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【海外カンファレンス現地レポート】Conversion conference (Day2)参加 & 登壇レポート ~市川の海外カンファレンス2回目登壇~

更新日:2024.11.12 公開日:2023.07.11

2023年6月19~22日(カンファレンスは20~ 21日)にアメリカのラスベガスにて開催された、CRO(コンバージョン改善)に特化したカンファレンス Conversion Conference に幣社の市川 (@RiRiIchikawa) と本田 (@hontaku) が参加しました。その時の様子を本レポートでお届けします。

初日の様子はこちら

2日目のアジェンダはこんな感じ。
2日目のアジェンダ

2日目はいよいよ筆者、市川の登壇です。今回が海外カンファレンス2度目の登壇なので、前回に比べるとそれほど緊張はしませんでした。(1回目の登壇の様子はこちら

市川のセッション

登壇時間は45分間。かなり長いです。
セッションタイトルは、”Failure to Success: A Step-By-Step Case Study on 50% Growth”

ミエルカヒートマップのサイトリニューアルで失敗した経験談をもとに、ページの改善手順を4つのステップに分けて一つずつ発表しました。ヒートマップを使った改善手法と共に、コンバージョン改善の事例やクリック率改善の事例など、実践的な事例を9つ盛り込みました。

ただ初日のレポートでも記載したように、カンファレンス参加者自体が少なく、会場自体はスカスカだったのが何よりも残念でした…

会場の様子

しかし、人数が少ないからこそ聴講者参加型のプレゼンが楽しめました。

改善のビフォーアフターやABテストのパターンを見せ、どっちの方がコンバージョンやクリック率が高かったかのクイズを出し、正解者には景品を配るというインタラクティブなパフォーマンスです。

配った景品は….そう、日本の代表的なお菓子ハイチュウです。

ハイチュウ
森永製菓 ウェブサイトより引用

ハイチュウはアメリカでも売っていますが、日本から持ってきた本物(?)のハイチュウだよ、と言うと喜んでもらえました。

海外では聴講者参加型のインタラクティブなセッションはとてもウケがいい印象にあります。特にCROにおいては、AとBの二つのパターンを見せてどちらの効果が高かったか、クイズ形式にして答えてもらうセッションはよくありますし、聴講者の反応もいいことが多いです。

特に45分と長いセッションなので、聴講者も飽きない工夫というのは大事だと改めて感じました。

CROの手順を紹介している図
CROの手順を紹介している図

セッション終了後、聴講者から直接ヒートマップとCROに関する質問を何名からかいただき、発表内容を興味深く思えてもらえたようでした。

海外カンファレンスでは、セッション後登壇者に質問をすることが一般的なのですが、中には質問が一切出ないセッションもあります…。そのため、セッション後の質問の数もその発表の評価指標の一部と言えます。

セッション後に聴講者から質問を受けている市川
セッション後に聴講者から質問を受けている市川

セッション内でミエルカヒートマップを紹介したのですが、印象深かったのが、アテンション(熟読)ヒートマップに対する興味と関心。

ミエルカヒートマップでは、熟読、離脱、クリックの3つを可視化するヒートマップがあります。熟読箇所を表すアテンションヒートマップでは、ユーザーがページ内のどの箇所で立ち止まって読んでいるかを色で表し、より多くのユーザーに読まれているところほど赤く表されます。

ヒートマップとは

もちろん海外には有名なヒートマップツールがたくさんありますが、この熟読を表すアテンションヒートマップはどうやら海外では一般的ではないとのこと。

マウスのカーソル位置をもとに、ユーザーがどこに興味を持っているかを推定するヒートマップはあるのですが、カーソル位置と読んでいる箇所は必ずしも一致するとは限りません。

聴講者のうちの一人から「マウスカーソルのヒートマップはあまり頼りにならないことが多いが、このアテンションヒートマップは本当にユーザーが立ち止まっているエリアを表示しているから参考になる。」とコメントをいただきました。嬉しいですね〜。

