「キーワードの選び方で、まず悩む」というWeb担当者さんはたくさんいます。
SEO(検索エンジン最適化)は、Webサイトの内容をユーザーと検索エンジンに分かりやすく伝えるための手段です。検索されたクエリに対して、最適なページを返すものですから、ユーザーが入力する検索クエリ(キーワード)を考慮せずに語ることはできません。それでは、企業経営の経験も持つ異色のWebコンサルタント・山口が解説します。
目次
- ①キーワードとは何か?
- ②自社のビジネスモデルによって選ぶべきキーワードが違う
- ③検索意図(≒キーワード)には種類がある
- ④カニバリズムは回避する
- ⑤検索エンジンで上位表示するというのは相対的な世界である
- 2.【手順】SEO施策でキーワードを選定する3つのステップ
- ①タイトル(h1)にキーワードを含める
- ②見出し(h2)にキーワードを含める
- ③その他の見出しや本文は自然な文章を意識する
- ④ディスクリプションにキーワードを含める
- 4.【運用】SEOを考えてキーワードの順位をさらに上げるには?
実際のところ、キーワードの選定が適切でなければ、検索上位への表示は難しくなりますし、いくらコンテンツマーケティングに投資をしても収益が上がらない状況に陥ってしまいます。
筆者はキーワード選びをSEO施策においての最重要項目だと考えています。
さらに、企業として取り組むマーケティングのDXやWebマーケティング戦略、ひいては経営戦略そのものと連動させるべきとも考えています。
キーワードを選ぶという行為には自社のマーケティング戦略が集約されていて、企業として市場にどうアプローチしていくのか、全体の流れを考え抜いて選ぶべきものだと考えます。
・・・などと脅してしまいましたが(笑)。
キーワードを選ぶためのポイントはありますので、それらを抑えればSEO初心者でも取り組むことができます!
SEOというと小手先のテクニックの情報が色々世の中に出ていますが、根底に流れる原理・原則や考え方を理解することから入れば、右往左往せず、本質を捉えた判断ができるようになります。
本記事の最後には、キーワード選定に便利な無料・有料のITツールも紹介していきますので、ご覧ください。
【考え方】キーワードを選ぶ前に知っておきたい5つのSEO知識
まずは、キーワードを選ぶ前に知っておきたいSEOの知識や考え方を5つ紹介します。
- ① キーワードとは何か?
- ② 自社のビジネスモデルによって選ぶべきキーワードが違う
- ③ 検索意図(≒キーワード)には種類がある
- ④ カニバリズムは回避する
- ⑤ 検索エンジンで上位表示するというのは相対的な世界である
①キーワードとは何か?
例えば、本記事で狙っているキーワードは〝SEO キーワード〟です。
検索するユーザーの状況を想像すると、キーワードといえば「検索上位を目指すために選ぶもの」と考えている方が多いかもしれないですね。
確かに、SEOにおいては「検索エンジンでの上位表示を意識してキーワードを選定する」のですが、Webマーケティング全体から見ると「検索を全く意識しないでキーワードを選定する」こともあります。
具体的に検索を意識しないキーワード選定というのは、TwitterやFacebookなどのSNSからの流入を意識したり、既に企業が保有している顧客リストに対してメールマガジンの配信を目的としたものです。
これらの媒体においてはキーワード選定というよりテーマ選びに近いと言えるかもしれません。
なぜこのようなことから説明しているかというと、検索上位を意識するかどうかでキーワードに対するアプローチが全く異なるからであり、SEOを理解するために抑えておくべき根本的な考え方があるからです。
SNSやメルマガは、発信者が主体的に伝えたい内容・主張をコンテンツにしていきます。
一方、SEOを意識する場合は、「キーワードを検索しているユーザーの悩みを解決する」というスタンスが重要です。
徹底的にユーザーに寄り添ったコンテンツを作りましょう。
ちなみに、「キーワードを検索しているユーザーの悩み」は「検索意図」(インテント)と呼ばれており、以下の記事で詳しく解説しています。
ここでは検索意図の詳細までは触れず、簡単な例を通してポイントを説明しましょう。
