耳にしない日がないほど、大きな話題となっている文章生成AIの「ChatGPT」。ChatGPTは文章の要約が得意なので、記事作成の構成案の作成や、文章の構成などさまざまな場面で活用でき、SEOなどにも影響します。
要約のほかにも、ChatGPTは設定した人物になりきって会話することも得意です。もしペルソナ設定に活用できれば、ChatGPTにペルソナになりきってもらい、ユーザーインタビューを実施できそうです。
実際にChatGPTに記事作成のペルソナ設定をお願いできるか聞いてみました。
ペルソナ設定の重要性も理解したうえで、ペルソナ作成をサポートしてくれそうです。
オウンドメディアの記事作成であれば、コンテンツの質を高めるためにユーザーの疑問や課題、知りたいことを理解しておくことが欠かせません。
今回は、GPT-3.5を使って検索意図を理解する上で欠かせないペルソナ設定を作成する方法をお伝えします。
ChatGPTを使って記事作成を効率化したい方は、ひとつの方法としてお役立てください。
ChatGPTでペルソナ作成する方法
ChatGPTでペルソナを作成していきましょう。作成したペルソナを使って、検索意図の調査やユーザーニーズの把握にも活用するのがおすすめです。
それでは、ペルソナを作成する方法を解説します。
生成してもらう項目を決めておく
まずは、ペルソナ設定に必要な項目を決めておきましょう。ChatGPTが生成する回答は、プロンプトに左右されます。
あらかじめペルソナ作成の際に生成してもらいたい項目を決めておけば、ChatGPTに的確な回答が得られるわけです。
たとえば、以下のように条件を設定して質問します。
今回は記事作成のため、設定している項目が比較的少ないですが、販売戦略などマーケティングに活用する場合は目的にあわせて適宜質問を増やすとよいでしょう。
ペルソナを作る
回答してほしい項目を決めて質問すると、以下のようなペルソナを作成しました。
ライフスタイルだけではなく、検索意図も大まかに回答してくれました。なかなか勉強熱心で、向上心が高いペルソナのようです。
ペルソナ設定として内容がざっくりしていますが、今回はあくまで記事作成のためのペルソナ作成なので、一旦はこれでよしとして進めていきます。
検索意図を調査する
ペルソナを作成したら、質問をして検索意図やユーザーニーズの理解を深めていきましょう。
まず、山田太郎さんのWebマーケティングに対する理解度を聞いてみました。
山田太郎さんは初心者ではないようです。「一定の知識や経験がある」と回答したので、勤続年数も聞いてみました。
ペルソナ作成した際に勤続年数の項目を設けていなかったので、回答してもらえませんでした。記事作成する際は、ユーザーが初心者なのか、または中級者以上なのかにより記事内で使う専門用語も変わってきます。
今回はペルソナ作成時にキーワードに対する理解度や勤続年数などの項目を設定しなかったため、プロンプトに改善の余地がありそうです。
もし初心者向けの記事作成など、大まかにペルソナの理解度が決まっているようであれば、ペルソナ作成の時点で指定しておくとよいかもしれません。
山田太郎さんが中級者であることがわかったので、次に検索意図を聞いてみました。
ChatGPTは山田太郎さんになりきって、検索意図に答えてくれました。どうやらSNSマーケティングやWeb広告、SEO対策にも興味や関心があることがわかりました。
この回答をもとに、記事内に「Webマーケティングの手法」を解説する見出しを作るのがよさそうです。
さらにペルソナのニーズを把握するために、顕在ニーズと潜在ニーズを聞いてみました。
回答を見たところ、顕在ニーズと潜在ニーズにそれぞれあげている内容は、どちらにも該当するような気もします。
ペルソナ作成時に、より多くの情報をChatGPTに与えておけば、さらに詳しい回答が得られそうです。
今回は、マーケティング手法や施策の効果測定、改善方法、成功事例などを知りたいことがわかりました。この情報があれば、見出し作成に活用できそうです。
またChatGPTの面白い点は、ペルソナになりきって回答してくれるのでユーザーインタビューができることです。対話しながら、新たなアイデアを発見するきっかけになります。
ChatGPTでペルソナ作成するときのコツ
ChatGPTを使ってイメージに近いペルソナをうまく生成できない場合があります。
うまくいかない場合は、プロンプトに問題があったり、ChatGPTの持っているデータが少なかったりするのかもしれません。
まずは、以下の3点を試してみましょう。
- 同じ質問を繰り返してみる
- ターゲットデータをたくさん食わせる
- 製品・サービスの情報を入れる
それぞれ解説します。
同じ質問を繰り返してみる
ChatGPTの回答内容にズレがあれば、プロンプトを変更して再度聞いてみることが一般的です。
しかし同じ質問を繰り返してみることで、ChatGPTの回答が変わることもあります。
たとえば「Webマーケティング」のペルソナを作成してもらったところ、以下の回答が得られました。
