MFI(モバイルファーストインデックス)とは、これまでGoogleがPCサイトの内容をもとにインデックスしていたのを、スマホサイトを評価の主軸にしてインデックスすると方針転換した動きのことです。MFI適用後はPCサイトではなくスマホサイトのコンテンツが判定基準になります。モバイルフレンドリーであるかどうかなどで判断されます。
スマホサイト未対応でPCサイトしか無いとどうなるのか。MFIに移行しているかどうかはどう確認するのか?SEO初心者向けに【モバイルファーストインデックス】について分かりやすく解説しました。
モバイルファーストインデックス(MFI)って何?
スズキ:昔はPC向けページの情報を使って検索結果を作っていました。で、モバイルファーストインデックス仕組みにすることによって、今度はスマホ向けページの情報をもとにして検索結果を決めます。
元々は同じように見えるんだけど、PC向けのページとスマホ向けのページを別々に作らなければ行けなかった。一見ユーザーからしてみると、「同じこと書いてあるでしょ?」って思うかもしれないけど、昔は別々だったの。
それで、ここで問題が起きてきます。スマホを使っているのにPC向けページの情報を使って検索結果に出すのってどうですか?
アヤカ:親切ではないですね。
スズキ:おかしいよね?8~9割の人がスマホ上でGoogleを使っているのだから、スマホ向けに作ったページの情報を検索結果に出して欲しいですよね。
アヤカ:PCではなくて、スマホを今後は優先的に検索結果に出すということですか?
スズキ:優先的というより、スマホ向けページしかインデックスしない。だからモバイルファースト。スマホで見ても、PCで見ても、両方できちんと表示されるように今みんなサイトを作っているんです。
スマホ対応の構築方法は何があるの?
スズキ:「レスポンシブウェブデザイン」「ダイナミックサービング(動的な配信)」「別々のURL」という3つのモバイル構造をGoogleは推奨していて、主流派は「レスポンシブウェブデザイン」。
レスポンシブウェブデザインとは、一つのページでスマホでもPCでもタブレットでもきれいに表示される一番推奨されているパターン。だから、ページを一つしか作らなくて構わないわけ。今ほとんどのサイトはレスポンシブウェブデザインになっていると思う。
これとは別に「ダイナミックサービング(動的な配信)」と言って、URLは同じなんだけれども裏側では、スマホ向け・PC向けのページを別々に配信するパターンもある。例えば、Amazonはそう。同じ商品ページ見ててもURLは同じだけど、Amazon側ではデバイスごとに表示させるページを識別しています。
アヤカ:ということは、裏ではURLが二つあるということですか?
スズキ:そう。二つページを作らなきゃいけないから。
アヤカ:でも二つ用意するなんて、面倒じゃないですか?
スズキ:面倒ですよ。でもその分、細かなチューニングができる。デバイスごとに最適化したページを作ることができる。レスポンシブウェブデザインだと、一つで両方を兼用しないといけないから、本当に突き詰める人からすると自由度が効かなくなって嫌う人もいます。
アヤカ:なるほど。
スズキ:「別々のURL」は「ダイナミックサービング(動的な配信)」と同じように、デバイスごとに異なるURLを用意します。で、URLも違います。
ただ、少なくとも新規サイトに関しては、この「別々のURL」は絶対に使わない方が良い。モバイルファーストインデックスですごく苦労することになると思います。検索エンジンからするとすごくわかりづらい。だから、SEO的にもマイナスしかない。なので、選択肢は「レスポンシブウェブデザイン」か「ダイナミックサービング(動的な配信)」の二つ。
で、モバイルファーストインデックスに話を戻すと、スマホに配信したページを元にランキングを決定していきます。それは検索者が使っているのがスマホだろうが、PCだろうがタブレットだろうが関係ないです。
アヤカ:モバイルファーストインデックスをやるとGoogleが発表したのはいつくらいですか?
スズキ:4~5年くらい前ですね。
アヤカ:かなり前なんですね。
スズキ:昨年(2019年7月)からは、新規サイトに関しては最初からモバイルファーストインデックス。もう対応できていようが対応できていなかろうが、面倒くさいからモバイルファーストインデックスで、PC向けページはインデックスしない。
2020年の9月からは、強制的に全てのサイトがモバイルファーストインデックスに移行されます。モバイル対応していないサイトがモバイルファーストインデックスに移行したら、PCから検索しても順位が下がることがあり得ます。いくら自分のサイトが昔ながらのサイトでスマホユーザーが少ないとしても、そういう問題ではない。
アヤカ:モバイル対応していないと、影響的にはかなり大きいですね。
スズキ:まぁ、中途半端にモバイル対応するくらいなら、PC向けページしか作らないと割り切るのもアリです。問題なのはスマホで見たときとPCで見たときに一応スマホ対応はしているんだけどコンテンツが違う。コンテンツの一部を省略していたりとか、PC向けページには画像があるのに、スマホ向けページには画像がないとか。
アヤカ:スマホ対応するなら徹底的に対応した方が良いのですね。
スズキ:同じものを作らなければいけないってこと。これまでは「スマホだから省略しても構わないよね」ってできたけど、それをやってはいけない。Googleが公式ブログやディベロッパーサイトのドキュメントを出しているので、それをチェックして欲しいです。
アヤカ:ビジネスにとってはかなり影響がありますね。
スズキ:なのでGoogleは2年も3年もかけて徐々に移行してきたわけなんです。
MFI移行の確認方法はあるの?
アヤカ:モバイルファーストインデックスを確認する方法はないんですか?
スズキ:3つ方法があって、一つ目の方法は、Google Search Consoleからモバイル対応ができたという通知が来ます。
それとは別に、Google Search Consoleにアクセスするとモバイルファーストインデックスに移行したというポップアップが表示されることがあります。それが出てきたら移行している証拠。
最後の方法は、Google Search ConsoleのカバレッジレポートやURL検査ツールで「メインクローラ:スマートフォン」になっていれば移行している証拠です。もし、まだそこがPCであれば、モバイルファーストインデックスに移行していないです。
ひとつ注意として、スマホ向けのページを作っていたからといって、それがイコールモバイルファーストインデックスとは限らないです。
アヤカ:そうなんですか?
スズキ:スマホ対応とモバイルファーストインデックスは別物なの。名前が似ているからややこしいんだよね。なのでGoogle Search Consoleで確かめた方が確実です。
ミエルカチャンネル
「SEO初心者、Webマーケティング担当者、コンテンツマーケティングに取り組んでいる人、オウンドメディアを運営している人」向けにSEOの具体的な手順や手法の解説、Googleが発信した情報やガイドラインの解説、アルゴリズム変動速報を発信しています。
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著者PROFILE
コンテンツ制作が三度の飯より好きな Faber Company のコンテンツ・エヴァンジェリスト。freeeのオウンドメディア『経営ハッカー 』 元編集長。2005年からブログを始め、会社員の傍らロードバイクメディアを運営中。趣味の自転車を中心に、エンタメ、育児、教育、ガジェット、ディープ過ぎる取材等、さまざまなwebメディアで企画・執筆に携わる。 2013年にITmediaに寄稿した「キモいお父さん」記事がネットをざわつかせ、それがキッカケで書籍出版を果たす。「お父さん キモい」で検索するとSERPsを自分が(ほぼ)独占してしまうのが目下の悩み。