例えば、競合他社の製品も含めて、ユーザーが比較したいと思って検索するキーワードでコンテンツを作ることを考えてみましょう。
例: 〝育毛剤 比較〟
自社の媒体に競合他社の製品名を載せたくないと考える企業は多いですよね。
実際、メルマガでの発信であれば、他社について具体的なことは書かずに、自社製品を中心にしたコンテンツを発信してもユーザーに届けることが可能です。
しかし、SEOを考える場合、競合他社の製品名も含めて比較したコンテンツを書かなければ、結果的に検索上位への表示は難しくなり、ユーザーに届けることもできなくなるでしょう。
SEOを考えて作るコンテンツとは、検索しているユーザーの悩みを解決する記事を書くということであり、自社の言いたいことを一方的に伝える記事ではないのです。
② 自社のビジネスモデルによって選ぶべきキーワードが違う
企業が投資をして検索上位への表示を目指す背景には、自社のビジネスで収益を上げるという営利企業なら当然の目的があります。
しかし、実は自社のビジネスモデルによって選ぶべきキーワードの種類は異なります。
キーワードの選び方という視点から考えると、大きく2種類のビジネスモデルに分かれます。
1つ目のビジネスモデル| Webメディアとして広告収益を上げたい企業
この場合、閲覧数を増加させることで自社の収益が上がります。
そのため、月間検索数(1ヶ月間にどれだけの検索が行われているかを表す数値)が多いキーワードを選ぶことがポイントになってきます。
例: 〝育毛剤〟 月間検索数:66,000
2つ目のビジネスモデル| 自社の商品・サービスを販売する企業
自社の商品・サービスを販売する企業の場合は、キーワード選定をする際に月間検索数に囚われる必要はないです。
筆者がコンサルティングをさせて頂いた数々の企業様では、月間検索数の多いキーワードを選び更新してきたものの問い合わせや購入になかなか結びつかないといったケースが少なくないからです。
メディアとして広告収益を上げるビジネスモデルの場合は、狙ったキーワードが検索上位に表示されて新規で月間1万人が見てくれるようになれば、ビジネスとして良い投資と言えます。
(※1万人が多いか少ないかは状況によりますが、ここでは一例として記載)
一方で、自社サービスの問い合わせが欲しい企業にとっては、見てくれるユーザーが1万人増えたとしても、その中から1名も問い合わせをしてくれなければ投資回収できません。
この場合、キーワード選定のときに意識したいポイントは、自社製品・サービスへの「購買までの距離」です。
極端な話ですが、月間10人しか見てくれなくても、そのうち1人が購入してくれるキーワードを選ぶことが重要です。
例: 〝育毛剤 かゆみ〟 月間検索数:93
例: 〝育毛剤 原材料〟 月間検索数:13
※購買までの距離をどうやって把握してキーワードを選べば良いのか?という点については、後述の【手順】の項目で詳しく解説していきます。
※Google公式資料:マーケターが知るべき4つの瞬間
③ 検索意図(≒キーワード)には種類がある
キーワードを選ぶときは、検索意図(ユーザーが検索した目的)もセットで考えましょう。
検索意図は、4つに分類できるとGoogleは発表しています。
それが以下の、「Doクエリ」「Goクエリ」「Knowクエリ」「Buyクエリ」。
※クエリというのはキーワードと同義です。
検索意図に基づいて、キーワードを4つに分類しています。
キーワード を選ぶ前に、まず検索意図(≒キーワード)の種類を念頭に置きましょう。
検索意図(≒キーワード)の4分類
Doクエリ |
〇〇をやりたい・ |
Twitterアプリをダウンロードしたい |
Twitterダウンロード |
Goクエリ | 〇〇へ行きたい | ラーメン店に行きたい | 渋谷 ラーメン |
Knowクエリ | 〇〇を知りたい | タピオカとは何か知りたい タピオカの原料を知りたい |
タピオカとは |
Buyクエリ | 〇〇を買いたい | 紅茶を買いたい | 紅茶 通販 |
検索クエリの3分類
取引型 | 何らかの行動を起こしたいときに検索 | 渋谷 賃貸 |
情報収集型 | 情報を収集したい時に検索 | 渋谷 天気 |