市川のセッション

私の発表内容について、主催者のMartin氏からも絶賛してもらえました。「海外(日本)においてもユーザー行動の心理は変わらず同じであることを沢山の実用的な事例を用いて話していたのがとても良かった。話し方も堂々としていてとても聴きやすかった。日本でのCROの案件があればぜひ頼みたい。」と言っていただけました。

主催者のMartin氏

市川のセッションは午前中最後の枠だったので、終わったあとはランチです。軽やかな気分でご飯を食べられます。2日目もとっても豪華でした。

ランチビュッフェの様子

ランチビュッフェの様子

もちろんステーキもありますし、もちろん沢山食べました。豪華なランチに感謝です。

ランチビュッフェの様子

海外カンファレンスあるあるなのですが、エアコンが強すぎて凍えるくらい室内が寒いんですね。半袖の強者もいますが、冬物の厚手のセーターが手放せません。薄手のダウンジャケットがあってもいいくらいです。

その点、外は40度近い暑さです。ラスベガスは日本とは違い、湿度が低いので日陰であればカラッとしてちょうどいい暖かさです。そのためお昼は見晴らしのいいテラスでいただきました。

会場のテラス席

テラスの真下には大きいプールが。遠くに見えるのは Red Rock Canyon です。

会場のプール

この上ないくらい最高な気候でした(戻りたい…)。

午後のセッションは、ABテストのための標本母数の話やPythonを使った分析の話(難しすぎて結構な人が置いてけぼりだった…)、ペルソナ設計の話など、直接的なCROの話以外のものもありました。

そんな中で1番盛り上がったのが、最後のライブ分析セッション。事前に聴講者から募集したサイトをCROのプロ3名がその場で分析し、改善点をビシバシ指摘していくというものです。

ライブ分析セッション

これが想像以上に辛辣で面白かったです。

「何が言いたいのかわからない」
「え、これリンクなの?リンクってわかった人いる?」
「結局ユーザーに何をしてもらいたいの?」

本当にこのままのことを言っていました笑。登壇者も「私たちの餌食に自らなってくれてありがとう」と言うほど。

ただ、とっても勉強になりました。筆者が勉強になったと感じたのは以下のポイント。

  • サイト流入後のぱっと見の第一印象はやはり大事
  • とってもらいたいアクションを明確にすべき
  • 文字の視認性はツールを使ってチェックする(例はこちら

これらのポイントは長らくCROをやっている人からすると、当たり前のことなのですが、これが万国共通で同じであると認識できたことが面白かったです。

餌食になったサイト
餌食になったサイト。白背景の赤文字がリンクだそう。これには会場内も少しどよめいた。

このセッションは30分だったのですが、もっとあっても良かったのではないかと思うくらい面白かったです。筆者は日本のサイトは沢山見て改善提案もしてきましたが、海外のサイトは未経験に等しいので、海外のプロのCROコンサルタントの着眼点や、海外ではどういうところが大事なのか知れるのはとても興味深いです。

あとはやはり海外でのCROやUXでは日本に比べて「アクセシビリティ」という言葉をよく耳にします。ボタンの押しやすさ、視認性、読み上げ機能など、身体的障がいの有無に限らず誰もが見やすく使いやすいサイトを作る工夫がよく議論されている印象です。もっと色んなパターンのサイトをCROしてみたいと思わせられる時間でした。

というわけで、二日間に渡って開催された Conversion Conference はこれにて終了です。最後にラスベガスの思い出をお送りして本レポートを締めくくりたいと思います。

ショッピングストリートの上空にはジップライナーが
ショッピングストリートの上空にはジップライナーが
マクドナルドの看板までもがギラつく
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ラスベガスのど真ん中にそびえ立つ偽エッフェル塔
ラスベガスのど真ん中にそびえ立つ偽エッフェル塔
ホテルのフロア一面がカジノエリア
ホテルのフロア一面がカジノエリア
テレビ番組でもよく取り上げられるベラージオの噴水ショー
テレビ番組でもよく取り上げられるベラージオの噴水ショー

あり得ないくらい高いラスベガス…

本記事の著者
市川莉緒
市川莉緒
Web/ソフトウェア開発PM
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