年齢や年収、職種など回答内容の幅が広すぎるため、これでは参考にはなりません。
そこで再度同じ質問をしてみたところ、次は以下のように答えてくれました。
プロンプトは変わっていませんが、より詳細なペルソナを作成することに成功しました。
ただし、同じ質問を繰り返し聞き続けてしまうとChatGPTから回答を断られてしまう場合もあります。回答内容に変化がないようであれば、プロンプトを改善してみましょう。
ターゲットに関するデータを読み込ませる
ChatGPTにターゲットデータを多く読み込ませることで、ペルソナ作成の精度を高めることが可能です。
ターゲットに関するデータを読み込ませておくと、製品やサービスに対する認識や、検索キーワードへの理解度など、ターゲットの傾向を踏まえたうえでペルソナ作成ができるでしょう。
たとえば、ユーザーインタビューやアンケートなどを読み込ませれば、興味や関心、考え方の傾向にそってペルソナを作成できるわけです。
もしChatGPTにユーザーインタビューなどを食わせる場合は、企業名や人物名などの固有名詞を入れないようにしましょう。
製品・サービスの情報を入れる
ChatGPTに製品やサービスを理解してもらうと、適切なペルソナを作成しやすくなります。
自社のほかに、競合の製品やサービスの情報を読み込んでもらうとよいでしょう。読み込んだデータ量が増えれば、市場調査にも活用できそうです。
ただし、製品やサービスの情報をChatGPTに入れるときは一般に公開されている情報に留めましょう。開発中のデータなど機密情報をプロンプトに入れないように注意が必要です。
ChatGPTを使ってペルソナ設定するときの注意点
ペルソナ作成に役立つChatGPTですが、注意しなければいけない点があります。
プロンプトを作成するときの注意点は、以下の2つです。
- ChatGPTに機密情報は流さない
- ChatGPTの癖を理解しておく
ひとつずつ詳しく紹介します。
ChatGPTに機密情報は流さない
ChatGPTはデータを読み込ませたり、具体的な指示をしたりすることで回答の精度も上がります。ただし、プロンプトの内容には機密情報を入れないように注意が必要です。
海外では、大手メーカーが議事録の作成やコードの修正をChatGPTに依頼し、機密情報を流してしまい問題となりました。
ChatGPTはプロンプトなどに含まれるデータを学習している可能性もあるため、機密情報を流さないように細心の注意を払って利用しましょう。
ChatGPTの癖を理解しておく
ChatGPTは、生成する文章に特徴があるので、理解したうえで利用しましょう。
マーケティング戦略する際にペルソナを作成する場合は、ユーザーが利用しているブランドや製品なども想定することもあります。
しかしChatGPTは2021年までのデータを学習しているため、最新情報などトレンドをつかむことは難しいでしょう。
試しにChatGPTがブランド名など固有名詞を上げて回答できるのか、以下のような質問をしてみました。
回答しているアイスブランドが海外メーカーに偏っており、また「ベン&ジェリーズ」は国内販売がすでに終了していました。どうやらZ世代に該当する年齢も理解していない可能性がありそうです。
固有名詞をあげて特定の製品やブランドについて聞く場合は、あらかじめプロントにブランド名や製品名などを入れたうえで聞くのが有効です。
最新情報をとらえた回答が難しいことなど、ChatGPTの傾向を理解したうえで参考にするようにしましょう。
記事を作成するときにChatGPTでできること
ペルソナ作成のほかにも、ChatGPTには記事ライティングのさまざまな作業のサポートをお願いできます。
たとえば記事ライティングをする際に、以下の場面で活用できます。
- 構成案のたたき台作成
- タイトル案のアイデア出し
- 事例のアイデア出し
- 文章のブラッシュアップ
ChatGPTは対話できるため、壁打ち相手として利用するのがおすすめです。対話していくことで、自分で思い浮かばなかったような新たな切り口を見つけられるかもしれません。
一方でChatGPTの生成した文章は、必ず情報の精査が必要です。生成した文章には、正しい情報だけではなく、不正確な情報やChatGPTが作り出した情報が混在しているからです。
AIが嘘をつくことは「ハルシネーション」と呼ばれています。ChatGPTの文章をすべて鵜呑みにせずに、情報を見極めるようにしましょう。
記事ライティングでの活用方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:4月分「ChatGPT 記事ライティング」
ChatGPTに記事作成のサポートをしてもらおう
ペルソナ設定の作成をはじめ、ChatGPTは記事作成の効率化やアイデア出しなどに活用できます。
使い方になれてくれば、専属のサポートメンバーのように記事作成をアシストしてくれます。
ChatGPTが生成した情報の精査など気をつけなければいけない点もありますが、さまざまなプロンプトを試しながら最適な使い方を模索してみましょう。