案内型 | 特定のサイトやサービスなどを探す時に検索 | アマゾン・Google |
これら2つの分類表は、キーワードを考えるヒントになります。
④ カニバリズムは回避する
キーワードを選ぶときに注意しておきたいのが、「カニバリズム」です。
「カニバリズム」という言葉は、直訳すると「共食い」という意味。
SEOにおけるカニバリズムとは、同じ検索意図のコンテンツを複数作って評価を食い合ってしまうことを指します(≒ キーワード カニバリゼーション)。
1つのWebサイト内に似たようなコンテンツが複数あると、検索エンジンが「どのページを評価して良いか分からない」状態になり、検索順位が不安定になると言われています。
例えば、ミエルカジャーナルで〝SEO キーワード〟という検索ニーズに返す記事コンテンツを2つ書いても、上位表示されるのはおそらく1記事のみでしょう。
競合サイトが少ないキーワード の場合、2記事とも表示されたりしますが、基本的には検索結果上に同じWebサイト(≒同じドメイン)のページが複数表示されることはレアケースです。
つまり、似たような記事を複数つくっても無駄骨になる可能性が高いので、要注意ということ。
「1検索意図=1記事」を心がけてキーワード を選んでください。
⑤ 検索エンジンで上位表示するというのは相対的な世界である
検索で上位化するというのは相対的な評価の結果であり、競合がどの程度充実したコンテンツを投稿しているのかによって自社コンテンツの順位も変わってきます。
例えば、ニッチなキーワードを選んでも、実は競合環境が激戦だったり、逆によく検索されるキーワードでも競合数が少なかったり、競合コンテンツの作り込みやSEOに向けた施策が甘いと検索上位を狙いやすかったりします。
まだ、市場が成熟しておらず競合の参入が少ないうちに集中投下をすることで、新規のドメインであっても上位表示できるチャンスは広がります。
例えば大手企業や専門性の高いWebサイトなど、ドメインパワーが強い場合は、後発であっても正面突破をしていくようなキーワード構成で競合を押し除けていくという戦略は取れます。
しかしドメインの評価が弱いサイトであっても、しっかりサイト設計をして、サブとなるキーワードも抑えて、サイト全体でビックワードを取りにいくという攻め方も可能です。
SEOにおけるキーワード選びには、こういった戦略的な要素が隠れているのです。
競合分析についてはこちらの記事でも解説していますのでぜひ参考にしてください。
競合分析やってみた。デジマにおけるやり方、分析項目やフレームワークを実例で解説。
キーワード選定は自社のマーケティング施策やビジネスモデルとの繋がりを考えて行っていくべきものです。
どの領域にどういう優先順位でマーケティング展開をしていくのか、経営戦略と連携して考えていくべき側面も垣間見てきたのではないでしょうか。
それでは次に、具体的にどうやってキーワードを選んでいけば良いのか、3つのステップに分けて解説をしていきます。
【手順】SEO施策でキーワードを選定する3つのステップ
ここからは、 SEOを意識してキーワードを選定する時の3つのステップについて解説していきます。
1. キーワードの候補を洗い出す
キーワードのリストアップには、主に4つのアプローチ方法があります。
- 購買意欲の高い順に落とし込でみる
- 商標・ジャンルワードはサジェストを洗い出す
- お悩み・知識は競合サイトのキーワードを参考にする
- ヒアリングやSNSからキーワード候補を探す
購買意欲の高い順に落とし込でみる
キーワードは、購買意欲の高い順に4つのカテゴリーに分類できます。
自社に関するキーワードを、下のファネル図に照らし合わせて挙げてみましょう。
(例として、筆者もよく愛用する〝スターバックス〟を記載しました)
商標 | 購買意欲がもっとも高い。 すでに自社サービス(商標)を認知しており、興味を持って調べている。 | スターバックス |
ジャンル | 自社や競合なども含めて、商標以外の全体のことを表現するカテゴリーの名称ワード。 | サードウェーブコーヒー |
お悩み | 自分が今抱えている問題をそのまま検索しているもの。 | 電源 wifi 渋谷駅 |
知識 | 購買から一番遠いキーワード。知識として情報を知りたい。 | ネイルドリップとは |
