミングでした。ただ、獲得しているセッションがうまくCVにつながっていない事例であったり、以前よりもセッション数が下落している記事があったりと、テコ入れの必要な状況がありました。そういった細々とした改善を、約1年半ほど行なっています。

オーガニックでの流入によるセッション数拡大が必須に

── 今回の取り組みを実施するにあたって、その背景にあったきっかけや課題について伺えますか?

原様:
CPCの高騰により、オーガニックでの集客の重要性が高まったことが大きな課題として挙げられます。というのも、現状、集客方法として主に機能しているのは、リスティング広告と、指名検索や一般キーワード検索によるオーガニック流入です。それに加えて、SNSやアフィリエイトなどもありますが、基本的には前述の2つが集客における大部分を占めています。

そういった環境下で、広告出稿でのCPCが1.2〜1.3倍程度になり広告のパフォーマンスが悪くなりつつあったんです。競合が増えたことや、プラットフォーム側の自動最適化もあって、指名検索の広告費も上がっているような状況でした。弊社は事業上、新規の法人様からのお問合せやご契約を目指しており、指名検索での流入を狙うのが最も効率よくCV獲得ができることもわかっています。

ただ、指名検索による広告費が膨らむと、一般キーワードに回せる予算が減ってしまう。どうしても、オーガニックでの集客に力を入れる必要がありました。オーガニックによるセッション数を増加させ、CV獲得までを実現するという、一連の流れを構築することを目標に取り組みを行なっています。

原様

── 具体的には、どのような施策を実施されていたのでしょうか?

原様:
オウンドメディアには200本弱の記事があり、それらの記事で獲得しているセッションが効率的にCV獲得につながっていないことを課題視していました。

CV改善のために必要なことは2点あって、

①セッション数の増加
母数を増やさないことには始まらないので、まずはいまのセッション数を維持・拡大することが必要です。これまでの記事改善によって、コンバージョンにつながるような重要なキーワードでの検索順位を維持し、伸ばしていく施策が必要です。

②CVRの向上
次に、得られたセッションを効果的にCVにつなげるための導線設計が必要です。CVには資料請求と無料体験の2つがありますが、今回はより契約につながりやすい「無料体験の申込み」を主たるCVとして取り扱っています。こちらはヒートマップ分析を行って改善していきました。

地道な取り組みで、セッション数、CV数ともに拡大に成功

── それではまず、セッション数の拡大における取り組みについて教えてください

原様:
セッション数の拡大においては、必要な記事を作りきることが重要です。ただ、すでに記事数自体は担保されている状態なので、現在は月3本程度のペースで記事制作か改善を行なっています。大まかな優先度としては3つの観点を定めて進めています。

① 検索順位やセッション数が下落している既存記事をリライト
② 新しいキーワード獲得に向けた新規記事制作
③ セッション数の下落は見られないものの、パフォーマンスが低い既存記事をリライト

<ミエルカ順位レポートの例>

ミエルカ順位レポートの図
ミエルカSEOでは検索順位をスコア化し、ファインダビリティスコアとしてサイトの健康状態を把握できる。合わせて競合サイトの状況もウォッチできるので市場全体の動きも観察可能。

「ミエルカSEO」のツールで検索順位レポートをみているので、Google Analytics4の数値やCV数などと照らし合わせながらパフォーマンスの低い記事を見極め、優先度を付けてリライトを行うような運用にしています。週次でレポーティングする場合もありますが、基本は月に一度の定例ミーティングでガッツリとツール内で分析を行いました。

原様

Google Search Consoleでも検索順位を見ることはできますが、平均順位しか算出できないので実際の順位とは大きく異なることが多いんです。それで判断してしまうと見誤る可能性がある。その点、ミエルカSEOを活用すると、実際の検索順位を見ながら会話ができますし、施策のスピード感を落とさずに取り組むことができているなと感じます。

また、ミエルカSEOなら競合他社の検索順位情報を見ることもできるので、施策を検討する際にも大変参考にしています。

── では、CVRの改善における取り組みについても教えてください

原様:
CVRの改善においてはミエルカヒートマップを活用しています。ページのどこで離脱されているのかを色で把握し、改善施策を検討していきます。これまではCVとして資料請求と無料体験の双方において計測を行なってきましたが、より契約に近いものをと考え、無料体験を主なCVと捉えてLPの改善も行なっています。

