「構造化データ」の基本的な知識やテストツール、タグの種類や記述方法、SEO上のメリット&デメリット等をくわしく解説します。そもそも構造化データとは「HTMLで書いた情報を検索エンジンに理解しやすいようにタグづけしたもの」です。以前の検索エンジンはHTMLの文字列を「単なる記号」としか認識できなかったのが、たとえば「ファベルカンパニー」は社名、所在地は「赤坂」、電話番号は……等と検索エンジンに理解させることが可能に。構造化データは「セマンティックWeb」という考え方がベースにあります。
そもそも構造化データってなに?
スズキ:まず、「ワンピース」ってなんですか?
アヤカ:漫画と服、、、?
スズキ:ですよね。ワンピースっていう言葉だけテキストで書かれていたら僕たち人間は前後関係や文脈、 画像があれば漫画のワンピースなのか、服のワンピースなのか分かりますよね。でも検索エンジン、幅広く言えばコンピュータに とってはただの文字でしかないんですよ。
アヤカ:区別できないということですね。
スズキ:コンピュータにとっては「ワンピース」は一つの情報でしかなく、服なのか漫画なのか区別できないんです。これを明確にする追加の情報、コンピュータに意味を 持たせるものが構造化データです。
例えば、「ワンピース 5,000」と 書いてあったとします。
私達は5,000円という値段だと分かりますが、 コンピュータにとっては数字でしかないんです。そのままだと値段なのか長さなのか 巻数なのか分かりませんよね。そこでこの5,000は金額である、あるいは長さであるという情報の「意味」を検索エンジンに明確に伝えようという考え方が構造化データです。
構造化データを使うメリットとデメリット
アヤカ:構造化データを使うメリットってなんですか?
スズキ:Google検索における一番のメリットは、リッチリザルトという特殊な検索結果を出すことができます。
星マークとかレビューが付いた 検索結果を見たことありますよね?あるいは、求人の検索結果も出てくる。
例えば「カルボナーラ レシピ」で調べたら、カルボナーラの画像と共に下の方にカロリーとか 調理時間とかがでて来ますよね。これがレビューですよ、これが評価ですよ なんてことを提示できるから。それを取得してGoogleは 独自の検索結果として表示してくれます。
アヤカ:なら、デメリットはあるんですか?
スズキ:一つは勉強しなきゃいけないことです。正直言って簡単ではありません。 慣れるまでは抵抗があるかもしれません。でもやっぱりしっかりしようと思ったら 学んだ方がいいです。
構造化タグの種類
アヤカ:構造化タグってどのような種類があるんですか?
スズキ:今僕たちが基本的にSEOで使うのは「schema.org」で、そこでボキャブラリーとか定義されています。例えば値段だったらprice、身長だったらheightを 使ってくださいといったように自動車の販売だったらカーディーラーというのを 使ってくださいホテルだったらホテルを…。この物に関してはこの言葉を使ってください、 と決められています。
人間はpersonというタイプを持って定義しています。鈴木謙一であれば名前、nameそして 生年月日birthDateと定義付けします。その他にも両親の情報、配偶者や出身地、 出身大学を定義することも可能で、その出身大学の住所や電話番号まで定義でき、階層構造を作ることができます。なのでこのように、やろうと思えば いくらでもできます。 必要なものだけをやれば良いのですが、構造化データでもって色んな情報をマークアップすればするほど、検索エンジンにとって この人は何であるということが分かるわけです。
アヤカ:構造化データってどうやって書くんですか?
スズキ:構造化データは検索エンジンだけのためのデータです。なのでブラウザには表示されません。基本的にボキャブラリーとして 先程のSchema.orgを使います。他にも種類はありますが 今はこれだけ覚えておけば問題ないです。言葉を実際に書く工程については これも色々種類があります。
アヤカ:色んな種類があるんですね!
構造化データの書き方(マークアップ)・テストツールについて
スズキ:1つがJSON-LD、2つ目がMicrodata、3つ目がRDFa、 この3種類の書き方があるんです。
アヤカ:全部別々の書き方なんですか?
スズキ:ドイツ語、フランス語、英語のように言葉は同じだけど文法は違う、そのようなイメージです。そして、JSON-LDが主流ですし、これから始めるなら JSON-LDを覚えてください。JSON-LDって決まった書き方があって、言葉では 説明できないんですが、決まった書き方があります。それをHTMLのどこでも結構なので挿入してもらえば それを検索エンジンが読み取ってリッチリザルトにも利用してくれるし、利用してくれなくても情報として検索のために役立ててくれます。 今それぞれ文法があると言いましたよね。これが間違っているとGoogleから 認識されないんですよ。
アヤカ:自動的に修正してくれたりなんかはしないんですか?
スズキ:してはくれないです。なので、これもGoogleが正しく認識できているかツールを使って検証してから最終的に公開してください。
このツールの名前が リッチリザルトテストツールと言います。実際のGoogleインデックスと同じ仕組み(パイプラインと呼ぶ)を使っているので正確にチェックしてくれます。しかしこれはあくまでも構造化データを技術的に ミスがないかチェックしてくれるだけですので。実際にGoogleが どう認識するかまでは確認できません。
動画出演者PROFILE
株式会社 Faber Company 取締役 Search Advocate(サーチ・アドボケイト)。「海外SEO情報ブログ」の運営者。正しいSEOをウェブ担当者に習得してもらうことをミッションに掲げている。検索関連のカンファレンス/イベントの取材やセミナーでの講師が Faber Company での主な役割。最近では、海外カンファレンスでの登壇も経験している。海外SEO情報ブログは、日本では、最も有名な SEO をテーマにしたブログの1つ。Google 公式ヘルプコミュニティのプロダクトエキスパートとして認定を受けており、Google 社員とのつながりも深い。