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DMCAとは?Google・X(Twitter)での申請方法、悪用された際の対処

公開日:2024.05.14

DMCAとは?

DMCAは「デジタルミレニアム著作権法」と呼ばれる米国の法律です。著作権侵害があった際の、「プロバイダ」の義務や責任範囲などを規定した法律になっています。GoogleやX(Twitter)、Meta(Facebook、Instagram)などは米国企業であるため、日本の企業や個人にも大きな影響を与えます。

SEO対策をするうえでもDMCAを押さえておくことは重要です。後述しますがDMCAは逆SEOに悪用されるリスクがあるからです。

本記事では、DMCAの概要や押さえておくべきポイント、代表的なプロバイダであるGoogleとX(Twitter)における申請の方法、悪用された場合の対処までわかりやすくご紹介します。

峯林晃治

著者:ファストマーケティング(峯林晃治)

Webディレクター、SEOコンサルタントを経て、2013年に事業会社に入社。主にBtoB領域のデジタルマーケティングに携わる。2020年に独立。シニアコンテンツディレクターとして、株式会社Faber Companyでも鋭意活動中。▶︎Twitter

DMCA(デジタルミレニアム著作権法)とは

DMCAは「Digital Millennium Copyright Act」の略称で、日本語では「デジタルミレニアム著作権法」と呼ばれています。プロバイダの著作権侵害への対応義務や責任範囲などを定めた、米国の法律です。

ここでいうプロバイダとは、たとえばGoogleやX(Twitter)など、ユーザーが作成したコンテンツを登録し、配信するプラットフォームがこれに当たります。DMCAに則り、著作権者は著作権侵害をプロバイダに申請できます。

プロバイダは法定の手続に従って該当の著作物をプラットフォームから削除することで、著作権侵害に関する責任を免除される点がDMCAの特筆すべき点です。

DMCAで押さえておくべきポイント

DMCAで押さえておくべき3つのポイントを紹介します。

  • 米国のプロバイダが対象となる
  • ノーティスアンドテイクダウン
  • 濫用、悪用されるリスク

①米国のプロバイダが対象となる

DMCAは米国の法律であるため、米国のプロバイダ(プラットフォーム)が対象となります。具体的なプラットフォームの例は、次のとおりです。

  • Google
  • YouTube
  • X(Twitter)
  • Facebook
  • Instagram など

日本でも広く利用されているプラットフォームが含まれるため、国内の情報発信についてもDMCAの影響を受けることになります。

なお、プロバイダが日本企業の場合は「プロバイダ責任制限法(正式名称:特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)」が適用されます。プロバイダ責任制限法では、著作権者から著作権侵害の通知があったことをプロバイダは発信者に連絡し、異議申し立てがなければ該当の著作物を削除する流れとなっています。対するDMCAでは、プロバイダが著作権者から著作権侵害の通知を受けると、まず該当の著作物を削除してから発信者に連絡する点が、ふたつの法律の違いです。

②ノーティスアンドテイクダウン

ノーティスアンドテイクダウン

DMCAにおいて最も特徴的な仕組みとして「ノーティスアンドテイクダウン」が挙げられます。ノーティスアンドテイクダウンとは、著作権者から著作権侵害の通知を受け取った際に、プロバイダは速やかに当該コンテンツを削除するという手続きのことです。

ノーティスアンドテイクダウンの注意すべき点として、発信者が本当に著作権を侵害しているかどうかを、プロバイダ側で審査しないということが挙げられます。DMCAでは、プロバイダは通知を受けた時点でコンテンツを削除し、その旨を情報発信者に通知する仕組みになっています。

削除されたコンテンツが著作権侵害にあたると連絡を受けた発信者が反対通知をプロバイダに対して行い、著作権者からの訴訟提起がなければコンテンツは復活します。

③濫用、悪用されるリスク

DMCAはノーティスアンドテイクダウンという仕組み上、悪用されるリスクがあります。著作権が侵害されていなくても、著作権侵害を偽って申請されると該当コンテンツは削除されるからです。たとえば、YouTubeで発信された内容がある企業にとって好ましくない内容であった場合、著作権を侵害していなくてもその企業の担当者はDMCA申請ができてしまいます。

国内外でDMCAが濫用・悪用された事例があり、問題視されています。実際の事例を見てみましょう。  

国内事例

国内では、個人ブログに特定の企業の著作権を侵害する内容が掲載されているとして、Googleの検索結果から外すようDMCAを申請した企業事例があります。しかし実際には問題視されるほどの著作権侵害はなく、該当企業に関して都合の悪い内容がブログに記載されていたため、不当にDMCA申請を行ったのではないかといわれています。申請後、該当のブログは検索結果に表示されなくなりましたが、その後復活し再び閲覧可能となりました。

海外事例

海外では、DMCAを悪用してYouTubeで虚偽の著作権侵害の主張を繰り返し、YouTuberに嫌がらせをしただけでなく、金銭を脅し取ろうとした事例があります。YouTube側は、著作権侵害を申請した人物(被告)は偽の身分証明書を使い、YouTuberに著作権侵害の取り消しと引き換えに金銭を要求していた、と訴えました。その結果、被告は2.5万米ドルの損害賠償の支払いに同意し、YouTubeとコミュニティに謝罪したといいます。