<LPのヒートマップ分析例の画像>

LPのヒートマップ分析例の画像

 

その結果、LPにおけるファーストビューの変更がCVRを高める効果があるとわかりました。これまではテキスト、ボタン、クリエイティブを左右に配置して構成するLPでしたが、LPのど真ん中にボタンを置くことでわかりやすくなったんですかね。随分とCVRの改善が見込まれました。

ヒートマップは目で見て改善点がわかるので、LPの修正においては本当に役立ちました。アクセス解析上の数字だけだとピンとこないことも、ビジュアルで見ることでよりわかりやすくなるというか。ミエルカヒートマップだと、アテンション(熟読)、スクロール、クリックと3つのヒートマップを並べてプレビューできたりもするので、ユーザー行動を可視化するツールとして大変活用させてもらっています。

── それぞれのお取り組みを経て、セッション数の向上やCV獲得は実現できていますか?

原様:
はい。一つひとつの記事自体を丁寧にリライトしているおかげで、メディア全体としてのセッション数が大幅に拡大しています。また、LPの改善によってCV増加も達成できています。当初目指していた、一定のセッション数を維持した状態で、さらなる順位の向上、CV増加というミッションを着実に達成できている状況です。

正確かつリアルタイムな分析で、最短最速でのCV獲得を目指す

── ミエルカSEOのカスタマーサクセスのサポートに加え、ミエルカコネクトで外部人材を効果的に活用いただいていますね。そういったサポートや協働体制に関して、感じていることがあれば教えてください

原様:
カスタマーサクセス担当の岡さんからは、取り組みの方針はもちろん、細かなアルゴリズムの変化やアップデートにまつわるお話などを教えていただく機会も多く、リアルタイムに情報提供をいただけたのでとても助かっていました。コミュニケーション力も高く、知識も豊富なので、とにかくご一緒している際の安心感があります。

本来であれば、ライティングまで内製化できる方がコスト的にも工数的にも良いのかもしれません。社内に知見も溜まるので、できたら内製でと考える人も多いと思います。

ただ、実際のところを考えてみると、やっぱりそこまでのリソースがない現状がありますし、特に記事作成などの手を動かす点に関しては外部の力を借りたい。そういった面で、ミエルカコネクトも提供されているFaber Companyさんというパートナーがいてくれる心強さを実感しています。

岡

CS担当 岡:
プロジェクト当初から、原様はとても丁寧にオウンドメディア全体の精査やキーワードの選定などを実行されていたので、すごくスムーズにご支援ができました。

検索順位を維持するためには、なによりも適切なコンテンツ、キーワードの管理が大切です。全体設計をきちんと行ってくださっていたからこそ、安心して施策の検討やご提案を行うことができました。

── 今後の貴社の取り組みや展望についても教えていただけますか?

原様:
基本的には、当初の目標から変わっておらず、無駄な広告費をかけることなく、最終的にはオウンドメディアのみで集客、CVが達成できるような状況をつくっていきたいと思っています。

現時点ではまだLPの設計もコンテンツ制作も道半ばの段階なので、無料体験の申し込みを今よりも生み出せるオウンドメディアに育てていきたいですね。そして「makeShop byGMO」というサービスを、より多くのお客様にご愛用いただけたらと思っています。

── ミエルカSEOのツール活用に加え、ミエルカコネクトの外部人材を組み合わせた素晴らしい運用体制を構築されていると思います。今後も、ともに高い成果を目指してがんばっていきましょう!

 

企業プロフィール

  • 社名
    GMOメイクショップ株式会社
  • 事業内容
    「ECプラットフォーム事業」のほか、「EC運用受託事業」「マーケティング支援事業」を展開。
    サイト構築からショップの運用代行、販促支援まで、ECサイト運営に関わるサービスをワンストップで提供。
  • サイト
    https://www.makeshop.jp/
  • 担当
    原 様

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