自社の商標ワードでも、上位に自社サイトはなく、広告サイトや代理店、競合コンテンツが上位に来ていることがあります。
例えば、以前に筆者が見た例では〝○○(自社ブランド名) コンビニ〟といったキーワードで、他社がそのキーワードで1位を獲得し、最終的には競合の製品の購入を案内していました。
自社のブランド名を認識しており、「どのコンビニで買えるのかな?」と調べている購買意欲の高いユーザーに対して無策だった故に、知らないうちに競合のブランドへと誘導されていたのです。
このように購入意欲の高いユーザーが含まれていそうなキーワードなのに、自社サイトの記事が上位表示できていない場合は、有力なキーワード候補だと言えるでしょう。
商標・ジャンルワードはサジェストワードを洗い出す
商標部分に該当するキーワードとジャンル部分のワードは、サジェストワードを洗い出すことから始めます。
商標ワードもジャンルワードも軸となるキーワードの数は限定的ですので、その軸となるキーワードのサジェストを網羅的に把握して、アプローチを考えます。
※サジェストワードというのは、Googleの検索窓にキーワード入力したときに、候補ワードとして出てくるキーワードです。軸となるキーワードの2語、3語ワードにどういうキーワードがあるのかを調べます。
サジェストワードはツールを使うと一覧で把握できます。
例えば無料で使える「UberSugget」や、月間検索数と一緒に提示してくれる「ミエルカ(MIERUCA)」が便利です。
※ツールについては後述の「キーワード選定に便利なツール5選 」でくわしく解説します。
お悩み・知識ワードは競合サイトのキーワードを参考にする
次に、お悩み・知識に該当するキーワードを探していきます。
こちらは、購買意欲から離れるほど広げてはいけますので、キーワード候補はたくさんあります。
自社の営業活動などから思い当たるキーワードがあればそれも候補ですし、競合サイトを実際に訪問してどういったキーワードをタイトルに盛り込んでいるのか、見るだけでもヒントになります。
しかし、それでは「イメージが湧かない」「早く調べたい」という方は、競合他社のWebサイトに流入しているキーワードを「ミエルカ(MIERUCA)」などのツールで分析するのも有効です。
「無料で調べたい」という方も、3日間だけであれば「ミエルカ(MIERUCA)」を無料体験できるので、その期間に調査すると良いと思います。
ヒアリングやSNSからキーワード候補を探す
ニッチなBtoBプロダクトの場合など、競合サイトからキーワードを取得するだけでは、すぐに候補がなくなってしまう場合があります。
その場合は、以下も試してみてください。
- 自社商品のユーザーへヒアリング
- 社内の営業担当者へのヒアリング
- TwitterなどのSNSやYahoo!知恵袋などのQAサイトを参考にする
- Google広告のキーワードプランナーで調査する
(Google広告を掲載していない場合、一部機能しか使用できないので注意)
こうした方法から、キーワードを洗い出したら次は絞り込む作業に進みます。
2.キーワードを絞り込む
ここでは消去法を使います。以下の2つの方法から、「候補から外すキーワード」を決めます。
- 自社の現在の検索順位を確認してカニバリズムを外す
- 月間検索数ゼロは外す
自社の現在の検索順位を確認してカニバリズムを外す
まずは、すでにあるコンテンツごとに、現在どんなキーワードで検索順位は何位なのか確認しましょう。
意識していなかったけど、候補に出したキーワードの中ですでに検索上位なものがあるかもしれないからです。
目安として、20位より上にある場合は新規で作るキーワード候補から外します。
なぜなら、同じ検索意図のコンテンツを増やしては、「カニバリズム」になってしまう可能性があるからです。カニバリズムが起こると、評価が分散して記事が上位表示しにくくなる傾向があるので注意してください。
月間検索数ゼロは外す
月間検索数の多さ(検索ボリューム)は重要ではありません。検索数が月間10しかなくても、毎月1名が買ってくれるなら獲得すべきキーワードです。
しかし、誰も検索していないキーワードを狙っては意味がないので、検索ボリュームがゼロのキーワードは除外します。