参考:Settlement between YouTube and ‘DMCA Extortion Scammer’|The University of British Columbia

DMCAのSEOやSNSへの影響

DMCAは、該当のWebサイトの順位を落とす施策である「逆SEO」に悪用されるケースがあります。DMCAに則り著作権侵害の申請をすると、コンテンツが検索結果から削除されたり、画像や動画などが表示されなくなったりするからです。

場合によっては流入数や売上げ(広告メディアなど)に大きな影響を与える可能性もあります。またSNSの場合、アカウント凍結になる可能性もあると考えられます。

Google検索でのDMCAの申請方法

実際に著作権侵害が起こっている場合は、DMCAを申請して対処する必要があります。ここでは、Google検索でDMCAを申請する方法を紹介します。

  • 「著作権侵害の報告: ウェブ検索」へアクセス
  • 氏名などの個人情報を入力する
  • 具体的な対象著作物について記載する
  • 宣誓する
  • 署名する

①「著作権侵害の報告: ウェブ検索」へアクセス

Googleが提供する「著作権侵害の報告: ウェブ検索」のページへアクセスします。このページに必要事項を記載することで、DMCA申請ができます。

冒頭には、著作権侵害に関するGoogleのポリシーや、Lumenと呼ばれるコンテンツの透明性向上が目的の研究プロジェクトと送信内容を共有する可能性があると記載されています。

「著作権侵害の報告: ウェブ検索」へアクセス

②氏名などの個人情報を入力する

次に、氏名や会社名、対象となる著作権者、メールアドレス、国を入力します。

氏名などの個人情報を入力する

:③具体的な対象著作物について記載する

対象著作物の詳細やURL、権利を侵害している著作物のURLを記載します。

具体的な対象著作物について記載する

具体的な対象著作物

④宣誓する

続いて、誓約文をチェックします。

宣誓する

⑤署名する

最後に、日付を選択し署名をすると送信できます。

署名する

X(Twitter)でのDMCAの申請方法

次に、X(Twitter)でDMCAを申請する方法を紹介します。

  • 「知的財産権に関する問題のヘルプ」にアクセス
  • 氏名などの個人情報とアカウント名入力する
  • 具体的な対象著作物の内容とプラットフォームを指定する
  • 著作権を侵害している素材について報告する
  • 宣誓する
  • 署名する

①「知的財産権に関する問題のヘルプ」にアクセス

Xのヘルプセンター内にある「知的財産権に関する問題のヘルプ」へアクセスし、「著作権を侵害している可能性のある行為を報告したい」「私は著作権者です」を選択します。

②氏名などの個人情報とアカウント名入力する

次に、氏名、会社名、役職、メールアドレス、住所を入力します。

③具体的な対象著作物の内容とプラットフォームを指定する

著作権を侵害している素材のプラットフォーム、著作物を選択し、オリジナル作品のURLを記載します。

④著作権を侵害している素材について報告する

著作権を侵害している素材のURLを入力します。

⑤宣誓する

必要なステートメント(宣誓)をチェックします。

⑥署名する

最後に、署名して完了です。

もしも虚偽申告などで悪用されたら?

DMCAによると、プロバイダは情報発信者に対しコンテンツ削除の旨を通知しなければなりません。Googleの場合、「DMCAに基づくGoogle検索からの削除のお知らせ」などという件名でメールが送られてきます。身に覚えがなければ、異議申し立てを行いましょう。

万が一、著作権侵害を行っていた場合は当該コンテンツ自体を速やかに削除、あるいは見直しを行うことが大切です。Googleの検索結果からは削除されますが、著作権を侵害しているコンテンツをWebサイト内に残すことで、訴訟リスクを抱え続けることになるからです。

まとめ

DMCAは米国で制定された著作権に関する法律ですが、日本でもGoogleやYouTube、Xなどのプラットフォームが利用されているため、国内ユーザーも影響を受けることになります。著作権侵害が起こった場合、DMCAは各プラットフォームから申請可能です。しかし簡単に手続きができるため濫用される点が問題視されています。逆SEOに悪用されるリスクもあるため、身に覚えのない著作権侵害の通知が届いた場合は、速やかに異議申し立ての手続きを行いましょう。

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著者PROFILE

ファストマーケティング峯林晃治
ファストマーケティング(峯林晃治)

Webディレクター、SEOコンサルタントを経て、2013年に事業会社に入社。主にBtoB領域のデジタルマーケティングに携わる。特に、リード獲得を目的とした自主調査においては7年間で累計400件以上を企画、獲得したリード数(企業の名刺情報)は述べ6万件を超える。2020年に独立。
シニアコンテンツディレクターとして、株式会社Faber Companyでも鋭意活動中。▶︎Twitter

監修者PROFILE

月岡 克博
月岡 克博(つきおか かつひろ)

SFA導入コンサルからCRMベンダーのセールスに転身し、営業マネージャーに。その後Faber Company営業部長を経て、マーケティングを担うIMC部を設立。現在は執行役員として、営業・マーケティング部の統括やセミナー登壇などの活動をメインに行っている。
■ 講演実績:マーケティングアジェンダ/日経クロストレンドForum 他■Twitter:@tsuuky09

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