3.SEO施策の対象にするキーワードを決定する
次に、絞り込んだキーワードから、 キーワードを決定する3つの方法を紹介します。
- 購買意欲の高いキーワードを優先する
- 同じ購買意欲のレベルであれば月間検索数も参考にする
- 競合サイトを確認して判断する
購買意欲の高いキーワードを優先する
キーワードは、購買意欲の高さにより「商標>ジャンル>お悩み>知識」の順に並べられます。上から順に施策の可能性を模索しましょう。
自社を認知してくれているけれど未購入という方がいそうなキーワードは、優先して取り組みたいですね。
また、ジャンルワードも上位表示できれば、ユーザーの検討テーブルに上げることができます。
ただし、ジャンルワードが激戦の場合や立ち上げたばかりのサイトの場合など、自社の状況によっては、難易度が低いワードから始めることもあります。
反対に、コンテンツ数と被リンクが既に多いWebサイトでれば、競合が多くともジャンルワードを狙っても良いでしょう。
同じ購買意欲のレベルであれば月間検索数も参考にする
同じ検索意図のキーワードであれば、決定の際にキーワードの月間検索数参考を見ても良いでしょう。「◯◯ メリット」が月間検索数100回、「◯◯ 利点」が月間検索数20回であれば、検索回数の多い「◯◯ メリット」の方を選ぶということです。
競合サイトを確認して判断する
キーワード候補は実際に検索して、競合サイトをチェックしてから決めましょう。
検索順位は、競合サイトとの相対的な評価で決定されますので、競合の状況によって同じコンテンツの作り込み方で上位表示できるものもあれば、できないものもあります。
競合サイトのチェックポイントは、下記を参考にしてください。
- コンテンツの作り込み
- 画像などの作図レベル
- ドメインパワー
- 内部/外部リンクの状況
競合サイトが、とても作り込んだコンテンツを出しているなら、自社はそれ以上にユーザビリティの高いコンテンツを作る必要があります。
以上が、SEOを考えたときのキーワード選定の手順です。
次は、そのキーワードを軸にしたコンテンツ制作時のポイントを簡単にお伝えしましょう。
【制作ポイント】SEOでキーワードを意識したコンテンツの作り方
ここからは、実際にSEOを考えて記事を作る際にキーワードをどのように設定したらよいか、筆者のコンテンツ制作ポイントを4つ解説します。
① タイトル(h1)にキーワードを含める
タイトル(h1)はHTMLにおける見出しタグの1つ。「大見出し」を意味し、多くのWebサイトでは記事が表示されたときの記事タイトルとして設定されています。
「このサイトにはどんな情報が書いてあるのか」、ユーザーにわかりやすく伝えるためにも、タイトルには必ずキーワードを含めましょう。
検索結果に表示された時に、クリックするユーザーが多いほど流入も増えます。
② 見出し(h2)にキーワードを含める
筆者は、見出し(h2)にもキーワードを含めます。
h1同様、ユーザーにとってもわかりやすい、記事の内容が簡潔にわかるような見出しにすることが重要だと考えています。
③ その他の見出しや本文は自然な文章を意識する
h3以降の見出しにも意識的にキーワードを盛り込んでいる記事も時々ありますが、不自然にキーワードが多すぎると読みにくくなると思います。
あくまで人が読んだときに自然な文章、読みやすい文章を意識すべきであり、上位表示されているコンテンツを参考に、適切な数の見出しを設定しましょう。
④ ディスクリプションにキーワードを含める
ディスクリプションは、メタディスクリプション(meta description)ともいい、検索結果のタイトルの下に表示される文章を指します。
「このページにはこういう内容が書いてあります」といった概要が表示されるため、ユーザーが内容をイメージしやすいようにキーワードを含んでおきます。
前後の文脈もしっかり記述すれば、クリック率の向上にもつながります。
以上の点を意識して、しっかりユーザーに寄り添った内容のコンテンツを作ればSEOにも好影響でしょう。
ココからは、さらに「安定して上位表示させたい」方のために運用面のノウハウを伝えます。
【運用】SEOを考えてキーワードの順位をさらに上げるには?
すでに施策をされてきたWeb担当者がさらに順位を上げるための、いわば上級編的な施策について、3つピックアップします。
①ビックワードはサイト設計から入って攻略する
月間検索数の多いビッグワードは、競合サイトがひしめき、上位表示の難易度は高いです。
多く企業のWebマーケティングを支援してきた筆者の経験では、激戦区で戦うためにはサイト設計から見直す必要性があることも多いです。
メインで狙いたいビックワードを決めたら、サジェストワードや周辺の検索意図も把握して、サイト全体でビックワードを中心とする周辺の検索意図まで網羅できるようなサイトの設計を心がけます。
※ただ、超有名企業のドメインでビックキーワードを意識したコンテンツを作ったところ、短期間で検索1位になったという経験もあるので、必ずしも全てのWebサイトに当てはまることではありません。
② 競合の激しいキーワードはリンクの使い方を工夫する
SEOでは、内部リンクと被リンク(外部リンク)を意識した対策も欠かせません。
筆者の感覚ですが、一定以上の競争があるキーワードでは、トップ3争いはリンクの使い方が焦点になることも多いと感じます。
特に新規サイトの場合は自然なリンクを獲得するため、他のWebサイトから紹介してもらえるような取り組みを行いましょう。
例えば以下のようなケースだと紹介(被リンク)をもらえることがあります。
- 各SNSで話題になる
- インタビュー記事を掲載して、インタビュー元から紹介される
- 信頼関係にあるパートナーから紹介される
一方で、順位操作を目的とした人工的な被リンク構築やお金を払ってリンクをもらうペイドリンクは、Googleによるペナルティを受けてしまう可能性があるため、取り組まないでください。
※自社のリンク状況は、Googleサーチコンソールを使って確認できます。
③ キーワードを定期的に見直してブラッシュアップする
SEOのための施策は、一度したら終わりではありません。
「キーワードがユーザーのニーズと合致しているか」「期待したユーザーに届いているか」を定期的に見直して、検索順位や成果を見ながらブラッシュアップしなければなりません。
Googleの意向や技術進歩により、年に数回、コアアップデートと呼ばれる検索アルゴリズムの大型改修があり、順位変動もおきます。
アップデートに一喜一憂することなく、キーワードを定期的に見直して、ユーザーニーズを汲み取ったコンテンツを提供し続けられるようにメンテナンスしましょう。
【ツール】SEOを意識したキーワード選定に便利なツール5選(有料・無料)
最後に、SEOに向けたキーワード選定で使えるツールをご紹介します。 私も実際に使っているツールなので、具体的な利用シーンも添えて解説をしていきます。
候補確認 |
確認 |
確認 |
状況確認 |
|
---|---|---|---|---|
Google 広告の キーワードプランナー |
〇 | △ | ◯ | ✖️ |
Google Search Console |
△ | ✖️ | ✖️ | ◯ |
ahrefs | ◯ | △ | ◯ | ◯ |
Ubersuggest | △ | ◯ | △ | ✖️ |
ミエルカ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
- ◯…機能が搭載されていて使いやすい
- △…機能はあるが、使い勝手や精度の理由から積極的には使わない
- ×…機能がない
Google広告キーワードプランナー(一部無料)
<利用シーン>
- キーワードの候補をピックアップする
- 検索ボリュームを調べる
「キーワードプランナー」にキーワードを入力すると、入力したもの以外のキーワード候補も提案してくれます。
また、月間検索数も表示してくれます(※ただし、正確な月間検索数は有料で広告出稿している方しか見られません)。
Google Search Console(無料)
<利用シーン>
- 自社に流入しているキーワードを調べる
「Google Search Console(グーグル サーチコンソール)」では、自社サイトがどういったキーワードで平均何位になっているのか、CTR(平均クリック率)も合わせて確認しています。
ターゲットとしているキーワードが意図しないページで引っかかっていないか、カニバリズムを起こしていないかなど、Webサイトの状況を把握して施策を行う基礎情報を確認できます。
ahrefs(有料)
<利用シーン>
- キーワードの候補をピックアップする
「ahrefs」はプロのマーケターの多くが利用している有料の競合分析ツールです。
競合がどんなキーワードで検索上位化しているのか、一覧でリストを取得することができ、筆者も重宝しています。
キーワードの候補をピックアップする際には、競合が獲得しているキーワードをチェックして、自社でも獲得すべきものがないか検討する材料にします。
▶︎ ahrefs
Ubersuggest(無料)
<利用シーン>
- サジェストワードを調べる
サジェストを探す無料ツールとしては 「Ubersuggest 」で調べることができます。
「まず無料でチェックしたい」という方には十分でしょう。
しかし、私は以下の点が気になるので積極的には使っていません。
- 一定以上の利用には自分のサーチコンソールを接続しないといけない
- サジェストの結果表示スピードが遅い
- 表示される検索ボリュームの正確性が低い
無料で利用できるものの、サジェストワードは一部のみしか表示されず、すべての結果を表示するためには、自分のGoogleアカウントのサーチコンソールとの接続が必要になります。自分のデータを提供する代わりに、全体のデータを見ることができるということです。
これからWebサイトを立ち上げる場合など、自社のサーチコンソールのデータ提供が気にならないという個人の方はこれでも良いかもしれません。
しかし、一定以上の企業になると自社のコアデータとなるサーチコンソールの情報を連携することに抵抗があるのではないでしょうか。
また、キーワードを入力してからサジェストワードが提示されるまでの待ち時間が長いです。
サクサク作業を進めていきたい時には「Ubersuggest 」で、つまずいてしまうこともあるでしょう。
(さらに、筆者の個人的な所感としては、表示される月間検索数の正確性が低いという懸念も感じます)
▶︎ Ubersuggest
ミエルカ(有料)※3日間無料
<利用シーン>
- キーワードの候補をピックアップする
- コンバージョンに繋がりやすいキーワードを見つける
- サジェストワードを調べる
- 月間検索数を調べる
- 競合サイトの流入キーワードを見る
- 検索意図を自動でグルーピングする
ミエルカは有料ツールですが、SEOやコンテンツマーケティングに必要な機能が網羅されていて、各機能の精度も高くて実用的です。
筆者が特に有用だと感じる機能は、「CVにつながるキーワード予測機能」です。
過去にCVが発生したキーワードを軸に、他のキーワード候補を提案してくれます。
また、ミエルカは「 サジェスト抽出(月間検索数)」という機能で、サジェストワードの抽出も可能です。
ミエルカの良いところは、各サジェストキーワードを月間検索数付きでまとめて洗い出せるところです。
また、ミエルカは「 サジェスト抽出(月間検索数)」という機能で、サジェストワードの抽出も可能です。
ミエルカの良いところは、各サジェストキーワードを月間検索数付きでまとめて洗い出せるところです。
筆者の場合、サジェストワードの中で同じ検索意図のキーワードを集めたら、ボリュームが多いものを優先的に主軸キーワードとしてピックアップします。
そのため、サジェスト+月間検索数が一度に取得できるミエルカはよく利用しています。
【QA】SEOのキーワード選定でよく聞かれること
最後に、SEOを前提としたキーワードについて、コンサルティングの現場で筆者がよく聞かれる質問を一挙解説します。
筆者としては、Googleの検索エンジンをhackして上位化させようとする考え方自体を捨てて、いかにユーザーの悩みを解決できる、ユーザーに寄り添った文章にできるかが大事だと考えます。
大きな方向性として、Googleの検索エンジンには「BERT」と呼ばれるAIエンジンが入り、例えばピンポイントでキーワードが入っていなくても、文意を理解してユーザーにとって必要なページが上位化できる方向への改善が続いています。
そういった前提のもと、クライアント様からよくいただく8つ質問に対して以下のように回答しています。
Q.1|設定すべきキーワードの個数は?何個まで設定できる?
厳密に言うと、「1つの検索意図に対して1コンテンツつくる」というのが正確な回答です。
初心者の方は、一旦、キーワードは1ページに対して1キーワードと考えても良いでしょう。
1つのコンテンツに検索意図の違うキーワードを複数入れると、何の記事なのか分かりにくくなるし、上位表示も難しくなります。
対策したいキーワード(≒検索意図)が複数あるなら、新しいページを増やしてコンテンツを作成しましょう。
Q.2|キーワードの最適な使用回数や比率は?
「記事内で使用するキーワードの回数や頻度は何%ぐらいがいいの?」といった質問をされることがあります。
使用回数や頻度は気にせず、ユーザーにとって価値のある内容を書くのが良いでしょう。
Q.3|キーワードの詰め込み・多すぎはNG?
大昔はキーワードを多く含めると上位表示されやすいという都市伝説もありました。
しかし、昨今そのような手法はGoogle からペナルティを受ける可能性すらあるでしょう。
無理にキーワードを詰め込んだりせず、ユーザーの検索意図を捉えて有益なコンテンツを作ってください。
Q.4|注意すべきキーワードの重複とは?
同じキーワード(≒検索意図)を狙ったコンテンツが、1つのドメインで複数ある状態は避けたほうが無難です。
カニバリズムが起きやすくなるからです。
せっかく複数作っても、1つのコンテンツしか上位表示されないのは、もったいないですよね。
Q.5|メタキーワード(meta keywords)は記述すべき?
メタタグのkeywordsは記述しなくても構いません。
大昔は、検索エンジンのコンテンツ理解を手助けする意味で記述していました。
しかし、2009年にGoogleが公式に「keywordsを検索ランキングに加味していない」と発表していますので、気にする必要はないと言えます。
参考:Google does not use the keywords meta tag in web ranking
Q.6|大文字・小文字どちらのキーワードを選ぶべき?
大文字じゃないとダメ、小文字じゃないとダメ、と言ったことはありません。一般的に使う書き方で記述(キーワード 選定)すれば良いです。
Googleのヘルプセンター内にある「Googleでの検索のコツ」には、下記のような記述があります。
〝大文字小文字の区別:「New York Times」と「new york times」では、検索結果は同じです。〟
Q.7|単語の並び順はSEOに影響するの?
例えば、〝SEO キーワード〟と〝キーワード SEO〟のどっちに照準を合わせてコンテンツを作れば良いか?という質問も多いです。
複合キーワードの場合、検索意図は同じになる場合もあれば、意味が異なってくる場合もあります。
検索意図が同じであれば気にしなくて良いですし、検索意図が違えば検索結果に関係すると言えます。
ただ、多くの場合は検索意図が同じであることが多いと思います。
組み合わせでどちらを選ぶのが良いか判断ができな場合は、月間検索数の多い方を選ぶのが安心でしょう。
Q.8|SEOに効果的なhtmlの書き方はある?
検索エンジンは、htmlで記述されたコードを解読してページの内容を理解します。
そのため、検索エンジンがコンテンツを適切に評価するために、正しいhtmlでコーディングすることは大切です。
例えば、下記には注意した方が良いでしょう。
- h1~h4が論理的な構造になっている
- クローラーが巡回やすいように、パンくずなどのリンク構造を整理する
- 箇条書きやリスト形式の項目などに対してリストタグでマークアップする
- 画像タグのalt属性にもキーワードを入れる
無駄なコードを増やさずに、論理的でスッキリとしたコーディングを心がけましょう。
まとめ
SEOを前提としたキーワードの選定やツールについて、プロも実践している方法をご紹介しました。
手順を追ってポイントを押さえていけば、自社に適切なキーワードが選定できます。
安定的に上位表示させ、Webサイトの信頼性を保つためにも、繰り返しキーワードを見直して自社のコンテンツを継続的にメンテナンスしましょう。
この記事が、自社のSEO・キーワード選定の助けになれば幸いに存じます。
また、プロの力を借りたい場合は、お気軽にご相談くださいね。